次の日、夕方 デルカダール城 大広間
そこではラースと兵士達が夜の宴会に向け、テーブルなどを準備していた
ラース「さて、こんなもんだろ」
ロベルト「ですね。椅子も余分にありますし、テーブルも余ったら空いたお酒などを置くのに使いましょう」
マーズ「後はテーブルクロスとか外した方がいいですよね。大変な事になるかもしれないですし」
ラース「あー、確かに。うっかりこぼしたとかなったら面倒だもんな。全部外すか」
バン「マーズー、氷はこのくらい砕けばいいか?」
バンとベグルなどの一部の人達は氷を準備していた
マーズ「あー、どうですか?ラース将軍。もう少しいります?」
ラース「ふむ......。まあこれでいいんじゃないか?足りなくなったらベロニカだったり俺だったりじいさんだったりがヒャドで追加してくれるさ」
バン「じゃあ冷凍庫に冷やしておきますね」
ベグル「準備大体終わりましたね。そろそろ皆さん来ますよね」
ラース「ん?知らなかったか?シルビアはもう到着してたぞ」
ベグル「あ、そうだったんですか。全く気づかなかったですね」
ラース「まあ、本人も早く来すぎたかもしれないって言ってたけどな。そんじゃあ解散だ。飲みたい物、食べたい物何でも持ってこいよー」
ロベルト「はい!」
玉座の間
ラース「マルティナ、準備終わったぜ」
マルティナ「あら、早かったわね。お疲れ様。手伝えなくてごめんなさい」
ラース「いやいや、これくらい大丈夫だぜ」
シルビア「ちょっとウキウキしちゃって早く来すぎたわね。それとラースちゃん、あなたが好きそうな料理持ってきたの。楽しみにしててね〜」
ラース「お、それは気になるな。シルビアがおすすめするのはどれも美味いからな。楽しみだぜ」
その時、入り口近くにいたブレイブが耳をたてた後、こちらに向かって軽く吠えた
ブレイブ「ガウ」
グレイグ「む?どうやら知ってる人が来たようだぞ」
シルビア「え?今のブレイブちゃんの合図だったの?」
マルティナ「ええ。ブレイブが知ってる気配だと教えてくれるの」
ガチャ
イレブン「マルティナ、グレイグ、ラース来たよー」
ロウ「ほほ、呼んでくれてありがとのう」
カミュ「そこでバッタリ会ったんだ」
グリー「わ、わ〜......。ここが玉座の間か〜」
マヤ「グリーさん緊張してない?大丈夫だよ」
マルティナ「あら、たくさん来たわね。ふふ、いらっしゃい」
グレイグ「グリー、久しぶりだな。マヤから話は聞いていたぞ」
シルビア「皆〜、久しぶり〜」
グリー「お久しぶりです、グレイグ様、マルティナ様。ビルさんとマドリーさんからお礼に渡して欲しいと言われました」
グリーはマルティナに袋を渡した
マルティナ「あら、ありがとう。これは......あら!お酒だわ。見覚えあるけど、どこのかしら」
グレイグ「おお、これはサマディーのサボテン酒。かなり飲みやすいと言われている酒ですな」
マヤ「なにかと思ってたらお酒だったんだ。今度お店として開いたら入荷するんだって」
ラース「へ〜、デルカダールでサマディーの酒が飲めるのか。いいじゃないか」
イレブン「そういえばブレイブとかマルス達はどうするの?」
マルティナ「ああ、マルス達は悪いんだけど友達の家に泊まりにいったわ。二人にどうするか聞いたらお酒の匂いが嫌だからって言って逃げるように城から出ていったの」
ラース「ちょっとショックだよな....」
グレイグ「コロはマルス達が連れていって、ブレイブはここに残っているそうだ。一応呼べば来るぞ。まあ、ブレイブも鼻が効いて酒の匂いが強い所は苦手らしいがな」
カミュ「へえ、酒の匂いはやっぱり慣れてないとキツいか」
ロウ「ほほ、まあそれは仕方あるまい。苦手な者は苦手じゃからのう」
グリー「さ、触って大丈夫?噛まない?」
グリーは恐る恐るブレイブに触ろうとしている
ブレイブ「.......ガウ」
ブレイブは待ちきれず、自分から手に擦り寄った
グリー「わわっ!!び、びっくりした!」
マヤ「あははは!グリーさん驚きすぎだよ」
その後全員が集まり、大広間で宴会が行われた
マルティナ「それじゃあラース、乾杯の合図よろしくね」
ラース「え?お、俺なのか?普通マルティナとか王様じゃないのか?」
デルカダール王「なに、この宴会はラースが以前やりたいと言っていたのだろう?それなら、今回の立案者が乾杯をするのが定石であろう」
ラース「ああ、何年か前のやつか。まあ、それじゃあ....。皆、酒は持ったか!」
全員「オー!」
ラース「それじゃあ景気よくいこうか!かんぱーい!」
全員「かんぱーい!!」
カァン!
ラース「..........クゥ〜、最高!やっぱりこういうのはいいよな!」
デルカダール王「ハッハッハ!相変わらずいい飲みっぷりだな、ラースよ。どれ、わしのお気に入りの酒を持ってきたのだ。皆で飲むといい」
ロウ「ほほう!これはデルカダールの珍酒、蜂蜜酒。あまり飲める機会が無く、量も限られておるものじゃな。流石デルカダール王、いい物を持ってくるのう」
マルティナ「蜂蜜酒。話には聞いた事ありますが、私は飲んだ事ありませんでしたね。甘いんですか?」
デルカダール王「うむ。ほのかに甘く、度数もそこまで高くないから誰でも飲みやすいのだ。いくつか候補があって悩んだが酒が弱い者もいるかと思い、こちらにした」
グレイグ「流石は我が王。配慮が素晴らしい」
マヤ「甘いんだ。私でも安心して飲めそう」
シルビア「じゃあじゃあ、次はアタシ!知ってる人も多いんじゃないかしら?ジャーン!グラッパよ!しかも、熟成させた特別物よ!」
数人「おおー!」
ラース「それも美味そうだな。しかも熟成なんて中々されないじゃないか」
カミュ「いいな、流石シルビアのおっさん。とっておきと言ってただけあるな」
ベロニカ「ねえシルビアさん。グラッパって?」
セーニャ「私も初めて聞きましたわ。どんなお酒なんですか?」
シルビア「知らない人に教えると、グラッパってのは簡単に言うとぶどうのお酒よ。かなり飲みやすいし、ぶどうの甘さがしっかり口に残るの。ただ、度数はちょっと高めなの。だからお酒が苦手な子はあんまりたくさん飲まない方がいいわ」
グリー「へー、世界にはいろんなお酒があるなあ」
ベグル「ソルティコでは有名なのか?」
マーズ「そうだな。だが、基本は度数が低い熟成されてないものばかりだ。度数が低いから弱くても飲めるが、ぶどうの味が薄くなる。でも、あれは熟成させる事でぶどうの味を濃くしてるのさ」
バン「流石マーズ!ソルティコ出身だとよく知ってるな」
シルビア「マーズちゃんも知ってたのね〜。まあ、そんな感じのお酒なの。少しだけなら全員飲めると思うわ」
ロウ「ほほ、それじゃあ次はわし達じゃな。わし達はこれじゃ。クレイモランの雪溶け酒じゃ」
ギバ「さ、流石ロウ様。入手困難なはずなのに.....」
マルティナ「あのお酒イレブンも知ってるの?」
イレブン「ううん。おじいちゃんが自分の部屋から持ってきたんだ。何のお酒なの?」
カミュ「あれは米の酒だ。ホムラの酒と同じだな。ただ、作り方が特殊で雪の中に突っ込んでおくんだ。クレイモランといえば雪だからな」
ギバ「後で凍ってしまうんですけど、それを解凍させたのがこの雪溶け酒なんです。かなり高価な上に一年の決まった季節に数回しかお店に並ばないんですよ」
セーニャ「そ、そんな珍しいお酒なんですか!凄いですわ!」
デルカダール王「ロウよ、お主も中々な物を持ってきたではないか」
ロウ「ほほ、皆物知りじゃのう。本来ならわしが説明しようと思っとったのに」
ベロニカ「あ、じゃあ次はあたし達ね。といっても、これがどこのお酒とか何も知らないの。ごめんなさい」
セーニャ「お父様達も美味しそうだからとしか言っておらず、わからずじまいだったんです。どなたかわかりますか?」
グレイグ「うーん......。見覚えはある。だが......思い出せんな」
ラース「俺はわかったな。ダバン、お前も知ってるんじゃないか?」
ダバン「え?俺ですか?うーん......。ええ、わかんないですよ」
ロベルト「見覚えないのか?」
ダバン「あ、ああ」
シルビア「アタシは初めて見たわね。ラースちゃん、どこの国?」
ラース「これはグロッタの酒だな。ラガーと呼ばれるやつだな」
デルカダール王「おお!ラガーであったか!そういえば確かに黒い瓶だったのう!」
ベロニカ「あら、ラガーなら私達もお父さんも知ってるはずだわ。でも違うって言ってたわよ」
ラース「あ、あれ?じゃあ何だ?」
カミュ「ぷっ.....。兄貴、得意げになってた癖に恥かいたな」
ラース「うるせえ!掘り返すな!」
マヤ「ねえ、兄貴。これ私見覚えあるよ」
グリー「え!?マヤさん、凄い!」
セーニャ「まあ!素晴らしいですわ、マヤ様!」
カミュ「マヤの言う通りだな。こりゃあボックだ」
全員「ボック?」
マヤ「あー、そうそう。そんな名前!でも凄く苦いんだよね」
カミュ「だな。度数もそれなりにあるやつだ。俺は飲めるが苦手なやつは無理だろうな」
ベロニカ「へえー、そうだったんだ。何か変なの持ってきちゃったみたいね。ごめんなさい、皆」
マルティナ「そんなのいいのよ。自由にしてたんだから。それにここには酒豪が二人いるから平気よ」
ロベルト「確かに。ラース将軍とカミュさんなら余裕そうですよね」
ラース「まあ、飲んだ事ないからわからねえが大抵は大丈夫だろ」
ガザル「あ、次は俺ですね。俺は大したやつじゃないですけどこれです。エール!」
イレブン「あ、エールなら僕も知ってる!美味しいよねー」
グレイグ「やっとメジャーな物が出てきたな」
バン「ん?このエール、高いやつじゃん!ガザル、いつのまにこんなやつ!」
ガザル「いいだろ?この場には持ってこいだと思ってな。俺のお楽しみの一つだったんだが、皆で飲む方がいいだろと思ってよ」
ラース「いいぞー、ガザル!弱い人達も飲めるもんな!」
ダバン「ラース将軍は何かないんですか?」
ラース「お、それじゃあ次は俺だな。俺はこれだ。酒が飲めない人達にはぜひ飲んでほしい!特に!セーニャ!」
セーニャ「わ、私ですか!?」
ラース「見て驚け!チョコレート酒だ!」
全員「ええ!!?」
ラース「凄いだろ?」
セーニャ「ぜひ飲んでみたいですわ!甘いんですよね!?」
ラース「もちろん。度数も高くないし、かなり飲みやすかったぞ」
デルカダール王「初めて聞いた。どこで手に入れたのだ」
ラース「ベグル、知ってるか?」
ベグル「は、はい。ダーハルーネの一部のパティシエのみに作られる事が許されたお酒ですよね。ただ、製作難易度が高くて美味しくなりにくいとか」
マヤ「そうなんだ。流石ダーハルーネ」
グリー「でも大丈夫なんですか?それ」
ラース「実飲済だ!味は保証するぜ!」
ベロニカ「もう飲んでたのね」
マルティナ「本当ラースは驚かせるのが好きよね」
カミュ「それじゃあ最後は俺だな。といっても、皆には悪いが俺は兄貴用に買ってきた。皆は飲まない方がいいと思うぜ」
ラース「お、俺用?何買ったんだよ」
マーズ「かなり度数が高いってことですよね」
カミュ「兄貴なら知ってるだろ!ホムラの秘蔵酒だぜ!」
ラース「えええ!!?凄え!!度数が物凄い高い事で有名な最新作じゃねえか!しかも、高いだろ?これ!」
カミュ「まあ値段は気にすんなよな」
グレイグ「本当に手に入れていたのだな」
グリー「あのー、秘蔵酒って?」
シルビア「秘蔵酒はホムラのお酒よりずっと度数が高いお酒なの。でも、その分味がさらにしっかりしてるって聞いたわ。少しなら飲んでみようかしら」
グリー「あのホムラのお酒でさえ高いのに、それよりも更に.....って凄くないですか?」
デルカダール王「確かにのう。ラース用だというのは肯ける」
ロベルト「ラース将軍かカミュさんしか飲めない気がします」
ラース「それじゃあ、皆で飲みたいやつからどんどん飲んでいこうぜ!」