ドラゴンクエストⅪ 魔法戦士の男、恋をする   作:サムハル

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憧れの自分2

クレイモラン王国 城下町

 

 

 

バン「寒い!相変わらず寒いなー、クレイモランは」

 

 

 

 

マーズ「俺もこの寒さは苦手だ。何か暖かくなるもの持ってくればよかったか」

 

 

 

 

ギバ「これ、クレイモランでは暖かいほうなんだぜ?冬になったら今の半分以下の温度だからな」

 

 

 

 

バン「そんなに下がるのか!?温度とかもうマイナスとか行くんじゃねえか!?」

 

 

 

 

ギバ「珍しくないな。んで?何でクレイモランに来たんだよ」

 

 

 

 

マーズ「ああ、そうだった。ギバなら知ってるんじゃないか?クレイモランには他の国には無い魔法道具が多い事をさ」

 

 

 

 

ギバ「そりゃあ知ってるが.......だから何だよ。あれだって魔力が無いと使えないぞ」

 

 

 

 

バン「魔法道具なんてのがあんのか」

 

 

 

 

マーズ「それがあるんだぜ、魔力が無いやつが使える魔法道具が。しかもかなり凄いやつだ。ついてこいよ」

 

 

 

商店街 道具屋

 

 

 

商人「いらっしゃいませ」

 

 

 

 

マーズ「すまない。ここにソップァはあるか?」

 

 

 

 

商人「おお、兄さんそれをお求めかい?それならここじゃなくて、少し遠くに見えるあの魔法道具店に行くといい」

 

 

 

 

マーズ「わかりました。ご親切にありがとうございます」

 

 

 

 

バン「ソ....?な、何だ?それ」

 

 

 

 

ギバ「いや、俺も魔法道具は詳しくないんだ。使えないって知ってるから興味もなくてよ」

 

 

 

魔法道具店

 

 

 

女性「あら、いらっしゃい」

 

 

 

 

マーズ「この店にソップァがあると聞いたんだが、置いてあるか?俺達それがほしいんだ」

 

 

 

 

女性「ええ、あるわよ。旅人さんかしら?この使い方は知ってる?」

 

 

 

 

マーズ「大丈夫だ」

 

 

 

女性は棚から小さな丸い球のようなものを取り出した

 

 

 

女性「八万ゴールドよ」

 

 

 

 

二人「八万!?」

 

 

 

ギバとバンはその値段に驚いている

 

 

 

マーズ「ギバ、バン、今いくら持ってる?」

 

 

 

 

バン「え、えっと........一万ゴールド。へへ」

 

 

 

 

ギバ「四万ゴールドだな」

 

 

 

 

マーズ「じゃあ俺が四万五千ゴールド出すから、バンが五千ゴールド。ギバが三万ゴールド出してくれ」

 

 

 

 

バン「俺も払わなきゃなのか!?」

 

 

 

 

マーズ「ギバの力になるんだろ?」

 

 

 

 

バン「ぐ......。そうだな。これくらいなら仕方ないか」

 

 

 

クレイモラン港前

 

 

 

ギバ「買ったはいいけどよ、それ何なんだ?」

 

 

 

 

バン「そうだぜ。ソップァ?とか言ってたよな。何に使うんだ?そんな球」

 

 

 

 

マーズ「これはな、この球の中に魔力を溜めてその魔力を使って魔法を唱える事が出来る、魔力無しで魔法が打てる道具なんだ」

 

 

 

 

ギバ「魔力無しで魔法が!?」

 

 

 

 

バン「えー!!?めちゃくちゃすげえじゃん!!俺も欲しい!」

 

 

 

 

マーズ「まあ魔法を唱えるために必要な魔力を溜めておかないとだけどな。一先ず、俺の魔力を少し溜めよう」

 

 

 

マーズが球を握ると中に紫色の液体が少し溜まった

 

 

 

ギバ「これが魔力なのか?」

 

 

 

 

マーズ「これでメラくらいなら何発か打てるはずだ。構造とか式とかわかってるんなら、後は手順通りにやってみろよ」

 

 

 

 

ギバ「.........メラ!」

 

 

 

ピカッ!

 

 

 

球が光り、そこから炎の球が出てきた

 

 

 

バン「おお!!ギバが魔法を打った!」

 

 

 

 

マーズ「やっぱり成功だな。どうだ?魔法を唱えた感想は」

 

 

 

 

ギバ「す、すげえ.....。諦めてたのに.....俺でも魔法が使えた」

 

 

 

 

バン「やったな、ギバ!憧れの自分に近づけたんじゃないか?」

 

 

 

 

ギバ「ああ、マーズありがとな!でも、マーズは何でこの事を?魔法は元から打てただろ?」

 

 

 

 

マーズ「俺には兄がいてな。その兄は魔力無しで産まれてきた。でも、弟の俺には魔力があって魔法が使えた。それを見て可哀想に思った俺の両親がクレイモランからこれを買ってきてな。兄もそれで魔法が使えるようになったんだ。

 

 

 

色々制限はあるけどな。魔力が空になると使えないし、壊されても駄目。球から魔法が出るから球を相手に向けないといけない、とかな」

 

 

 

 

バン「俺も欲しい!メグに貯めてた俺の金、少し貰おうっと!」

 

 

 

 

ギバ「ありがとな、マーズ。わざわざ教えてくれて」

 

 

 

 

マーズ「なあ、ギバ。もう一度聞いてもいいか?何でクレイモランじゃなくて、デルカダールの兵士に?一度夢を諦めたと言ったな。兵士になる事を諦めたんだろ?」

 

 

 

 

ギバ「ああ、そういう事か。クレイモランで兵士になるには魔力があった方が好ましいって言われてな。だから一度諦めた。でも、俺は魔法が使えないからって誰かを救う事が出来ないわけないって思ってな。

 

 

 

なら、魔法が使えなくても誰かを守れるようになってやるって思って他の国で兵士になってやろうと決めたんだ。それでデルカダール王国に来て、兵士に志願した。案の定魔法はあまり重視されないから、俺でも問題なくここまでこれた。それに、魔力無し仲間のこいつもいたしな」

 

 

 

ギバは肘でバンを小突いた

 

 

 

バン「へへへ」

 

 

 

 

マーズ「そうか。ギバのその諦めない姿勢は見習わないとな。だが、一つ覚えておけ。魔法の源は魔力だが、魔力そのものは大きければ大きいほど人を飲み込む。魔力に飲み込まれれば、待っているのは死だけだ。自身の体を凌駕する魔力は俺達を消し去る。そんな事にはなるなよ」

 

 

 

 

ギバ「わかった。肝に銘じておく」

 

 

 

 

バン「強すぎる力は身を滅ぼす、だよな。師匠から聞いた事あるぜ」

 

 

 

 

マーズ「そういう事だ。それにお前らはそんなものを使わなくても強いんだから、どうしてもって時だけにしておけ」

 

 

 

 

バン「あ!俺、いい事思いついたー。あれ使ってベグルに日頃の仕返ししてやろーっと!偶には俺がベグルを懲らしめてやらねえとな!」

 

 

 

 

ギバ「お!いいな、それ!俺も入れろよ。ベグルに偶には勝って、俺達をあまり舐めるなって見せつけてやろうぜ!」

 

 

 

 

バン「こうなったらすぐに向かうぞ!まずは俺の分の球を買わねえと!メグー!」

 

 

 

ギバとバンはキメラの翼でさっさとデルカダールに戻っていった

 

 

 

マーズ「言った側から......。やれやれだな。そんな事には使ってほしく無いんだがよ。そんな事するなら悪いが、俺はベグルの味方になるか」

 

 

 

マーズもキメラの翼でデルカダールへ戻っていった

 

 

 

デルカダール城 訓練場

 

 

 

ベグル「は?バンとギバに気をつけろ?」

 

 

 

 

マーズ「まあな。お前には一応これくらいの忠告だけしておく。後は何とかしろよ」

 

 

 

 

ベグル「お、おう」

 

 

 

一時間後

 

 

 

ギバ「お!やっぱりここにいたぜ、バン!」

 

 

 

 

バン「おっしゃ!やい、ベグル!いっつも俺の事馬鹿にしてぶん殴ってきやがって!」

 

 

 

 

ギバ「そうだ!偶には俺達だって強えって所見せてやるよ!俺達と相手だ!」

 

 

 

 

ベグル「は、はぁ?二体一とか卑怯だろ」

 

 

 

 

ガザル「そうだぞ。いくらベグルでもお前ら二人同時は無理がある。ベグル、俺も入れろ」

 

 

 

 

バン「じゃあ仕方ねえな!ガザルも前から馬鹿にしてきたし、一緒に片付けてやるよ!」

 

 

 

 

ダバン「なあ、マーズ。バン達のやつ急にどうしたんだ?」

 

 

 

 

マーズ「事情は後で話す。まずは避難するぞ」

 

 

 

しばらくして

 

 

 

ベグル「随分と舐めた口聞くじゃねえか、バン、ギバ。また躾が必要みてえだな」

 

 

 

 

ガザル「模擬戦という事だが、それは好きにやっていいって事だな?」

 

 

 

ベグルとガザルからは殺気が溢れている

 

 

 

バン「こ、こわ......。だが、俺達には秘策があるんだ。見せてやるぞ、ギバ!」

 

 

 

 

ギバ「おう!いきなり行くぜ!」

 

 

 

ギバとバンはポケットからソップァを取り出した

 

 

 

二人「!!」

 

 

 

ベグルとガザルは見慣れないものに警戒し、身を守っている

 

 

 

二人「メラゾーマ!」

 

 

 

二人のソップァから巨大な炎の球が

 

 

 

二人「なに!?」

 

 

 

出なかった

 

 

 

バン「.........あれ?」

 

 

 

 

ギバ「.........ん?」

 

 

 

 

ベグル「.........は?」

 

 

 

 

ガザル「な、何も起こらないぞ」

 

 

 

 

バン「お、おい、何でだギバ。お前に構造も式も教えてもらった通りにやったぞ」

 

 

 

 

ギバ「わかんねえ!何で発動しないんだ!?」

 

 

 

バンとギバは焦ってコソコソと話し始める

 

 

 

マーズ「おーい、そこの馬鹿二人ー」

 

 

 

上からマーズの声がしてきた

 

 

 

マーズ「さっきも言ったが、俺が溜めた魔力はメラが数発打てる程度だ。その程度じゃあメラゾーマなんて強い魔法は打てねえぞー。精々メラミ一回がいい所だ」

 

 

 

 

二人「何だって!?」

 

 

 

 

ガザル「な、何なんだ?一体」

 

 

 

 

ベグル「さあな。取り敢えず.......」

 

 

 

ベグルはバンとギバに近寄っていく

 

 

 

ガシ

 

 

 

ベグルは二人の頭を掴んだ

 

 

 

バン「あ.......べ、ベグル様。あの、本日はとてもよろしいお天気でして」

 

 

 

 

ギバ「あは、あははは。いやー、本当いい天気」

 

 

 

二人は顔が青ざめながら笑っている

 

 

 

ベグル「今からどうなるか、とっても楽しみだな?二人とも」

 

 

 

数秒後、激しい音とともに断末魔が訓練場に響いた

 

 

 

その夜、医療部屋

 

 

 

ラースがバンとギバの所へ来ていた

 

 

 

ラース「ほう、それでこんな事に。まあ自業自得だが、魔法が使えるようになるなんて面白いじゃないか」

 

 

 

ベッドには包帯だらけの二人の姿があった

 

 

 

バン「酷い話ですよね!ちょっと調子に乗ったからってここまでする事ないですよ!手加減とかしてほしいです!」

 

 

 

 

ギバ「まあ魔法が使えるって浮かれてたのもあるのは確かですね」

 

 

 

 

ラース「魔法が使えるとなったら戦い方に変化や応用が出てくるな。今度ギバとも久しぶりに戦ってみるか」

 

 

 

 

ギバ「あ!そうですね!動きに組み込んでみるようにします」

 

 

 

 

バン「師匠も魔力入れてください!たっぷりと!」

 

 

 

 

ラース「そんなに入れねえよ。少しだけな。魔導書が読みたくなったら、マーズに読んでもらえ。魔力が無い事には変わりないから読めないだろうしな。それと新しい力なんだ。またその力で色んな人を守ってやれよな」

 

 

 

 

二人「はい!」

 

 

 

 

 

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