仲直りしてから一週間後
デルカダール城 玉座の間
マヤ「皆、ただいまー」
マヤが店から帰ってきた
マルティナ「あら、マヤちゃん。お帰りなさい」
グリー「し、失礼します...」
後ろからはグリーも少し申し訳なさそうにしながらやってきた
ラース「お、グリーも来たのか。珍しいな」
マヤ「どうせならと思って呼んでみたの。グリーさんも泊まるってさ」
グリー「いいですか?」
グレイグ「ああ、構わないぞ。姫様もよろしいですか?」
マルティナ「ええ、もちろん。お父様にも伝えておくわね」
ラース「カミュと会わなかったか?迎えに行くって言ってたはずだが」
マヤ「兄貴なら訓練場の所でバンさんに連れて行かれたよ。何か兄貴に用事があったみたい」
グリー「カミュさんも少し意外そうな顔してたよね」
バタン
その時、ちょうどバンが入ってきた
バン「失礼します、マルティナ様。提出する書類を出しにきました」
マルティナ「あら、ありがとう。期限に間に合うなんて珍しいわね」
バン「いやー、ベグルに怒られまして。これからはこのくらいまでに提出しておかないと次、俺に鉄拳が.....」
ラース「ああ、そういう感じか。って、それなら俺が毎回注意してたのは気にしてなかったって事か?」
ラースは少し不満そうにしている
バン「え?い、いや!そんな事ないですよ!!ただ、ちょっと忘れてしまうというか、頭から無くなっちゃうというか......」
バンは焦りながら訂正しているが、どんどん声が小さくなっていく
グリー「それって結局気にしてないのと同じになるんじゃ......」
マヤ「バンさんはそういうの苦手だもんね」
二人もバンの様子に苦笑いしている
ラース「ハァ......。まあこれからはこのくらいに提出してくれればいいさ。それと、カミュに用事があったんじゃないのか?」
バン「あ.......。それは終わったんで大丈夫です。あと、この書類ともう一つ師匠に用事がありまして」
ラース「ん?何だ?」
バン「明日の夕方、お時間ありますか?」
ラース「明日の夕方か。マルティナ、どうだ?」
マルティナ「少しだけなら平気よ。内容によるけどね」
バン「それならよかったです!俺、師匠にリベンジしたくて!」
グレイグ「リベンジ?というと、組手の事か?」
バン「はい!前に二連敗してたので、今回はマルティナ様から教わった師匠の弱点を突いて俺が勝ってみせます!」
ラース「うわぁ.......。ついに来たか。忘れていると思ってたんだがな」
ラースは嫌そうな顔をしている
マルティナ「ふふ、それなら期待してるわね。バン、頑張って。ラース、負けないようにね」
グリー「マヤさん、バンさんって強いの?あのラースさんに勝負を挑むなんて凄くない?」
マヤ「そっか、グリーさんはわからないもんね。バンさんって凄く強くて兄ちゃんと互角の戦いをするんだって。私もしっかりと見た事ないけど、勝率はお互い引き分けみたいだよ」
グリー「えええ!!す、凄いじゃん!だってラースさんって勇者様のお仲間だよ!?その人と互角って.....」
グリーはかなり驚いている
バン「ふっふっふ、凄いだろ、グリー!こう見えて結構強いんだぜ!」
バンもグリーの反応に胸を張っている
グレイグ「バンとは久しく戦ってないが見ていると俺も負ける可能性はある。技や判断力はラース譲りだな」
グリー「そんな凄い戦いが明日見れるんだ。僕も明日訓練場行ってみよう」
マヤ「じゃあ一緒に行こう」
ラース「おいおい、何だか負けられなくなってきたな」
夕食時
デルカダール王「グリーよ、よく来てくれたな。マヤがいつも世話になっておる。マヤ同様いつでも泊まりにきてくれ」
グリー「そ、そんな。僕はマヤさんに大した事してないのでそんなお気になさらないでください」
マヤ「そんな事ないよ!グリーさんのサポートいつもありがたいもん。ありがとう、グリーさん」
マルティナ「こっちとしても大勢いた方が楽しいわ。敬語とかは気にしないから気楽にまたきてね」
グリー「は、はい。ありがとうございます」
カミュ「兄貴、明日の夕方楽しみだな?」
カミュはラースにニヤニヤしている
ラース「楽しみなわけあるか。バンのやつ、何してくる気なんだ...」
マルス「父さん、明日バンさんと何かするの?」
デルカダール王「わしも初めて聞いたな。何の事だ?」
グレイグ「明日の夕方に訓練場でバンとラースが戦うんです。恒例の組手ですね」
デルカダール王「おお、そうであったか。ラースが勝つのか兵士のバンが勝つのかはいつもわしも楽しみにしておるぞ。今回はどうなるのかのう」
ルナ「お父さん、頑張ってね」
マヤ「ふふ、子どもに応援されちゃったよ。これは負けられないね」
グリー「期待してますね!」
ラース「うわぁ......。プレッシャーだ...」
カミュ「へへ、こりゃあ面白くなってきたな」
その後、マルティナとラースの部屋
ラース「うーん.........」
ラースは悩みながらノートに何かを書いている
マルティナ「明日の作戦?」
ラース「まあな。ちょっと何もなしだとキツい。バンには悪いが、少し対策していこうと思ってな」
マルティナ「バンも三敗したくないようで本気みたいだし、ラースもラースで本気なのね。これはいつもより白熱しそうね」
ラース「全く。皆して面白がって。そんなに俺が負けるのがみたいのかよ」
マルティナ「カミュはそうかもしれないけど、私達は似た実力の二人がぶつかってどっちが勝つのかに興味があるの。どっちかが負けてほしいなんて思ってないわ」
ラース「そうかよ。あー、いい作戦思いつかねえな。どうしたもんか」
その頃、バンの部屋
バンはカミュと相談していた
バン「これがマルティナ様が言ってた事なんです」
カミュ「へへ、なるほどな。これは確かに知らなかった。なら、作戦は俺に任せろよ。こんな感じでやってみたらどうだ?出来るだろ?」
バン「あ!なるほど!じゃあ、その後はこういう感じで攻めていけばいいですか?」
カミュ「いいと思うぜ。それにしても、流石マルティナだな。兄貴の事よく見てるぜ」
バン「本当ですよね。俺も教えられた時、え?そうだっけ?と思いましたから」
カミュ「それが上手くいけば兄貴の一番の長所が生きにくくなる。そこをボコボコにしてやれ、バン!俺の分までやってやれよ!何なら医療部屋送りにしてやってもいいぜ!俺が許可する」
バン「そ、そんなには無理ですよ。師匠だってそこまで食らい続けるとは考えにくいですし。というか、そんなに師匠に酷い事されたんですか?」
カミュ「いや?いつも余裕そうなのがムカつくからだぜ」
バン「これは酷い理由ですね。でも、カミュさんだってお強いですから師匠と戦えばいいじゃないですか」
カミュ「兄貴と俺が本気でぶつかっても兄貴の方が大抵勝っちまうからな。兄貴が無抵抗なら文句なくボコボコにしてやるんだが」
バン「前みたいにですか。カミュさんって本当師匠には喧嘩スタイルですよね」
カミュ「悪友みたいな感覚だな」
バン「友達はそんな互いに殴りあったりしませんよ」
カミュ「少し違うかもしれねえが、お前とベグルみたいな感じかもしれねえな」
バン「あー.........。少し気持ちはわかったかもしれません。まあ、仲良しなのはわかってますから大丈夫なんですけどね」
カミュ「とりあえず明日頑張れよ!俺はバンを応援してるからな!」
バン「はい!ありがとうございました!」