その頃、デルカコスタ地方 海岸
グオオオオ!!
全員「!!?」
突然大地を揺るがすような雄叫びが響いた
マヤ「なに!?」
グリー「い、今のって鳴き声?」
テルマ「こんな鳴き声の魔物が?」
チャム「こ、怖い......」
ビル「四人とも!急いで上がるんだ!」
四人「はい!」
マドリー「!?ビル、あそこ!」
マドリーが山の方を指すとそこには体の半分が赤、もう半分が緑色をして腕が四本生えたムキムキの魔物、ゴライアスがいた
ビル「ゴライアスだと!?あんなやつがこんな場所に!?」
マドリー「私達じゃあ本当に足止めにもならないわ!」
マヤ「ビルさん、マドリーさん、全員出たよ!逃げよう!!」
テルマ「大丈夫だからな、チャム。俺が守ってやる」
テルマは泣いているチャムを抱きしめている
しかし、テルマも膝が震えている
ゴライアス「グウウ......」
遠くにいるゴライアスと目があった
全員「!?」
ゴライアス「グオオオオ!!」
ゴライアスがこっちに向かってきた
マドリー「ビル!!」
ビル「ああ!!お前ら、一目散に逃げろ!!そして急いで城にいるラース様にこの緊急事態を伝えるんだ!!」
グリー「ビルさんとマドリーさんは!」
マドリー「いいから早く逃げなさい!!」
マドリーは普段見せないような緊迫した表情で怒鳴った
テルマ「は、はい!!」
マヤ「........ごめん、ビルさん、マドリーさん!」
四人は走っていく
ゴライアス「グオオオオ!」
ゴライアスはその四人めがけて岩を大量に落としてきた
四人「!!?」
ビル「はあっ!!」
マドリー「えい!!」
ドガァン!!
魔物になったビルとマドリーがマヤ達に当たりそうな岩を砕いた
ビル「今のうちだ!」
グリー「はい!」
グリー達の周りには岩がどんどん落ちてくる
テルマ「ま、また魔物!でも、その声って!」
チャム「ビル....さん?」
マヤ「固まってないで、後で説明するから!今は逃げるよ!」
マヤは立ち止まっている二人の手を引っ張っていった
ゴライアス「グウウ」
ゴライアスはビルとマドリーを標的に変えた
マドリー「どうしましょう、足が.......恐怖ですくんで」
ビル「気持ちはわかる。だが、今俺達の後ろには絶対に守らなければならない人間達がいる。逃げるための僅かな稼ぎにでもなれば!」
ビルが突っ込んでいく
ゴライアス「グオオオオ!」
ブン!
ビル「うおっと!」
振りかぶってきたパンチをギリギリでかわした
マドリー「はあ!」
マドリーは空を飛んで、目に向かって爪でひっかいた
ビル「くらえ!!」
足にビルが殴りかかった
ゴライアス「グオオオオ!!」
ビル「ぐうっ!」
マドリー「キャッ!」
ゴライアスは全くの無傷であり、逆に二人は四本もある腕に捕まってしまう
ゴライアス「グオオオオ!」
マドリー「キャアアアッ!!」
マドリーは森へ思いっきり投げつけられた
森の木々がその部分だけ全て薙ぎ倒されて行く
ビル「マドリー!!」
ゴライアス「グオオオオ」
ビル「グハッ......」
ビルは地面に叩きつけられた後、拳でもう一発叩き込まれた
ドオン!!
巨大な土煙と衝撃が巻き起こる
ビル「..............」
マドリー「...........」
二人は動かなくなった
ゴライアス「グオオオオ!!」
デルカダール地方 駐屯所
グオオオオ!!
ゴライアスの声がここまで聞こえてきた
グレイグ「何かが暴れている。先程大きな音もあったな。急いで止めなければ」
その時、デルカコスタ地方からマヤ達が走ってきた
マヤ「あ!!おっちゃん!バンさん達!」
バン「マヤちゃん達!?どうしてここに!」
グリー「僕達、塩を取りにここに来てたんです!そうしたら山の方から巨大な四つの腕が生えた魔物が!」
グレイグ「四つの腕!メガトンケイルのようなやつらか!」
ギバ「ヒノノギ火山の中で戦った事あります。かなりのパワーと体力を持っている強敵ですね」
マヤ「ビルさんとマドリーさんが囮になってくれたの!でも、さっき大きな音も聞こえたし、叫び声も聞こえたの!」
ベグル「暴れてるのは戦ってるからだったのか。急がないとヤバそうだ」
ロベルト「全速力で向かうぞ!」
デルカコスタ地方
ブレイブ「ガウ!」
マーズ「な、なんだよあいつ!」
ガザル「かなりでかいな!こんな魔物見た事ねえ!」
ギバ「メガトンケイルと色が違う!」
グレイグ「こいつは、確かゴライアス!メガトンケイルの転生モンスターだ!メガトンケイルとは比べ物にならないくらい強いぞ!」
ダバン「あ!あそこ、土煙の中に魔物のビルがいるぞ!」
グレイグ「バン、ベグル、ギバ、俺とこい!こいつと戦うぞ!他の者はビルと何処かにいるはずのマドリーの救助、回復をするんだ!」
兵士達「はっ!」
全員がそれぞれ動き始めた
ゴライアス「グオオオオ!」
ゴライアスがグレイグ達に向かってくる
グレイグ「スクルト!」
全員の守備力が一段階あがった
バン「ばくれつきゃく!」
バンがいち早くゴライアスの足元に辿り着き、攻撃する
ゴライアス「グオオオオ!」
ゴライアスはまるで効いてないかのようにバンに反撃してきた
ドゴォン!
バン「ヒイイッ!」
拳が当たった場所の大地は抉られ巨大な穴ができた
ギバ「こりゃあ当たったら即死を考えないとだな!氷結らんげき!」
ベグル「アイスブレード!」
ギバとベグルも攻撃に参加する
ゴライアス「グオオオオ!」
ゴライアスは大量の岩をなげつけた
バン達全員を覆いつくすほどの岩が降り注ぐ
バン「ちょ、ちょっと待てって!多すぎ!!」
グレイグ「なぎはらい!」
グレイグは大剣で砕いていくが、それでも岩の量が上回った
グレイグ「ぐうっ!」
ベグル「ぐっ......」
ギバ「お、重てえ....」
全員岩に埋もれてしまった
ゴライアス「グオオオオ!」
ゴライアスが岩にばくれつけんを繰り出した
四人「グアアアア!!」
岩を砕きながら動けない四人に直撃していく
ロベルト「おいビル、生きてるか!」
ビル「.........」
ロベルト「くっ!心臓は動いているのが幸いだが、意識無しか」
マーズ「マドリーさんを見つけた!こっちも相当酷い」
ダバン「俺の回復じゃあ到底追いつかない。急いで城の医療部屋に行かないと」
ブレイブ「ガウ!」
ガザル「よし、ブレイブ、二人を連れて戻ってくれ。頼んだ!」
ブレイブ「ガウ!」
ブレイブは二人を乗せて城に向かって走っていく
ロベルト「皆は大丈夫なのか?」
マーズ「俺達も救援に行くぞ!」
バン「ゲフッ......一撃だけでなんて威力してんだよ」
ベグル「だが、簡単に倒れるわけにはいかねえよな!」
ゴライアス「グオオオオ!」
ゴライアスはばくれつけんを繰り出した
グレイグ「ビックシールド!」
ガンガンガン!
グレイグ「ぐうっ!なんて威力だ」
グレイグが盾越しにどんどん押されていく
マーズ「グレイグ将軍、スカラ!」
グレイグの守備力が二段階あがった
ガツン!
今まで押されていたグレイグが持ち堪えられるようになった
グレイグ「うむ、助かったぞ、マーズ!」
ガザル「ベグル、お前の馬鹿力見せてやれ!バイキルト!」
ベグルの攻撃力が二段階あがった
ベグル「!ナイスだ、ガザル」
ベグルは首や肩を回してゴキゴキと鳴らし始めた
ゴライアス「グウウ.....」
ゴライアスは盾で痛めたのか拳を振っている
ゴライアス「グオオオオ!」
ゴライアスのパンチがベグルに向かっている
ベグル「っしゃあ!受けて立ってやるよ」
ベグルは拳を合わせてニヤリと笑った
グレイグ「なに!?無茶だ、ベグル!」
ゴライアス「グオオオオ!」
ベグルは利き足を地面にヒビが入るほど思いっきり踏ん張り、ゴライアスのパンチに合わせて足、体、腕全てを捻りながら大きく振りかぶり、拳にパワーを増大させた
ベグル「おらああああ!!!」
ドゴォン!
ゴライアスのパンチとベグルのパンチがぶつかりあう
ベグル「うぐぐぐぐ........ふんっ!!」
ドオン!!
ゴライアス「!?」
ゴライアスのパンチが跳ね返され、大きくのけぞった
グレイグ「おお!!」
ロベルト「はっ!」
ロベルトはゴライアスの両足を切り、立て直しがしにくいようにした
バン「はあっ!」
バンはベグルを足場にジャンプして、倒れそうになっているゴライアスの正面に飛んだ
バン「超さみだれ突き!」
ゴライアス「グウウ!」
ゴライアスは避けれず、強力な五連撃全てが当たる
ドオン!!
ゴライアスが地面に叩きつけられた
ギバ「ハア!」
バンの攻撃が当たると同時に、ギバもベグルを足場にジャンプした
マーズ「ルカニ!」
ゴライアスの守備力が二段階さがった
ギバ「終わらせてやるぜ!雷光一閃突き!」
空中からギバの雷を宿し、狙い済まされた一突きがゴライアスの体を貫いた
ゴライアス「グオオオオ........」ジュワー
ゴライアスを倒した
ロベルト「ナイスだ、ギバ!」
グレイグ「素晴らしいコンビネーションだ、お前達。よく合図もなしに完璧と思うほどに揃えられるものだな」
バン「そりゃあもうずっと一緒にいますからね!互いにわかりあってますよ!」
バンは胸を張っている
ベグル「おい、馬鹿二人。てめえら、俺を踏み台扱いしやがって。大した根性だなぁ」
ベグルからは黒いオーラが溢れている
二人「ヒイッ!」
バンとギバは一瞬で顔が青ざめ、冷や汗が出まくっている
ギバ「だだだだってよ!あの時は仕方ねえだろ!ああするしか方法がなかったんだ!」
バン「そ、そうだそうだ!それにベグルって踏みやすいし、俺がああいう行動するってわかってるから進んで踏み台になってくれて」
数秒後
ベグル「ギバは何か言いてえ事あるか?」
ギバ「全くございません、ベグル様!!踏んでしまい申し訳ございませんでした!!」
ギバは綺麗な土下座をしている
ベグルの横には全身が地面に埋まり、動かなくなったバンがいた
ベグル「いい謝罪だ。その潔さに免じて」
ギバ「(ホッ、助かっ)」
ベグル「顔面パンチ7発で済ませてやろう。まだバイキルトの効果は残ってるから泣いて喜べ。あの魔物と同等のパワーが出せるぞ」
ベグルはニコニコしながら指を鳴らしている
ギバ「助かってないーー!」
グレイグ「だが、本当によい動きだった。マーズやガザル、ロベルトのサポートも非常によかったぞ。俺が来る必要はなかったようだな」
ダバン「そんな事ありませんよ。グレイグ将軍が防いでいてくれたからこそ、あいつらも自由に出来たんです」
ガザル「本当ならダバンの役目だったな。取られちまったぞ、ダバン。グレイグ将軍の方が堅いしな」
ダバン「.........うるせえよ」
ダバンは額に青筋が立っている
マーズ「煽るな、ガザル。しかし、これほどの強さを持った魔物がどうしてこんな場所に」
ロベルト「しかも転生モンスターって相当珍しい魔物ですよね。おそらく生息場所も違いますし、謎が多すぎます」
グレイグ「そうだな。この事は今後話し合っていこうと思う。取り敢えずは任務完了だ。姫様に報告とビル達がどうなっているかを確認せねば。皆、城へ帰るぞ」
ベグル「はっ!おら、立てよ。こんなんでへばってんじゃねえよ」
二人「...........」
ベグル「全く、手のかかるやつらだな。引きずってくか」
ベグルは動かないバンとギバを引きずっていった
マーズ「(重傷者二名追加.......だな。理由はベグルっと)」