ドラゴンクエストⅪ 魔法戦士の男、恋をする   作:サムハル

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孤児院

数日後の夜、デルカダール城

 

 

 

バンの部屋

 

 

 

そこではラースとバンが話していた

 

 

 

ラース「で?悩みって何だよ。バンが悩むなんてらしくないな」

 

 

 

 

バン「師匠、俺ってもしかして教えるの下手ですか?」

 

 

 

 

ラース「ああ、なるほど。まあ、お世辞にも上手いとは言えないよな。感情的になるし、説明もうまくいかないもんな。仲間達に言われたのか?」

 

 

 

 

バン「うう、師匠も思ってたんですね。はい、自分でも薄々わかってたんです。あまり伝わってないなって。師匠の言葉通りの事を言えると伝わるんですけど、俺が思った事を伝えようとすると新入り達とかはよくわからないみたいなんです。どうしたらいいですかね?」

 

 

 

 

ラース「うーん.....。俺のイメージだが、バンは考えるより行動する方が好きだろ?」

 

 

 

 

バン「はい!もうそりゃあ仲間達に注意されるレベルでそうですよ」

 

 

 

 

ラース「それはそれで問題だが、今はいい。なら、そうすればいいじゃないか」

 

 

 

 

バン「でも、それだと師匠が教えてくれたようにならないですよ。見てるだけだとよくわからないよなって言って、言葉で俺達に教えてくれたじゃないですか」

 

 

 

 

ラース「よく覚えてたな。何年前の話だよ。確か俺が兵士長になってすぐぐらいの時じゃないか。それは俺の教え方だからだ。この方が自分にとっても周りにとってもわかりやすいと判断したからそうしたんだ。

 

 

 

だが、それはバンにとっては少し難しいんだろ?なら、俺には無理だと割り切って簡単にしてしまえ。自分はうまく説明は出来ないけど、こうやるんだって言って動いて見せる。

 

 

 

その後、一人一人にその動かし方を相手の体を動かして教える。そうすれば、言葉での説明は今よりも減るだろ?それに、バンにとっても相手にとってもこの方がわかりやすいと思うぞ?習うより慣れろなんて言葉があるくらいなんだからな」

 

 

 

 

バン「俺にはもうその言葉は恐怖でしかないですけどね」

 

 

 

 

ラース「いや、なんでだよ」

 

 

 

 

バン「師匠がその言葉を使って俺の事ボコボコにしてたからですよ。技とか技術とかを盗めって言って思いっきり楽しんでたじゃないですか。俺にとってその言葉はもう嫌な思い出が多いですよ」

 

 

 

 

ラース「む....。だが、もうしっかり盗んだじゃないか。なら、あれはあれで正しかったという事だろ」

 

 

 

 

バン「それはそうですけど、もう少し痛くない方法がよかったですよ。まあ今更ですけどね。教え方って皆は言葉で説明する事が多くて、それで俺もそうしてたんですけど変えていいんですかね?」

 

 

 

 

ラース「教え方なんて人それぞれだ。お前なりの教え方だって存在するはずだ」

 

 

 

 

バン「そっか、ありがとうございます、師匠。明日からやってみますね」

 

 

 

コンコン

 

 

 

バン「ん?誰だろ。入っていいぞー」

 

 

 

ガチャ

 

 

 

グリー「あの、失礼します。ラースさんがここにいるって聞いたんですが」

 

 

 

グリーが顔を覗かせた

 

 

 

バン「お、グリーか。師匠に用事だったんだな」

 

 

 

 

ラース「どうした?」

 

 

 

 

グリー「少し相談したい事がありまして。よかったら、バンさんも聞いていただけませんか?」

 

 

 

 

バン「俺もいいのか?アドバイスできるわからねえけどいいぞ」

 

 

 

 

ラース「最近よく悩んでるもんな。お年頃ってやつだな」

 

 

 

 

グリー「明日、実は俺の育った孤児院にマヤさんと行くんですよ」

 

 

 

 

ラース「孤児院....」

 

 

 

 

バン「グリーって孤児院の出だったんだな。マヤちゃんも行くのか」

 

 

 

 

グリー「マヤさんって孤児院の話をすると、少し遠いような目をするんですよ。違う事を考えてるような感じで。それで、もしかしたらマヤさんには孤児院に嫌な思い出でもあるんじゃないかって思ってて。

 

 

 

マヤさんから誘われたとはいえ、俺が育ったからってそんな場所に連れてくのはどうかと思いまして」

 

 

 

 

バン「.......グリーってマヤちゃんの事よく見てたんだな。俺、全くそういうの気づかないからよ。俺はマヤちゃんの昔とか知らないんだよな」

 

 

 

 

ラース「グリー、それは思い違いだ。マヤは孤児院の出ではないぞ。だが、思う所はあるだろうな。まあ、マヤは孤児院に思い出は無いから安心していいぞ」

 

 

 

 

グリー「そうだったんですね。なら、安心しました。でも、どうして遠いような感じになるんですか?」

 

 

 

 

ラース「あまり詮索するのはよくないぞ。人には秘密な事なんて皆あるもんだろ。無いのはここにいるバンくらいだ」

 

 

 

 

バン「し、師匠!?いきなり何言うんですか!というか、俺にだって秘密な事くらい..............無い.......です」

 

 

 

 

グリー「ふふ、でもバンさんは確かにそんな感じしますよ。確かに詮索はよくなかったですね。僕もあまり言いたくない事はあります。気にしないようにしてますね」

 

 

 

 

ラース「ああ、そうしておけ。マヤの事だ。きっといつかグリーに話すんじゃないかと思うぞ」

 

 

 

 

グリー「そうですかね?そうだと嬉しいんですが。夜遅くにすみませんでした。ありがとうございます」

 

 

 

 

ラース「おう、それじゃあな。おやすみ、グリー」

 

 

 

 

バン「じゃあなー」

 

 

 

 

グリー「はい。おやすみなさい」

 

 

 

グリーは出ていった

 

 

 

ラース「孤児院.....ねえ」

 

 

 

 

バン「グリーが孤児院にいたなんてちょっと意外でしたね。そんな感じしないんですけど」

 

 

 

 

ラース「まあ、あまり言いたくない事だ。孤児院はきっと大変な事が多いだろうからな。マヤにはあまり嫌な思い出を思い出してほしくないが、こうなった以上少しは仕方ないんだろうな」

 

 

 

 

バン「.........あ!そうだ、見てくださいよ、師匠。俺、最近こんなの書き始めたんです」

 

 

 

 

ラース「ん?ノート?何書いてるんだ?」

 

 

 

 

バン「これはベグル達の弱点とか技術を俺が探して気づいた所を書いてるんです。そこを補強するための訓練とか、新入り達の教えなきゃいけない所とかも書いてるんですよ」

 

 

 

 

ラース「ほう、それは凄いじゃないか。とてもいい事だと思うぞ。ただ、誰の入れ知恵だ?バンが思いついたわけじゃないんだろ?」

 

 

 

 

バン「うぐ.....。流石師匠、よくわかってますね。ロベルトからこうしてみたらどうだって言われて少し前からやり始めたんです」

 

 

 

 

ラース「流石ロベルトだな。少し見てもいいか?」

 

 

 

 

バン「はい!いいですよ。汚い字ですけど、読めますか?」

 

 

 

 

ラース「いや、結構綺麗だぞ。カミュなんかよりずっと綺麗だな。........なるほど。いい所も書いてあるのか。なんだか人によって書いてある量が違うな」

 

 

 

 

バン「まだ全員分見れたわけじゃないので。これからどんどん書いていきますよ」

 

 

 

 

ラース「いや、ベグルの所だけ書きすぎだろ。もう一ページ埋まりそうじゃないか。しかも、少しだけ関係ない事書いてあるぞ。魔王は関係ないだろ」

 

 

 

 

バン「そ、それは気にしないでください。いつも馬鹿にされてるんですけど、力じゃ勝てないのでここでしかベグルの事馬鹿にできないんです。あ、師匠のページもありますよ」

 

 

 

 

ラース「それは俺が見てもいいのか?まあ、気にはなるが」

 

 

 

 

バン「実は師匠の弱点が思いつかなくて、まだそこは書けてないんですよ。あ!マルティナ様は弱点ですよね!」

 

 

 

 

ラース「それは、まあ.....いや、書く必要はねえだろ。って、本当に弱点書いてねえな。いい所とか技術とかばっかりだぞ」

 

 

 

 

バン「そりゃあ師匠ですから!」

 

 

 

 

ラース「まあありがたい限りだが、バンなら俺の弱点も知ってるだろ」

 

 

 

 

バン「うーん.....。やっぱりわかんないですよ。今度カミュさんとかに聞いてみてもいいですか?」

 

 

 

 

ラース「構わねえが、カミュか......。ろくでもねえ事言いそうだな」

 

 

 

 

バン「それはそれで面白いので大丈夫ですよ」

 

 

 

 

ラース「そうかよ。まあ、そのノートは大事にしておけよ。兵士長としてこれからどんどん役に立つはずだ」

 

 

 

 

バン「はい!師匠みたいになれるように頑張りますよ!」

 

 

 

 

 

 

 

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