二日後の夜、デルカダール城
マルティナとラースの部屋
マルティナとラースは寝る準備も終わり、寝ようとしていた
ラース「さて、そろそろ寝ようぜ」
マルティナ「うーん........」
マルティナは首を傾げて悩んでいる
ラース「どうしたんだよ、マルティナ。何か悩み事か?」
マルティナ「......。ねえ、ラース。鏡の前に立ってくれる?」
ラース「?別に構わないが」
ラースは部屋にある姿見の前に立った
マルティナ「やっぱり見間違いではなさそうね」
ラース「どうしたんだよ、マルティナ。俺、何か変わったか?」
マルティナ「最近ラースに違和感を覚えてたのよ。性格とかじゃなくて、見た目にね。でも、多分間違いないわ。ラース、あなた太ったわよ」
ラース「ええ!?そ、そうか!?特に変わってないと思うんだが」
マルティナ「私も気のせいだと思ってたんだけど、ほらここ」
マルティナはラースの脇腹を触る
すると、少し肉がつまめるようになっていた
ラース「げ.....。マ、マジかよ。こんな事になったの初めてだぞ」
マルティナ「体重も増えてるはずよ。最後に測ったのはいつなの?」
ラース「.........二月ほど前」
ラースは少し目を逸らしている
マルティナ「ハァ。ラース、ダイエットしましょう」
ラース「ああ。そうだな。また体動かす時間をくれないか?どこかでその分の埋め合わせするからよ」
マルティナ「そうね......。でも、手っ取り早い方法があるわよ?」
ラース「そうなのか?」
マルティナ「食べる量を減ら」
ラース「嫌だ!!!」
ラースはマルティナの言葉を遮る
マルティナ「でも、それが一番よ。少しの間我慢するだけ。どう?少しだけやってみない?」
ラース「嫌だ!!」
ラースは考えるそぶりも見せなかった
マルティナ「わ、わかったわ。そこまで言うなら仕方ないわ。まあ、ラースの楽しみだもんね。あまり強く言うのはかわいそうよね。明日以降、夕方に少し自由時間あげるから訓練場で誰かと体動かしていて」
ラース「ああ。それがありがたい。早い所戻さないとな」
次の日の朝、キッチン
キッチンにはマルティナと数人のコック達がいた
マルティナ「おはよう。朝早くからお仕事ありがとう」
コック「おや?マルティナ様、おはようございます。どうかされましたか?」
マルティナ「少しお願いがあるのだけどいいかしら」
コック「我々にですか。珍しいですね」
マルティナ「実は、ラースが最近太ったから食事の内容を少し変えてほしくて」
コック「ほう!ついにラース様も太られましたか!あれだけ食べてずっとあの体型を維持してるのは圧巻の一言に尽きましたが、流石に厳しくなってきましたか。
わかりました。今日の夜から早速ヘルシーな物に変えさせていただきます。ラース様専用で作った方がよろしいですか?」
マルティナ「いえ、私達も同じで大丈夫よ。違うのを食べてたら怪しまれちゃうわ。ラースにこの事は秘密なの。きっと拗ねちゃうから」
コック「了解しました。ラース様は思われてて幸せ者ですね」
マルティナ「あら、ありがとう(ラース、ごめんなさいね。でも、あなたのためなの)」
朝食時
デルカダール王「何と!?ラースが太ったのか!」
ラース「そ、そのようなんです。恥ずかしい限りですよ」
グレイグ「いや、寧ろ今までよく太らなかったといった所だ。あれだけ食べているのにどうして太らないのか、と昔からずっと疑問に思っていたのだ」
マルス「父さん太ったの?変わってないと思うよ」
ルナ「私もそう思う。いつも通りじゃない?」
マルティナ「それがね、お腹に肉が付いてきたの。昨晩少し見たらそうなってたのよ」
デルカダール王「なるほど。だが、その程度ならラースの食べる量からしても仕方ないのではないかの?」
ラース「ですが、前まではそんな事も無かったんですよ」
グレイグ「本当にどうなっているのだ、お前は。まあ、それなら夕方以降は俺が変わろう」
ラース「頼んだ、グレイグ」
その後、昼 玉座の間
カミュ「よう、ただいま」
カミュが帰ってきた
マルティナ「あら、カミュ。お帰りなさい」
カミュ「ん?マヤはどうしたんだ?」
ラース「マヤは最近ビル達のお店の開店に向けて手伝ってるんだ。そのまま店に泊まってるみたいだぜ」
カミュ「へえ。そこまで話が進んでたのか。なら、後で少し顔出してくるかな」
グレイグ「カミュ、聞いてくれ。驚くべき事が起こったのだ」
カミュ「なんだよ、何かあったのか?」
グレイグ「何とついにラースが太ったのだ」
カミュ「兄貴が......太った!!?マジかよ!!」
ラース「ぐ......。ああ、そうだよ」
カミュ「アハハハハハ!!!」
カミュは腹を押さえて笑っている
ラース「何で笑ってんだよ!!」
カミュ「ハハハ!だ、だってよう。兄貴、いつも馬鹿みたいに食ってるからだろ。それがついに効果が出たかと思ってな」
マルティナ「まあ、その通りよね」
ラース「くそ。馬鹿にしやがって」
グレイグ「だから、ダイエットを兼ねて夕方以降ラースには訓練場で少し動いてもらう事にしたのだ」
ラース「そうだ。いい所に帰ってきたな、カミュ。夕方付き合えよ」
カミュ「.........俺に拒否権はあるのか?」
ラース「ねえよ」
カミュ「早いけど俺、もう帰らせてもらうわ」
カミュは後ろを向いて出て行こうとする
ラース「ブレイブ、カミュを出させるなよ」
ブレイブ「......ガウ」
ブレイブが扉の前に立ち塞がった
カミュ「チッ!そういうのはズルいだろうが!」
ラース「盗賊にズルいも何もねえだろ」
カミュ「何で俺なんだよ。バンとかでいいじゃねえか」
ラース「.......」
ラースは少し黙っている
カミュ「どうしたんだよ。黙り込んで」
ラース「バンにはバレたくねえ」
マルティナ「あら。どうして?」
ラース「仮にも師匠だろ?面子がたたねえんだ」
カミュ「んなの最初からねえよ」
ラース「ほほう。カミュ、覚えてろよ」
カミュ「げ.....。マヤの所に行くとするか。ブレイブ、もうどいてくれ」
ブレイブ「ガウ」
その日の夕方 訓練場
ラースはカミュを引きずってやってきた
カミュ「やめろ!!俺は行きたくねえ!」
ラース「はいはい。お前に拒否権はないからな」
ギバ「ど、どうしたんですか?ラース将軍、カミュさん」
カミュ「ギバ!こいつから俺を離してくれ!」
ラース「少し体を動かしにきた。邪魔はしないからそっちでやってて大丈夫だぞ」
ギバ「.......なるほど。大体はわかりました」
マーズ「カミュさん何かやらかしたんですか?」
カミュ「違え!こいつはダイ」ゴン!
カミュ「ガッ....」
ラースはカミュを殴って黙らせた
ラース「さて、始めるぞ。カミュ」
ジール「今、カミュさん何て言おうとしてましたか?」
マーズ「よくわからなかったな。まあ大した事じゃないんだろう」
一時間後
カミュ「ハッ......ハッ.......。くそ.....相変わらずやりにくいったらありゃしねえ」
ラース「まあ、こんなもんか。カミュ、ジバリアもよく使うようになってきたな。戦い方の幅が広がってていいじゃないか」
カミュ「全然通用しなかったくせに言われると腹立つな」
バン「あー!!師匠、いたんですか!?カミュさんも!」
バンが訓練場にやってきた
ラース「よう、バン。少しここ使ってたぞ」
バン「全然どうぞ!俺と久しぶりに手合わせしましょうよ!」
ラース「お、やるか?久しぶりだな」
カミュ「そういや俺は見るの初めてだな。勝敗はいい勝負なんだったか?」
バン「前は俺の負けでしたからね。今回は是非とも勝ちたいですよ!」
ラース「本気出さないといけないからな。こっちも疲れるんだ。まあ、いい機会だ。やろうか」
カミュ「なら、俺はバンを応援するぜ。バン、兄貴なんかぶっ飛ばしてやれよ」
ラース「いや兄を応援しろよ」
カミュ「こんな横暴なやつ応援できるか」
バン「おーい、お前ら危ないから避難してろよ」
ギバ「お前ら、さっさと片付けろ。俺達も巻き添え喰らうぞ」
新入り達「ええ!」
新入り達は離れているからと安心していたが、巻き添えと聞き驚いている
マーズ「訓練場全体使うんだ。上に避難するぞ」
カミュ「結構大変なんだな。こりゃあ何度も出来ねえわけか」