ドラゴンクエストⅪ 魔法戦士の男、恋をする   作:サムハル

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障害物競争

ハロウィンから二ヶ月後、デルカダール城

 

 

 

玉座の間

 

 

 

ラース「なあ、マルティナ。大丈夫か?」

 

 

 

 

マルティナ「え?何が?」

 

 

 

 

ラース「最近また体動かしてないだろ?痛くなったり無理してないか?」

 

 

 

 

マルティナ「ああ、そういう事ね。それなら平気よ。まあ動かしたい気持ちはあるけどね」

 

 

 

 

ラース「それならよ、一週間後今やってる仕事も落ち着くだろ?その日に皆で集まらないか?」

 

 

 

 

マルティナ「あら、いいわね。でも突然どうしたの?」

 

 

 

 

ラース「俺の元にカミュから手紙が来てな。来週イレブン達と一緒にここに遊びに来るそうなんだ。皆で久しぶりに遊ぶのもいいなと思ってな。特に俺なんか一人だけ省かれた時あるからよ。リベンジだ」

 

 

 

 

マルティナ「ふふふ、まだ気にしてたの?私は賛成よ。それならグレイグも誘ってみましょうか」

 

 

 

 

ラース「それで遊ぶ内容を少し考えたんだ。耳貸してくれ」

 

 

 

 

マルティナ「相変わらず先読みしてるのね。まあいいわ、なに?」

 

 

 

ゴニョゴニョ

 

 

 

マルティナ「なるほど。私達も体を動かせて楽しめるってわけね」

 

 

 

 

ラース「駄目か?」

 

 

 

 

マルティナ「私は構わないけど、皆はどうかしら?」

 

 

 

 

ラース「そうだな.............。お!使えずに困りそうなアレがあるよな、それとあれを組み合わせて......」

 

 

 

 

マルティナ「(皆、驚くんじゃないかしら。一応お手紙で先に知らせておかないと)」

 

 

 

一週間後、訓練場

 

 

 

ラース「よー、お疲れ様。皆、話があるから少し集まってくれ」

 

 

 

ラースがブレイブを連れてやってきた

 

 

 

兵士達「はい!」

 

 

 

 

バン「師匠、どうしましたか?今日はお休みでは?見習い達も一部帰っちゃいましたよ」

 

 

 

 

ラース「いつものメンバーが揃っていれば大丈夫だ。俺達も休みなんだ。お前達にも少し遊んでほしいと思ってな。遊びに誘おうとしてるんだ」

 

 

 

 

ダバン「遊び?俺達がですか?」

 

 

 

 

ギバ「あ!もしかして、どっか連れてってくれるんですか!?」

 

 

 

 

ガザル「それはありがたいです!」

 

 

 

 

ラース「残念ながらどこにも行かないぞ。強いて言うならこの地方全体だな」

 

 

 

 

ロベルト「結構範囲が広いですね。何やるんですか?」

 

 

 

 

ラース「障害物競争だ。知ってるだろ?」

 

 

 

 

ベグル「障害物競走って、障害物を避けたり壊したりしながら進む競走の事ですよね」

 

 

 

 

マーズ「それを俺達が?」

 

 

 

 

ラース「ああ。二人ペアで進んでもらって、一番早く最後の障害を潜り抜けたらそいつらが優勝。優勝ペアにはこのデルカダール城下町で使える商品券10000Gと、お前らのため用の度数が高くないけど上物の酒セット。それとクレイモラン特産のホッカイマグロをプレゼントだ」

 

 

 

 

全員「おお!!!」

 

 

 

 

ギバ「やります!!めっちゃやる気出てきた!」

 

 

 

 

バン「俺も俺も!楽しそうだし、こんな豪華なものもらえるならやらない手はないよな!」

 

 

 

 

ロベルト「ラース将軍、俺達は7人ですよ?一人余るんですが」

 

 

 

 

ブレイブ「ガウ」

 

 

 

 

ラース「そうだな。だからそこにはブレイブが代わりに入ってもらう。ペアは先に俺がくじ引きで決めといた。ペアはバンとブレイブ、ベグルとロベルト、ギバとマーズ、ダバンとガザルだ」

 

 

 

 

バン「俺がブレイブとか。よろしくな、ブレイブ!一緒なのはユグノアの時以来だな」

 

 

 

 

ブレイブ「ガウ」

 

 

 

 

ラース「一応参加者は兵士達だけじゃないが、それも一部だけだからな。ほぼお前達向けだ。ルートはここ、訓練場が開始で城下町、デルカダール地方、デルカコスタ地方にいってデルカダール神殿の中がゴールだ。それまでに障害物は九個ある。頑張れよな」

 

 

 

 

マーズ「でもラース将軍。ブレイブがいるとなると障害物を早く走り抜けられるバンとブレイブのペアが有利じゃないですか?」

 

 

 

 

ラース「ああ、そんな心配いらないぞ。皆、平等だからな。あと大事な事が一つあった。皆、もちろん武器は持ったな?」

 

 

 

 

全員「武器?」

 

 

 

 

ダバン「なんで武器なんですか?競走ですよね?」

 

 

 

 

バン「まあそれは持ってますけど、なんで?」

 

 

 

 

ラース「すぐにわかるから大丈夫だ。まず一番最初の障害物は」

 

 

 

ラースは地面に手を置いた

 

 

 

ゴゴゴゴゴ

 

 

 

全員「え!?」

 

 

 

バンとブレイブのペア以外の地面が盛り上がり、周りを覆った

 

 

 

バン「え!?皆!?」

 

 

 

 

ブレイブ「ガウ!?」

 

 

 

 

ラース「俺が障害物だ」

 

 

 

 

全員「えええ!?」

 

 

 

 

バン「ちょっ、どういう事ですか!?師匠が障害物!?」

 

 

 

 

ラース「俺と戦ってここ、訓練場から出れたら一つ目の障害クリアだ。さあ行くぞ!」

 

 

 

その頃、デルカダール地方

 

 

 

マルティナ「ごめんなさい、皆。ラースが無理を言ったみたいで」

 

 

 

 

ベロニカ「別にいいわよ。私達だって全員を最後まで通さなかったらあの商品貰えるんでしょ?私達には別にスイーツまで用意してくれてるんだし、それならやるっきゃないわ」

 

 

 

 

シルビア「そうね。それに久しぶりにアタシも体動かさないといけなかったから丁度いいわ」

 

 

 

 

ロウ「(わしとグレイグには特別にあの本もくれると言っておったな。ほほ、これはやる気が出てくるわい。ラースには感謝せんとな)」

 

 

 

 

マルティナ「それじゃあ私はデルカコスタ地方だから戻るわね。皆も本気は出さなくていいからね。トレーニングだと思ってちょうだい」

 

 

 

 

三人「はーい」

 

 

 

その頃、訓練場

 

 

 

ラース「ばくれつきゃく!」

 

 

 

 

バン「さみだれ突き!」

 

 

 

 

ブレイブ「ガウ!」

 

 

 

攻撃しているラースに横からブレイブが噛み付いてきた

 

 

 

ラース「よっ!ほっ!」

 

 

 

ラースは身を翻してブレイブを避けた後、バンに再び攻撃を始めた

 

 

 

ベグル「これ、いきなり障害物がキツすぎないか?」

 

 

 

 

ギバ「全くだよな!ここで負けたらいきなりアウトだろ?だー!ラース将軍が相手とか聞いてねえ!」

 

 

 

 

ロベルト「障害物は九個。最初がラース将軍となるとおそらく残りの八個は........」

 

 

 

 

ガザル「おいおい、まさか障害物は勇者様達のメンバーって事か?」

 

 

 

 

マーズ「可能性が高い。おそらくこんな感じで攻撃してくるのだろうな」

 

 

 

 

ダバン「これは........楽しめるのか?地獄の始まりの間違いじゃ」

 

 

 

 

バン「師匠!通してください!」

 

 

 

 

ラース「全く、少しは頭を使え。いつ俺が障害物は倒せと言った。潜り抜けたらとも言ったし、ここから出れたら一つ目の障害はクリアだとも言ったぞ。意味わかったか?」

 

 

 

 

バン「あ、なるほど。無理矢理でも通ればいいんですね。って、じゃあ通させてくださいよ!」

 

 

 

 

ラース「そしたら障害物の意味がないだろ。こっちだって本気でやろうなんて思ってない。遊び感覚だ。だから隙をついたり、頭を使えば追いかける気はないぞ」

 

 

 

 

バン「俺、馬鹿なんですよ!そんなのわかりません!」

 

 

 

 

ラース「いや、開き直るな。じゃあなんとかしてみせろ」

 

 

 

 

バン「師匠の意地悪ー!」

 

 

 

 

ブレイブ「ガウ!」

 

 

 

ブレイブがバンを引っ張って自分に乗せた

 

 

 

バン「うおっ!や、やった!ブレイブが乗せてくれたー!」

 

 

 

 

ブレイブ「ガウガウ!」

 

 

 

 

バン「お、なるほど!それなら行けそうだな!流石ブレイブ!」

 

 

 

 

ブレイブ「ガウ!」

 

 

 

ブレイブはバンを乗せてラースがいる出口に向かっていく

 

 

 

ラース「(なるほどね)行かせないぜ!マヒャド!」

 

 

 

 

バン「俺に任せろ!さみだれ突き!」

 

 

 

バンは上から降ってくる氷を槍で砕いていく

 

 

 

ラース「ばくれつきゃく!」

 

 

 

ラースは向かってくるブレイブに向かって攻撃する

 

 

 

ブレイブ「ガウ!」

 

 

 

ラースの足を足場にブレイブはラースを飛び超え、出口を潜り抜けた

 

 

 

ガツン!

 

 

 

バン「ヘブッ!」

 

 

 

ドサ

 

 

 

バンは出口に顔が当たりブレイブから落ちた

 

 

 

ラース「..........そこは避けようぜ、バン」

 

 

 

 

バン「痛え〜......鼻血出てきた。くっそー、ブレイブのバーカ!」

 

 

 

 

ラース「わかったから早く行け。第一の障害クリアだ」

 

 

 

ラースは座ったままのバンを蹴り上げた

 

 

 

バン「痛い!ま、まあクリアしたならいっか!待てよ、ブレイブー!」

 

 

 

 

ラース「さて、次はベグルとロベルトだぜ。どう来るか楽しみだな」

 

 

 

デルカダール城下町

 

 

 

バン「うわ、人っ子一人いねえじゃん。こんなに静かな城下町初めてみた」

 

 

 

 

ブレイブ「ガウ......」

 

 

 

いつもは賑わっている城下町も今日だけは何故か誰も外に出ておらず、店も閉まっている

 

 

 

バン「となると、これはやっぱりここにも誰かが」

 

 

 

ヒュン!

 

 

 

ブレイブ「ガウ!」

 

 

 

 

バン「へ?」

 

 

 

ザクッ!

 

 

 

バン「痛えー!!ブ、ブーメラン!という事は!」

 

 

 

 

ブレイブ「ガウガウ!」

 

 

 

ブレイブは突然飛んできたブーメランを避けたが、バンは反応しきれずに当たってしまう

 

 

 

カミュ「第一の障害の兄貴はクリアしたみてえだな。流石バンとブレイブだ。第二の障害物は俺だぜ」

 

 

 

屋根からカミュがブーメランを構えていた

 

 

 

バン「やっぱり......。カミュさーん、俺とカミュさんの仲じゃないですか。こんな事やめましょう、俺はただ商品券がほしいだけなんですよ」

 

 

 

 

カミュ「なるほど。バン達は障害物を潜り抜けたらその商品が貰えるって事か。それなら尚更通すわけにはいかねえな。俺だって兄貴特選の酒はほしいんでな」

 

 

 

 

バン「うう.....結局こうなるんですね。それならもうヤケクソですよ!ブレイブ、出口まで何とか走り抜けるぞ!」

 

 

 

 

ブレイブ「ガウ!」

 

 

 

 

カミュ「させると思ってんのか?ぶんしん!」

 

 

 

カミュは三人に分身した

 

 

 

バン「ま、まさか!人が全然いないのって!」

 

 

 

 

カミュ「これなら好きに放てるぜ。さあ、潜り抜けてみやがれ!デュアルブレイカー!」

 

 

 

三人の分身が一斉に攻撃した

 

 

 

バン「やっぱり!!って危ねえ!」

 

 

 

ガン!

 

 

 

バンに飛んできたブーメランを槍で弾いた

 

 

 

バン「ブレイブ、俺がなんとかするからさっきみたいにブレイブだけでも走って通れ!」

 

 

 

 

ブレイブ「ガウガウ!」

 

 

 

二人は攻撃を掻い潜りながら城下町の出口へ走った

 

 

 

その頃、訓練場

 

 

 

ベグル「っしゃあっ!突破だ!」

 

 

 

 

ロベルト「よし!難関突破だな!」

 

 

 

 

ラース「面白くなってきたな。さて、次はギバとマーズだな」

 

 

 

 

ベグル「バンのやつ、先に進んでるはずだ。俺達も急ぐぞ!」

 

 

 

 

ロベルト「おう!」

 

 

 

デルカダール城下町 広場

 

 

 

バン「な、何とかここまで来た。あと少しで城下町から出られるぞ!」

 

 

 

バンの腕などには避けきれずに当たった傷がついている

 

 

 

ブレイブ「ガウ、ガウ?」

 

 

 

 

バン「これくらい平気だ。ベグルに付けられる傷に比べたら痛くなんかねえよ」

 

 

 

 

カミュ「どうやらもう一ペアが来たようだ。俺はそっちに行かせてもらおう。残りの道は頑張れよな、バン、ブレイブ。じゃあな」

 

 

 

カミュはそう言うと城の方へ戻っていった

 

 

 

バン「え?や、やった!これはもう第二の障害物突破したも同然だな!よし、ブレイブ、走り抜けるぞ!」

 

 

 

 

ブレイブ「ガウ!」

 

 

 

二人は城下町の入り口へ向かって走っていく

 

 

 

その時

 

 

 

ブレイブ「ガウ!!」

 

 

 

 

バン「!?なんかくる!」

 

 

 

ヒュオオオ!

 

 

 

バンとブレイブの一歩手前に巨大な竜巻が出来上がった

 

 

 

バン「風魔法!という事は!」

 

 

 

 

セーニャ「申し訳ございません、バン様、ブレイブ様。ここから先は私がお相手致しますわ」

 

 

 

家々の隙間からセーニャが槍を構えて出てきた

 

 

 

バン「やっぱりセーニャさんだ。うーん、中々簡単には通してくれないんだな」

 

 

 

 

 




二つ似た言葉が出てきて混乱するかもしれないので解説を。

競走 距離を走って速さを競う事

本来の障害物競走はこっち


競争 勝ち負けを他人と競う事

今回の障害物競争はこっち



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