ドラゴンクエストⅪ 魔法戦士の男、恋をする   作:サムハル

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十五夜

バルコニー

 

 

 

ガチャ

 

 

 

ラース「王様、皆を連れてきました」

 

 

 

 

デルカダール王「おお、ありがとう。今日はよく来てくれた。初めての者もおると聞いている。ぜひ楽しんでいってほしい」

 

 

 

 

ビル「デルカダール王様、お久しぶりです。ご招待いただきありがとうございます」

 

 

 

 

マドリー「こちら、少しですがお食事とお酒とおつまみも持ってきました。よろしければお食べになってください」

 

 

 

 

デルカダール王「わざわざすまんのう。それではありがたく並べさせてもらうとしよう」

 

 

 

 

マヤ「姉ちゃん、おっちゃんただいま!」

 

 

 

 

マルティナ「ふふ、お帰りなさい、マヤちゃん」

 

 

 

 

グレイグ「ああ、お帰りだな。それと久しぶりだな、テルマ、チャム。店では上手くやれているか?」

 

 

 

 

テルマ「少しは慣れてきました。チャムが結構動き回るのでちょっと大変ですけど.....」

 

 

 

 

チャム「お兄ちゃんが気にしすぎるだけだよ!私は皆のお手伝いしてるの!」

 

 

 

 

グリー「そうだね。いつも助かってるよ。ありがとう、チャムちゃん」

 

 

 

 

グレイグ「問題ないようなら安心した。あまりそっちに顔を出せなくてな。兵士達から話を聞いてはいたんだが、本人がどう思ってるかも気にしてたからな」

 

 

 

 

ラース「グレイグはな、実際にかなり気にしててよ。兵士達からかなり細かく聞こうとしてたんだぜ」

 

 

 

ラースはテルマとチャムに聞こえるように少し小さめに言った

 

 

 

グレイグ「ラース!余計な事は言わなくていい!」

 

 

 

 

テルマ「へへ、グレイグ将軍にそんなに気にしてもらえてたなんて嬉しいです」

 

 

 

 

チャム「おじちゃん、ありがとう!私、頑張ってるから今度来てね!」

 

 

 

 

グレイグ「.......ああ、約束しよう」

 

 

 

 

マルティナ「ほら、お話は終わりみたいよ。話しかけにいったら?」

 

 

 

 

ルナ「うん!初めましてー」

 

 

 

 

チャム「あ!私と同じくらいの子がいる!」

 

 

 

 

ルナ「そうだよ!私、ルナ。ねえ、名前何て言うの?」

 

 

 

 

チャム「チャムだよ。ルナちゃんって言うんだ。よろしくね!」

 

 

 

 

テルマ「よかったな、チャム。同年代の子が見つかって。友達になれるといいな」

 

 

 

 

ラース「俺とマルティナの娘でな。あっちにいるマルスと兄妹なんだ。まあ同じ時に生まれたからどっちが上とかは無いけどよ。少し強引な所があるけど仲良くしてやってくれ」

 

 

 

 

テルマ「王女様達の娘!?ずっと偉い子達だったんですね!チャムは敬語じゃなくて平気でしょうか?」

 

 

 

 

グレイグ「本人達は敬語で話されるのをとても嫌っているからな。俺達も身分はあまり気にしない。自由に話してもらって大丈夫だ」

 

 

 

 

マルス「.........」ジー

 

 

 

 

グリー「えっと......」

 

 

 

マルスは何も言わずにグリーをジッと見つめていた

 

 

 

カミュ「おい、マルス。何ずっとグリーを見てんだよ。グリーが困ってんだろ」

 

 

 

 

マルス「カミュ、グリーさんの隣に立ってみて」

 

 

 

 

カミュ「俺?これでいいか?」

 

 

 

カミュはグリーの隣に立った

 

 

 

マルス「......うん!カミュより背が高いし、顔も怖くない!優しそうないい人だね!前にルナが言ってた通りじゃん!」

 

 

 

 

グリー「そ、そうなの?ありがとう」

 

 

 

 

カミュ「おいこら、マルス。てめえ、それはどういう事だ?こら」

 

 

 

 

マルス「うわ!カミュが怒った!父さーん!」

 

 

 

 

カミュ「あ!こら、マルス!逃げんな!」

 

 

 

 

グリー「あ、あはは....。マルス君ってイタズラ好きなんだな」

 

 

 

それから少しして

 

 

 

テーブルにはいろんな料理が置かれていた

 

 

 

デルカダール王「それでは今日はラースとグレイグから教わった十五夜という日らしくてな。それを少し真似てみようと思ったわけじゃ。確かに今日は本当に綺麗な満月じゃな」

 

 

 

夜空には雲がなく、満月の光がハッキリと届いていた

 

 

 

マドリー「そんな日があるんですね。確かに月が綺麗です」

 

 

 

 

カミュ「月がハッキリ見えるな。こんなに見えるなんて珍しいな」

 

 

 

 

ラース「空気も澄んで空が淀みなく見えるからな。今日はそういう日なんだ。ただの満月じゃないって事だ」

 

 

 

 

グリー「そう言われると特別感がありますね」

 

 

 

 

テルマ「確かに。満月は何回か見た事ありますけど、月がこんなに明るかったようには思えませんし、輪郭まで見えるのも珍しいです」

 

 

 

 

マルス「はいはーい、父さん、グレイグさん、質問!」

 

 

 

 

グレイグ「ん?何だ?マルス」

 

 

 

 

マルス「月って何で欠けたりするの?ずっとまん丸でいいじゃん!」

 

 

 

 

ルナ「私も気になる!毎日満月だったらいいのに」

 

 

 

 

チャム「私も!こんなに綺麗なら毎日なっちゃえばいいのに、三日月だっけ?全然欠けて見えない時もあるよ」

 

 

 

 

グリー「言われてみると......何でだろう」

 

 

 

 

テルマ「俺もわからないですね」

 

 

 

 

デルカダール王「おお、中々面白い質問だな。だが答えが難しいな」

 

 

 

 

マルティナ「たまにこういう質問の時どうしたらいいかわからなくなるのよね」

 

 

 

 

グレイグ「.....ラース、頼んでいいか?俺にはうまく説明できる気がしない」

 

 

 

 

ラース「了解。これはな、太陽のせいなんだ。太陽の光が月を見えたり見えなくさせたりするんだ」

 

 

 

 

マルス「太陽?でも、今は夜だよ」

 

 

 

 

ラース「宇宙では朝夜なんて無いからな。太陽もいつでも明るいんだ。太陽が昇ってきて、夕方には沈むだろ。あれは地球が回ってるからで、太陽の光は夜でも存在している。月が光ってみえるのは太陽の光によるものなんだ。わかるか?」

 

 

 

 

子ども達「???」

 

 

 

 

グリー「僕は何とか.....」

 

 

 

 

マルティナ「ちょっとラース、それじゃあ難しいわよ。もう少し噛み砕いて説明できない?」

 

 

 

 

カミュ「そうだぜ。子どもにはわからねえよ」

 

 

 

 

ラース「そ、そうだよな。えっと......」

 

 

 

 

マヤ「ふふ、任せて兄ちゃん。私も習ったからわかるよ。兄貴、ちょっとこっちに来て」

 

 

 

 

カミュ「わかった」

 

 

 

 

マヤ「皆はこの扉を遠くから見ててね」

 

 

 

 

デルカダール王「マヤの説明か。どれ、聞いてみようかの」

 

 

 

マヤとカミュ以外は扉から少し離れた場所で扉を見ていた

 

 

 

マヤ「まず、私の顔が見える人ー」

 

 

 

 

ルナ「眩しくてマヤお姉ちゃんの顔が見えないよー」

 

 

 

 

マヤ「そうだよね。じゃあ兄貴、扉閉めて」

 

 

 

バタン

 

 

 

マヤ「これで私の顔が見える人ー」

 

 

 

 

チャム「見えるよー」

 

 

 

 

マヤ「でしょ?じゃあ次は扉を開けて、私と向かい合わせになる場所にきて」

 

 

 

マヤは扉から僅かに離れて扉から九十度動いた場所で止まった

 

 

 

マルス「ここだね!」

 

 

 

マルス達はマヤの正面に立った

 

 

 

 

マヤ「正解!ここだと私の顔はどう見える?」

 

 

 

 

マルス「あ!半分が明るくて見えないけど、もう半分は見えるよ」

 

 

 

 

マヤ「そうだよね。これが月が欠けたりする理由だよ。光が強くてみえなくなっちゃうの。だから月は常に満月なんだけど、太陽があると太陽の方が強くて月が負けて見えなくなるんだよ」

 

 

 

 

ルナ「わかった!じゃあ月はずっと丸いんだ。欠けて見えるのは本当に欠けてるわけじゃないんだね」

 

 

 

 

マヤ「そうだよ!ルナ、正解!」

 

 

 

 

ビル「なるほど。こんな仕組みになっていたんだな」

 

 

 

 

マドリー「私達まで勉強になっちゃいましたね。マヤちゃん、よく知ってたわね」

 

 

 

 

デルカダール王「とてもよい説明だったぞ、マヤ」

 

 

 

 

マルティナ「わかりやすかったわよ。子ども達でもわかるようにしてあってとてもよかったわ」

 

 

 

 

カミュ「兄貴、俺達にはあの説明でもいいんだろうが、子ども相手にはあんな感じでやれよな」

 

 

 

 

ラース「そうだな。流石メダ女元主席だよ」

 

 

 

 

二人「メダ女主席!?」

 

 

 

グリーとテルマが同時に驚いている

 

 

 

テルマ「メダ女ってメダル女学園の事ですよね!?」

 

 

 

 

グリー「凄い!マヤさんってめちゃくちゃ頭いいんじゃないですか!」

 

 

 

 

マヤ「そんな驚く事じゃないよ。頑張ってたらいつの間にかって感じだし」

 

 

 

 

ビル「あの、グレイグ様、主席とは?」

 

 

 

ビルとマドリーはこっそりとグレイグに尋ねた

 

 

 

グレイグ「む?ああ、そうだな。聞いた事がないだろう。学校という場所があって、そこでは様々な事を学んで一つ一つに成績というものがつけられる。大体数でいうと十を超えるな。それを学園全体で比べて一番成績がよかった者が主席となるのだ。つまり、学校のトップという事だ」

 

 

 

 

マドリー「トップ!?マヤちゃん、凄いじゃないですか!そんな簡単になれるものじゃないですよね!?」

 

 

 

 

グレイグ「そうだな。一人だけに与えられるものでもあるし、全てで素晴らしい成績を収めなければいけない。マヤの決して手を抜かない努力があってこそだ」

 

 

 

 

マルティナ「ふふ、グリーも知らなかったのね。マヤちゃんったら凄いのよ」

 

 

 

 

グリー「驚きましたよ!学校に通ってたのは聞いてましたけど、まさか主席なんて!」

 

 

 

 

マヤ「もう!この話はいいでしょ!恥ずかしいから終わり!ほら、説明でご飯が途中だよ。もう少し食べようよ」

 

 

 

 

デルカダール王「ああ、そうだな。マルス達の疑問も解消されたのだ。また少し食べながら騒ぐとしよう」

 

 

 

 

 

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