お祭りから三日後の早朝
デルカダール城 訓練場
ラース「悪いな、ベグル。こんな朝早くに呼び出して」
ベグル「いえ、いつもこのくらいに起きてたんで大丈夫です。バンまで連れてどうしたんですか?」
ラース「実はだな」
バン「待ってください、師匠。俺が聞きますよ」
ラース「わかった、任せたぞ」
ベグル「??」
バン「なあ、ベグル。正直に答えてくれ。レッドボーンって暴走族知ってるか?」
ベグル「!!?な、なんでそれを.....」
ベグルはかなり驚いている
バン「ダーハルーネに住んでる人から聞いたんだ。ベグルが.....そのリーダーだった事も.....」
ベグル「.........」
バン「それでそのグループが人殺しをしたって噂があるようで、それにベグルが関わってるのかどうかを知りたいんだ」
ベグル「.......。俺は、確かにレッドボーンのリーダーでした。バンには少し話したけど、荒れていた時期に勧められて入ったんです」
バン「喧嘩とかをしていたってやつだよな」
ベグル「そうだ。あの頃は自分がどうでもよくなって、他人が羨ましくて、誰かと一緒に自分の行動を正当化したかったんです。そのグループに入って二年ほど経った時、今までのリーダーが辞めて次に俺が選ばれたんです。
でも、俺はそんなの興味なかったし、纏める気もありませんでした。ただ暴れたい時に暴れてただけだったので」
ラース「それで?人殺しの件はどうしたんだ?」
ベグル「俺がリーダーになってから、纏め役がいなくなりグループがバラバラになったんです。その時に過激な奴らが集まって、旅人を殺したと聞きました」
バン「そっか。やっぱりベグルは関係なかったんだな!」
ベグル「まあ、結果的にはそうだ。その後俺はそいつらを徹底的に殴ってそんな事をさせないようにしましたけど、結局俺はその後すぐに辞めたので今どうなってるかは知りません」
ラース「ふむ。大体の話はわかった。前にも言ったが、俺はベグルの過去がどうであろうとあまり気にしない。だが、こればかりは目を瞑るわけにはいかなかったからな。ベグル、お前が過ちを犯していなくてよかった」
バン「言ったじゃないですか、師匠!ベグルはそんな事するやつじゃないって!」
ラース「確認だよ。俺だってあまり信じていなかったさ」
ベグル「ですが暴走族に入ってたのは本当ですし、知りもしない人を襲って金目の物を取っていった事は数えきれないくらいありますよ。そんなやつが兵士なのは......やっぱり」
バン「何言ってんだ?ベグル。お前はそんな事気にする人じゃないだろ」
ベグル「.......だが、周りからしたらそれはどうしても気になる事だろ!」
ラース「確かにな。だが、ベグルはそれを悪い事だったと判断してるんだろ?なら、いいんじゃないか?その分、知りもしない人をお前が助けてやればいい。それでおあいこだ。そういう考え方していこうぜ」
ベグル「ラース将軍.....」
バン「そうそう、少しくらい悪い事してたって平気だぜ!前向きに考えようぜ」
ベグル「ああ、そうだな。ありがとう」
バン「それにしてもベグルにまさかあんな通り名があるなんてな。何だっけ?悪尽のベグル?」
ベグル「げっ!?そんな事まで聞いてるのか!」
ラース「ま、まあな。か、カッコいいじゃない、か」
ラースは口を押さえながら言っている
バン「し、師匠!面白いのは.....わかりますけど....笑いは堪えて......。ププッ....」
二人「ハハハハハ!!」
二人は堪えきれずに大笑いし始めた
ベグル「..........」
ベグルは顔が赤くなりながら震えている
ベグル「ラース将軍.....バン.....それ以上は俺も怒りますよ....」
バン「ヒ、ヒイ.....。悪い、ベグル。似合ってると思うぜ!」
ラース「今となっては恥ずかしい限りだな。まあ、そんなわけでこれからも頑張ってくれ」
ベグル「........はい」
その後、朝の訓練が終わり
ロベルト達「悪尽のベグル!!アハハハハハ!!」
バン「面白いよな!!」
ベグル「てめえら笑ってんじゃねえ!!ぶん殴るぞ!!」
しばらくベグルは異名をいじられ続けたという