それから二週間後、聖地ラムダ 広場
ジェーン「どうですか?長老様」
ジェーンは初めて自分で作った世界の遺跡や歴史などが載った本を長老ファナードに見せていた
長老「ふむふむ.....。実によく纏まっていると思いますよ。各地の歴史などを、写真や文章でわかりやすく説明してあり大変読みやすいです。ジェーン、よく頑張りましたね」
ジェーン「やったー!じゃあこの本出していいですか?」
長老「はい。ジェーンの好きにしていいと思いますよ」
ジェーン「ありがとうございます、長老様!ここまでできたのも長老様が手伝ってくれたおかげです!」
長老「いやいや、私はほんのお手伝いに過ぎないですよ。ジェーンが諦めなかったから成し得たのです」
ジェーン「早速皆に報告しなきゃ!ミラとダバンさん、ベグル君にお母さん達にも!長老様、それではー」
長老「これこれ、そう急がんでもええじゃろ。ほれ、キメラの翼じゃ。わしのをあげるからこれでデルカダールに行くといい。気をつけるんじゃぞ」
ジェーン「わあ!ありがとうございます!」
デルカダール城下町 ダバンとミラの家
コンコン
ミラ「あら?誰かしら。はーい」
ガチャ
ジェーン「ミラ!」
ミラ「ジェーン!どうしたの?急に。あら?その手に持ってるのは」
ジェーン「ふふふ、ついに完成したの!私の夢の本!!さっき長老様にも見てもらってお墨付きなんだよ!」
ミラ「へえ!やったじゃない、ジェーン!私にも読ませて」
ジェーン「もちろん!ミラと見た場所だってたくさんあるんだから。ほら、クレイモランの事とかユグノア周辺の事とか」
ミラ「懐かしいわね。二人で何とか頑張ってた頃よね。魔物とかに出会わないように細心の注意を払ってたわよね」
ジェーン「確かに。私が転んで、その音で魔物が向かってきて大変だった事もあったよね」
ミラ「ふふ、そうそう。その後二人で全力で逃げたわよね。あの頃はダバン達がいなくて本当大変だったけど、あれはあれで楽しかったわ。
でも、ダバン達に出会ってからは魔物がいても守ってくれるからありがたかったわよね」
ジェーン「ベグル君達はお城にいるかな」
ミラ「ダバンは特に遠征とかは無いって言ってたわ。ベグルさんは副長だし、忙しいからどうかしら。ジェーンが来たって言えばベグルさんならすぐ飛んできそうだけど」
ジェーン「それはミラもでしょ。私に何かあるとすぐに来てくれるじゃない」
ミラ「当たり前じゃない。ジェーンは目が離せないんだから」
ジェーン「ふふ、ありがとう」
ミラ「褒めてないのよ?それにしても中々いい出来じゃない。各地の料理の事も書かれててガイドブックにもなりそうね」
ジェーン「そう!そこ載せようか悩んだんだけど、文化的な料理もあったから載せてみたの。一応こだわってみたよ」
ミラ「ドゥルダ郷の精進料理とかナギムナー村の魚の頭とかかなり個性的だったわよね。さて、そろそろベグルさんに見せてきたら?」
ジェーン「うん、そうだね。お城に行ってくる」
デルカダール城 大広間
ジェーンがお城に行くと、大広間にはマルスとルナが遊んでいた
マルス「あれ?お客さん?お姉さん、お城に用事?」
ルナ「見た事あるような.....」
ジェーン「わわ、子どもがいる。もしかして、話に聞いてるラース様達の子?」
マルス「父さんの知り合いなの?父さんは今お仕事してるよ」
ジェーン「ううん、ラース様は違うの。兵士さんに用事があったのよ。ベグルさんって知ってる?」
ルナ「ベグルさんなら訓練場だよ。今は個人練習だっけ?」
マルス「そうそう。ベグルさんはよく残って夕方くらいまで練習してる」
ジェーン「そうなんだ。ふふ、ベグル君は頑張り屋さんだからね。教えてくれてありがとう。じゃあね〜」
ルナ「ばいばーい」
訓練場
ベグル「はあっ!おりゃあ!」
ベグルは槍を使い、人形相手に立ち回っていた
ジェーン「あ、頑張ってる。まだ気付いてない。ふふ、少し驚かせちゃおうかな」
ジェーンは静かに階段を降りて広場に出た
ギバ「....ん?....!?」
近くにいたギバとジェーンの目が合った
ジェーン「(あ!見つかっちゃった!シーッ!シーッ!)」
ジェーンは口に人差し指を当て、ギバに驚かないようにお願いした
ギバ「(ジェーンさん、駄目だ!)」
ギバは顔を振って止めさせようとするが、ジェーンに伝わらない
ジェーンはベグルの背後の近くまで来た
ベグル「はあっ!......いや、これだと槍より斧の立ち回りか。もう少し距離詰めないとな」
ジェーン「(よし、そろそろ)」
ブン!
チャキ
ベグルは突然後ろに槍を振り回し、首筋に当てた
ベグル「誰だ」
ジェーン「ひえっ......」
ベグル「!!!ジェ、ジェーン!!?わ、悪い!!」
ベグルは急いで槍を離す
ジェーン「びっ、びっくりした....」
ベグル「背後にゆっくりと近づいてくるから誰だと思ったらジェーンだったとは.....。怪我してないか?怖かったか?」
ジェーン「う、うん。怪我はしてないよ。少し怖かったけど」
ベグル「すまない!ジェーン!おい、ギバ!てめえ、ジェーンが来てたなら言えよ!」
ギバ「いや止めようとしたんだが、ジェーンさんに止められたんだ。ベグルには効かないからやめとけって意味で首振ってたんだがよ」
ジェーン「あ、そういう事だったんですか。私に驚いてるのかと思いました」
ベグル「ジェーン、心臓に悪いから次はあまりしないでくれ」
ジェーン「う、うん。私も驚かされちゃったからやめとくよ。それより見てこれ!私の夢の本がついに出来上がったの!」
ベグル「おお!ついにか!やったじゃないか、ジェーン!見てもいいか?」
ジェーン「もちろん。そのために来たんだよ。ギバさんもよかったら見てください。クレイモランの事も書いてありますよ」
ギバ「おお、そうなのか。興味あるな。見させてもらおうかな」
ベグル「クレイモランやユグノアは俺とは行ってないよな。ミラさんと行ってた頃の事か」
ジェーン「そうそう。さっきミラにも見せて、あの頃は大変だったけど楽しかったねって話してたんだ」
ギバ「お、料理についても書かれてんのか。クレイモラン海鮮盛り食べたのか。美味かっただろ」
ジェーン「はい!いろんな種類が乗ってて味も飽きないし、食べ応えもあって美味しかったですよ。特にあの大きなウニが美味しかったです。ジャンボウニですよね」
ギバ「そうだろ?あれはクレイモランの特産品だからな。他の国からも大人気なんだぜ」
ベグル「国周辺事にページが分かれてて見やすいな。どの国を見たいのかすぐに調べられるな」
ジェーン「やっぱりその方がいいよね!私も一度作った時ごちゃごちゃしてたから、やり直してこの形にしたの。見やすくなったよね」
ギバ「結構考えられてるんだな。いいじゃないか。俺も勉強になるぜ」
ジェーン「ありがとうございます!」
ベグル「俺もとってもいい出来だと思うぞ。ジェーン、よく頑張ったな」
ジェーン「うん。後は出版するだけだね。ベグル君、お待たせしてごめんね」
ベグル「いや、これでいいんだ。すっきりした気持ちで先に進めるだろ」
ジェーン「うん!」
ギバ「わざわざ来てくれたんだ。少しゆっくりしていってくれ。お、ベグル!お前の部屋に案内してやれよ。そこならゆっくりできるだろ」
ジェーン「え!?ベグル君の部屋があるの!凄い!」
ベグル「副長になってから馬鹿のせいもあって仕事が多くなってな。それで作ってもらったんだ。俺の部屋か。まあ、そこなら........!!いや、待ってくれ。少し片付ける」
ジェーン「散らかってても気にしないよ?」
ギバ「いや、こいつの部屋は散らかっては......。お前、まさか!!」
ベグル「うるせえ!!ギバ、取り敢えず大広間で待たせていてくれ!」
ベグルは走って訓練場から出ていった
ジェーン「え?どういう事?」
ギバ「気にしないでくれ、ジェーンさん。大広間にマルス達がいるはずだ。一緒に遊んでようぜ」
ジェーン「あ、ここに来た時訓練場にベグル君がいる事教えてもらったんです。可愛くていい子達でしたね」
ベグルの部屋
ベグル「やべえ、やべえ。急いで昨日の飲みの跡とかその他もろもろを隠さないと。くっ!この書類は後でバンに押し付けておくか」
ベグルは大急ぎで部屋の掃除をしていた