それから三日後、デルカダール城
訓練場
テルマが今日から訓練に参加する事になり、ラースに案内されていた
バン達もテルマに自己紹介を兼ねて集まっていた
ラース「ここでいつも訓練してるんだ。テルマは見習い達とやる事は大体同じだ。見回りとかはしなくていいけど、この時間の訓練には参加してもらうぞ」
テルマ「はい!よろしくお願いします!」
ベグル「テルマ、お前なんの武器が使えるんだ?」
テルマ「片手剣、槍、かくとう、短剣です!」
ラース「短剣か、それはすまないが専門外だ。もし使いたければカミュに聞いてくれ。カミュは短剣使いだからな。それ以外ならしっかり教えられる。それと、片手剣の基本はある程度出来てるのはわかってる。それ以外の経験は?」
テルマ「槍は少しかじった程度で、かくとうと短剣についてはほとんど......って感じです」
ラース「まあ初心者って事だな。じゃあ体の基本作りからいこうか。バンの所で練習するといい。筋トレ等の基本的な体作りも担当してるからな」
バン「俺だぜー!」
バンはテルマに笑顔で手を振っている
テルマ「はは、バンさんはよくわかりますよ。酒場にもよく来てくれますからね」
ラース「んで、それが終わったら慣れてる片手剣を使おう。片手剣はロベルト、彼が担当している」
ロベルト「俺がロベルトだ。よろしくな」
ロベルトは片手を上げて挨拶する
テルマ「はい!」
ラース「片手剣が終わってもし体力があるようなら槍も基本から始めてみようか。槍はギバ、彼が担当している」
ギバ「よっ!まさかグラジーの店員がこんな所に来るなんて思わなかったぜ!」
テルマ「あ、ギバさん。本当ですよね。でも俺、弱いままは嫌なんです!だから強くなりにきました!」
ラース「他には副長のベグル、盾を使うダバン、魔法が得意なマーズ、ブーメランを使うガザルがいる。一芸特化じゃなく、それぞれ得意分野は様々あるから他の人にも話を聞いてみるとより理解が深まりやすくなるかもな。
例えばダバンなんかは片手剣が相当使えるし、ベグルも槍が使えるといった感じでな。まあ仲良くしてほしい。こんなもんでいいか?」
テルマ「はい!ありがとうございました!」
ラース「よし、それじゃあ頑張れよ。何かあったら連絡してくれ。じゃあな」
ラースは去っていった
テルマ「気になってたんですけど、見習い達、エド達は?」
マーズ「ああ、見習い達も含めて自己紹介すると人数の関係で時間がかかるからな。今日は見習い達は別の時間なんだ。この後見習い達にテルマが参加する事を伝える。明日からは見習い達と一緒だぞ」
ロベルト「どれだけ体力があってどれだけ基本が出来ているかの把握もしたかったからな。つまり今日はテルマのレベル確認といった所だな」
テルマ「なるほど。あまり期待しなくていいですからね。俺、本当一般人なんで」
ガザル「いやいや、一般人がラース将軍やグレイグ将軍に認められるわけないだろ。槍とかは初心者なんだろうけど、片手剣は期待してるぜ?」
テルマ「ええ!?あれは絶対お世辞ですよ!そんな気にしないでください!」
ベグル「まあ確認はしていく。バン、いつもの基礎を教えてやれ」
バン「おう!テルマ、こっちこいよ。まずは筋トレからやっていくぞ!」
テルマ「はい!」
三十分後
バン「筋トレはこんなもんだ!大丈夫か?」
テルマ「け、結構疲れますね。真面目に筋トレしたの久しぶりだから」
バン「まあついてこれるだけいいと思うぜ。見習いの中にはここで息切れ起こしてたやつもいたからな」
テルマ「そうなんですか。でも、筋トレくらいで疲れてたら駄目ですよね。次は片手剣でしたね。ロベルトさーん!」
ロベルト「ん?終わったか?」
バン「おう!あ、そうだ。さっき師匠が言い忘れてたけどよ、かくとう技を使いたかったら俺が担当してるからどんどん話にきてくれよな!簡単な体術や護身術でも大丈夫だぞ」
テルマ「あ、そうだったんですね。それじゃあ教えてもらう事になりそうですね」
ロベルト「待て待て。バン、お前の護身術はレベルが高いからやめとけ。ベグルにしておくといい、あいつなら普通の人でも使いやすい護身術が教えられる」
バン「えー!俺だってテルマと話してえのに.....」
テルマ「ふふ、バンさんは本格的なものになるんですね。それだったら体がもっと動かせるようになったらたくさん教わりにきますよ!それまでは普通にお喋りしましょう!」
バン「へへ、おう!」
ロベルト「さて、片手剣を見ていくぞ。まずは素振りをしてみてくれ」
テルマ「はい!」
素振り後
ロベルト「中々いいじゃないか。姿勢や構え方、どれも綺麗だぞ。それなら少し動いてみるか。俺と軽く打ち合うぞ」
テルマ「お手柔らかにお願いします」
その後
テルマ「はっ!」
カアンッ!
ロベルト「よし、一旦ここまでにしよう」
テルマ「ハァ.........ハァ......」
テルマは汗だくになっている
マーズ「大丈夫か?ほら、水だ。休憩も大事だぜ」
テルマ「あり.....がとうございます」
ロベルト「確かに独学にしては基本がかなりしっかりしているな。見習い達より多少扱いには慣れていそうだ。だが、悪く言うなら基本的過ぎるって事かもな」
ダバン「そうだな、まあ初めは当たり前だよな。俺達だってそうだったわけだし」
テルマ「基本的すぎる?というと?」
マーズ「型通りって事だな。基本的な動きしか出来ていないって事だ」
テルマ「はぁ......。基本は大事なんじゃないんですか?」
ロベルト「それはそうなのだが、実践で基礎ばかりだと対応できない場面なんて数えきれないほどある。その時に対応出来なければ結局は何もできない。そのために基礎は当たり前。そこから更に上の技術、応用が必要となってくるんだ」
テルマ「俺、そんな応用なんて出来るレベルですかね?」
マーズ「見てる限りでは悪くなかったぞ。応用を使っていくには十分だと思うけどな」
ダバン「例を見せるか。ロベルト、俺が相手役になる。何か一例を見せてやれ」
ロベルト「了解。じゃあテルマ、見てろよ」
ダバン「はあっ!」
ダバンが斬りかかった
ロベルト「ふっ!」
キンッ!
ロベルトが剣を防いだ
ロベルト「ここまでは武器でガードする基礎の動き。ここからが応用だ。これだけだと相手はすぐに引いてくるだろう。もしくは力押ししてくるかだ。そのどちらの可能性でも自分が有利になる動きをする」
ロベルトは大きく踏み込み剣を瞬時に相手の武器に沿って動かし、素早くダバンへ距離を詰める
テルマ「ええ!?」
ロベルト「はあっ!」
ダバン「っと!」
ロベルトはその滑らせた勢いのまま切りつけた
ロベルト「こんな感じだ。引く隙を与えず、力押しでもその力を受け流すように相手に詰める。そうする事で一瞬で相手に逃げるか、避けるかの二択を迫れる。あの至近距離で攻撃するの選択が出来るやつはかなりの実力者。相手が限られるからな。結構使いやすい応用だ」
テルマ「お〜......。一瞬だからこそ、相手の判断も一瞬で行わなければいけない。しかもミスったら死ぬ。凄い、こんな事本に載ってなかった。勉強になります!」
その光景を訓練場の入り口からエドが見ていた
エド「..............」
ベグル「(ん?あれはエドか。何してんだ?立ったままでよ。............テルマを見てる。話しかけにくいからか?そんなの気にするやつだったか?)」
ベグルは気になってエドの元へ向かう
エド「.........あ、ベグル」
ベグル「何してんだ?入りてえなら入ればいいだろ。見てわかると思うが、テルマも明日から訓練に参加する事になったんだ。よかったな」
エド「別に。何したいのか知らねえけど勝手にすればいいんじゃねえの?」
エドはそう言うと戻っていった
ベグル「(あ?もっと喜ぶと思ってたんだけどな。友達だったはずじゃ?さては............何かあったな)」