ドラゴンクエストⅪ 魔法戦士の男、恋をする   作:サムハル

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旧友

その後、ソルティコの街 テルマ達の家

 

 

シルビアはテルマ達に事情を伝えた

 

 

 

二人「...........え?」

 

 

 

 

チャム「嘘......じゃあ........お母さんもお父さんも....もういないの?」

 

 

 

 

テルマ「そんな......」

 

 

 

 

シルビア「ごめんなさい、二人とも。この手鏡返すわね。それと、これも」

 

 

 

シルビアは二つの手鏡とボロボロの写真も渡した

 

 

 

テルマ「この写真.......。父さんのやつだ。チャムが産まれた時に撮ったやつ」

 

 

 

 

チャム「手鏡が.......完成した。お母さん.........なんで......」

 

 

 

チャムは一つになった手鏡を持ちながら泣いている

 

 

 

シルビア「...........」

 

 

 

 

チャム「お姉さん!お母さん達を見つけてきてくれるんじゃなかったの!?こんなのいらない!お母さん達は!!?」

 

 

 

チャムは泣きながら睨むようにシルビアを見ていた

 

 

 

シルビア「ごめん.....なさい.....」

 

 

 

 

テルマ「チャム!!!シルビアさんはわざわざ探してくれたんだぞ!お前、何て事言うんだ!!」

 

 

 

 

チャム「だって......だって......。お母さんに.....お父さんに会えると思ってたのに......。ぐすっ......」

 

 

 

チャムは二階へ走っていってしまった

 

 

 

テルマ「チャム!!」

 

 

 

 

シルビア「チャムちゃんの言う通りよね。アタシ、余計な事しちゃったみたい」

 

 

 

 

テルマ「そんな事ありません、シルビアさん。確かに..........信じられないですけど、わからないままよりよかったです。チャムがすみませんでした。後で落ち着かせておきます。ありがとうございました」

 

 

 

 

シルビア「ありがとう、テルマちゃん。チャムちゃんにもごめんなさいって伝えてくれると嬉しいわ。何か困った事があったらアタシに言って。何でも力になるから」

 

 

 

 

テルマ「わかりました。ありがとうございます」

 

 

 

夕食時、ジエーゴの屋敷

 

 

 

シルビア「........御馳走様でした」

 

 

 

 

ジエーゴ「?どうした、ゴリアテ。食い終わるのが速えじゃねえか」

 

 

 

 

シルビア「ちょっと体調が良くないみたい。早いけど、休ませてもらうわね」

 

 

 

ゴリアテの部屋

 

 

 

シルビアはベッドに横になり、考え事をしていた

 

 

 

シルビア「(アタシ、あの子達に何ができるかしら。皆に笑顔でいてほしい......。ずっとそう思っているけど、やっぱり難しいわね)」

 

 

 

コンコン

 

 

 

セザール「ゴリアテ坊っちゃま。グレイグ様が訪れておりますよ」

 

 

 

 

シルビア「グレイグが?」

 

 

 

玄関

 

 

 

シルビアが玄関に行くとグレイグが来ていた

 

 

 

グレイグ「先程ぶりだな、ゴリアテ」

 

 

 

 

シルビア「ええ、どうしたの?グレイグ。こんな時間に」

 

 

 

 

グレイグ「少し話したい事があってな」

 

 

 

 

シルビア「?わかったわ。アタシの部屋に行きましょう」

 

 

 

ゴリアテの部屋

 

 

 

グレイグ「ゴリアテの部屋に入るのは久しぶりだな。ここは昔と大きくは変わってないのだな」

 

 

 

 

シルビア「ずーっと帰ってなかったし、今も仕事が多いと帰らない日も多いからね。それで?アタシに話ってどうしたのよ」

 

 

 

 

グレイグ「うむ。ゴリアテ、何か悩んでいるのだろう?」

 

 

 

 

シルビア「......え?どうしたの?別にそんな事ないわよ」

 

 

 

 

グレイグ「癖は相変わらずだな。お前は昔から何か隠そうとしている時一度まばたきをした後、少し下を向くな」

 

 

 

 

シルビア「え........。そ、そんな事してたかしら?でも、グレイグが心配するような事はないのよ?仕事だって順調だし、スケジュールだって」

 

 

 

 

グレイグ「それは旅芸人シルビアとしての事だろう?俺はシルビアには聞いていない。ゴリアテ、お前に聞いているのだ」

 

 

 

 

シルビア「..........」

 

 

 

 

グレイグ「俺で力になれるかはわからん。アドバイスも出来るとは思えない。だが、昔からの友が、大事な仲間が悩んでいるのなら少しでも力になろう」

 

 

 

 

シルビア「........。ふふ、やだ、グレイグったら。アタシってそんなにわかりやすかったかしら?まさかグレイグに見抜かれちゃうなんて。そう、ちょっとあの兄妹ちゃん達の事でね」

 

 

 

 

グレイグ「やはりか。どうしたんだ?」

 

 

 

 

シルビア「さっきお母さん達はもういないって伝えてきたの。案の定ショックを受けててね。妹のチャムちゃんは受け入れようとしてなかったわ。兄のテルマちゃんも見た目はしっかりしてたけど、心ではどうかしら。

 

 

 

少なくとも、二人の心に大きな傷がついてしまったわ。これまでだって.....辛い事も多かったはずなのに。こんな傷がついてしまったら、あの子達はきっと心から笑える日が来るとは......考えにくい。それでもアタシはあの子達に笑顔でいてほしい。それがアタシの夢でもあるから。

 

 

 

でも.........アタシに何ができるかしら。あの子達の親代わり?生活のサポート?それだとまるで、あの子達だけを赤贔屓しているみたいじゃない。世界中にはまだあの子達のような子だっているのに......そんな事できないわ」

 

 

 

 

グレイグ「なるほどな。ゴリアテのその立派な夢は知っている。これだけ努力をし、世界中の人々を笑顔にし続けている。普通の人には到底出来ない事だと思っている」

 

 

 

 

シルビア「ありがとう、グレイグ。アタシ、ずっと前から思ってた事があるの。こんな時、イレブンちゃんなら上手く出来たんじゃないかしらって。旅の時もイレブンちゃんは街の人達からのたくさんのクエストを嫌な顔一つせずにこなして、皆を笑顔にしていった。

 

 

 

時には残念な結果を伝える事もあったけど、イレブンちゃんは優しく接してその人を少しでも悲しませないようにしてたわ。アタシとは全く違う方法でたくさんの人々を笑顔にして、世界まで救って見せた。イレブンちゃんは本当に凄いと思ってるの。

 

 

 

でも、アタシはイレブンちゃんとは違う。こうやって......よかれと思った行動が.....悲しませてしまう。イレブンちゃんが羨ましいわ」

 

 

 

 

グレイグ「ゴリアテ......」

 

 

 

 

シルビア「ご、ごめんなさい!イレブンちゃんは全然悪くないのに、アタシったら何言ってるのかしら。それに、大事な仲間を比べちゃうなんて本当どうかしてたわ」

 

 

 

 

グレイグ「ゴリアテ、しっかりするのだ。お前は下を向くようなやつではないだろう。負けず嫌いで、向上心に溢れていただろう。悪い事ばかりを見るな」

 

 

 

 

シルビア「グレイグ.....」

 

 

 

 

グレイグ「お前は確かにイレブンとは全く違う。だが、イレブンがそうやって笑顔にしてきたように、ゴリアテも方法は違えどたくさんの人々を笑顔にしてきた。それは変わらない。優しく接する事だってゴリアテは出来る。イレブンとは違ってもいいのではないか?

 

 

 

イレブンはもしかしたらその兄妹を悲しませなかったかもしれん。だが、もしそれがイレブンにしか出来ないとするなら、ゴリアテにもゴリアテにしか出来ない笑顔のさせ方があるはずだ。お前にはその力があるだろう」

 

 

 

 

シルビア「......アタシだけの、笑顔のさせ方。そう.....よね。アタシにはサーカスがあるわ!皆が心から楽しんで笑ってくれるようなショーができる!」

 

 

 

 

グレイグ「ああ、そうだ。それはゴリアテにしか出来ない事だ」

 

 

 

 

シルビア「ふふ、そうね。でも、まだあの子達にそれを見せるには早いわね。もう少し様子を見て落ち着いてからじゃないとね」

 

 

 

 

グレイグ「明日も様子を見に行くのか?」

 

 

 

 

シルビア「ええ、今日チャムちゃんにしっかりと謝罪できなかったの。それもしっかりやりたいわ」

 

 

 

 

グレイグ「なるほど。なら、俺もついて行こう。少し兄妹が気になっていたのだ」

 

 

 

 

シルビア「大丈夫なの?お城は?」

 

 

 

 

グレイグ「これから少し許可をもらってこよう」

 

 

 

 

シルビア「そこまでしてくれるのは嬉しいけど、無理しなくていいのよ?」

 

 

 

 

グレイグ「なに、友が頑張ろうとしているのだ。少し力を貸そうと思ってな」

 

 

 

 

シルビア「うふふ、嬉しいわ。ありがとう、グレイグ」

 

 

 

その後、デルカダール城 大広間

 

 

 

グレイグが戻ってくると、ラースが待っていた

 

 

 

ラース「よう。お疲れ、グレイグ。明日は自由にしてて平気だぜ」

 

 

 

 

グレイグ「な、なに!?まだ何も言ってないぞ!?」

 

 

 

 

ラース「シルビアが落ち込んでるのを解決しに行ったんだろ?時間が足りないかと思って王様に明日はグレイグがいないと言っておいたぞ」

 

 

 

 

グレイグ「気付いていたのか。なら、ラースが行ったほうがよかっただろう」

 

 

 

 

ラース「いやいや。俺達はシルビアは知ってても、ゴリアテは知らないからな。シルビアもそれをわかってるのか、俺達の前ではシルビアでいようとする。だが、グレイグはシルビアもゴリアテも知っている。

 

 

 

グレイグになら、俺達には話しにくい事でも話せるだろうし、ゴリアテを知っているグレイグだけのアドバイスも出来ると思ってな」

 

 

 

 

グレイグ「.........なるほど。流石ラースだな。明日、あの兄妹に会いに行く事になった。夕方までには戻れると思うぞ」

 

 

 

 

ラース「了解。それじゃあまた明日な」

 

 

 

ラースは部屋に戻っていった

 

 

 

グレイグ「(このためだけに待っていてくれたのか。俺が戻ってくる事まで予想済みというわけか。昔からよく頭が回るやつだな)」

 

 

 

 

 

 

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