謎の建物
イレブン「な、なに?この場所。僕らが旅してた時こんな場所来たことあったっけ?」
カミュ「記憶にねえな。どこか遠く離れた場所である事は確かだ」
???「どうやってここまで来たのかはわかりませんが、来てしまった以上相手するしかないようですね」
全員「!?」
奥から真っ白な体をした人型の魔物がやってきた
ロウ「お主がラースを連れ去ったやつじゃな。ラースと姫はどこじゃ!」
???「まあそんな事は置いておきましょう。まずは俺の紹介から。俺はフロッズ。フリッズの弟です」
フロッズはそう言うと腰を綺麗に90度に曲げて挨拶した
セーニャ「こ、こちらこそよろしくお願いします」
セーニャがそれに続いてお辞儀をした
ベロニカ「ちょっとセーニャ!こんなやつにお辞儀なんてしなくていいのよ!早くラースとマルティナさんを返しなさい!」
フロッズ「それは出来ません。なぜならもう二人はお終いですからね」
グレイグ「どういう意味だ!!二人は無事なんだろうな!?」
エド「(な、なんだよ......あいつから感じる不気味な感覚は。凄く........冷てえ)」
シルビア「二人をどうするつもりなの!」
フロッズ「本来なら俺達の目的は勇者達の全滅。そのために一人一人ここに誘い込んで始末する手筈だったんです。まずはその手始めにデルカダール王国にいるラース、マルティナ、グレイグを狙ったのです」
全員「!?」
イレブン「僕達の全滅!?」
カミュ「んな事させるわけねえだろ!」
ベロニカ「そうよ!第一あんた達なんかにやられるほど私達は誰一人弱くないわ!」
フロッズ「おやおや、あまり私達を舐めないでいただきたい。一人一人なら俺達の力があればあなた達を無力化させる事など容易い。まあ、こうして仲間達が大勢いると厄介ですが。現に俺達はラースとマルティナを仕留めたと言っても過言ではないのです」
全員「!?」
ロウ「ラースと姫がお主達に敗れたじゃと!?」
グレイグ「そんなはずあるわけないだろう!」
フロッズ「それなら見てもらうのが早そうですね。まあ.......俺を倒したらの話だけどな!!」
フロッズはそう力強く言うと、力を溜めた
パキパキパキッ!!
建物全体がそれに呼応するかのように氷漬けになっていく
全員「なに!?」
フロッズ「さあ、貴様らも俺の氷の一部となってもらおう!!」
その頃、マルティナ達は
マルティナ「くっ........ハァ.......ハァ.......」
マルティナは何箇所か痣や傷がついている
ラース「............」
一方でラースには全く傷もなく、疲れもない
マルティナ「ラース.......あなたはそんな事で簡単に支配なんかされない人よ!目を覚まして!!私はあなたの味方よ!」
ラース「.........!.....」
ラースは一瞬体を止めるが、すぐにマルティナに向かい始めた
マルティナ「(やっぱり、言葉は僅かでも届いてる。ラースに目を覚ましてもらえばあんなやつの思い通りにはならないはず)」
ラース「ハア!!」
ラースはマルティナに蹴りをいれる
マルティナ「ふっ!」
マルティナはそれを身を捻って避ける
マルティナ「ラース!!」
マルティナはラースに抱きついた
ラース「!!」
マルティナ「お願い、戻って」
ラース「ハア!!」
ラースはマルティナを投げ飛ばした
マルティナ「キャアア!!」
ドゴン!!
マルティナ「うっ........」
マルティナは壁に強く打ち付けられる
フリッズ「..........つまらん。ラースが一方的では何も面白くなどない。どれ、俺が最高に面白くしてやろう」
フリッズはそういうとマルティナに向かっていく
マルティナ「!?あんたさえ倒せば!」
フリッズ「出来るかな?お前一人に」
マルティナ「デビルモード!」
マルティナの全能力が一段階上昇した
マルティナ「ばくれつきゃく!」
フリッズ「効かん!」
ガキン!ガキン!
フリッズは自身の体を氷のようにさせた
マルティナ「なんなの!こいつ!」
フリッズ「ハア!!」
フリッズはマルティナに近づき、胸に手を当てた
マルティナ「あ.........」ドサ
フリッズ「ヒヒヒ。さて、これでマルティナも俺の駒。マルティナ、起きろ」
マルティナ「ぐうっ.......私は.......貴様なんかに」
マルティナは歯を食いしばっている
フリッズ「!?まさか耐えているというのか!なら、もう一つ差し込んでやろう」
フリッズは再びマルティナに手を当てた
フリッズ「ハア!」
マルティナ「あ.........(駄目......私は.........ラースと戦いたくない。だって.........ラースは私の....................たい.......せつな)」
マルティナの目から光が無くなった
フリッズ「さてマルティナよ、ラースを殺せ」
マルティナ「はい」
ラース「!」
マルティナ「てやぁぁ!」
マルティナはラースに突っ込み、蹴りかかる
ラースはそれを避ける
ラース「!?」
ラースが避けた先にマルティナが回り込んでいた
マルティナ「ハア!」
バギィ!
ラース「ぐっ」
二人は互いを殴り、蹴り、投げ飛ばしたりなどを激しく繰り返している
フリッズ「ヒヒヒヒ、ああ最高だ。信じていた仲間を、家族を自身の手で殺すがいい」
フリッズは去っていった
その頃イレブン達は
グレイグ「蒼天魔斬!」
フロッズ「残念、ハズレだ」
フロッズは砕かれたように見えたが、別の場所から氷となって現れた
セーニャ「これではキリがありませんわ!」
シルビア「ベロニカちゃん、炎で溶かせないの?この氷」
ベロニカ「全部魔法の氷よ。私の炎では溶かせないわ!何とかしないとこっちが消耗するだけなのに!」
フロッズ「マヒャデドス!」
氷で出来た場所全てから巨大な氷の塊が降り注ぐ
カミュ「グハア!!な、なんつー広範囲なんだよ!デタラメすぎるだろ!」
ロウ「イレブンよ、氷といえど元は水じゃ。わしらの事は気にするな。ギガデインであやつの場所を割り出すんじゃ!」
イレブン「わかった!皆、痺れるかもしれないけどごめんね!ギガデイン!!」
ドォォン!!
凄まじい雷が周りを襲った
グレイグ「ぐっ、少しピリピリするな」
フロッズ「ほう、なるほど。やはり勇者は厄介だ」
フロッズが氷から現れた
カミュ「ようやくお出ましだな!逃がさないぜ、デュアルブレイカー!」
フロッズ「ぐっ!流石の連携力ですね。では、こんなのはどうでしょう」
フロッズがそう言うと周りは冷たく濃い白い霧に覆われた
セーニャ「私にお任せください!霧なら風ですわ!バギムーチョ!」
ヒュオオオオ!!
巨大な竜巻が発生するが、霧は全く晴れない
セーニャ「え!?どうしてですか!?」
フロッズ「この霧は俺の体だけでなく、氷全てから絶え間なく出ている。一時的に風が吹いただけではすぐに元通りです。さあ、いきますよ」
ベロニカ「キャア!」
シルビア「ベロニカちゃん!?キャッ!」
ロウ「何が起こっておる!周りがよく見えんわい!」
イレブン「皆、一旦くっつくよ!離れないで!」
フロッズ「ふふ、そんな事では防げ、ぐあ!!」
ドサ!
フロッズが誰かに倒される音が聞こえた
全員「え?」
エド「よっと!」
エドが魔物の姿でイレブン達の前に来た
エド「おい、勇者達!お前らあいつが見えてねえのか?」
カミュ「あ、ああ。エド、お前は見えてるのか?」
エド「当たり前だぜ。匂いもあるし、こんな霧程度なら俺には効かないね。俺はお前らほど強くないけど、手助けするぜ!」
フロッズ「な、なんだ!こいつは!魔物......ではないな!ぐっ!こんなわけのわからないやつに!」
フロッズはイレブン達に向かっていく
エド「緑色の姉ちゃん、右からあいつが来るぜ!」
セーニャ「こちらですか!」
フロッズ「何!?」
ガキン!
フロッズの攻撃はセーニャの盾に防がれた
ロウ「ゴッドスマッシュ!」
フロッズ「グアアア!!チッ!」
ベロニカ「また見えなくなったわ!」
エド「やべ!俺だ!」
グレイグ「なら俺が!」
グレイグがエドの前に出た
フロッズ「これでもくらいやがれ!連続斬り!」
ガン!ガキン!
フロッズは氷で何度も斬りつけてくる
グレイグ「俺には効かんぞ!」
フロッズ「くそう!!マヒャデドス!」
イレブン達の周囲から巨大な氷の塊が降り注ぐ
エド「マヒャデドスだ!ど、どうすんだよ!」
イレブン「カミュ!ベロニカ!」
カミュ「言われなくても!デュアルブレイカー!」
カミュのブーメランが氷を切り裂いていく
ベロニカ「メラガイアー!」
巨大な炎により、氷は全て溶けた
少しすると霧が晴れてきた
シルビア「あ!霧が無くなったわ!」
フロッズ「ゼェ.....ゼェ.....」
フロッズがかなり息苦しそうにしている
フロッズ「クソが!!俺を倒したからって兄に敵うと思うなよ!!兄にかかれば、てめえらなんざバラバラになっちまう!勇者共はお終いだ!!」
イレブン「僕達は負けない!バラバラになんてならない!ギガブレイク!」
フロッズ「ガアアアア!!!」ジュワー
フロッズが消えると周りの氷も全てなくなった
エド「す、すっげ〜......。あんな怖えやつ本当に倒しちゃった」
ベロニカ「当然よ!私達に敵うやつなんかいるわけないわ。でも、今回はエドがいなかったらまずかったわね。ありがとう、エド」
グレイグ「ああ、そうだな。エドの力に随分助けられた。感謝する」
セーニャ「エド様のお鼻も目もとってもいいのですね!羨ましいですわ!」
エド「へ、へへ。だろ?俺ってば群れの中でもよく目や鼻を頼りにされてたからな!俺の自慢なんだぜ!」
ロウ「じゃが、これ以上エドを巻き込むわけにはいかんのう。エド、わしらが戻ってくるまでここで待っておるんじゃ」
エド「え?俺は平気だぜ?じいさん」
カミュ「さっきみたいにこれからは戦闘続きになる。そうなったらもしエドを狙われたりすると俺達も守ってやれるかわからねえ。俺達は大丈夫だからここで待っててくれよな」
エド「そ、そりゃあ戦闘はあんた達の方が強えけどよ.........でも!またさっきみてえなやつがいるかもしれねえぞ!まだこの先にはあいつの兄がいるんだろ?似たような事してくるかもしれねえ!そうなったら俺の力が必要だろ?」
シルビア「そうだけど、私達も考えて対応すれば大丈夫。それよりもエドちゃんが危険な目にあってほしくないのよ。それにもう充分エドちゃんには助けられたわ」
イレブン「うん。エドにはこの場所まで連れてきてもらって、さっきの戦闘でも助けてくれた。それだけで本当にありがたいんだ。だからここで待ってて。必ず戻るからさ」
エド「..........わかったよ。俺はここから動かねえからな!絶対戻ってこいよ!ラースとマルティナも連れてこいよ!」
グレイグ「ああ、約束する。待っていてくれ」
ベロニカ「行きましょう、皆。ラースとマルティナさんを早く見つけないと」