ドラゴンクエストⅪ 魔法戦士の男、恋をする   作:サムハル

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あの日の約束

次の日の朝 イレブンの家

 

 

 

イレブン「うーん.....」

 

 

 

イレブンはあれからずっと考えていて、寝不足気味に起きてきた

 

 

 

ペルラ「眠そうだね、イレブン。大丈夫かい?」

 

 

 

 

イレブン「ねえ、母さん。僕が昔、大きな木の下でエマと約束した内容って覚えてる?」

 

 

 

 

ペルラ「..........ああ、懐かしいねえ。そりゃあ覚えてるよ。エマちゃんが必死になってたからねえ」

 

 

 

 

イレブン「そっかー........」

 

 

 

 

ペルラ「忘れたのかい?あんたも喜んでたじゃないか」

 

 

 

 

イレブン「どうも思い出せなくてさ」

 

 

 

その後、村の広場

 

 

 

イレブン「あ!そうだ!命の大樹の根っこがあったはず。それを見れれば!」

 

 

 

イレブンは命の大樹の根っこが巻きついている木の下にやってきた

 

 

 

イレブン「もう見れないかな?........あ、少しならいけそう」

 

 

-----------------------

 

 

あの木の下で遊ぶ子どものイレブンとエマの姿が見えてきた

 

 

 

子イレブン「エマー、早く登っておいでよー」

 

 

 

 

子エマ「無理よ〜、イレブンみたいに私登れないもん」

 

 

 

 

子イレブン「え〜。折角高くていい景色なのにー」

 

 

 

 

子エマ「それに危ないよ。落ちちゃったら怪我しちゃう」

 

 

 

 

子イレブン「大丈夫だよ。ほら、手を出すからさ」

 

 

 

 

子エマ「もう。.....よいしょっ!あ、登れちゃった」

 

 

 

 

子イレブン「ほら!エマも登れたでしょ?見て!村が少し違く見えるよね」

 

 

 

 

子エマ「う、うん。少し不思議な感じがするわ。木の上ってこんな景色だったのね」

 

 

 

 

子イレブン「エマも木登りしてみたくなった?」

 

 

 

 

子エマ「イレブンの気持ちはわかったわ。でも、やっぱり少し怖いかも」

 

 

 

エマは下を見ていた

 

 

 

子イレブン「あ、下見ると危ないよ。ここはね、思いっきり飛び降りちゃえばいいんだよ」

 

 

 

そう言ってイレブンは飛び降りた

 

 

 

子エマ「ええ!?ま、待ってよ〜、イレブン。私、怖くて無理〜」

 

 

 

エマは少し泣き出しそうになっている

 

 

 

子イレブン「な、泣かないでよ、エマ。ほら、僕が下で支えるから」

 

 

 

 

子エマ「ううっ.......怖いよう...」

 

 

 

 

子イレブン「おいで!エマ!」

 

 

 

 

子エマ「ううっ......〜〜っっ!」

 

 

 

エマは勇気を出して目を瞑りながら飛び降りた

 

 

 

子イレブン「えいっ!」

 

 

 

イレブンはエマをしっかりとキャッチした

 

 

 

子イレブン「よかった。エマ、ごめんね?大丈夫?」

 

 

 

 

子エマ「怖かった.....怖かったよ〜、イレブン」

 

 

 

エマはイレブンに泣きついている

 

 

 

子イレブン「ご、ごめんね、エマ」

 

 

 

少ししてエマが泣き止むと

 

 

 

子エマ「ありがとう、イレブン。私を支えてくれて」

 

 

 

 

子イレブン「だって、僕が無理にエマを連れていったからだもん。エマを支えないと駄目じゃん」

 

 

 

 

子エマ「私さっきね、イレブンに支えられた時すっごく嬉しかったの。怖かった気持ちが無くなって、安心したの。イレブンに守って貰っちゃったみたいだった」

 

 

 

 

子イレブン「そうなの?でも、それならよかった」

 

 

 

 

子エマ「ねえ、イレブン。もし大きくなっても、私を支えてほしいの。イレブンとならずっと一緒だと思うの」

 

 

 

 

子イレブン「うん!僕もずっとエマと一緒がいい。ずっと遊ぼう」

 

 

 

 

子エマ「約束してくれるの?」

 

 

 

 

子イレブン「うん!約束!」

 

 

 

イレブンはエマと指切りをしている

 

 

 

子エマ「!イレブン、大好き!」

 

 

 

エマはイレブンに抱きついた

 

 

 

それを見ていた大人達がイレブンとエマの事を応援して、少しお祭りのようになっていった

 

 

 

それから時は経ち、エマが大人になりあの木の下で待ち続けている姿が見えていた。しかし、次第に顔も暗くなっていき、どんどん歳を重ねていった。そうして、隣に男の人が出来ても待っている姿があったが、最後に悲しそうな顔をした後、その男の人と歩いていった。

 

 

-----------------------

 

 

イレブン「........思い出した。そうだ。僕はあそこで、エマとずっと一緒にいて、エマを支えるって約束したんだった。........エマは、それを覚えてて........僕は忘れてしまってた。まさかエマは、あの木の下でずっと、僕がユグノアにいる時もずっと、待ってた?

 

 

 

何年も.....何年も。でも僕がいつまでも来なくて........諦めた。僕は........なんて馬鹿な事を......」

 

 

 

イレブンを強い後悔が襲い、その場に座り込んだ

 

 

 

イレブン「いや.......こんな事してる場合じゃない。エマに会いに行かなきゃ。まだ.......間に合うかもしれない!」

 

 

 

村長の家

 

 

 

ダン「エマなら昨日の夜、準備をして出て行ったぞ。これからイーブ君の家に行って同居生活を始めるんだ」

 

 

 

 

イレブン「そ、そんな.....。村長、イーブさんの家はどこ?」

 

 

 

 

ダン「ソルティコだと聞いているぞ」

 

 

 

 

イレブン「わかった!ありがとう、村長!」

 

 

 

イレブンは急いで出て行った

 

 

 

ソルティコの街

 

 

 

イレブン「すみません。イーブって人、知りませんか?」

 

 

 

 

男性「え?知らないなあ」

 

 

 

 

女性「私もわからないわ。この街に住んでる人に聞いてみて」

 

 

 

イレブンはいろんな人に聞き回っていた

 

 

 

イレブン「(観光客が多くて、知らない人ばかりだ。でも、諦めてたまるか!)すみません、イーブって人探してるんですけど」

 

 

 

 

おばさん「イーブ?確か、あの家の息子さんだったかしら。ほら、あの茶色の屋根の家よ」

 

 

 

 

イレブン「!ありがとうございます!」

 

 

 

イーブの家

 

 

 

コンコン

 

 

 

エマ「はーい」

 

 

 

ガチャ

 

 

 

イレブン「エマ!」

 

 

 

 

エマ「........イレブン」

 

 

 

 

イレブン「ごめん!エマ!あの日の約束、思い出したんだ!君とずっと一緒にって」

 

 

 

 

エマ「もういいのよ」

 

 

 

エマはイレブンの言葉を遮った

 

 

 

イレブン「........え?」

 

 

 

 

エマ「やっと思い出してくれたんだ。でもね.......もう遅いのよ。私はもういいのよ。あんな子どもの頃の約束に囚われすぎてた。あの頃はただの村人だったのに、もう私とあなたでは越えられない壁がある。

 

 

 

あなたは世界を救った勇者様で、ユグノアの王様。それに対して、私は何かしら。........もうあの頃には戻れない。昨日の夜、言ったでしょ?じゃあねって」

 

 

 

 

イレブン「!!?そ、そんな事ないよ!遅すぎるのは本当に謝る!でも、そんな壁なんて」

 

 

 

 

エマ「帰って」

 

 

 

 

イレブン「エマ.....」

 

 

 

 

エマ「帰って!!イレブン!」

 

 

 

 

イレブン「...........ごめん」

 

 

 

 

 

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