ドラゴンクエストⅪ 魔法戦士の男、恋をする   作:サムハル

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記憶喪失

マヤ達が結ばれてから一ヶ月後

 

 

 

デルカダール城 訓練場

 

 

 

そこではラースとベグルが勝負をしていた

 

 

 

ベグル「渾身斬り!」

 

 

 

 

ラース「うおっと!ベグル相手に簡単な目眩しは通用しねえか。なら!」

 

 

 

ラースはベグルよりも高く跳躍した

 

 

 

ベグル「何するかわかりませんけど、負けないですからね!」

 

 

 

ベグルはラースの攻撃に備えて大剣でガードしている

 

 

 

ラースは大剣に着地すると同時に片手をついた

 

 

 

ラース「イオナズン!」

 

 

 

ドゴォォン!!

 

 

 

大剣が爆発して、粉々になる

 

 

 

ラース「なに!?」

 

 

 

はずだった

 

 

 

ラースは爆発の威力が全て自分に返ってきて、勢いよく飛ばされる

 

 

 

ベグル「げ!またあの加護が発動しやがった!」

 

 

 

ベグルが神様につけてもらった加護により、ベグルは全くの無傷だった

 

 

 

ガツン!

 

 

 

ラース「が......」ドサ

 

 

 

ラースは訓練場の壁に頭を強打して倒れ込んだ

 

 

 

ベグル「ラース将軍!!すみません!大丈夫ですか!?」

 

 

 

それを見ていたバン達も大慌てで駆け寄ってきた

 

 

 

バン「師匠!!!大丈夫ですか!?」

 

 

 

バンは必死にラースを揺らしている

 

 

 

マーズ「バン、落ち着け。あまり揺らすな。ベグル、どうだ?」

 

 

 

 

ベグル「.......大丈夫、気絶みたいだ。ひとまず医療部屋に運び込むぞ。やらかしてしまった」

 

 

 

 

ガザル「やっぱりあの力は反則だろ。ラース将軍ですら無理なのかよ」

 

 

 

 

バン「どうにかならねえのか?ベグル」

 

 

 

 

ベグル「一応考えておく。まずはマルティナ様達に報告しないと。その後ラース将軍にも謝らねえとな」

 

 

 

その後、医療部屋

 

 

 

医者「ラース将軍が運ばれるなんて少し珍しいですね。それにしても........頭を強く打った、ですか。何も無いと信じておりますが......」

 

 

 

医者はバン達の話を聞いて少し顔を暗くしている

 

 

 

バン「な、何ですか.....その言い方。まるで、もしかしたら何かあるみたいな」

 

 

 

 

医者「頭への強い衝撃というのは時に脳にまでダメージが通るんです。そのダメージによっては、様々な障害が出る場合もあるんですよ」

 

 

 

 

ベグル「マ、マジかよ......」

 

 

 

ベグルの顔は少し青くなっている

 

 

 

医者「あ........別に怖がらせようと思ったわけではないんですよ!何もないはずだとは思いますが、もしもの場合の話です。ベグルさんのせいなんて事ではありませんよ。きっとすぐに目を覚ますと思います」

 

 

 

 

ガザル「そうだぞ、ベグル。あまり考えすぎるな。あれは事故なんだから」

 

 

 

 

マーズ「マルティナ様達に報告してくる。その.......頭を強く打った事も一応な」

 

 

 

 

ベグル「........ああ、頼む」

 

 

 

その後、マルティナ達も医療部屋にやってきた

 

 

 

マルティナ「気にしすぎないで、ベグル。私達はあなたを悪くなんて絶対に思わないから。それにラースだって起きたら笑って許してくれるわよ。彼はそういう人でしょ?」

 

 

 

 

グレイグ「そうですね。訓練していたならこのような事故は起こってもおかしくない。特にお前達は強くなっている分、訓練も激しい。寧ろ起こって当然だ。誰にも非があるわけではない。ラースが起きるまで待っていよう」

 

 

 

 

ベグル「はい。ありがとうございます、マルティナ様、グレイグ将軍」

 

 

 

 

バン「師匠にしては起きるの遅いですよね。いつもだと気絶程度なら結構早く目覚めるはずなんですが」

 

 

 

 

医者「バンさんの言う通りですね。確かにいつもでしたらそろそろ目覚めてもおかしくないのですが.......。まあそんな決まった時に目覚めるわけではありませんし、もう少し様子を見ています。

 

 

 

皆様はどうかお戻りください、ここは私が責任をもって見ておきますので。何かあればまたご連絡します」

 

 

 

 

マルティナ「そうね、わかったわ。皆、行きましょう」

 

 

 

それから一時間後

 

 

 

ラース「..........ん。ここは........?」

 

 

 

ラースはゆっくりと体を起こした

 

 

 

医者「ん?おお、ラース様。お目覚めですか?お体は大丈夫ですか?」

 

 

 

 

ラース「...........」

 

 

 

ラースは呆然としている

 

 

 

医者「ラース様?」

 

 

 

 

ラース「.................ここは........どこだ?」

 

 

 

 

医者「え......。ラース様、お分かりになられませんか?」

 

 

 

 

ラース「すまない。何も.......わからないんだ」

 

 

 

 

医者「まさか..........ご自分の名前は覚えておられますか?」

 

 

 

 

ラース「いや...........先程、君がラースと呼んでいた。それが.......俺の名前か?」

 

 

 

 

医者「はい.......そうです。ラース様、少々お待ちください。皆様をお呼びしてきます」

 

 

 

その後、医療部屋前

 

 

 

デルカダール王「どうしたのだ?急に集まってほしいと」

 

 

 

 

医者「この先にはラース様がいらっしゃいますが............皆様はおそらくショックを受けると思われます」

 

 

 

 

全員「!?」

 

 

 

 

マルティナ「それって........どういう」

 

 

 

 

医者「それでも、難しいとは思いますが可能な限り平静を装ってくださいますようお願いします。あまり混乱を与えてはいけません」

 

 

 

 

バン「ま、待ってください。一体何が」

 

 

 

 

医者「..........ご覧になられればわかると思われます。では」

 

 

 

ガチャ

 

 

 

ラース「あ、戻ってきてくれたか。って、こんなにたくさんいたんですね」

 

 

 

 

全員「...........」

 

 

 

全員ラースの様子がおかしい事に気づいた

 

 

 

マルティナ「えっと......ラース?」

 

 

 

 

ラース「やはり俺の事ご存知なんですね。あれ?...........どこかで会ったことありますかね?あなたを見てるとなんだか、とても懐かしい感覚がします」

 

 

 

 

マルティナ「............」

 

 

 

 

ラース「あの、よかったら俺の事教えてくれませんか?先程そちらの方に名前は教えてもらったのですが、それ以外何も思い出せなくて」

 

 

 

ラースは少し困ったように笑っている

 

 

 

デルカダール王「なんと........」

 

 

 

 

グレイグ「ま、まさか」

 

 

 

 

バン「......師匠、その症状って」

 

 

 

 

ベグル「あ、ああああ」

 

 

 

 

マーズ「嘘......ですよね?だって、さっきまで」

 

 

 

 

ガザル「マジ.......かよ」

 

 

 

 

マルティナ「......................ええ、いいわよ。あなたの名前はラース。今いるのはデルカダール王国で、その国にあるデルカダール城の中よ。デルカダール王国は知ってるかしら?」

 

 

 

 

ラース「いや、覚えてないです。でも、今覚えました」

 

 

 

 

マルティナ「そう.....。それじゃあ続けるわね。私はここのお城で王女をやっているマルティナっていうの。よろしくね、ラース。この方は私のお父様でデルカダール王国の前王様にあたる方よ。こっちにいる男の人がグレイグ。お父様の付き人として働いている騎士よ。

 

 

 

こっちにいる人達は全員城の兵士で、兵士長のバン、副長のベグル、そしてマーズとガザルよ。覚えられたかしら?」

 

 

 

 

ラース「はい。マルティナさんにデルカダール王様、グレイグさんにバンさんにベグルさんにロベルトさんにガザルさん。間違いありませんか?」

 

 

 

 

マルティナ「ふふ、大丈夫よ。後は知りたい事はあるかしら?」

 

 

 

 

ラース「何で自分はここにいるんですか?」

 

 

 

 

マルティナ「それは...........あなたは」

 

 

 

マルティナはラースの質問に答えにくそうにしている

 

 

 

デルカダール王「お主はわしの義理の息子だからじゃ。この城はお主の家。だからここにお主はおるんじゃ」

 

 

 

 

ラース「なるほど、そうだったんですか。それならここにいて当たり前ですね。あ、じゃあデルカダール王様じゃなくて俺もお父様と呼ばなければいけませんね」

 

 

 

 

デルカダール王「いや、そこまでしなくてもよい。今まで通り王様と呼んでくれ」

 

 

 

 

医者「ひとまずラース様、もう少しお休みになっていてください」

 

 

 

 

ラース「そうだな。何故かわからないが体も少し痛い。また寝させてもらうとするよ」

 

 

 

 

医者「はい、ごゆっくりなさってください」

 

 

 

その後、玉座の間

 

 

 

全員「............」

 

 

 

マーズとガザルは他の兵士達に伝えに行き、他の人達はラースの事について考えていた

 

 

 

マルティナ「どうしようかしら。まさかこんな事になるなんて」

 

 

 

 

ベグル「本当にすみません!!!俺........取り返しのつかない事を」

 

 

 

ベグルはマルティナ達に土下座している

 

 

 

バン「ベグルは悪くねえって!」

 

 

 

 

デルカダール王「うむ。訓練での事故なら誰かが悪いわけではあるまい。それとマルティナよ、助かった。医師に平静を装っておけと言われておきながら、わしはあの光景に言葉にならんかった。お主の初めのラースとのやり取りで目が覚めた。ありがとう」

 

 

 

 

グレイグ「私もです。あのラースに何を話せばいいのかわからず、立ち尽くすだけでした。お辛いのは姫様の方だというのに.......自分が情けない」

 

 

 

 

マルティナ「そんな......。私もラースの途中の質問にどう答えたらいいかわかりませんでしたのでお父様には助けられました。でも、どうして息子だと?」

 

 

 

 

デルカダール王「記憶喪失のラースは右も左もわからんだろう。まずあのラースに必要なものは帰る家と帰る理由じゃ。それを教えておく事でもしもの時、ラースをこの城に戻す事が出来る。それにラースがわしの息子というの何も間違っておらんしのう」

 

 

 

 

グレイグ「なるほど。確かに最低限帰る家があればどうにかしてここに戻ってこようとしますからね。流石は我が王です。それと姫様、皆にもこの事を教えておかなければ」

 

 

 

 

マルティナ「そうね。すぐに連絡するわよ」

 

 

 

 

 

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