メグのカフェ
カラン
メグ「いらっしゃいませー。あ!ラース様、マルティナ様!」
ラース「よう、顔出しに来たぜ」
マルティナ「へえ、ここがメグさんのお店なのね。綺麗だし、結構可愛い装飾もされてるのね」
メグ「ありがとうございます、マルティナ様。こちらのお席へどうぞ」
ラース「バンはどうしたんだ?いると思ってたんだが」
メグ「バンなら先程マサルが泣き始めてしまったので、外であやしてますよ」
ラース「バンがあやす!?そんな事できるのか?」
ラースは想像出来ず驚いている
マルティナ「バンには悪いけど少し想像できないわね」
メグ「私も最初不安だったんですけど、意外と得意みたいですよ。最近だと私よりあやすのが上手いんですよ。母親がそんなのもおかしいんですけどね」
マルティナ「そんな事ないわよ。私だってマルスやルナをあやすのは大変だったし、お父様の方があやすのはお上手だったもの」
ラース「それにしても意外だな。バンがそんな事できるとは」
その時、バンがマサルを抱いて帰ってきた
バン「ただいまー。メグ、お客さん連れてきたぞ」
店長「よう、メグさん。覚えてるか?」
メグ「あ!シンジさん!お久しぶりです!」
バン「あ!師匠にマルティナ様!来てくれたんですか!メグ、マサルを奥の部屋に戻してくる」
バンは寝たマサルをベッドに寝かしにいった
店長「また会ったな。こんなにすぐ会うとは思わなかったけど」
マルティナ「店長さんはメグさんとも面識があったのね」
ラース「グロッタでのシルビアのサーカスの時だな」
店長「そうそう。その時にメグさんに料理の味見のお願いされてたのを思い出してな。ちょうどいい機会だから来てみたんだ」
メグ「え!?いいんですか!?」
店長「ああ。俺でよければ」
メグ「ぜひお願いします!シンジさんほどの方に味見してもらえるなんて!」
メグは嬉しそうにしている
バン「むう......。メグがあんなに嬉しそうにするなんて」
戻ってきたバンはそれを見てつまらなさそうにしている
マルティナ「バンはメグさんの料理を味見はしないの?」
ラース「美味いしか言わなくて困るんだってよ。メグによると、もう少し正確なアドバイスとかが欲しかったみたいなんだ」
バン「俺料理しないからわからないんですよ」
マルティナ「まあ、それは仕方ないわね。料理ができる男ってのも少ないものね」
ラース「確かにな。兵士の中にもいなかった気がするぞ」
バン「いえ、実は意外な事にベグルが料理出来るんですよ。前に少しだけ見たことあります」
ラース「へえ、ベグルが料理か。それも想像できないな。確かに意外だな」
店長「ベグル?」
キッチンにいるシンジがベグルの名前に反応する
店長「今ベグルって言ったか?」
マルティナ「え?ええ、そうよ。店長さんもベグルの事知ってるの?」
ラース「お前とベグルは知り合いだったのか?」
店長「いや、そうじゃなくて。ベグルって名前をダーハルーネで聞いた事あってな。何だったかな」
シンジは少し考えている
ラース「そういえばベグルもダーハルーネの出身だったな」
バン「もしかしてベグルってダーハルーネだと有名人なのか?でも、ベグルがそんなわけないか。どっちかって言ったら有名ってよりは魔王とか鬼として恐れられてそうだもんな。あの性格的に」
ラース「ベグルがいないのをいい事に言いたい放題だな。お前、今ベグルがいたらただじゃ済まないぞ」
店長「それだ!」
シンジはバンの言葉を聞いて思い出したようだ
三人「え?」
店長「ベグルっていえば、ダーハルーネでは知らないやつはいない暴走族の元リーダーじゃねえか!」
マルティナ「ベグルが暴走族!?どういう事?」
バン「え?え?嘘だろ.....?」
店長「ダーハルーネに昔からいる暴走族、レッドボーン。最近だと大した事してないみたいなんだが、何年も前はかなり悪名高いグループでよ。ダーハルーネに裏町があるのは知ってるか?」
ラース「俺は知ってるぞ。表とは随分雰囲気が違うよな。怪しい取引とかやってるな」
マルティナ「あの街にそんな場所があるのね。知らなかったわ」
店長「その裏町を取り締まってる.....というか、支配していたやつらでな。悪尽のベグル。何も知らない旅人や迷った人達を襲って身ぐるみを剥いだり、ボコボコにして金目の物を奪ってたりしてたんだ。噂によると、人殺しもやったとかどうとか」
ラース「.......それは本当か?」
店長「いや、真偽は知らねえ。俺も噂でしか聞いてねえからよ。でも、かなりイカれてる連中だったからな。それを纏めているリーダーも相当やばいやつだろ。まさか、ベグルも兵士なのか?」
マルティナ「ええ、そうよ。他人の過去は気にしないけど、それは無視できないわね」
ラース「そうだな。それが本当なら、ベグルの事は少し検討する必要がある」
バン「何言ってるんですか、師匠!マルティナ様!ベグルがそんな事するわけないじゃないですか!あいつは確かに怖いし、容赦ないし情けなんて知らないようなやつだけど、人の道までは外してません!」
マルティナ「.....そうね。例えその話が本当だとしても、今の彼はそんな事する人じゃないものね」
ラース「ベグルには一応聞いてみる。バンもその時は来るだろ?」
バン「はい。流石に気になりますから」
店長「悪い、変な話して。ラースの仲間を悪く言ったわけじゃないんだが、ダーハルーネに住んでる身としては知ってないといけない事だったからよ」
ラース「別にシンジは悪くないさ。気にしてねえよ」
メグ「あ、シンジさん、いくつか出来ました。味見お願いします!」
店長「お、いいねえ。それじゃあ食べてみるか」
メグ「ラース様もマルティナ様もよかったらどうぞ」
ラース「俺達の分もあるのか。それなら貰おうかな」
マルティナ「ありがとう、メグさん」
バン「メグ、俺のは!?」
バンは自分だけ無い事に驚いている
メグ「バンは前に食べた事あるでしょ」
バン「ええ!いいじゃん、俺にもくれよ」
メグ「もう......。はい」
マルティナ「あら!このチョコレート美味しいわね」
ラース「スコーンも美味しいな!」
店長「ふむふむ、このスコーンはハチミツが隠し味か。こっちのチョコレートも中のソースが凝ってるな」
メグ「ちょっとしかハチミツ入れなかったのに気づいちゃうんですね」
店長「まあな。スコーンはこれでいいと思うが、チョコレートの方はソースの味をメインにするのか、チョコレートの甘さをメインにするのかどっちかにした方がいいな」
バン「メグの料理にケチつけんなよ!」
メグ「なるほど。勉強になります」
店長「別にケチつけてるわけじゃねえよ。アドバイスしてるだけだ」
シンジは怒っているバンに苦笑いしている
メグ「カップケーキもあるんです。そちらもお願いします」
店長「了解だ。だが、自信なさそうだった割には結構美味いじゃないか、メグさん」
メグ「本当ですか?ありがとうございます」
その後
メグ「ありがとうございました!」
店長「おう。頑張れよなー」
シンジは去っていった
バン「なあ、メグ。まあまあアドバイスされてたけど、俺は今のままでもいいと思うんだが」
メグ「駄目よ。もっと美味しくできるならそれに従った方がいいじゃない。お客さんにも出すんだから」
バン「でもよ.......こう、何というか」
バンは言葉に詰まっている
ラース「バン、多分メグの手料理じゃなくなった気がして嫌なんだろ?」
バン「そう!!それです、師匠!!」
メグ「そ、そんな事ないよ、バン。少し変わるかもしれないけど、私の料理である事に変わりないもの」
マルティナ「可愛いわね、バン。店長さんに嫉妬?」
バン「うーん、そういう感情なんですかね?」
ラース「さて、俺達もそろそろ行くか」
マルティナ「そうね。ちょっと長く居すぎたかもしれないわね」
メグ「そんな事ありませんよ。ぜひまた来てください」
バン「また明日お願いします」
ラース「ああ、またな」