数日後、デルカダール城 朝食時
デルカダール王「マルティナ、今日と明日はわしがお主の代わりになろう。ゆっくりしているといい」
マルティナ「え?ど、どうされたのですか?お父様」
グレイグ「そうですぞ、王よ。いきなり何を言い出すのです」
デルカダール「実は、今日と明日は城に久しぶりにサマディー王が来てくれるそうなのじゃ。わしも久しぶりの友人と会うので年柄にもなくわくわくしているんじゃ。だから、サマディー王がいる二日間はわしが玉座にいてもよいかの?」
マルティナ「ですが......」
ラース「王よ、ご自身のお部屋では.......。サマディー王に失礼ですかね?」
デルカダール王「わしもそれを考えたのだ。友人だけならそれでもよいのだが、相手は一国の王でもある。それはいくらなんでも失礼であるとわしも思ってな」
マルティナ「わかりました。お言葉に甘えさせてもらいますね。ありがとうございます、お父様」
グレイグ「姫様も久しぶりの休日になります。ラースとどこかお出かけになってもいいのでは?」
マルティナ「そうね。ラース、いいかしら?」
ラース「いいねえ、そうだなぁ......」
デルカダール王「すまぬが、ラースはここに残ってくれ。サマディー王からお主とも話がしたいと言っておるんじゃ。王子も会いたがっておるそうじゃ」
ラース「え.....」
マルティナ「それなら仕方ないわね。ラース、頑張ってね」
ラース「う......。マジかよ......。折角久しぶりにマルティナと軽くでもどこかに行けると思ってたのに」
デルカダール王「すまぬのう。グレイグ、お主の代わりはラースに務めさせる。お主もマルティナ同様休んでいてくれ。お主も休日は多くないであろう?」
グレイグ「わ、私もですか?私は休日など別に構わないのですが」
デルカダール王「なあに、遠慮するでない。お主も普段からよく働いてくれておる。たまには自分を休ませるのも大切じゃ」
グレイグ「.......ありがとうございます、王よ」
その後、マルティナとラースの部屋
グレイグ「突然ですと何をしたらいいのかわからなくなりますな」
マルティナ「本当ね。どうしようかしら......」
コンコン
シルビア「マルティナちゃん、いるかしら?アタシ、シルビアよ」
マルティナ「あら、シルビア。どうぞ」
ガチャ
シルビア「マルティナちゃん、お久しぶり〜。って、グレイグもいたのね。久しぶりね〜。あら?ラースちゃんはいないのかしら?」
グレイグ「ゴリアテ。実はだな」
グレイグはシルビアに事情を説明した
シルビア「へぇ〜、王様ちゃん優しいじゃない。ラースちゃんは残念だけどね。まあ、それなら丁度よかったわ。マルティナちゃんを誘おうと思ってたの。グレイグもどうせなら一緒に行きましょう」
マルティナ「私を?どこに行くのかしら?」
シルビア「アタシ、これからユグノア城に行って久しぶりにイレブンちゃんとロウちゃんに会いに行こうとしてたのよ。でもアタシ一人だけだと寂しくて、誰か一緒に来る人探してたの。どうかしら?」
グレイグ「イレブンとロウ様にか。確かに俺も久しく会っていない。こちらに来てくれるばかりで悪いと思っていたのだ。俺もぜひ一緒に行こう」
マルティナ「私ももちろんいいわよ。それじゃあ少し待ってて。支度するわ」
シルビア「わかったわ。ありがとう〜」
しばらくして
グレイグ「ラースがとても羨ましそうに見ていたな。俺も行きたいと目がはっきりと伝えていた」
シルビア「まあ、ラースちゃんにはお土産話で我慢してもらいましょう。それじゃあ、ユグノアにしゅっぱ〜つ!」
マルティナ「歩いていくのかしら?時間かかりそうだけど」
シルビア「流石にそんな事しないわ。アタシの船ちゃんに乗って行きましょう。久しぶりでしょ?」
グレイグ「ゴリアテの船か。確かに久しぶりだ。最後に乗ったのはいつだろうか」
マルティナ「ふふ、本当久しぶり。楽しみだわ」
ユグノア地方
シルビア「さあ、ここからユグノアまで歩いて行きましょう」
グレイグ「ふと思ったのだが、この三人で行動するなど初めてではないか?あの旅の頃も無かったと思うが」
マルティナ「そうね。確かにその通りだわ。ふふ、まさかこんな風になるなんて思わなかったけどね」
シルビア「いいじゃな〜い、アタシはこの三人でも楽しいと思うわ。もちろん、皆がいた方がもっともっと楽しいけどね」
マルティナ「ラースがいつも側にいたけど、近くにいないだけで違和感が凄いわね。どうしてもラースに話しかけそうになるわ」
グレイグ「そうですね。私も姫様の側にラースがいないだけでかなりの違和感を覚えます。姫様とラースがここまで離れた事も珍しいのではないですか?」
マルティナ「お仕事じゃないのにこうなるのは確かにそうかもしれないわ。まあ、ラースは一応仕事なんだろうけど」
シルビア「ふふ、きっとイレブンちゃんやロウちゃんもラースちゃんがいないって知ると驚くわ」
ユグノア城 玉座の間
シルビア「イレブンちゃん、ロウちゃん、お久しぶり〜!」
マルティナ「イレブン、ロウ様、お久しぶりです」
グレイグ「イレブンもロウ様もお元気そうですな」
イレブン「シルビア、マルティナ、グレイグ!久しぶりだね」
ロウ「ふぉっふぉっ、突然驚いたわい。まさかお主達まで来るとはな」
シルビア「あら?他に誰かいるのかしら?」
イレブン「今ね、丁度ベロニカとセーニャも来てるんだ。呼んでくるね」
マルティナ「ベロニカとセーニャまで!?本当偶然ね」
ロウ「む?ラースはどうしたんじゃ?姿が見えんが」
グレイグ「ラースは王から仕事を任されてしまい、ラースだけ城に残っているんです」
ロウ「ほほ、それはかわいそうじゃのう。姫に違和感があると思ったがそのせいかの」
シルビア「やっぱりロウちゃんも、ラースちゃんが近くにいないマルティナちゃんって少し違和感よね。アタシの中では完全にセットだもの。マルティナちゃんの近くにラースちゃんありって感じで」
マルティナ「そ、そんなにかしら?ラースはそんなに私にべったりじゃないんだけど」
グレイグ「同じ城で同じ部屋にいますからね。あながち間違いではないでしょう」
数分後
ベロニカ「嘘!まさかマルティナさん達まで来るなんて!」
セーニャ「皆様、お久しぶりですわ。凄い偶然ですわね」
シルビア「ベロニカちゃん、セーニャちゃんお久しぶり〜!」
グレイグ「ゴリアテに誘われて来てみたら、まさかベロニカ達までいるとは思わなかったぞ」
セーニャ「あら?ラース様はどちらにおられるのですか?」
ベロニカ「本当ね。ラースったらマルティナさんに置いてかれてるじゃない」
マルティナ「ふふ、違うのよ。これはね」
マルティナはベロニカ達に説明した
セーニャ「まあ!ラース様だけお仕事だったのですね」
ベロニカ「ラースの事だから絶対羨ましがってるに決まってるわ」
イレブン「マルティナ達はどうしたの?ベロニカ達みたいに顔出しに来てくれたの?」
シルビア「ええ。アタシ達もそのつもりだったの。後はカミュちゃんが揃えば文句ないんだけど」
ベロニカ「イレブン、あいつさっさと呼んできなさいよ。カミュも折角だから久しぶりに会いましょう」
イレブン「そうだね。わかった。ルーラで行ってくるね」
グレイグ「ラース以外全員揃いそうですな。ラースのやつ、これは相当悔しいと思いますね」
ロウ「ほほ、折角の日だったというのにのう」
しばらくして
カミュ「おお、本当に兄貴以外全員揃ってんだな」
ロウ「カミュよ、久しぶりじゃのう。変わらんようでよかったわい」
セーニャ「お久しぶりですわ、カミュ様」
マルティナ「私達とはよく会うから久しぶりの感覚は無いわね」
イレブン「ねえねえ、こんな事ほとんど無いからさ。どうせならどこか出かけようよ」
ベロニカ「え?でも、お城はいいの?」
ロウ「イレブン、少し待ってておるんじゃ。わしが少し話してこよう」
イレブン「やった!ありがとう、おじいちゃん」
グレイグ「なかなか凄い話になってきたな。だが、行くならどこに行くのだ?」
シルビア「そうだわ!アタシいい事思いだしちゃった!」