ドラゴンクエストⅪ 魔法戦士の男、恋をする   作:サムハル

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仕組まれた争い

しばらくして大広間

 

 

 

グレイグにより全員集められていた

 

 

 

グレイグ「大変だ!姫様とラースがいなくなったのだ!」

 

 

 

 

イレブン「え!?突然いなくなったの?」

 

 

 

 

グレイグ「姫様の部屋でラースと一緒にいたはずなのだが、どこかに行ってしまわれたのだ」

 

 

 

 

ロウ「最近はラースと姫はどうしておったのじゃ?」

 

 

 

 

ベロニカ「私達と交代で様子を見たり、お城の中を説明したりしてたわ。今日はマルティナさんの番だったのよ」

 

 

 

 

セーニャ「ラース様は最近お城の部屋などを全て覚えてきていて、一人でも一応城内は歩けるようになりましたわ」

 

 

 

 

カミュ「となると、マルティナはもしかしてラースを外に出したんじゃねえか?少しくらいなら外に出した方がいいだろ」

 

 

 

 

シルビア「それはありそうだわ、カミュちゃん!グレイグ、城下町は調べたの?」

 

 

 

 

グレイグ「いや、まだだ。しかし、今城下町に行ってしまわれるのはまずい」

 

 

 

 

ロウ「はて?どうしてじゃ?」

 

 

 

 

グレイグ「ビルとマドリーから報告があってな。今城下町には人間に化けた凶悪な魔物が潜んでいる可能性があるらしいのだ」

 

 

 

 

全員「え!?」

 

 

 

 

シルビア「それってとっても危ないじゃない!」

 

 

 

 

グレイグ「そうなのだ。だから姫様達にも城下町にラースを出させないように報告しようとしたら、既にいなくなっていたのだ」

 

 

 

 

ベロニカ「その魔物にバレてないといいけど......」

 

 

 

 

カミュ「俺達も急いで探しに行こうぜ!」

 

 

 

その時、見回りを終えたエドが戻ってきた

 

 

 

エド「あれ?グレイグ......将軍じゃん。何してんだ?こんな所でさ」

 

 

 

 

グレイグ「む?おお、エドか。見回りしていたのか」

 

 

 

 

セーニャ「あの、今城下町でラース様とマルティナ様を見ませんでしたか?」

 

 

 

 

エド「え?ラースとマルティナ?二人なら見たぜ」

 

 

 

 

全員「本当!?」

 

 

 

 

エド「お、おお。何だよ、ビックリしたな」

 

 

 

 

グレイグ「どこで見かけた!」

 

 

 

 

エド「えっと....広場にいたらラースが一人で外に向かっていって、それをマルティナが追いかけてたぜ。デートってやつだろ?」

 

 

 

 

ロウ「外という事は......城下町の外の事かの?」

 

 

 

 

エド「そうそう、近くに変な匂いのする怪しいやつもいてよ。ラースがそいつについて行ってたんだ。それで少ししてマルティナもそれを追いかけていったんだ」

 

 

 

 

シルビア「ちょっ、ちょっと待って。それってもしかして......」

 

 

 

 

グレイグ「嫌な予感がする。エド、その怪しいやつの特徴は覚えているか?」

 

 

 

 

エド「え〜.......。人が多かったからあんまり。あ、でもかなり特徴的な匂いだからな。それを辿る事は出来るぜ」

 

 

 

 

カミュ「匂いを辿る?そんなブレイブやシロみてえな事がこの兵士に?」

 

 

 

 

グレイグ「よし、それなら案内を頼む」

 

 

 

 

エド「了解!こっちだぜ」

 

 

 

その頃、デルカダール地方

 

 

 

マルティナ「なんなのかしら、ラースの近くにいるやつ。ラースもどうしてついて行ってるの?」

 

 

 

マルティナはラース達の少し離れた場所でラース達を見ていた

 

 

 

マルティナ「どこに向かってるのかしら」

 

 

 

歩き続けていたラース達はふと足を止めた

 

 

 

マルティナ「あ!!」

 

 

 

ラース達は不思議な切れ目に入っていった

 

 

 

マルティナ「見失っちゃう!........行かないと!」

 

 

 

マルティナも急いで切れ目に飛び込んだ

 

 

 

謎の建物

 

 

 

マルティナ「なに......ここ」

 

 

 

マルティナが切れ目に入ると、見た事もないボロボロの建物の中にいた

 

 

 

マルティナ「ラースはどこに?あ!!」

 

 

 

マルティナが入ってきた切れ目は消えてしまった

 

 

 

マルティナ「戻れないって事ね。とにかくラースを連れ戻さないと」

 

 

 

その時、どこかから声が聞こえてきた

 

 

 

???「おやおや、誰かにつけられてると思えばマルティナですか。流石勇者の仲間であり、このラースの妻なだけありますね」

 

 

 

 

マルティナ「!?誰!!ラースを返しなさい!」

 

 

 

 

???「それは出来ない。しかし、こんな簡単に勇者の仲間の一人、ラースが手に入るとは」

 

 

 

 

マルティナ「ラースを物みたいに言うんじゃないわよ!!どこにいるの!姿を表しなさい!」

 

 

 

 

???「おや、威勢のいい。勇者の仲間は全員揃えば強い力を持つと聞く。だが、それも全員が揃わなければいいだけのお話。一人一人の力なら対処も簡単だからな。たった一人でここに乗り込む勇気は褒め称えるが、たった一人で何が出来るかね?」

 

 

 

 

マルティナ「一人だからって舐めるんじゃないわよ!」

 

 

 

 

???「では、その力を見せてもらうとしましょう。行け!!」

 

 

 

 

マルティナ「!?」

 

 

 

建物の周りから魔物の群れが続々と現れた

 

 

 

???「武器も無しにどこまでやれるか見物だな」

 

 

 

 

マルティナ「仕方ないわね、かかってきなさい!」

 

 

 

その頃、デルカダール城下町 広場

 

 

 

エド「ここら辺にラース達がいたんだ。それで外に出ていったんだ」

 

 

 

 

グレイグ「ふむ、ではその怪しいやつも外に?」

 

 

 

 

エド「ああ、そうだぜ。匂いも........まだ僅かにあるな。やっぱり魔物みてえな匂いがするぞ。数日前にも嗅いだ事あるんだ。きっと同じやつだぜ」

 

 

 

 

ロウ「もしや、お主が姫の手紙にあった半魔人と言われておったエドという子かの?」

 

 

 

 

エド「ん?そうだぜ。じいさんも俺の事知ってたんだな」

 

 

 

 

ベロニカ「じゃあ、本当に魔物になれるの?人間みたいだけど」

 

 

 

 

グレイグ「人間ではあるのだが、魔物の姿になれるんだ。魔物の群れで生活していたらしいからな」

 

 

 

 

カミュ「へ〜、そういやそんな事書いてあったな。本当がどうか疑ってたが」

 

 

 

 

グレイグ「エド、その匂いを頼りに案内できるか?おそらくその先にラースと姫様もいるはずだ」

 

 

 

 

エド「了解ー。まずは外だな」

 

 

 

デルカダール地方

 

 

 

エド「うーん..............まずいな、外に出たら風があったりしてわからなくなっちまった」

 

 

 

エドは周りの匂いを嗅いでいるが、首を傾げている

 

 

 

セーニャ「困りましたね。匂いが無いとなると、本当に足取りが掴めませんわ」

 

 

 

 

エド「いや、まだ何とかなるかもしれないぜ、姉ちゃん。借りるぜ、父ちゃん!」

 

 

 

エドは魔物の姿になった

 

 

 

シルビア「キャッ!本当に魔物ちゃんみたいになっちゃった!耳に爪に尻尾まで。凄いわ、どうなってるの?」

 

 

 

 

エド「俺もなんでかはよくわからねえんだ。まあいいや、こうすれば匂いもより細かく判断できる。えっとだな................見つけた!こっちだぜ!」

 

 

 

 

イレブン「へ〜、そんな使い方もあるんだ。エドがいてくれて助かったよ」

 

 

 

 

グレイグ「よし、エドに続いていくぞ」

 

 

 

その頃、マルティナは

 

 

 

マルティナ「ふう、これくらいなら慣れてるわ!」

 

 

 

マルティナは群れを一人で倒しきっていた

 

 

 

???「おお、怖い怖い。どうやら中々やるみたいだ。それじゃあ兄とラースに会わせてあげるよ」

 

 

 

そう言うと、建物の奥に道が現れた

 

 

 

マルティナ「.........進めって事かしら。罠.......だろうけど、この先にラースが」

 

 

 

マルティナは意を決して道を進んでいく

 

 

 

少し進むと開けた場所に出た

 

 

 

マルティナ「ラース!!」

 

 

 

そこにはラースと知らない男がいた

 

 

 

マルティナ「あなたがラースを連れ去ったやつね!ラースから離れなさい!!」

 

 

 

マルティナは男に向かっていく

 

 

 

マルティナ「しんくうげり!」

 

 

 

 

???「おおっと、危ないな。俺達はまだ出番じゃない。ここで勝ち残ったら俺達と戦ってもらおうか」

 

 

 

 

マルティナ「何をふざけた事を言っているの!」

 

 

 

 

???「ふざけてなんかない。さて、ラース。お相手がやってきたぜ」

 

 

 

 

マルティナ「ラース?相手ってどういう事?」

 

 

 

 

???「さあ、ラース。マルティナを殺せ」

 

 

 

 

ラース「.........はい」

 

 

 

ラースはマルティナに向かって猛スピードで距離を詰める

 

 

 

マルティナ「え......」

 

 

 

 

ラース「はあ!」

 

 

 

バキィッ!

 

 

 

マルティナ「キャアアッ!!」

 

 

 

ドサァ!

 

 

 

マルティナはラースに殴り飛ばされる

 

 

 

マルティナ「ラース、どうして......」

 

 

 

 

ラース「マルティナ、あなたを倒します」

 

 

 

 

マルティナ「嘘........」

 

 

 

ラースはまたマルティナへ向かっていく

 

 

 

マルティナ「くっ!あなた、ラースに何をしたの!!」

 

 

 

 

???「ふふふ、少し小細工をしただけさ。ラースの心に氷を差し込んだ。魔法の氷だ。俺の言う事を聞くようになる氷をな」

 

 

 

 

マルティナ「なんですって!?」

 

 

 

 

ラース「ハアアッ!!」

 

 

 

ドガァン!

 

 

 

マルティナ「!!なんて威力.....。本気で.......きてるの?」

 

 

 

マルティナはラースの攻撃を回避するが、自身の後ろにあった柱を壊した威力に困惑している

 

 

 

???「さあ、やり返さないと君が倒れるぞ。俺達を楽しませてくれよな、夫婦同士の争いでな」

 

 

 

その頃、デルカダール地方

 

 

 

エド「あれ?ここで匂いが途切れてるぞ」

 

 

 

 

グレイグ「では、この近くにいるという事か?」

 

 

 

周りは草原が広がっており、特に隠れるような場所は無い

 

 

 

ベロニカ「なにも見えないし、誰かいるように思えないけどね」

 

 

 

 

エド「おっかしーなー、こんな突然いなくなるか?」

 

 

 

 

ロウ「.............ん?何やらここに違和感があるのう」

 

 

 

 

セーニャ「そうですわね。僅かですが、不思議な魔力のようなものをここから感じます」

 

 

 

ロウとセーニャは同じ部分を気にしている

 

 

 

シルビア「え〜?アタシにはわからないわ」

 

 

 

 

エド「ここの事だろ?俺も何か感じるし匂いも丁度途切れてるんだけど、わからねえんだよな」

 

 

 

エドもセーニャ達と同じ場所を気にしている

 

 

 

カミュ「何も無い場所だぞ。ここからルーラでも使ったんじゃねえか?」

 

 

 

 

イレブン「魔物もルーラが使えるのかな?ここら辺?」

 

 

 

イレブンがセーニャ達が気にしている場所に触ると周囲が光り始めた

 

 

 

全員「うわ!!」

 

 

 

光が収まるとそこには不思議な切れ目が出来た

 

 

 

セーニャ「これですわ!不思議な魔力の正体は!」

 

 

 

 

グレイグ「おお!こんなものが!流石はイレブンだ!」

 

 

 

 

シルビア「この先にラースちゃんもマルティナちゃんもいるのね」

 

 

 

 

エド「凄え、今の光ってもしかして、勇者なのか?あんた」

 

 

 

 

イレブン「一応元、ね。まだ力は少し残ってるみたい」

 

 

 

 

ベロニカ「皆、入ってみましょう!」

 

 

 

 

全員「うん!」

 

 

 

謎の建物

 

 

 

???「聖なる光.......。勇者達が嗅ぎ付けて隙間をこじ開けたか。どうやってこの切れ目の場所まで........。まあいい、兄にこの事態をバレないようにしないとな」

 

 

 

 

 


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