夕方、デルカダール城下町
コロ「あ!父ちゃんにラース様!」
コロが遠くから駆けてきた
ブレイブ「おお、お前もこれから帰る所だったか」
コロ「そう!聞いて、父ちゃん!俺、皆と今まで話せなかった事いっぱい話した!」
ブレイブ「そうか。喜んでいたか?」
コロ「うん!可愛いって言われた!」
ラース「それはまた少し違うがまあいいか」
コロ「父ちゃんは何してたの?ラース様とお散歩?」
ブレイブ「ああ、そうだ。楽しかったぞ」
ラース「コロ、マルスとルナはどうした?一緒じゃなかったのか?」
コロ「え?.......あ、置いてきちゃった。でも、お城に帰ろうとしてたからお城に行けば会えると思う!」
ブレイブ「全く。マルス達に合わせろと前にも言っただろう」
コロ「えへ、ごめんなさい」
ラース「まあそれなら城に戻ってマルス達がいるか見てみようか」
デルカダール城 大広間
マルス「あ!コロ戻ってきた!ブレイブも父さんも一緒だったんだね」
コロ「ごめんね、マルス、ルナ。俺、父ちゃんの気配がしたから走っちゃった」
ルナ「大丈夫だよ。コロはブレイブの事大好きだもんね」
コロ「うん!俺の自慢の父ちゃんだもん!」
ブレイブ「........恥ずかしいからやめなさい」
カミュ「お、話し声がすると思ったら今帰ってきたのか」
ラース「カミュ、帰ってきてたのか」
マルス「カミュお帰りー」
ルナ「カミュさんもこの後ご飯一緒に食べる?」
カミュ「ああ、そうするつもりだぜ」
コロ「カミュだー!えーい!」
コロはカミュに突撃していった
カミュ「ハァ!?コ、コロまで喋ってやがる!」
コロ「ビックリした?」
カミュ「あ、ああ。凄え驚いたぜ」
コロ「やったー!作戦成功!」
ブレイブ「すみません、カミュ様。こら、あまり人に突撃するんじゃない。驚かせてしまうだろう」
ブレイブはコロの頭を軽く叩いた
コロ「驚かせるのが目的なのに.....」
カミュ「なんだかコロらしいな。喋っているのには驚いたが、予想通りの性格してんだな」
ラース「やっぱりそう思うよな」
カミュ「そうだ。今日はブレイブ達の誕生日だろ?夕飯は俺が作ったやつだ。クレイモランで取れたホッカイマグロを使ってんだ。味わって食べてくれよな」
マルス「え!?カミュの料理!?」
ルナ「楽しみー!ありがとう、カミュさん!」
コロ「マグロ?」
ブレイブ「魚の事ですよね。魚は久々です。ありがとうございます、カミュ様」
ラース「ブレイブ達にホッカイマグロは大きすぎるだろ。という事はつまり........」
カミュ「全員分あるぜ。兄貴、"全員"用だからな。てめえ一人で食べるんじゃねえぞ」
カミュは全員を強調して言った
ラース「わ、わかってるよ。流石に一人占めはしねえよ」
カミュ「ならいいんだがな」
ラース「(そういや俺、ブレイブ達に何もしてやれなかったな)」
ブレイブ「ラース様?」
マルス「父さーん、ブレイブー、早くいこー」
ラース「ああ、今行く」
夕食後、バルコニー
マルティナはとラースはお酒を飲みながら少し話していた
マルティナ「え?ブレイブ達へのプレゼント?」
ラース「そ、そうなんだ。もう遅すぎるが何もしてやれてなくてよ。折角俺に仕えてるのに本人が何もしないなんておかしいだろ?何かいいものないか?」
マルティナ「..........ラース、気付いてないの?」
ラース「何がだ?」
マルティナ「コロはずっとマルス達と遊んでたから仕方ないけど、ブレイブにはもうプレゼントをしたじゃない」
ラース「???」
ラースはマルティナの発言に頭を傾げている
マルティナ「わかってないようね。それじゃあブレイブに直接聞いてみましょう」
ラース「プレゼントをか!?それは違うんじゃないか?」
マルティナ「ふふ、大丈夫よ。ラースが心配してるような事はおきないから」
ラース「(な、なんでマルティナは全て知ってるみたいになってるんだ?)」
しばらくして、マルティナはブレイブを呼んできた
ブレイブ「どうされましたか?マルティナ様」
マルティナ「ラースがね、ブレイブに聞きたい事があるんですって」
ブレイブ「ラース様ですか?何でしょうか」
ラース「い、いやー、その.....今日はブレイブ達が俺とマルスと出会った日だろ?それなのに俺は何もしてやれなかったな、って。それでいくらなんでも申し訳ないから、何かほしいものとかあれば言ってくれ。用意するぞ」
ブレイブ「..........ラース様、私はもうラース様にプレゼントをいただきましたが?」
ブレイブはキョトンとした顔をしている
ラース「え?俺は何もあげてないぞ?」
ブレイブ「お気付きではなかったのですか。今日一日、私と一緒にいてくれたではありませんか。普段は仕事であまり一緒にいる事も少なかったはずですよ」
ラース「........そ、そんなんでよかったのか?」
ブレイブ「そんなではありませんよ。私にとってラース様と共にいる時間は何よりも大切です。私はラース様と共にいるだけで幸せなのです」
ラース「そ、そうだったのか。しかし、もっとこうしてほしいとかはないのか?」
マルティナ「そんな無理矢理は駄目よ、ラース。ブレイブが一緒にいるだけでいいって言ってるんだしいいじゃない」
ラース「そ、そうだな.....」
ブレイブ「強いてあげるならば」
ラース「お、いいぞ。聞かせてくれ」
ブレイブ「私もバンのような目線で見てほしいです」
マルティナ「え?それってラースの弟子としてって事?」
ブレイブ「いえ、その弟子?というのはわからないですが、ラース様がバンによく見せているような目線を私にも向けてほしいのです」
ラース「あー.......。言いたい事はわかった。今日のバンの成長を見ているような時のやつだな?」
ブレイブ「そうです!あの優しい目線を私にも向けてほしいのです。前からその目線を向けられるバンが少々羨ましかったのです」
マルティナ「言われてみれば、確かにラースってバンの話をしてる時は大抵優しいような表情してるわよね」
ラース「そんな頻繁にしてたか?自分じゃわからねえや」
ブレイブ「む、難しかったでしょうか。魔物と人間という差がありますから少し諦めてはいるのですが......」
ラース「いや、そんな事はない。そうだな.............ゴホン」
ラースはブレイブの目線に合わせてしゃがんだ
ラース「ブレイブ、よく頑張っているな」
ブレイブ「!!!こ、これです!!私が羨ましかった目線はこれです!!ラース様、ありがとうございます!!」
ブレイブはとても嬉しそうにしている
ラース「お、おう。これだけでそこまで喜ぶなんてな」
マルティナ「なるほどね。でも、ブレイブの気持ちはわかるわ。ラースのその顔は私も好きよ」
ラース「へ....?お、俺一体どんな顔してるんだ?」
ブレイブ「マルティナ様も同じだったとは」
マルティナ「ええ、そうみたいね。ラースにそうやって見られると落ち着くのよね」
ラース「そ、そうなのか?」
ブレイブ「私は大変満足しました!ラース様、ありがとうございました!」
ブレイブは去っていった
ラース「な、なんか思ってたのと違ったな」
マルティナ「でも喜んでいたわよ。いいプレゼントになったじゃない」
ラース「まあ、そうだが.....。というかマルティナはブレイブが俺と一緒にいるのが好きだって気付いてたのか?」
マルティナ「ええ。だって今日のブレイブはラースと離れたくないみたいだったから。結構わかりやすかったわ。グレイグも気付いてたわよ」
ラース「嘘だろ!?あのグレイグでさえ気付くレベルだったか!何で気付かねえんだよ、俺」
マルティナ「仕方ないわよ。当事者だとわかりにくいと思うわ。ブレイブもあまり欲求とか感情を出す子じゃないから」
ラース「そうだよな。今度からもっとわがまま言っていいぞって教えておこう」
マルティナ「それでもブレイブの事だから、きっと大した事ないものでもラースがすればなんでも喜びそうね」
ラース「........いいのか?それで」