それから一ヶ月後、とある場所
???「おい、ここ最近お前達の所から養分が来てないぞ。一体どうなっている」
???「すみません。少してこずってまして」
???「なにをてこずっている。装置に養分が溜まっているのはわかっているんだぞ。あとはここへ送るだけだろう」
???「..........」
???「ふん、口数の少ないやつだ。わざわざデルカダールに潜入できたんだぞ。そこからしっかり集めれば私の力が集まるのも早くなる。人間を早く集めるのだ」
???「........は!」
デルカダール城
朝食時
マヤ「まずい、まずい!少し寝過ぎちゃった!朝ごはん少しだけになっちゃう!ごめんね!」
マヤが焦りながら入ってきた
グレイグ「それなら少しでも持つようにパンやお肉を食べていくんだ。お腹に残りやすいからお昼まで持つはずだ」
マヤ「うん!ありがとう!」
マルティナ「忘れ物しないでね。お弁当もあるから」
マヤ「それは持ったよ。流石に忘れられないからね」
デルカダール王「気持ちはわかるがそう焦らなくてもいい。食べる時はもっと落ち着いて食べた方がよいぞ」
マヤ「あ....そうだったね。ごめん、忘れてた。うん。少し落ち着こう」
その後、大広間
グリー「マヤさん、ラースさん、おはようございます」
マヤ「グリーさん、おはよう。いつもありがとう。じゃあ行こうか」
ラース「おはよう。なあ、グリー」
グリー「ん?僕に何か用事ですか?ラースさん」
ラース「........いや、なんでもない。今日もマヤをよろしく頼んだぞ」
ラースは少し固まった後、何事も無かったように送り出した
グリー「??はい、任せてください」
ラース「........」
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数日前
バン「あの、師匠。少し気になった事がありまして」
ラース「ん?俺に相談なんて珍しいな。どうした?」
バン「最近、街の人達が噂してるんですけど神隠しって知ってますか?」
ラース「神隠し?確か、突然人がいなくなるってやつだったか?だが、あれは迷信だろ。それがどうした?」
バン「実はここ最近、街の人達が突然消えていってるらしいんです。時間帯は夕方と夜中の二つ。メグの所によく来ていた常連さんもいなくなったみたいなんです」
ラース「そんな事が......。だが、どうして俺に相談しているんだ?」
バン「言いづらいんですけど、俺達で少し調べた結果、いなくなった人の大半がマヤちゃんが働いているあの酒場に行った後、姿を見なくなってるみたいなんです」
ラース「何だって!!?」
バン「それで、これ以上被害が出るのも困るので調査が必要かと思いまして」
ラース「そうか........」
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ラース「(グリー、お前この事を知っているのか?)」
ラースはグリーの背中を疑うように見ていた
その後、玉座の間
マルティナ「ええ!?それ本当なの、ラース?」
ラース「ああ、バンが言っていたんだ。こんな嘘、あいつがつけるわけない」
グレイグ「だとしたらマヤが危ない。なぜ仕事に行かせたのだ」
ラース「.......マヤはまだ何も知らなくていい。俺は、もしかしたらグリーが怪しいのではと考えている」
マルティナ「グリーが?あんな優しそうな人がそんな事できるかしら?」
グレイグ「それにはっきりいって強そうには見えない普通の一般人だ。そんな何人もどうやって姿を消させているというのだ」
ラース「それはわからない。だが、少なくとも調査は必要だと判断した。マルティナ、夜俺に時間をくれ。今夜、あの酒場に行って調べてくる」
マルティナ「わかったわ。ただ、調べるだけよ。あまり不審がられない程度でお願いね」
ラース「ああ、わかった」
グレイグ「カミュにも連絡を入れたほうがいいと思うぞ。マヤが危ないのでな」
ラース「そうだな」
しばらくして
カミュ「マジか!?それ本当なのかよ、兄貴!」
ラース「ああ。だから俺とバンが夜、あの酒場に調査に行って調べてくる」
カミュ「なら、俺も行くぜ。数人で騒いでいるフリをしよう」
ラース「そうだな。カミュがいてくれると助かる」
カミュ「神隠しだかなんだか知らねえが、人の妹を狙うようなやつは許さねえぞ」
夕方過ぎ、玉座の間
グリーとマヤが帰ってきた
グリー「すみませーん」
マヤ「ただいまー!」
バン「あ、マヤちゃん、グリーさん。お疲れ様。今日はどうだった?」
バンはわかっていたように話しかけた
マヤ「え?バンさんどうしたの?急に。特に何もなかったかな。いつも通りだったよ」
グリー「そうだね。あ、マヤさんが今日料理が少しできるようになった事くらいですかね」
マヤ「あれは本当少しじゃん。そんな報告するような事じゃないよ」
バン「そっか。よかったじゃん、マヤちゃん。俺、料理なんてからっきしだからな」
グリー「ああ、そういえば」
バン「ん?」
グリー「こんな事言うのも変なんですけど、最近店長とマドリーさん.....あ、もう一人の店員さんの様子がおかしいような気がするんですよね。何かそわそわしてるような」
マヤ「え?そうなの?私にはいつも通りに見えたよ?」
グリー「あれ?そう?じゃあ気のせいかな?すみません、バンさん」
バン「.......いや、大丈夫だ。教えてくれてありがとな」
グリー「いえいえ、それでは。マヤさん、また明日」
マヤ「うん。じゃあね!」
その夜、酒場前
ラース「店長と女の店員がおかしい....ねえ」
カミュ「何かヒントになりそうだな」
バン「お二人はマヤちゃんになんて言ってきたんですか?」
二人「酒飲みにいく」
バン「あ、凄く簡単だし疑いもないやつですね」
カミュ「間違ってないしな。向かう場所は酒場なんだからよ」
ラース「夜はグリーとマヤの分が違う人なんだったな。となると、グリーは怪しくはないかもな」
バン「まあ、まず入ってみましょうか」
カラン
女性「いらっしゃいませ、三名様ですね。テーブル席へどうぞー」
ラース「テーブルなら自由か。なら、あそこにしよう」
ラース達は隅にあるテーブル席に座った
バン「先輩!今日は騒ぎますよー!」
ラース「おー!」
カミュ「お、おー(こいつら、隠すために呼び方とかを多少変えたとはいえ普段とそう変わらねえじゃねえか)」
二時間後
カミュ「悪いな、少しトイレだ」
ラース「おう」
カミュ「(さて、調べますか)おっと、酔いすぎたか。少しフラフラする。トイレはここか?」コンコン
マドリー「すみません、お客様。そちらは従業員の着替え部屋となっております。お手洗いはあちらの方になります」
カミュ「おう、そうだったか。すまねえな(着替え部屋?その割には中に広い空間を感じたがな)」
ラース「カミュは流石だよな。酔ったフリなんて俺できねえぞ」
バン「ですよね。顔も少し赤くするなんてそんな器用な事できませんよ」
ラース「なあ、バン。気づいたか?厨房の方にいるのが店長なんだろうが、そいつから少しだけ怪しい魔力を感じるぞ」
バン「うう、俺、魔法使えないからよくわからないです。ただ、ここより下の方に人の気配を感じます」
ラース「そうだよな。この店、最初は全く警戒してなかったが、少しどころかかなり怪しいぞ」
その後、デルカダール城 大広間
マルティナ「そう。怪しい部屋に店長や店員の異変。それなら兵士達を少し出してみましょうか」
グレイグ「しかし、マヤに害はあったのだろうか?一月ほどそこにいただろう?」
カミュ「そこはわからねえ。俺達としてはない事を願うばかりだな」
バン「兵士達を出すのはいつにしますか?」
ラース「マヤには知られたくない。あの店や店員達を気に入ってるからな。だから、マヤが今度休みとなる来週にしよう。その休みの日にバン達がいってあの部屋を見てきてくれ」
バン「わかりました」
マルティナ「少し間隔が開くわね。その間、何もないといいのだけど」
バン「俺達の間で警戒させておくように言っておきます。何かあればすぐに動けるようにしておきますね」
グレイグ「それがいいだろう。あとは、なるべくマヤに悟られないようにしなければな」