次の日、ソルティコの街 テルマ兄妹の家
シルビア達が行くと、家の前でテルマが焦った様子で周りを見渡していた
グレイグ「む?あれが話していた兄のテルマか?何やら焦っているようだが」
シルビア「ええ、そうよ。何かあったのかしら?おーい、テルマちゃーん」
テルマ「あ!!シルビアさん!丁度いい所へ!あれ?そちらの方......もしかしてグレイグ将軍!?」
グレイグ「俺を知っているのか」
テルマ「は、はい!勇者様の仲間よりも前から英雄グレイグ将軍として有名でしたから」
シルビア「それでどうしたの?テルマちゃん」
テルマ「あの!チャムがいなくなってしまったんです!探すのを手伝っていただけませんか!?」
二人「ええ!?」
シルビア「どうしていなくなっちゃったの!?あ.......もしかして」
テルマ「すみません、シルビアさん。昨日、何とかチャムを落ち着かせようとしたんですが.....つい、喧嘩になってしまったんです。そしたらチャムが、俺ともう一緒にいたくないと言い出して、俺もその時はちょっとムカついててどこにでも行けと行ってしまったんです」
グレイグ「売り言葉に買い言葉か。喧嘩していたならよくある事だ」
テルマ「それで今朝起きたらチャムがいなくなってて、急いで街中探したんですが.......見当たらなくて」
シルビア「じゃあ......街の外って事?」
テルマ「恐らくは......。でも、チャムがソルティコから出た事は数えるくらいしかありません。向かった先ならある程度検討がつきます。シルビアさん、グレイグ将軍、手伝っていただけませんか?」
グレイグ「妹さんが一人で街の外か。魔物は少なくなったとはいえ、襲われていない確証はない。確かに心配だ」
シルビア「これもアタシが撒いた悲しみのタネ。もちろん全力で手伝うわ!もうこれ以上大切な家族を減らしちゃ駄目!」
テルマ「はい!ありがとうございます!案内します!」
ソルティアナ海岸 離れの洞窟
シルビア「ここって......確か少し前まで夜になると星がよく見える洞窟で有名だった場所よね」
グレイグ「だが魔物もここを好んでおり、多く生息している場所で危険と判断された場所だ。まさかこんな所にその妹さんが?」
テルマ「多分。でも、ここは父さんと母さんがまだいた頃に二人の出会いの場所だと教えてくれたんです。それを俺がチャムに聞かせると、チャムもここを気に入って二人で何回か行った事があるんです。ここにいれば......父さんや母さんに会えるかもしれないと話しながら......」
シルビア「なるほどね。それならチャムちゃんがいてもおかしくないわね。でも、中から魔物の気配がするわ。手遅れになんて絶対させない!急ぎましょう!」
グレイグ「ああ。テルマ、一応剣を持っているようだが戦えるのか?」
テルマ「グレイグ将軍に比べればお遊びにしかならないですけど、多少は」
グレイグ「わかった。だが、絶対に無理はするなよ。俺達を頼ってもらって構わないからな」
しばらくして
魔物「ギィ〜.....」ジュワー
グレイグ「こっちは終わったぞ。ゴリアテ、大丈夫だな?」
シルビア「もちろんよ。テルマちゃん、思ってるより強いじゃない」
テルマ「そ、そうでしたか?ありがとうございます」
グレイグ「そうだな。独学にしてはいい戦い方だ」
テルマ「グレイグ将軍にまで言われると照れますね。一時期はジエーゴさんの所に見習いとして通おうか悩んでいた事もあったんです。父さんがいなくなってそんな事考える余裕もなくなったんですけど」
グレイグ「なるほど。前から剣には慣れていたのだな。洞窟はまだ先なのか?」
テルマ「はい。もう少しで最深部だと思うんですけど、そこでいつも二人で吹き抜けになった所で星空を見てたんです」
シルビア「そうだったの。でも、今は星なんて出てないわよね」
テルマ「近くには光る鉱石もあるので、昼でも綺麗なんです。それに、勘なんですけどこの先にいる気がします。なんとなくですけど」
グレイグ「今までずっと一緒だったのだ。行動がわかるのだろう。その勘は信じて大丈夫なはずだ。行くぞ」
最深部
そこには魔物数体に囲まれているチャムがいた
テルマ「チャム!!!」
グレイグ「まずい!囲まれているぞ!」
シルビア「急いで助けないと!!」
魔物達「ギィー!」
チャム「や.....やだ....。怖いよ.....」
怖がって立ち上がれないチャムに魔物が攻撃してきた
魔物「シャー!!」
チャム「ヒッ.......」
チャムが目を瞑ると同時に誰かに抱き抱えられた
グレイグ「ぐっ!間に合ったか!」
グレイグがギリギリ間に合い、チャムを攻撃から庇った
シルビア「双竜打ち!」
魔物「ギィ〜.....」ジュワー
グレイグ「テルマ、妹さんを頼んだぞ」
テルマ「はい!!本当にありがとうございます、グレイグ将軍!」
チャム「.......お兄ちゃん.....」
グレイグ「ゴリアテ、俺も.......もう終わっていたか」
シルビアの周りにいた魔物達はもういなくなっていた
シルビア「これ以上テルマちゃん達を悲しませないわ!」
チャム「あの........ありがとう。ごめん....なさい....」
テルマ「一先ず戻りましょう。チャム、一応怪我の確認もするからな」
チャム「うん」
ソルティコの街 テルマ兄妹の家
シルビア「よかったわ。怪我が無くて」
テルマ「チャム......昨日は俺が悪かった。大事なお前に酷い事を言ってしまったな」
チャム「ううん!お兄ちゃんは悪くない!私が......お母さん達に会いたくて......勝手にあそこに行ったの。一人で行くなって約束も破っちゃったもん。.........チャム、もうわかんなかったの。お母さんもお父さんもいなくて、これからどうしたらいいかわかんなくて.....そしたら自然とあそこに向かってたの」
テルマ「チャム、本当に無事でよかった。昨日、あれからずっと考えていたんだ。母さんと父さんがいなくなって、俺もどうしたらいいかわからなかった。でも、俺にはまだチャムがいる。大事な母さんと父さんの娘で妹のチャムがいる。
チャム、どうか死なないでくれ。お前は俺の明日を生きるための力になる」
テルマは涙を流しながらチャムを抱きしめた
チャム「お兄ちゃん....。うん。私にもお兄ちゃんがいる。ずっと守ってくれたお兄ちゃんがいる。ごめんなさい、お兄ちゃん」
しばらく二人は抱きしめあっていた
少しして
チャム「お姉さん、おじさん、どうもありがとう!」
シルビア「いいのよ、チャムちゃん。アタシこそ昨日はちゃんと謝れなくてごめんなさい。確かにお父さんやお母さんはいなくなっちゃったけど、他の大人達に頼っていいの。アタシだっていいし、このおじさんでもいいのよ。それに、他にも優しい人達もたくさんいるわ。きっとあなた達を守ってくれる」
グレイグ「おじさん.....。まあいい。今後はどうするつもりだ?」
テルマ「俺がどこかで働こうと思ってるんですけど、チャムを一人に出来ないし少し悩んでるんです」
グレイグ「なるほど。............それならいい場所をデルカダールで知っているぞ」
テルマ「本当ですか!?」
その後、デルカダール城下町 グラジー
ビル「なるほど、わかりました。テルマと言ったな。歳はいくつだ?」
テルマ「14歳です」
ビル「わかった。店員としては無理だが、アルバイトとしてなら歓迎しよう。妹のチャムちゃんといったな。歳はいくつだ?」
チャム「9歳です!」
ビル「わかった。多少のお手伝いとしてなら何とかなるだろう。二人ともこれからよろしく頼むぞ」
二人「はい!」
グレイグ「急に悪かったな、ビル。まさか妹さんの方まで世話してくれるとは思わなかった」
シルビア「本当助かったわ、ビルちゃん!ありがとう!」
ビル「いえ、こっちも働き手が増えるのはありがたいですから。それに、グリーとマヤの後輩ですからね。二人にもいい影響になるでしょう」
テルマ「でも、ここまで来るのに毎日キメラの翼を使わないといけませんかね?」
ビル「それなら店に泊まる事も出来るぞ。俺とマドリーの部屋になるが、一応部屋はある。グリーも借りている家があるし、マヤのように城に泊まる事も出来る。自由にしてもらって構わないが、ソルティコにわざわざ帰るよりはいいんじゃないか?」
シルビア「そうよね。働くとなるとデルカダールにいた方がいいと思うわ。思い出のお家にいられないのは残念かもしれないけど」
チャム「じゃあ、お引越しだね」
テルマ「それが一番ですかね。偶に帰れればそれでいいだろうし。お店に泊まってもいいですか?」
ビル「わかった。それじゃあ、荷物が纏まったら持ってきてくれ。じゃあな」
グレイグ「何とかなりそうだな。よかったな、二人とも」
テルマ「はい!何から何までお世話になってすみません!でも、助かりました!」
チャム「私、これからここで頑張る!」
シルビア「ええ、アタシも偶に会いに来るわね。それじゃあ、またね〜」
各仲間達の小話を作ってみたのですがいかがでしたか?ラースとマルティナはちょっとつまらなかったかなと個人的に思っていますが、他の話でたくさんあるのでいいかなと妥協しました(笑)