それから一週間後の夕方、ダーハルーネの街
カフェ
店長「ありがとうございましたー。さて......そろそろいい時間になるし、いつもより少し早いが今日は閉店にするか」
そう言い、シンジが店先の看板を片付けようとすると
女性「あ、あの、もう閉めてしまいますか?」
そこには長い緑色の髪をした美しい女性が立っていた
店長「へ?あ、もしかしてうちに用事ですか?」
女性「はい。ぜひ一度ここの有名なパフェを食べてみたくて」
店長「それなら大丈夫です。どうぞお入りください」
店内
女性「すみません。こんな遅くになってしまって」
店長「いえ、お気になさらず。ご注文は先程のパフェ一つでよろしいでしょうか?」
女性「はい。それで大丈夫です」
店長「かしこまりました。それではごゆっくり」
キッチン
店長「(いやー.......綺麗な方だなー。マルティナさんやセーニャさんも美しい方だけど、この方は少し別格な感じがするなぁ。座ってるだけで絵になるって感じか?)」
シンジはパフェを作りながら先程の女性を見ていた
女性「.........」ニコッ
女性はシンジに気付き、笑顔を見せた
店長「ドキッ........(き、綺麗だー!というか、目が合っちまった!恥ずかしい.....)」
その後
店長「お待たせしました。こちらフルーツパフェになります」
女性「わぁ......!凄く綺麗ですね。食べるのがもったいないくらいです」
店長「ありがとうございます。先程はジロジロ見てしまいすみません」
女性「いいえ、気にしないでください。それにしても、男性なのにこんなに繊細にスイーツを作るなんて本当に凄いんですね」
店長「そ、そうですか?少し照れますね」
女性「ああ......美味しい!!フルーツの甘さとクリームの甘さが合わさってとってもバランスがいいです!見た目だけじゃなくて、味までこんなに美味しいなんて。私、感動しました!」
店長「へへ、そこまで言ってくれる人は中々いませんよ。パティシエとして最高の褒め言葉です」
女性「また来てもよろしいですか?ぜひ他のメニューも食べてみたいです」
店長「はい。ぜひお待ちしてますね」
しばらくして、パフェを食べ終わった女性は会計を済ませた
女性「もう閉店間際だったんですね。こんなギリギリなのに対応してくださって本当にありがとうございました」
店長「いえいえ、こちらも本当に美味しそうに食べてくださって嬉しかったですよ」
女性「あ、えっとお名前お聞きしてもよろしいですか?」
店長「はい。俺の名前はシンジと言います。よろしくお願いします」
女性「私はスーナと言います。それではシンジさん、また後日ご来店いましますね」
店長「はい。ありがとうございました」
スーナは出ていった
店長「........名前聞けちゃった.....。いや〜、やっぱりあそこまで褒められると嬉しいよなー!セーニャさんの時もそうだけど、俺褒められるのやっぱり慣れてねえなー!へへへへ」
シンジは嬉しそうにしながら、後片付けを始めた
それから数日間、スーナはお店に連続で来店していた
四日後
セーニャとベロニカは甘いものを食べにダーハルーネに来ていた
セーニャ「スゥ......。やはりダーハルーネ全体はいつも甘い香りがしていますわ。幸せです」
ベロニカ「確かにね。まあ、これだけいろんなお店があれば当然だと思うわ」
セーニャ「店長様はお元気でしょうか。お姉様、またパフェを食べに行ってもよろしいですか?」
ベロニカ「ええ、もちろんいいわ。私もあそこのオレンジケーキが食べたかったのよ」
セーニャ「それも魅力的ですわね。店長様の作るケーキはどれも絶品ですのでいつも悩んでしまうんです。それでは早速向かいましょう」
カフェ
カラン
セーニャ「すみません。お二人でお願いしたいのですが」
店内からは店長が出てこない
ベロニカ「どうしたのかしら?いつもなら店長さんがすぐに来てくれるのに」
ガタガタ!
店長「す、すみません!少し反応に遅れました!って、セーニャさんにベロニカさん。いらっしゃいませ」
セーニャ「店長様、よかったですわ。少し反応が無くて心配しました」
店長「すまないな。早速席にご案内します」
二人を席に案内すると
スーナ「あ、シンジさん。お客様だったんですね。急に動き始めて驚きました」
店長「ああ、そうだ。セーニャさんとベロニカさんはこの席でいいか?」
ベロニカ「ええ、大丈夫よ。ありがとう。こちらの女性は?」
スーナ「あ、突然すみません。私、スーナと言います。最近こちらのカフェのお菓子に夢中になっていて、連日通わせていただいてるんです」
セーニャ「スーナ様ですか。私はセーニャといいます。ここのスイーツは本当どれも美味しいですね」
ベロニカ「.....私はベロニカよ。よろしくね、スーナさん」
店長「ご注文はどうされますか?」
ベロニカ「えっと、フルーツパフェが一つとオレンジケーキ。飲み物は紅茶を二つでお願い」
店長「かしこまりました。それではお待ち下さい」
しばらくして
店長「お待たせしてしまいすみません。フルーツパフェとオレンジケーキ、紅茶が二つになります」
ベロニカ「ありがとう。でもどうしたの?少し元気ないんじゃない?」
店長「あー......。わかるか?実はここ数日何だか寝不足な感じがしてな。仕事中少しウトウトしちまうんだ」
セーニャ「そうだったんですか。大変なのはわかりますが、どうかごゆっくりお体を休めてください」
ベロニカ「そうよ。体調が悪いならお店だって開かなくてもいいんじゃない?」
店長「ハハ、これくらいならまだ大丈夫だ。心配してくれてありがとな。本当に危なかったら流石に店を休むさ」
その後、ケーキとパフェを食べ終わった二人は外で少し話していた
セーニャ「店長様、大丈夫でしょうか?あまり無理をなさらないといいのですが」
ベロニカ「ねえ、セーニャ。あんた気付いた?あのスーナって人」
セーニャ「え?何がですか?あ、とっても綺麗な方でしたね」
ベロニカ「それはそうだけど、あの人、少し変な感じがしたのよね。魔力があるのはいいとしても......邪悪な魔力だったわ」
セーニャ「そ、そうだったのですか?私全く気付きませんでした」
ベロニカ「もしかしたら店長さん、危ないかも」
セーニャ「......ラース様にご連絡しますか?」
ベロニカ「いや、まだ確証もないのに心配させても悪いわ。あっちも忙しいしね。数日泊まって様子を見てみましょう」
セーニャ「という事は!毎日ダーハルーネのスイーツが食べられるのですか!?」
ベロニカ「ま、まあそうなるけど、目的は違うわよ!」
セーニャ「ありがとうございます、お姉様!他のお店のものもたくさん食べたかったんです。ああ.....どこから回りましょうか」
ベロニカ「全く......」