それから二週間後、ソルティコの街
シルビアは自分のサーカスに必要な物などの準備をしに買い物をしていた
シルビア「道具はこんなもので大丈夫ね。あとはネタを作るだけ。........あら?」
男の子「駄目だって言ってるだろ!」
女の子「嫌だ!離して、お兄ちゃん!私、もう我慢できないの!」
二人の子どもが言い争っていた
男の子「父さんとの約束だろ!俺達はここで待ってるんだ!」
シルビア「どうしたの?二人とも。何か困りごと?アタシが力になりましょうか?」
女の子「え?あ、お姉さん知ってる。見た事ある」
男の子「シ、シルビアさんだ!この街にいるの知らなかった!」
シルビア「あら、アタシの事知っててくれるなんて嬉しいわ〜。それで?喧嘩みたいだったけど?」
男の子「あ、えっと、俺、テルマと言います。こっちは妹のチャム。実は、妹が俺の父さん達に会いたくなったみたいで」
シルビア「お父さん達は別の場所にいるの?」
チャム「そうなの!私がまだ赤ちゃんだった頃にお父さんがお母さんを探しに行っちゃったの。それでまだ帰ってこなくて....」
テルマ「父さんは俺に必ず帰るからここでチャムと待っていろって約束したんです。だから父さんが母さんを連れて帰ってくるまでは、俺がチャムの親代わりとして生活してるんです」
シルビア「そう......。チャムちゃんはお父さん達が心配なのよね。お母さんはどうしていなくなっちゃったの?」
テルマ「母さんはチャムが産まれてすぐに行方がわからなくなったんです。デルカダールまでお使いにいくといって出ていったきりで....」
チャム「それで、お父さんがお母さんを探しにいったのに....」
シルビア「そのお父さんも何年も帰ってこない.....と。任せて、二人とも!アタシがお父さんとお母さんを探してきてあげる」
テルマ「い、いいんですか!?」
シルビア「もちろんよ〜。だ・か・ら、二人はここで笑って待っててね」
チャム「やった!お姉さん、ありがとう!」
シルビア「お父さんとお母さんの特徴を教えてくれない?髪の色とか服とか」
テルマ「父さんは黒い短い髪をしてて、茶色のコートをよく着てたよ。母さんは金色の長い髪をしてて、紫の服をよく着てた」
チャム「あ!あとね、お母さんと半分こしたのがあるの!これ!」
チャムは自分の小さな鞄から縦に二つに割れた手鏡を出した
シルビア「これ.....わざとこうしてあるの?」
チャム「うん!お母さんがチャムとお揃いにしてくれたんだって!」
テルマ「母さんがチャムに残した形見なんです。このもう半分は母さんが持っています」
シルビア「そうなのね。二人の名前はわかる?」
テルマ「父さんの名前はイグナ。母さんの名前はマリーです」
シルビア「わかったわ!教えてくれてありがとう」
その後、デルカダール城 玉座の間
ラース「うーん......短髪のイグナという男性も金髪のマリーという女性も聞いた事がないな」
グレイグ「住んでいる記録もない。この国にはいないようだぞ」
シルビア「じゃあ何年も帰ってないのはどうしてなのかしら」
マルティナ「わからないわね.....。こっちも街の人に聞いて調べてみるわ。シルビアはもし万が一襲われていた場合も考えて、森の中を調べてくれるかしら?」
シルビア「そうね。あまり考えたくないけど、調べてみるわね」
ラース「ブレイブ、森ならお前が一番よくわかるだろ。シルビアに何か情報を教えてやってくれ」
ブレイブ「ガウ!」
シルビア「ふふ、またよろしくね、ブレイブちゃん」
ナプガーナ密林
ガザル「お願いします、シルビアさん」
ガザルも念のためとしてやってきた
シルビア「ええ、よろしくね、ガザルちゃん。わざわざごめんなさい」
ガザル「いえ、大丈夫です。場所とかの検討はついてないんですよね?」
シルビア「そうね。何かヒントとかあるとわかりやすいんだけど」
ガザル「ブレイブの鼻を活かして探してみるのもいいと思います。何か物とかありませんか?」
シルビア「あ!それならこれがあるの。マリーちゃんの手鏡の半分。妹のチャムちゃんから預かったの。これでいいかしら?」
ガザル「それならよさそうです!」
シルビア「ブレイブちゃん、この匂いの場所わかる?」
ブレイブ「スンスン..............クゥーン....」フルフル
ブレイブはしばらく地面を嗅いでいたが、わからなかったようで首を横に振った
シルビア「あら......わからなかったって事よね」
ガザル「マジか.....。あのブレイブでもわからないなんて初めてだ。手当たり次第探してみますか?」
シルビア「そうね。わからない事ばかりで手を煩わせてごめんなさい。ブレイブちゃんはもし今の匂いを感じたら教えてくれる?」
ブレイブ「ガウ!」
ガザル「それじゃあ探してみましょう」
一時間後
シルビア「ガザルちゃん、そっちはどうだった?」
ガザル「俺の所に一つ怪しそうな場所がありました。洞穴です。もし迷って入ってしまうと自然とそこに入ったと考えてもいいような場所にあります」
シルビア「お手柄よ、ガザルちゃん!ありがとう!早速そこにいってみましょう!」