ドラゴンクエストⅪ 魔法戦士の男、恋をする   作:サムハル

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祝福の竜

ソルティコの街

 

 

 

ラースはイレブン達や兵士達に先程見た光景を説明していた

 

 

 

全員「竜に連れ去られた!?」

 

 

 

 

ラース「そうなんだ。見た事もない緑色の竜でよ。かなり大きかったぞ」

 

 

 

 

マルティナ「じゃああの塔にベグル達がいるのね」

 

 

 

 

ミラ「そんな.....。もし食べられたなんて事になったら.....」

 

 

 

 

ダバン「大丈夫だ、ミラ。ベグルがいるんだ。絶対守ってくれるはずだからよ」

 

 

 

 

カミュ「だが、ベグルもジェーンも様子がおかしかったんだろ?」

 

 

 

 

ラース「ああ。何かに夢中になっているようだったぞ」

 

 

 

 

バン「となると、ベグルもジェーンさんも生きてるかどうか....」

 

 

 

 

シルビア「駄目よ、バンちゃん!あまり不吉な事は言うものじゃないわ!」

 

 

 

 

ベロニカ「そうよ!不安になっちゃうでしょ!二人なら絶対大丈夫だわ」

 

 

 

 

バン「そ、そうですよね!水を差すのはよくないですもんね!」

 

 

 

 

ロベルト「助けにいくのは当然として、あんな海のど真ん中にどうやっていきますか?」

 

 

 

 

マーズ「船を出そうにも停まれるような場所は見当たらないですよ」

 

 

 

 

グレイグ「そうか。それはまずいな。どうやって向かえばいいか.....」

 

 

 

 

セーニャ「海からが駄目なら空から向かえばいいのではないでしょうか?」

 

 

 

 

ダバン「そ、空から?でも、あそこはキメラの翼の範囲外ですよ」

 

 

 

 

ラース「なるほど。その手があったな。久しぶりじゃないか」

 

 

 

 

ギバ「え?ラース将軍って空飛べたんですか?」

 

 

 

 

イレブン「ううん、そういう事じゃないんだ。僕達には伝説の乗り物があってね。それを使えばあそこに降りれると思うよ」

 

 

 

 

マルティナ「ケトスの事ね。随分と懐かしいわ」

 

 

 

 

ミラ「ケトス......。確かラムダの古文書には勇者が乗っていた物だって。あ!なるほど!」

 

 

 

 

バン「そんなのあるんですか!イレブンさん凄え!」

 

 

 

 

カミュ「ケトスで向かうのはいいとして、メンバーはどうする?いつものメンバーでいいか?」

 

 

 

 

ロウ「すまんが....わしは少しあの塔について気になる事があってのう。少し調べさせてほしい。わしは共に行けんのう。どうしてもというならどうにかするが」

 

 

 

 

ベロニカ「わかったわ、おじいちゃん。じゃあ何かわかったら教えてちょうだい」

 

 

 

 

グレイグ「だが、また先程のように魔物達が来たらどうする」

 

 

 

 

バン「グレイグ将軍、そこは俺達にお任せください。必ずこの街を守ってみせますよ!」

 

 

 

 

グレイグ「そうか。バン達も残ってくれるならありがたい」

 

 

 

 

ラース「それじゃああの塔に向かうか。急いで二人を救出しないとな」

 

 

 

謎の塔 入り口

 

 

 

セーニャ「ここがあの塔ですか。丘から思っていたより離れていましたね」

 

 

 

 

シルビア「本当ね。しかも遠くだとわからなかったけど、かなり高いわ。頂上にベグルちゃん達がいるのかしら?登るだけでも一苦労しそうよ」

 

 

 

 

イレブン「でも、何とかしないと。中は階段を上るだけみたいだし、変な仕組みとかはないみたいだよ」

 

 

 

 

ラース「マルティナ、高いが平気か?」

 

 

 

 

マルティナ「......この高さはまずいけど、隅にいくのを控えれば何とかなる.....と信じてるわ」

 

 

 

 

グレイグ「無理しないでくださいね、姫様。何かあればすぐにお知らせください」

 

 

 

一時間後、謎の塔 中心部

 

 

 

ベロニカ「ふぅ.....結構上ったわね。あとどれくらいあるのかしら?」

 

 

 

 

カミュ「そうだな.......。高さから見て大体半分くらいじゃねえか?」

 

 

 

カミュは上と下を見比べて推測している

 

 

 

マルティナ「これで半分!!?嘘でしょ!」

 

 

 

マルティナは想像以上の高さに驚いている

 

 

 

ラース「ああ、マルティナ。落ち着け。気持ちはわかるが、堪えてくれ」

 

 

 

 

マルティナ「私もロウ様と一緒に.....。いや、弱音は駄目よね。頑張らないと」

 

 

 

 

イレブン「でも、魔物達は全然いないね。最初はあんなに出てきたのに」

 

 

 

 

セーニャ「丘に向かってきた魔物達で全部だったのでしょうか」

 

 

 

 

シルビア「そうみたいね。でも、この先にはその謎の竜ちゃんがいるのよね。戦闘には備えておかないと」

 

 

 

それから二時間後、謎の塔 頂上

 

 

 

マルティナ「やっと.....頂上ね。うう......気圧が違うわ」

 

 

 

 

ベロニカ「そうね。少しだけ空気が薄い気がするわ」

 

 

 

頂上の真ん中にはたくさんの花が飾られており、中心の台には大きな鐘があり、その前にベグルとジェーンの姿があった

 

 

 

グレイグ「イレブン!二人ともいたぞ!」

 

 

 

 

イレブン「本当だ!でも、何してるんだろう?」

 

 

 

 

セーニャ「あ、ベグル様がジェーン様に屈みましたわ」

 

 

 

ベグルはジェーンに向かって膝を折り、頭を下げている

 

 

 

ラース「あれは....忠誠のポーズ。だが、なぜここで?」

 

 

 

ゴォーン!ゴォーン!ゴォーン!

 

 

 

ベグル達の近くにあった大きなベルが一人でに鳴り出した

 

 

 

それと同時に周りのたくさんの花達が光り始め、七色のアーチを作り出した

 

 

 

シルビア「す、凄いわ.....。お花ちゃん達が輝いて....虹みたいになってる」

 

 

 

 

グレイグ「幻想的ですな。まるで二人を祝福しているようだ」

 

 

 

 

セーニャ「この鐘の音。とても聖なる力を感じます。まるで心が洗われていくような....」

 

 

 

 

カミュ「だが、その謎の竜はどこだ?」

 

 

 

 

ベグル「.......あ、あれ?俺は....何を?」

 

 

 

 

ジェーン「.......え?....どこ、ここ!!?ベグル君までいるけど」

 

 

 

 

ラース「二人とも元に戻ったか!無事みたいだな」

 

 

 

 

ベグル「あ、ラース将軍。それに皆さんも。ここどこですか?俺達途中で記憶が無くて」

 

 

 

 

ジェーン「花達が凄く綺麗......」

 

 

 

 

マルティナ「二人は謎の竜に連れられてここに来たのよ。あの竜の事知らない?」

 

 

 

 

ベグル「竜?わかんないですね。今正気を取り取り戻したばかりなんて」

 

 

 

その時、後ろから声が聞こえてきた

 

 

 

???「伝統の儀、見せてもらったぞ」

 

 

 

 

全員「!?」

 

 

 

振り返るとそこには緑色の大きな竜が見下ろしていた

 

 

 

ラース「こいつだ!ベグルとジェーンを連れ去ったやつは!」

 

 

 

 

シルビア「どうしてこんな事したの?それに伝統の儀って?」

 

 

 

 

バース「我の名はバース。お前達を待っていた」

 

 

 

 

イレブン「待っていた?」

 

 

 

 

バース「うむ。遥か昔、我がまだ悪の心を持っていた魔物だった頃、一組の男女がこの塔で愛を誓い合った。その時の鐘の音に我は心を奪われた。

 

 

 

それにより我の中にある悪の心は消え、我はその一組の男女を盛大に祝い、感謝をした。その者達も我に感謝を示し、我が再び姿を現した時、自分達と同じ物をつけた男女がここで愛を誓い合うようにしようと約束してくれた」

 

 

 

 

セーニャ「まあ.....なんて素敵なお話なんでしょう」

 

 

 

 

ベロニカ「その男女がつけてた物って?」

 

 

 

 

バース「赤い花だ。種類まではわからんが、互いに同じ物を付けていた」

 

 

 

 

ベグル「それって!」

 

 

 

 

ジェーン「これの事!?」

 

 

 

ベグルとジェーンには互いに赤いハイビスカスが付いていた

 

 

 

グレイグ「何と。そんな事が.....」

 

 

 

 

バース「我は400年の眠りから覚めたが、塔には魔物が住み着いておった。先程追い払ったが、まさか目覚めた日に本当に同じ物を付けた男女がいるとは思わなかった。あの者達が伝統として残してくれたのではないのか?」

 

 

 

 

イレブン「僕達はそれ初めて聞いたよ。今日あの場所で結婚式をしたのはほんの偶然だったんだ」

 

 

 

 

バース「なんと.....。我の勘違いであったか。すまなかった、お前達」

 

 

 

バースは少し弱々しそうに謝った

 

 

 

ベグル「.....いや、別に構わねえけどよ。何でわざわざ操ったりしたんだ?」

 

 

 

 

バース「実はお前達を操ったわけではなく、我が追い払った魔物達がお前達に向かっていくのが見えてな。それを我が再び別の場所に払おうとしたのだが、範囲内にお前達も入ってしまったというわけだ」

 

 

 

 

ジェーン「そ、そうだったんですか。じゃあさっきの鐘の音も、この綺麗な花達も、あなたが私達を祝福してくれたんですか?」

 

 

 

 

バース「ああ。あの者達と同じようにした。人間はこうやった祝福が好きなのだろう?」

 

 

 

 

ベグル「まあ......ありがとよ」

 

 

 

 

ラース「話を纏めると、ベグル達が連れ去られたのはこの竜の勘違いで、ここに来たのは昔の伝統に倣って赤い花を付けた男女を祝うため。魔物はただ塔から追い払ったから来てしまった、と」

 

 

 

 

マルティナ「悪意があったわけじゃないし、寧ろ好意的に接しようとしてくれてたのね」

 

 

 

 

バース「ああ。だが、どうやら長い眠りにつきすぎたようだな。世界も人間も変わりすぎているようだ。我の事は忘れてくれ。我はまた......あの時と同じく、この鐘の音が聞けただけで満足だ」

 

 

 

 

ジェーン「..........バース...様といいましたね。私達を祝ってくださり、本当にありがとうございます。心から感謝いたします」

 

 

 

ジェーンはバースに向かって頭を下げた

 

 

 

ベグル「ジェーンの言う通りだな。あんたの勘違いに巻き込まれたようだが、それでも迷惑とは思わねえ。俺達を祝ってくれたんだ。寧ろ、感謝しねえとだな。ありがとよ、バースさん」

 

 

 

 

バース「お主達.......。懐かしい.....あの者達もこうして我に感謝してくれた。お主達も同じ事をしてくれるのだな」

 

 

 

 

シルビア「ねえ、ベグルちゃん、ジェーンちゃん。このバースちゃんも悪い子じゃないし、皆をここに呼んでもう一度祝うってのはどうかしら?」

 

 

 

 

カミュ「おいおい、それはいくらなんでも危ないんじゃねえか?戦えないやつらだっているんだぞ」

 

 

 

 

ベグル「俺は構いませんよ。魔物達に水を差されてたのでちょっと不服だったんです」

 

 

 

 

ジェーン「私もいいよ。バース様も私達の事、また祝ってくれませんか?」

 

 

 

 

バース「ここに人間を?我は構わぬ。お主達を祝う者がいるなら、ぜひ連れてくるといい」

 

 

 

 

ラース「だが、ここまでどうやって?」

 

 

 

 

バース「ならば、我が乗せよう。人間程度ならいくらでも運ぼう」

 

 

 

 

マルティナ「うーん.....とっても素敵なんだけど、大丈夫かしら?」

 

 

 

 

イレブン「敵意は無いし、友好的だよ。それに、どうしても無理なら一部の人達だけとか」

 

 

 

 

カミュ「まあ、それならありだろうが.....」

 

 

 

 

グレイグ「バース、お前は襲ったりはしないのだな?」

 

 

 

 

バース「我は争いなど好まぬ。我はこの塔と鐘を守るだけだ」

 

 

 

 

ベロニカ「大丈夫そうね。じゃあ戻って皆に少し話をしましょう」

 

 

 

 

セーニャ「そうですわね。ロウ様にもお伝えしなければ」

 

 

 

 

バース「なら、我に乗るといい。我が先程の丘まで送り届けよう」

 

 

 

 

ベグル「りゅ、竜に乗るなんて......。こんな事初めてだ」

 

 

 

 

ジェーン「意外としっかりしてて落ちなさそう」

 

 

 

 

バース「それでは行くぞ」

 

 

 

 

 

 

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