ドラゴンクエストⅪ 魔法戦士の男、恋をする   作:サムハル

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優秀なバン

次の日、???

 

 

 

バン「ふあぁ〜、そろそろ朝だよな。って、何だこの部屋?どこだよここ。どうなってんだ?」

 

 

 

バンが目覚めると知らない部屋におり、周囲にはベットとトイレ、お風呂しかない狭い部屋だった

 

 

 

バン「なんか不思議な感じがする。なんだここ」

 

 

 

その時、バンの背後から声がした

 

 

 

???「よう、俺。やっとお目覚めか」

 

 

 

 

バン「誰だっ!!」

 

 

 

バンが振り返ると、そこには自分と全く同じ姿が立っていた

 

 

 

偽物バン「だから俺だよ。お前が願った姿の俺だよ」

 

 

 

 

バン「は?お、俺が.....もう一人?しかも願ったって......。あのネックレスの事か!!」

 

 

 

 

偽物バン「そういう事だ。お前が願ってくれたおかげで俺ができた。お前には感謝しているよ」

 

 

 

 

バン「だからなんだよ。ここから早く出しやがれ!」

 

 

 

 

偽物バン「それは無理なお願いってやつだな。俺は自由になりたいんでね。こんな狭い場所に閉じ込められてずっと退屈してたんだ。だが、お前が俺に力を与えてくれた。

 

 

 

これから俺はお前として生きていく。お前がなれなかった優秀な兵士長のバンとして、な」

 

 

 

偽物のバンはバンに向かって指を指した

 

 

 

バン「な、何だと!!ふざけんな!!俺はこれから頑張っていくんだ!」

 

 

 

 

偽物バン「頑張る?こんな物に頼ろうとしてたやつが何を言ってんだか」

 

 

 

 

バン「ぐっ......。それは.....」

 

 

 

 

偽物バン「お前はもう用済みだ。俺の代わりにこの世界で俺の活躍を見ているといい。優秀なお前を見た周りはどんな反応をするだろうなぁ?」

 

 

 

 

バン「そんな事させねえ!!せいけんづき!」

 

 

 

バンは攻撃をするが、偽物のバンは煙のように消えていった

 

 

 

バン「どこに消えやがった!!ふざけんじゃねえ!」

 

 

 

部屋全体から偽物のバンの声が聞こえてくる

 

 

 

偽物バン「やれやれ、怖いやつだな。ほら、これでどうなっているかわかるだろ?」

 

 

 

バンの目の前には映像が流された

 

 

 

映像には目の前でメグがご飯を食べており、横にはマサルの姿も見える

 

 

 

バン「な、なんだよこの映像。誰の目線だ、これ」

 

 

 

 

偽物バン「これは俺の目線。もうお前はネックレスの中にいて、俺がお前として動き始めたのさ」

 

 

 

 

バン「なに!?おい、メグ!!メグ!!そいつは俺じゃない!!聞こえねえのか!」

 

 

 

メグは全く反応を示さない

 

 

 

偽物バン「俺はお前の記憶を全て持っている。今までどうやって過ごしてきたかもな。ここから俺が変えてやるよ。お前の望んだ姿にな。

 

 

 

誰にもネックレスの中にいるなんてわかるわけもねえ。声も聞こえないし、姿も見えないからな。さて、そこで静かに見ているといいさ」

 

 

 

偽物のバンの声は聞こえなくなった

 

 

 

バン「そんな......」

 

 

 

その頃、メグのカフェでは

 

 

 

偽物バン「いやー、メグの朝飯はいつ食べても美味いな!」

 

 

 

 

メグ「ふふ、ありがとうバン。今日は元気なのね。よかったわ。最近考え事が多いみたいだったから。仕事大変なの?あまり無理しないでね」

 

 

 

 

偽物バン「ああ、心配かけて悪かったな。俺はもう平気だ」

 

 

 

 

マサル「パパ、頑張って!」

 

 

 

 

偽物バン「おう、マサル。ありがとな!父ちゃん、頑張ってくるぞ!」

 

 

 

その後、デルカダール城 訓練場

 

 

 

マーズ「おはよう、バン。今日は体術の訓練から始めるからな。お前が率先して教えるんだぞ。ダバンもいるが、あまり頼ってばかりいるなよな」

 

 

 

 

偽物バン「おう!今日はバッチリ考えてきたからな!任せておけ!」

 

 

 

 

マーズ「それならいいが、前みたいにいきなり難しい事をさせようとするなよ?何事も基本が大事なんだからな。それを踏まえておけよ」

 

 

 

 

偽物バン「当たり前だろ!マーズはいつも心配性だな!」

 

 

 

 

マーズ「お前が馬鹿ばかりやってるからだろうが」

 

 

 

 

ギバ「よう、マーズ、バン、おはようさん!」

 

 

 

ギバとガザルがやってきた

 

 

 

偽物バン「おう、ギバとガザルか。おはよう」

 

 

 

 

ガザル「今日のメニューの話か?」

 

 

 

 

マーズ「ああ。まあ、バンに注意してた所だ」

 

 

 

 

ギバ「それ何回やってんだよ。もうバンには無理だって」

 

 

 

 

ガザル「そうそう。頭の容量が足りねえんだよ」

 

 

 

 

偽物バン「うるせえ!!今に見てろよ!」

 

 

 

そして、訓練が始まり

 

 

 

偽物バン「この前は踏み込みが甘いやつらが多かったからな。今日はそこを重点的にやっていくぞ。踏み込みを重くしないと、一撃を決めたい時に決められないからな。

 

 

 

それに、足でしっかり体を支える事で踏んばる事もできる。基礎の大事な所だからな。何日かにわけてやっていくぞ」

 

 

 

 

新入り達「は、はい!」

 

 

 

 

偽物バン「まずは俺がやってみせる。その後は一人ずつ俺が見ていくからな」

 

 

 

それを見ていたベグル達は

 

 

 

ベグル「.........は?」

 

 

 

 

ダバン「おい、あれは誰だ?」

 

 

 

ダバンは自分の教える事がなくなり、困惑している

 

 

 

ロベルト「本当にバンなのか?随分と教え方が上手くなってるじゃないか」

 

 

 

 

ギバ「マジかよ.....」

 

 

 

 

ガザル「誰の入れ知恵だ?ラース将軍か?」

 

 

 

 

マーズ「まさか。ラース将軍はバンに自分が思うようにやれと言っていた。それに、バンも今日はよく考えてきたと言っていたな。まさか、本当にバンが?」

 

 

 

訓練が終わると

 

 

 

ダバン「バン!!急いで医療部屋に行くぞ!!」

 

 

 

ダバンは偽物のバンの手を取って走り始めた

 

 

 

偽物バン「え?な、何でだよ!」

 

 

 

 

ダバン「お前があんなトラブルも何もなく訓練が終わるなんてありえねえだろ!!どっか頭に怪我してんだろ!」

 

 

 

 

偽物バン「失礼だな!!健康だぞ!!」

 

 

 

偽物のバンは踏みとどまった

 

 

 

ベグル「お前.....本当にバンか?」

 

 

 

ベグルは恐る恐るバンに触っている

 

 

 

偽物バン「ベグルまで!何でこんな反応するんだよ!俺だってやればできるんだぞ!!」

 

 

 

 

マーズ「いや恐れ入ったぞ、バン。これからもあの調子で頑張ってくれ」

 

 

 

 

ロベルト「そうだな。新入り達も随分と熱心な顔して取り組んでいたじゃないか」

 

 

 

 

ギバ「あんな事もできたんだな。また兵士長らしくなったんじゃないか?」

 

 

 

 

偽物バン「だろ?やっぱり兵士長ならこうでなくっちゃな!」

 

 

 

その頃、ネックレスの中では

 

 

 

バンはその訓練の光景を見ていた

 

 

 

バン「何だよ、皆して。俺だってあれくらい......。できたかもしれないんだぞ......。そいつは偽物なんだよ。誰か一人でも気付けよ。ベグル、ガザル、ギバ、ダバン、マーズ、ロベルト......。嬉しそうな顔しやがって」

 

 

 

バンはふて腐れていた

 

 

 

その後、ベグルの部屋

 

 

 

コンコン

 

 

 

偽物バン「ベグル、いるかー?」

 

 

 

 

ベグル「あ、ああ。今開ける」

 

 

 

ガチャ

 

 

 

ベグル「どうしたんだよ、バン。やっとノックするようになったんだな。前に骨に刻んだ甲斐があったってもんだな」

 

 

 

 

偽物バン「ハ、ハハ。そりゃああそこまでされたら次何されるかわかんねえからよ」

 

 

 

 

ベグル「それは何よりだな。で?用件は何だよ」

 

 

 

 

偽物バン「師匠に提出する書類あるだろ?終わったか?」

 

 

 

 

ベグル「ああ、あれの事か。まだ途中だが、締め切りは一週間後だぞ。早くないか?お前なんて前日まで手をつけねえじゃねえか」

 

 

 

 

偽物バン「ほら、見ろ!偶には早く終わらせて師匠に楽させてあげたいからな!ベグルも早く終わらせて師匠を驚かせてやろうぜ!」

 

 

 

偽物のバンは書類をベグルに自慢気に見せた

 

 

 

ベグル「な!?あのいつも締め切りギリギリでラース将軍に怒られてたお前が......。本当にどうしたんだ?頭でも打ったか?」

 

 

 

 

偽物バン「何でそうなるんだよ。俺だってやればできるんだぞ!」

 

 

 

 

ベグル「へいへい、少し待ってな。俺も終わらせるからよ」

 

 

 

 

偽物バン「なら、ベグルの部屋の本読んでていいか?勉強するからよ」

 

 

 

 

ベグル「ハァ!?お前が勉強だって!?.......おい、バン。こっちこい」

 

 

 

 

偽物バン「??何だよ」

 

 

 

 

ベグル「ふんっ!!」

 

 

 

ガツン!

 

 

 

ベグルは偽物のバンの頭を思いっきり殴った

 

 

 

偽物バン「いっっだあああ!!何しやがる!!たんこぶ出来ただろ!!」

 

 

 

偽物のバンは涙目になっており、その頭には大きなたんこぶが出来上がった

 

 

 

ベグル「これで元通りか?全く。突然どうしたってんだよ」

 

 

 

 

偽物バン「殴る理由が酷え!!元通りも何も、生まれた時からこの頭だからな!」

 

 

 

しばらくして、玉座の間

 

 

 

偽物バン「マルティナ様、失礼します。師匠、今日はサプライズがあります!」

 

 

 

 

ラース「おう、何だよ」

 

 

 

偽物のバンが玉座の間に入ると同時に、隅にいたブレイブが立ち上がった

 

 

 

寝ていたコロも目を覚まし、辺りを見回し始めた

 

 

 

ラース「(ん?突然どうしたんだ?)」

 

 

 

 

偽物バン「師匠、見てください。これ!」

 

 

 

 

グレイグ「これは.....一昨日出した書類か。随分持ってくるのが早いな」

 

 

 

 

ラース「締め切りは一週間後だぞ。もう終わったのか?」

 

 

 

 

偽物バン「はい!いつも締め切りギリギリで申し訳なかったので、今回から早く出すようにします!」

 

 

 

 

マルティナ「あらよかったわね、ラース。これで寝る時間が増えるわよ」

 

 

 

 

ラース「あ、ああ。助かる。だが、どうした?急に」

 

 

 

 

偽物バン「言ったじゃないですか、サプライズだって。驚いてくれました?」

 

 

 

 

ラース「そりゃあ.....言葉に表せないくらいにはな。まあ、ありがとう。預かるな」

 

 

 

 

偽物バン「やった!作戦成功!それでは失礼しました!」

 

 

 

偽物のバンは喜んだ様子で出ていった

 

 

 

ラース「マジか......。何があったんだ?」

 

 

 

 

マルティナ「私も驚いたわ。バンがこんな早く書類を終わるなんて。ベグルとは違って存在すら忘れてる事も多かったのに」

 

 

 

 

グレイグ「確かにそうですね。バンはこういう書類関係は相当苦手ですからね」

 

 

 

 

ラース「........」

 

 

 

 

 

 

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