洞穴
洞穴までの道は一本だけになっており、周りから少し離れた道を辿るとその洞穴に続くようになっている。周りは木々で少し生茂り、洞穴には見えにくくなっている。
ガザル「ここです。慣れた人はこんな道来ないんですけど、初めての旅人なんかは遭難するとここにいたりします」
シルビア「なるほどね。確かに一度迷うと元の道に戻るのさえもかなり大変だものね」
ブレイブ「.........ガウ」
ブレイブは中の様子を確認した後、シルビア達を少し押し出した
シルビア「ど、どうしたの?ブレイブちゃん。何かいた?」
ガザル「魔物でもいたか?シルビアさん、少し離れてブレイブに任せましょう」
シルビア「わかったわ。ブレイブちゃん、お願いね」
数分後
ブレイブ「ガウ!」
ブレイブはシルビア達の元に戻ってきた
ガザル「お、戻ってきたか。ブレイブ、どうだった?」
ブレイブ「ガウガウ」クイ
シルビア「あ、ついてこいって言ってるわね。行ってみましょう」
洞穴内
リップス「プギ〜....」
中には数匹のリップスがいた。こちらを怖がっているようだ
シルビア「あら、ごめんなさい。ほんの少しだけお邪魔させてもらうわね」
シルビアはリップスに近づく
リップス達「プギー!」
リップス達は驚いて逃げ出した
シルビア「あ、あら.....。驚かせちゃったみたい。ごめんなさい」
ガザル「怖がりなんで仕方ないです。それよりも早く調べてリップス達にも安心してもらいましょう」
シルビア「そうね。そこまで入り組んでるわけではないのね」
ブレイブ「ガウ!」
ブレイブはシルビアとガザルにまた合図を出している
ガザル「あ、ブレイブが何か知ってるみたいです。行ってみましょう」
シルビア「流石ブレイブちゃん。頼りになるわ〜」
少し進むと
スモーク「シュー」
奥に一匹のスモークがいた
全員「!?」
ブレイブ「ガウガウ!」
ガザル「魔物はリップス達だけじゃなかったのか!」
スモーク「シュー!!」
スモークは吠えるブレイブを煙で包んだ
シルビア「あ、ブレイブちゃん!助けないと!」
シルビアとガザルは急いで武器を出した
ブレイブ「ガウ!」ガブッ!
ブレイブはすぐに少し後ろに跳んで煙から逃げた後、すぐに噛み付いた
スモーク「シュ〜....」ジュワー
ガザル「おお、流石ブレイブ。自力でどうにでもなったか」
シルビア「一撃なんてやるじゃな〜い。そういえば、ブレイブちゃんってかなり強いキラーパンサーだったわね。まあ何事もなかったみたいで安心だわ」
二人は武器をしまった
スモークがいた場所には色々なものがあった
食べ物や少し光るような物、または人間の着ていたものなどもある
ガザル「これは......あのスモークが集めていたものでしょうか」
シルビア「多分そうだわ。結構たくさんあるのね.........キャッ!」
横を見たシルビアは少し驚いていた
ガザル「?どうしました?シルビアさん........って、うおっ!」
横にはまだ穴があり、行き止まりとなっていた。そこにはたくさんの人間の死体があった
シルビア「ここに迷い込んだ旅人ちゃんの......末路って事?」
ガザル「なるほど。ここに迷い込むような慣れてない旅人や人間がスモークに敵うとは思えません。ましてやこんな狭い場所。ブレイブは身のこなしが軽いから何とかなりますが、俺達は避けるだけで精一杯です。
もしかして.......この中にそのイグナさんやマリーさんも....」
シルビア「や、やだ。そんなの駄目よ。だって......帰りを待っている子ども達がいるのよ。こんな所にいるわけ....」
ブレイブがその死体に近づき、匂いを嗅いだ
ブレイブ「.........ガウ....」カプ
ブレイブは戻ってきてシルビアの手にあった手鏡と全く同じものを持ってきた
二人「!!?」
ガザル「........シルビアさん、これって....」
シルビア「やだ........。じゃあ、本当に....」
シルビアはショックを受け、その場に座り込んだ
ガザル「..........少し調べます。もしかしたら、そのイグナさんっていう人も」
ガザルは死体を触って物や服の痕跡を確認し始めた
三十分後
ガザル「シルビアさん.....この男性の死体。元は茶色のコートを着ていたようです。それと.......こんな写真が....」
ガザルは一枚のボロボロになった写真を持ってきた
シルビア「!?」
その写真には小さなテルマと産まれたばかりのチャムが写っていた。無くなっているが、その近くにはイグナやマリーと思われる人の足なども写っている
シルビア「........この子達よ。アタシにお父さん達を探してきてほしいって言ったのは」
ガザル「そうでしたか......。手鏡があった死体より新しかったです。きっと、ここに迷い込んだというよりは、探し当てたのかもしれないですね」
シルビア「............」
ガザル「....出ましょう、シルビアさん。もうここにいる理由はありません」
シルビア「そう.....ね。ごめんなさい」
デルカダール城
ガザル「シルビアさん、大丈夫ですか?」
シルビア「ええ、少し落ち着いたわ。ごめんなさい、少し動転してしまって」
ガザル「当然の事ですよ。まさか.....もういないとは俺も思っていませんでした。その二人の兄妹には何て言うおつもりですか?」
シルビア「........まだ、悩んでるわ。本当の事を言うか、嘘を言うか.....。どっちが正しいのかしら」
ガザル「........俺の個人の意見ですが、本当の事を言うべきだと思います。もう生きてもいない、二度と帰ってこない人を待ち続けるより、少しでも前に進んでもらえるようにするのがいいかと」
シルビア「そうよね......。ありがとう、ガザルちゃん」
ガザル「いえ、報告はシルビアさんがしますか?」
シルビア「ええ。ガザルちゃんはもうゆっくり休んでて。後はアタシが何とかしておくから」
ガザル「わかりました。それではお疲れ様でした」
玉座の間
マルティナ「そう......。シルビア、大丈夫?」
シルビア「ええ、アタシはもう大丈夫。でも、あの子達には少し辛い現実よね」
ラース「そうだな。だが、もう変えられない事だ」
シルビア「.........。それじゃあ、アタシはあの子達に伝えてくるわね」
ラース「わかった。その子達に何かあれば俺達も僅かながら力になろう。両親を無くすのは辛い事ばかりだからな。助けになってやりたい」
マルティナ「そうね。シルビア、お願いね」
シルビア「わかったわ。それじゃあまたね〜」
シルビアは去っていった
グレイグ「............」
ラース「グレイグ、どうしたんだ?シルビアを黙って見ていたが」
グレイグ「....いや、何でもない」