その夜、酒場
バン「それじゃあお疲れ様だー!かんぱーい!」
全員「かんぱーい!」
ジエーゴの指導も終わり、兵士達とラースとグレイグとカミュは飲みに来ていた
グレイグ「俺までよかったのか?今回は師匠とお話ししただけだぞ」
ラース「人数いた方が楽しいし大丈夫だぜ」
カミュ「そうそう。それに兄貴の奢りなんだ。遠慮すんなよ」
ラース「お前は奢らねえからな。しっかり払えよ」
グレイグ「まあ、それなら甘えさせてもらおう」
ギバ「今日はダバンが褒められてたな!こっちも見てて凄えって思ったぜ」
ベグル「だな。中々いい動きしてたよな」
ラース「素早い攻撃と相手の攻撃への引き際もバッチリだったな」
グレイグ「盾の使い方も上手かったぞ。隙が少なく尚且つ次の行動にすぐに移れるようになっていたな」
ダバン「み、皆して褒めると流石に照れますね」
カミュ「へー、そんなによかったのか。それなら少しくらい覗いておくんだったな」
バン「俺としてはもう少し相手に負担与えるやり方でもよかった気がするけどな」
ロベルト「相手はジエーゴさんだからな。そう簡単にはいかないんだ」
グレイグ「うむ。師匠も手加減しているとはいえ、簡単に色々させてもらえる人じゃない。あまり欲張ると手痛い反撃が飛んでくるぞ」
マーズ「前回俺がそうなりましたね。魔法を唱えて逃げ場を失くそうとしたら、その範囲内に俺ごと巻き込んできましたからね」
ラース「ジエーゴさんなら簡単にやってきそうだな」
それからしばらくして
ラース「そういや、前にバンとギバと飲んだ時にお前達の最初の頃の話を聞いたんだったな」
グレイグ「そうだったな。ロベルトとマーズとガザルは知らないだろう。バン達が兵士として入ってきたばかりの頃だ」
ガザル「何だそれ!凄え気になる!」
マーズ「あれ?ロベルトもなのか?バン達より兵士になったのは早かったんじゃなかったか?」
ロベルト「俺はあの頃は兵士になって一年経過していたからな。バン達とは違うグループだったんだ」
カミュ「ベグルが今とは大違いな性格だったって話だな」
ベグル「あー......。そうですね。一人でずっと練習してた時ですもんね」
ラース「ベグルはバンに無理矢理グループに入れられたって聞いたが、何て言われて入ったんだ?」
ベグル「え......。それは......バン、お前が話せ。当事者なんだからよ」
バン「いやー、それがよ。全く覚えてねえんだ。ベグルにボコボコにされたのは覚えてんだけど、そこからどうやって引き込んだのか忘れちゃってよ」
ベグル「ハァ!?お前、あんなにしつこかったくせに忘れたのかよ!?」
バン「ああ、そうだ!」
ベグル「開き直んな!」
グレイグ「ギバ達は覚えているか?」
ギバ「いや、多分ですけどベグルとバンしか知らないんですよね」
ダバン「だな。俺達は気づいたらベグルがバンを引きずってやってきたってのが最初なんで」
ラース「......今と大して変わってないな」
ロベルト「確かに....」
ベグル「じゃあ俺しか知らないんですね。話しますよ」
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バン「お前、さっきの動きめちゃくちゃ凄かったぞ!俺にも教えてくれよ!」
ベグル「あ?んなの自分で何とかしろ。俺に構うな」
バン「なんだよ、冷たいやつだな。じゃあ隣で練習してもいいか?」
ベグル「気が散る。いつものやつらの所いけよ」
バン「今、自由時間だろ?あいつらいねえんだよ」
ベグル「だから何だ。俺以外にたくさんいるじゃねえか」
バン「でも、俺はお前に興味がわいた!なあー、いいじゃんかよー」
ベグル「うぜえ。こっちくんな」
バキッ!
ベグルはバンを殴った
バン「痛っ!な、殴る事ねえだろ!」
ベグル「うるせえ。どっか行けって言ってんだ」
バン「くっそー!もう怒った!おい、俺と勝負だ!俺が勝ったら俺と一緒にグループで練習しろ。お前が勝ったら俺は諦める。これでどうだ!」
ベグル「.......ハァ。とことん面倒なやつだ。仕方ねえな。その勝負乗ってやるよ。要はお前を捻り潰せば何も問題ないって事だろ?」
ベグルはバンを睨みつけている
バン「こ、怖っ!!顔、怖すぎだろ!だ、だが俺だって訓練を怠けてるわけじゃねえんだ!あまり舐めるなよ!」
しばらくして
ベグル「おら、こんなもんかよ。さっきの意気込みはどこいったんだ?あぁ?」
バンはボロボロになって倒れており、ベグルは体を蹴っている
バン「ぐぞぉ......こんなにボコボコにする必要ねえだろ。体中痛くて動けねえ」
ベグル「ふん、これで俺の勝ちだ。懲りたらもう話しかけてくんなよ」
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バン「それは俺もよく覚えてるぞ!あんなに怪我したの兵士になって初めてだったからな!」
カミュ「........今と何が違うんだ?」
グレイグ「......勝負という点くらいか?今と驚くくらい変わりないな」
ガザル「何で昔の話なのにこんなに既視感あるんだよ」
ベグル「それは昔からこいつが変わらねえって事だろ」
ラース「それを言うならおそらくベグル、お前も変わってないんだと思うぞ」
ベグル「.......ゴホン。それじゃあ続きですね」
ギバ「あ、逃げた」
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次の日
バン「お前、昨日のリベンジだ!」
ベグル「.........勝負は終わっただろうが」
バン「あんな結果俺は認めねえ!一方的だったじゃねえか!」
ベグル「んなもんお前が弱いからだろ。責任なすり付けてくんな」
バン「とにかく!もう一回だ!」
ベグル「断る。何の意味もねえだろうが」
バン「ぐぐぐ......。ふぅ〜ん、じゃあお前の不戦敗で俺の勝ちって事でいいよな?」
ベグル「あぁ?てめえ、何わけわからねえ事言ってんだ?」
ベグルは青筋を浮かべている
バン「ヒィッ!こ、こわ.....。じゃなくて、俺に負けるのが嫌ならそう言えよ。ほら、グループにいくぞ。ギバ達に新しい仲間だって紹介してやらねえと」
バンはベグルの手を掴んだ
ベグル「.......ふざけんな!!!」
バキィッ!!
ベグルはバンを思いっきり殴った
バン「グボァッ!!」
バンは壁まで飛んでいった
ベグル「俺がてめえなんかに負けるだと?そんな事言うようなら二度とそんな事喋れねえようにしてやるよ」
バン「キュウ....」
バンは目を回している
ベグル「何目回してんだ!起きやがれ!」
バン「グフッ!!」
ベグル「リベンジなんだろ?だったら成長した所見せてみやがれ!」
バン「ギャアアアア!!!」
それから一週間バンのリベンジは続いた
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ダバン「一週間も続いたのかよ。よくやったもんだな」
バン「そ、そうだったっけ?」
ラース「バンの悪い所が出てんなぁ。決めたら曲げないからこうなると終わらねえんだ」
ギバ「そういやバンの怪我が知らない間に増えてた記憶が....」
グレイグ「結果はベグルの全勝か?」
ベグル「そうですね。でも、バンも俺のパターンがわかってきたみたいだったんですよね」
カミュ「そりゃあ一週間も毎日やってたらわかるわな」
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一週間後
ベグル「てめえ!!しつこいにも程があんだろうが!!どんだけリベンジしにくるつもりだ!」
バン「うるせえ!!俺はお前を気に入ったんだよ!俺達と一緒に訓練しようぜ!絶対楽しいからよ!」
ベグル「毎回毎回同じ事言いやがって!てめえはそれしか言えねえのか!」
バン「だっていっつもお前一人じゃんか!寂しくねえのかよ!周りに誰かいた方が今後のためにも絶対役立つからよ!」
ベグル「そんなの弱いやつが言う事だ!俺は一人で強くなる!一人でだって何だってできる!」
バン「強情なやつだなー!だが、俺も同じやり取りばかりは嫌だ。早い所お前を認めさせて、一緒に訓練するんだ」
ベグル「こっちも同じやり取りばかりで飽きてきた。今日で本当に最後だ。これで俺が勝ったら二度とてめえとは話さねえ」
バン「........なら、俺が勝ったら絶対に俺達と一緒に訓練しろよ?」
ベグル「そんな未来ありえねえよ。これまでの結果が述べてんだろうが!」
その後
バン「ハァ.....ハァ....」
ベグル「(チッ!何だこいつ。今日は随分粘り強いじゃねえか。こっちも読まれてきてる。くそっ!思い通りになってたまるか!)うおおおおっ!!」
バン「ぐっ!今日は......負けねえ!!!」
バンはギリギリでベグルの攻撃を避け、渾身の一撃をベグルに加えた
ベグル「ぐはっ....」
ベグルは膝をついた
バン「ハァ........。ど、どうだ!俺だって弱いわけじゃねえ!」
ベグル「..........だあーっ!!やってられねえ!!.......負けだよ。好きにしろ」
ベグルはそのまま大の字になって倒れた
バン「へ.......。いよっしゃあー!!」
ベグル「何でそんなに喜んでんだよ」
バン「へへっ!だってよ、お前みたいな強いやつがいてくれた方が俺達のためにもなるだろ!それに新しく友達、じゃねえや。仲間が出来たんだ。嬉しいだろ!でも見てろよな、俺だっていつかお前みたいに強くなってやるからよ!」
ベグル「.......へいへい。全く馬鹿な男に気に入られたもんだな」
次の日
ベグル「おい、お前のグループに連れてけよ」
バン「お、来たな!ずっと一人ぼっちだったからわかんねえんだろ?俺についてこい!」
ベグル「調子のんな、馬鹿!」
バキッ!
ベグルはバンを殴った
バン「グハッ!」ドサ
バンは気絶した
ベグル「何一発で気絶してんだ。たくっ!」
ベグルはズリズリと引きずってダバン達の所へ向かった
ギバ「あ、あれ?お前って確か....」
ベグル「ここがこの馬鹿のグループだろ。今日から俺も一緒にやる事になった。よろしく頼む」
ダバン「お、おう。よろしくな。バンは何で気絶してんだ?」
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ベグル「って感じです」
ラース「二人とも、ずっとお前呼びしてたのかよ。名前互いに知らなかったのか?」
バン「あー、そう言えばベグルって名前を知ったのそれから随分先ですね」
ベグル「お互い気にしてなかったですからね。ギバとダバンより後に知りましたよ」
ロベルト「それでいいのかよ」
グレイグ「ベグルがバン達のグループに入った日は覚えていたが、それまでにそんな事があったのだな」
バン「なんとなく思い出したかも。とにかく夢中になってベグルを引き込もうとしてたな」
カミュ「それは話を聞けばわかるぜ。しかし、バンは折れねえよな」
バン「へへ、ありがとうございます」
ギバ「褒められたわけじゃねえと思うぞ」
ガザル「俺やマーズが入った時にはもうベグルがいて、バンを馬鹿呼びしてましたね」
マーズ「最初は馬鹿って呼ばれて何で反応してんだよって思いましたけどね」
ベグル「事実だからな。当然だ」
ダバン「だが、バンの宣言通りになったな。バンについてきてよかっただろ?」
ベグル「どうだか。面倒事ばかりな気もするが?それに俺より強くなるってのはいつになるんだろうな」
バン「え?もう俺の方がベグルより強いだろ」
ベグル「ハ?この馬鹿は何調子に乗ってんだか。いつ俺がお前にそんな差をつけられたよ」
バン「いやいや、俺の方がベグルより戦闘経験多くなっただろ」
ベグル「そんな事で俺に勝っただと?全く......。力の差ってやつがわかってねえようだな、この馬鹿は」
バン「そりゃあ力じゃ敵わねえけど、それ以外なら負けねえぞ!」
ベグル「ほほう?随分生意気になったな?バン。誰が今までお前を躾けてきたと思ってんだ。主人に逆らうんじゃねえよ」
バン「また俺の事犬扱いしてるだろ!俺は犬じゃねえって言ってんだろうが!」
ベグル「なら、どっちが上かわからせてやろうか。おら、表出ろ。またボコボコにしてやるよ」
バン「あ、いや、ちょっと待って!ぐえっ!ごめんなさい、ベグル様!調子乗りました!やめっ、お許しをー!!」
バンはベグルに引きずられていった
カミュ「.....さっき話に聞いてた時と変わらねえじゃねえか」
ギバ「俺達が一緒になって訓練始めた頃からあんな感じですよ。バンはもう少しベグルを挑発気味でしたけど」
ラース「十年以上同じ事続いてるってわかってねえのか?」
グレイグ「まあ、いいのではないか?気が合うという事だろう。お前達ともな」
ガザル「まあ、気が合うってのは本当ですね」
ダバン「あーあ、面倒なやつとこれからも一緒か」
ロベルト「今更だろう。これからも変わらないさ」
マーズ「そうだな。あの二人もなんだかんだでいいコンビだからな。そういえば、ラース将軍知ってますか?バンのやつ、最近俺達に対して指導できるようになってきたんですよ」
ラース「お前達を指導?バンが?」
ガザル「はい。俺達が癖になってる動きとか、弱点を見つけてくれてそれを踏まえた特訓内容を教えてくれるんです」
グレイグ「ほう、それは素晴らしい。確かに自分では気づきにくい所も他人から見ればわかる所もある。そこを補うのはいい事だ」
ダバン「少し前からノート片手に皆を観察してたのはそれだったんですよ」
ロベルト「俺が言ったノートをそんな風に使ってくれるとは思わなかったけどな」
ギバ「ただ、ベグルはバンに指摘されるのが嫌みたいでいつも喧嘩みたいになってるんですよね」
マーズ「言ってる事はバンの方が珍しく正しいんですけどね。ベグルのプライドが許さないんですかね?」
カミュ「昔はベグルの方が上だったんだろ?納得いってねえんじゃねえのか?」
ラース「少し面白そうだな。今度見にいってみるか」