ドラゴンクエストⅪ 魔法戦士の男、恋をする   作:サムハル

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お月見

二週間後、デルカダール城 朝食時

 

 

 

ラース「昨日ふと思い出したんだが、俺の村でのならわしの一つで十五夜ってのがあってよ。それが明後日なんだ」

 

 

 

 

マルティナ「十五夜?聞いた事がないわね」

 

 

 

 

グレイグ「おお、懐かしい。バンデルフォン王国でもその日があったぞ」

 

 

 

 

デルカダール王「聞いた事はあるぞ。何でも月が一番綺麗に見える日だと」

 

 

 

 

ルナ「お月様が?でもいつも綺麗だよ」

 

 

 

 

ラース「月って色々姿を変えるだろ?それが満月になってさらに空気が澄み渡って月の光がよく見えるんだ。その日が十五夜」

 

 

 

 

マルス「それが明後日なんだ。何するの?」

 

 

 

 

グレイグ「バンデルフォンでは豊作を願って少しお祭りとなっていた記憶がある。ラースの村ではどうだったのだ?」

 

 

 

 

ラース「俺の所も同じだ。お祭りはしなかったけどな。皆で広場に集まって月を眺めながら餅を食べてたんだ」

 

 

 

 

マルティナ「豊作を願うためのものなのね。少し形を変えてもいいのかしら?」

 

 

 

 

ラース「ん?というと?」

 

 

 

 

マルティナ「国の繁栄を願ってなら私達でも出来るんじゃないかしらと思ってね」

 

 

 

 

デルカダール王「おお、それはよいではないか。他国の文化を真似るのも勉強になるじゃろう」

 

 

 

 

グレイグ「私も十五夜を過ごすのは子ども以来です。久しぶりにまたやってみたいですね」

 

 

 

 

ルナ「私もー」

 

 

 

 

ラース「じゃあそれで皆でお願いしてみるか。月を眺めてお願いするからお月見って言うんだぜ」

 

 

 

 

マルス「お月見かー。さっき父さんが言ってたお餅ってのは?」

 

 

 

 

ラース「あれは白くて丸いお餅を十五個並べてお願いした後に食べるんだ。白い団子でも大丈夫だぜ。用意しておこうか」

 

 

 

 

グレイグ「そういえばそんなものもあったな。俺の国では確か一緒に麦も祀られていたぞ」

 

 

 

 

マルティナ「麦は流石に用意できないわね。お団子だけ食べましょうか」

 

 

 

 

グレイグ「そんな完璧に再現しなくても私は平気ですよ。月見をするだけで嬉しいです」

 

 

 

 

デルカダール王「それでは明後日の夜、バルコニーでお月見じゃな。楽しみにしておこう」

 

 

 

その後、玉座の間

 

 

 

カミュが帰ってきた

 

 

 

カミュ「よっ!ただいま。少しの間顔出さなくて悪かったな」

 

 

 

 

マルティナ「あら、カミュ。お帰りなさい。久しぶりね」

 

 

 

 

グレイグ「仕事忙しかったのか?」

 

 

 

 

カミュ「それもあるんだが、実はデクに久しぶりに会いにいったら調達のお願いされてよ。それをいくつかこなしてたんだ」

 

 

 

 

ラース「デクさんか。盗賊時代の元仲間だったな。元気にしてたか?」

 

 

 

 

カミュ「ああ。見ねえ間にまた少し太ってたみてえだ。奥さんも苦笑いしてたぜ」

 

 

 

 

マルティナ「ふふ、やっぱり結婚すると皆男って太るのかしらね」

 

 

 

 

ラース「俺はもう太ってないからな」

 

 

 

 

グレイグ「そうだ。カミュ、お前もどうだ?明後日の夜、バルコニーでお月見をするのだ」

 

 

 

 

カミュ「月見?月を見るだけか?」

 

 

 

 

マルティナ「大体は間違ってないけど、実はね」

 

 

 

マルティナはカミュに十五夜の話をした

 

 

 

カミュ「ほー、国の繁栄ね。そんな所に行ってもいいのか?」

 

 

 

 

グレイグ「ああ。多少変化はあるが、外で食べたり飲んだりするだけだ。カミュも普段通りで構わないぞ」

 

 

 

 

ラース「酒もあるぞ」

 

 

 

 

カミュ「よし、行くとするか」

 

 

 

 

マルティナ「やっぱりそこに釣られるのね。まあいいわ」

 

 

 

 

カミュ「それならよ、マヤ達も呼んだ方がいいんじゃねえか?賑やかになるだろ」

 

 

 

 

グレイグ「確かに久しぶりに家族団欒で過ごすのも悪くないな。マヤが用事がなければだが」

 

 

 

 

カミュ「俺がこの後声かけてみるぜ」

 

 

 

 

ラース「それじゃあ頼むな、カミュ」

 

 

 

グラジー

 

 

 

カラン

 

 

 

チャム「いらっしゃいませー」

 

 

 

 

カミュ「ん?子どもがいたのか?」

 

 

 

 

テルマ「あ、チャムありがとう。いらっしゃいませ、お一人様ですか?」

 

 

 

 

カミュ「ああ。悪いが、食べに来たわけじゃねえんだ。マヤいるか?ちょっと話があってよ」

 

 

 

 

テルマ「マヤさんですか。わかりました。チャム、呼んできてくれるか?」

 

 

 

 

チャム「はーい!」

 

 

 

 

カミュ「なるほどな。聞いただけだったが、あんたらがシルビアのおっさんとグレイグのおっさんが話してた兄妹か」

 

 

 

 

テルマ「あ、シルビアさんとグレイグ将軍のお知り合いでしたか。って、もしかして髪の色からしてマヤさんのお兄さん?」

 

 

 

 

カミュ「おう、そうだぜ。カミュっていうんだ。よろしくな」

 

 

 

 

テルマ「はい。俺はテルマ、先程のが妹のチャムです。よろしくお願いします、カミュさん」

 

 

 

 

マヤ「兄貴!久しぶりだね。話って何?」

 

 

 

カミュは先程の話をマヤにした

 

 

 

マヤ「へ〜、面白そう!行ってみるね!」

 

 

 

 

カミュ「賑やかになるだろうから店のやつら全員呼んでも平気だと思うぜ」

 

 

 

 

マヤ「あー、どうだろ。ちょっと聞いてみるね」

 

 

 

十分後

 

 

 

マヤ「全員オッケーみたい。早く店を閉めてくれるってさ」

 

 

 

 

カミュ「了解。マルティナ達に伝えておくぜ。あ、酒もあるからテルマ達はマルス達と一緒だな」

 

 

 

 

マヤ「うん、そうだね。会うのはこれで初めてになるのかな」

 

 

 

 

カミュ「なら交流にもなるだろ。マルス達がグイグイいきそうだけどな」

 

 

 

 

マヤ「いしし、確かに。でも、チャムちゃんも人見知りしないから仲良くなれそう」

 

 

 

二日後の夕方

 

 

 

マドリー「鍵閉めましたよー」

 

 

 

 

ビル「わかった。さて行こうか、デルカダール城へ」

 

 

 

 

グリー「テルマ君もチャムちゃんもお城初めてだよね。緊張する?」

 

 

 

 

チャム「全然!すっごく楽しみ!」

 

 

 

 

テルマ「俺達が入って大丈夫なんですか?王族や兵士さんじゃないと入らないと思ってたんですが」

 

 

 

 

マヤ「デルカダールはそんな事ないんだよ。普通に入って大丈夫。それに誘われてるんだから大丈夫だよ」

 

 

 

 

マドリー「マルティナ様達たくさん食べるだろうから料理とお酒持ってきたけど、あちらも用意してるだろうし多かったかしら」

 

 

 

 

グリー「きっとラースさんが何とかしてくれますよ」

 

 

 

 

マヤ「そうそう!兄ちゃんのお腹に任せれば大丈夫」

 

 

 

 

ビル「ハハハ、グリーもマヤみたいな事言うようになってきたな」

 

 

 

デルカダール城 大広間

 

 

 

二人「うわ〜.......」

 

 

 

テルマとチャムはシャンデリアや花などが飾られている広い空間を見渡している

 

 

 

グリー「初めて来るとやっぱりその反応になるよね。僕もこんな感じだった」

 

 

 

 

チャム「きれーい!あのぶらさがってるやつ、キラキラしてる!」

 

 

 

 

ラース「お、来たな」

 

 

 

ラースとブレイブが階段から降りてきた

 

 

 

マヤ「あ!兄ちゃん、ただいま!」

 

 

 

 

ビル「ラース様、お久しぶりです。今日はご招待いただきありがとうございます」

 

 

 

 

ラース「マヤ、お帰り。ビル、別にそんな固くならなくて大丈夫だぜ。それと君達がテルマとチャムか。グレイグとシルビアから聞いてるぞ。俺はグレイグと同じでここで将軍やってるラースっていうんだ。よろしくな」

 

 

 

 

テルマ「はい!よろしくお願いします、ラースさん。ほら、チャム!挨拶されたんだから返事するんだ!」

 

 

 

 

チャム「はーい!チャムといいます。よろしくお願いします、ラースさん」

 

 

 

 

ブレイブ「.............」

 

 

 

ブレイブはビルとマドリーをジッと見つめている

 

 

 

テルマ「わわっ!キラーパンサー!チャム、隠れてろよ」

 

 

 

 

チャム「う、うん。でも、襲ってこないよ?」

 

 

 

 

グリー「大丈夫だよ、テルマ君、チャムちゃん。このキラーパンサーはブレイブ君。ここのお城に住んでて、僕達の味方だよ」

 

 

 

ブレイブを怖がっているテルマとチャムにグリーは説明している

 

 

 

マドリー「........もしかしなくても、警戒されてますよね。私とビル」

 

 

 

 

ビル「だな。疑いというより、ほぼ確信を持ってるな。賢いキラーパンサーだ」

 

 

 

 

ラース「あー、そうか。ブレイブ、大丈夫だぞ。マヤが近くにいるから薄々わかっているだろうが、この二人は味方だ。襲わないから安心して大丈夫だ」

 

 

 

 

ブレイブ「ガウ」

 

 

 

 

テルマ「襲う?」

 

 

 

 

マヤ「大丈夫だよ。魔物の話」

 

 

 

 

ブレイブ「ガウガウ」ペコ

 

 

 

ブレイブはテルマとチャムにお辞儀した

 

 

 

テルマ「あ、挨拶してくれた」

 

 

 

 

チャム「可愛い!」

 

 

 

 

ラース「ハハ、ブレイブの事よろしくな。さて、バルコニーはこっちだ。まあマヤがいれば大丈夫だとは思ってたんだけど一応な」

 

 

 

 

 

 

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