ドラゴンクエストⅪ 魔法戦士の男、恋をする   作:サムハル

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竜の宴

飲み会から二週間後、ソルティアナ海岸

 

 

 

丘の上には真っ白な結婚式場が建っており、海を一望できるようになっていた

 

 

 

今日、ここで一組の男女が愛を誓う日となっている。式場の周りには兵士達やイレブン達なども集まっている

 

 

 

着替え部屋

 

 

 

男全員「おお〜......」

 

 

 

 

ベグル「あ、あんまジロジロ見ないでください........」

 

 

 

ベグルは白いスーツに身を包み、赤いハイビスカスが胸のポケットを飾っている

 

 

 

ラース「いやー、やっぱり一生に一度の服だろ?人生の晴れ舞台の姿くらいよく見ておきたいよな」

 

 

 

 

イレブン「うんうん。ラースの服もかっこよかったけど、ベグルのもカッコいいよ!」

 

 

 

 

カミュ「いつも兵士の鎧姿だったからよ。それが急にこんな服になって見慣れてねえんだ」

 

 

 

 

ベグル「俺もこんな凄い服、一生に着るのなんてこの日くらいですよ」

 

 

 

 

ロウ「じゃが、少しネクタイやスーツがずれておるぞ。どれ、しゃがんでくれんかの。わしが直そう」

 

 

 

 

グレイグ「折角の記念すべき日だ。服装もしっかりしておかんとな」

 

 

 

 

ベグル「ロウ様、ありがとうございます」

 

 

 

 

バン「こういうのって何て言うんだっけ?えっと.....シルバーデビル(猿)にも衣装?」

 

 

 

 

ギバ「それだと褒めてねえぞ。黒竜丸(馬子)にも衣装の方だろ」

 

 

 

 

ロベルト「お前ら、意味は変わらねえぞ」

 

 

 

 

ベグル「そこの二人は後で覚えてろよ」

 

 

 

 

ガザル「まあバン達は放っておいて、ベグル似合ってんな」

 

 

 

 

マーズ「後はジェーンさんだけだな」

 

 

 

 

ダバン「どんな見た目にしたんだ?一緒に決めたんだろ?」

 

 

 

 

ベグル「それは見てからのお楽しみってやつだな」

 

 

 

 

カミュ「そう言われると気になるな。まあ、あっちにはマルティナ達がいるし、何も問題ないだろ」

 

 

 

 

ロウ「こんなもんじゃな。少々苦しいかもしれぬが我慢するのじゃぞ」

 

 

 

 

ベグル「ん〜、これは確かに少し苦しいかもしれないですね」

 

 

 

 

ラース「やっぱりそうだよな。俺も何度緩めようと思った事か」

 

 

 

 

グレイグ「思ったではなく、目を離すとすぐに緩めていただろう。直すこちらの事も考えてほしいものだ」

 

 

 

 

ベグル「まあ、我慢ですからね。これくらいなんて事ないです」

 

 

 

その頃、女性達の方は

 

 

 

ジェーン「ど、どうですかね?」

 

 

 

 

女性達「素敵!」

 

 

 

ジェーンは白いウェディングドレスに淡い黄色のレースがかかり、頭には赤いハイビスカスの形をした宝石がついていた

 

 

 

ミラ「ジェーン、とっても素敵!!あなたにぴったりだわ!」

 

 

 

 

シルビア「ミラちゃんの言う通りよ!もっと胸張っていいのよ」

 

 

 

 

マルティナ「ベグルと二人で選んだんでしょ?とってもお似合いだわ。ベグルったらいいセンスしてるわ」

 

 

 

 

ジェーン「えへへ、ありがとうございます。まさかこんな綺麗なドレスを着れる日がくるなんて.....夢みたい」

 

 

 

 

セーニャ「ジェーン様、そのお気持ちよくわかりますわ。何たってこのウェディングドレスは一度きり。私達女性なら誰もが憧れますもの」

 

 

 

 

ベロニカ「ベグルもきっとジェーンに驚くと思うわ。もう外で待ってると思うし、ビックリさせに行きましょう!」

 

 

 

 

 

 

テーブルには立派な料理が並び、周りにはラムダからの人達も来ている

 

 

 

中央には神父が立ち、二人の登場を待っていた

 

 

 

ジェーン「あ.......ベグル君」

 

 

 

 

ベグル「.........ジェ、ジェーン.....か。凄く似合っているぞ」

 

 

 

 

ジェーン「ありがとう。ベグル君こそカッコいいよ」

 

 

 

 

ベグル「そうか?ロウ様や皆に厳しくチェックされたからな。それじゃあ、行こうか」

 

 

 

 

ジェーン「ええ。お父さん達にもこの姿しっかりと見てもらわないと」

 

 

 

 

神父「新郎ベグル、あなたはここにいる新婦ジェーンを健やかなる時も病める時も、富める時も貧しい時も、妻として愛し、敬い、慈しむ事を誓いますか?」

 

 

 

 

ベグル「ああ、誓います」

 

 

 

 

神父「新婦ジェーン、あなたはここにいる新郎ベグルを健やかなる時も病める時も、富める時も貧しい時も、夫として愛し、敬い、慈しむ事を誓いますか?」

 

 

 

 

ジェーン「はい。誓います」

 

 

 

 

神父「それでは誓いのキスを」

 

 

 

 

二人「.........」

 

 

 

二人は少しの間見つめあっている

 

 

 

ベグル「.....俺は口下手な方だからよ。こういう時、何て言ったらいいかわからねえけど、今日まで俺を信じてきてくれてありがとう。ジェーンには話せてない事だってまだたくさんある。

 

 

 

それでも!俺は、ジェーンが好きだ。この気持ちだけは隠さない。これからも俺と共に過ごしてくれ」

 

 

 

 

ジェーン「うん。わかってる。私はベグル君をいつまでも信じてる。どんなベグル君だって、愛してみせる。隣で過ごし続けるよ」

 

 

 

二人はゆっくりとキスをした

 

 

 

神父「ここに新たな夫婦ができた事を祝福いたします。どうかこの二人に、いつまでも神の御加護がありますように」

 

 

 

パチパチパチ!!

 

 

 

ジェーンの母「うう.....ジェーン....こんなに綺麗になって」

 

 

 

 

ジェーンの父「駄目だよ母さん。今日は笑って過ごすんだろう?ジェーンとの約束じゃないか」

 

 

 

 

ジェーンの母「ええ......。感動しちゃって....」

 

 

 

その時

 

 

 

グラグラグラ!!

 

 

 

全員「!!?」

 

 

 

強い揺れが式場全体を襲った

 

 

 

ジェーン「キャッ!」

 

 

 

 

ベグル「ジェーン!何だよ、この揺れ!」

 

 

 

 

ラース「おいおい!かなり長いぞ!」

 

 

 

 

マルティナ「こんな場所で地震なんてあるの!?」

 

 

 

 

シルビア「そんなはずないわ!アタシこんな強い揺れ初めてよ!」

 

 

 

 

カミュ「お、おい!見ろ、海の方!」

 

 

 

海からは建物のような物が出てきていた

 

 

 

イレブン「何あれ!?塔だよ!」

 

 

 

 

ベロニカ「この揺れはあの塔のせいなの!?」

 

 

 

しばらくすると揺れが収まった

 

 

 

グレイグ「皆!怪我のある者はいるか!」

 

 

 

 

セーニャ「お怪我された方は私のほうまで来てください!すぐに手当ていたします!」

 

 

 

転んだり、割れた食器などでの数人の怪我人が集まった

 

 

 

ザワザワ

 

 

 

辺りはざわついている

 

 

 

ラース「ベグル、ジェーン、無事か!?怪我はないな?」

 

 

 

 

二人「.........」

 

 

 

二人は黙って塔の方を見つめている

 

 

 

ラース「お、おい?二人ともどうした?」

 

 

 

 

マルティナ「ベグル?ジェーン?どうしたの?」

 

 

 

 

ベグル「......呼ん...でる...」

 

 

 

 

マルティナ「え?」

 

 

 

 

ジェーン「私達.....呼ばれてる....」

 

 

 

 

ラース「呼ばれてる?誰に?」

 

 

 

二人はそう言うと、海に向かって歩き始めた

 

 

 

マルティナ「ちょっと!?そっちは崖よ!落ちちゃうわよ!」

 

 

 

 

ラース「どうした、ベグル!ジェーン!」

 

 

 

 

バン「師匠、マルティナ様!塔の方に異変が!」

 

 

 

 

ラース「何!?」

 

 

 

塔の方を見ると、塔から何かがたくさん飛んできている

 

 

 

マルティナ「今度は何なの!?」

 

 

 

 

ロウ「この場所.....式場.....。あの塔.....どこかで覚えが」

 

 

 

ロウは考え込んでいる

 

 

 

イレブン「おじいちゃん?」

 

 

 

 

カミュ「お、おい!あの飛んできてるの全部魔物だ!!」

 

 

 

飛んできているのは全てドラゴンの魔物だった

 

 

 

ベロニカ「まずいわ!急いで避難させないと!」

 

 

 

 

マルティナ「兵士達!!グレイグ、シルビア、セーニャ!戦えない者達を守りながら避難させて!!他の人達はここで食い止めるわよ!」

 

 

 

 

全員「了解!」

 

 

 

 

周りの人達「逃げろー!!」

 

 

 

 

グレイグ「ゴリアテ、俺が先導する。後ろは任せたぞ」

 

 

 

 

シルビア「任せてちょうだい!傷一つつけさせないわ!」

 

 

 

 

セーニャ「皆さん落ち着いて逃げてください!私達が必ずお守りいたします!」

 

 

 

 

バン「ギバ、マーズ、ロベルト!お前達はここで戦っていろ!俺とダバン、ガザルがシルビアさん達に近づかせない!」

 

 

 

 

兵士達「了解!」

 

 

 

 

ラース「ジェーン!ベグル!お前達も逃げろ!」

 

 

 

ジェーンとベグルはどんどん崖へと進んでいく

 

 

 

ラース「くそっ!どうなっている!」ダッ!

 

 

 

ラースは二人に向かって走り出す

 

 

 

その時

 

 

 

カイザードラゴン「ギシャアアア!!」

 

 

 

 

ラース「チッ!」

 

 

 

カイザードラゴンがラースとベグル達の間に立ちはだかった

 

 

 

ラース「このデカブツが。邪魔してくれてんじゃねえぞ」

 

 

 

空からは続々とドラゴンの魔物が降り立っている

 

 

 

周りはレジェンドウルフ、ハデスナイト、グランシーザーなど様々な竜が飛んでいる

 

 

 

イレブン「ラース!魔物が多すぎる!ここは纏まって戦った方がいい!」

 

 

 

 

ラース「わかってる!だが、ベグル達が!」

 

 

 

 

カミュ「一先ず何とか蹴散らすぞ!」

 

 

 

 

ベロニカ「飛んでる奴らは任せてちょうだい!」

 

 

 

 

ロウ「わしも手伝うぞ。地上はすまんが任せたぞ」

 

 

 

 

ギバ「イレブンさん達大丈夫ですか!」

 

 

 

 

マーズ「僅かながらお力になります!」

 

 

 

 

ロベルト「マーズはロウ様達を守りながら魔法を使っていけ!ギバと俺はイレブンさん達のサポートだ!」

 

 

 

 

マルティナ「助かるわ、ギバ、ロベルト、マーズ!」

 

 

 

 

ラース「オラァ!!どけぇ!!」

 

 

 

 

カイザードラゴン「キシャアア....」ジュワー

 

 

 

 

ラース「よし!ベグル!ジェーン!」

 

 

 

二人の側には緑色の竜が空から舞い降りていた

 

 

 

ラース「な、何だこの竜!見た事ねえぞ!」

 

 

 

するとその竜の背中に乗り、ベグルとジェーンは飛んで行ってしまった

 

 

 

ラース「お、おい!嘘だろ!!」

 

 

 

緑色の竜は塔へと戻っていった

 

 

 

ラース「くそっ!.......まずは周りを片付けねえとか」

 

 

 

しばらくして魔物は全滅した

 

 

 

 

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