ドラゴンクエストⅪ 魔法戦士の男、恋をする   作:サムハル

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その後

 

 

 

ロベルト「よし、今日はこの辺にしておこうか」

 

 

 

 

テルマ「ヘェ.......ヘェ....ありがとうございました」

 

 

 

 

ダバン「少し体力が少ないかもな。まあ初めはそんなもんだ。そのうち体力もついてくる。そうしたらギバに槍を教えてもらったり他の人と一緒にやってみたりするといい」

 

 

 

 

テルマ「はい」

 

 

 

 

ガザル「片手剣に関しては悪くねえんじゃねえか?見習いでも応用をしっかりやってるやつは少ないだろ」

 

 

 

 

ロベルト「そうだな。片手剣は確かに期待されていただけはあった」

 

 

 

 

ベグル「よう、終わったみてえだな。テルマ、この後時間あるか?」

 

 

 

 

テルマ「はい、大丈夫です」

 

 

 

 

ベグル「ちょっと面貸せよ。俺の部屋に来い、話がある」

 

 

 

 

テルマ「?わかりました」

 

 

 

ベグルはそう言うと一足先に戻っていった

 

 

 

それを見ていたバンとギバが凄い速度でテルマに近寄った

 

 

 

バン「お、おい、テルマ!何したんだ?」

 

 

 

 

テルマ「え?俺別にベグルさんに何もしてないんですけど、どうしてそんなに焦ってるんですか?」

 

 

 

 

ギバ「ベグルは怖えやつなんだよ。鬼だ、鬼!俺もバンもあんな感じで部屋に呼ばれると大抵ボコボコにされるかキツイ説教されるかなんだ。覚悟しておいた方がいいぞ」

 

 

 

 

テルマ「ええ!?本当に何もしてないですって!」

 

 

 

 

マーズ「ま、まあこいつらみたいにシメられるなんて事はないとは思うけどな。一先ず部屋に案内する、ついてきてくれ」

 

 

 

 

テルマ「ありがとうございます。それではお疲れ様でした」

 

 

 

 

バン「じゃあな〜。後で医療部屋に見舞いに行くからよ〜」

 

 

 

 

ギバ「命だけは持っていかれないようになー」

 

 

 

 

テルマ「なんだか凄い不安な事言ってくるんですけど!?」

 

 

 

 

ガザル「お前ら、言いたい放題だな。ベグルがいたらお前らが医療部屋行きだぞ」

 

 

 

 

ロベルト「明日もこの時間にやっている。また明日な」

 

 

 

 

ダバン「(ベグルのやつ、どうしたんだ?テルマに話があるなんて)」

 

 

 

ダバンも気になるのかテルマ達についていった

 

 

 

ベグルの部屋

 

 

 

マーズ「ここがベグルの部屋だ。まあバン達の言っていた事は本当だが、テルマに何かするわけないだろうから安心してくれ」

 

 

 

 

テルマ「は、はい。でも、本当って事なら余計怖く感じますね。俺、何されるんでしょうか」

 

 

 

 

マーズ「さあな。まあノックしてから入れよ。じゃあな」

 

 

 

 

ダバン「俺もいいか?」

 

 

 

 

テルマ「あ、ダバンさん。俺は大丈夫ですよ」

 

 

 

コンコン

 

 

 

ベグル「おう、入ってこいよ」

 

 

 

 

テルマ「失礼しますね、ベグルさん」

 

 

 

ガチャ

 

 

 

ベグル「まあ適当に座ってくれ。って、ダバンもいたのかよ」

 

 

 

 

ダバン「お前がこうやって誰かを呼びつけるなんて何かあった時だけだからな。テルマの護衛と様子見だな」

 

 

 

 

テルマ「お、俺、何されるんでしょうか。悪い事していたなら謝りますよ」

 

 

 

 

ベグル「?なんでそんなに怯えてんだよ。別に取って食うわけでもあるまいし。俺の体格的に怖えのはわかるが、何か怖がるような事させたか?」

 

 

 

 

テルマ「さっきバンさん達がモゴモゴ」

 

 

 

 

ダバン「あー、聞かなかった事にしてくれ」

 

 

 

ダバンはテルマの口を塞いだ

 

 

 

ベグル「.........ハァ。ったく、言おうとしてた事はわかった。あいつら後で覚えてろよ」

 

 

 

 

ダバン「それで?テルマへの用事は?」

 

 

 

 

ベグル「ああ、そうだな。さっきの訓練中、エドが入り口からテルマを見ていたんだ」

 

 

 

 

テルマ「!?.......エドが」

 

 

 

 

ベグル「んで、話かけてみたら様子がおかしいんだよな。俺達とは違ってあいつは見習い達には明るいやつなんだ。特にテルマ、お前の事となると喜んでいたやつなんだけどな。

 

 

 

それがどうだ?まるで俺達みたいな、いや俺達より冷たい態度に感じた。エドには話出来なかったからな。何かあったのか?」

 

 

 

 

ダバン「ほう、そんな事が。それは確かに気になるな」

 

 

 

 

テルマ「..........ちょっと.....喧嘩というか。俺が全部悪いんです」

 

 

 

テルマはエドとの間で起こっている事を伝えた

 

 

 

テルマ「だからエドは俺に失望したんだと思います。いくら心にもない言葉だからといっても、エドからしたらその言葉を禁句のようなもの。それを.........少しでも信頼してくれてた俺から言われたんですから」

 

 

 

 

ダバン「死への恐怖.......か。テルマの気持ちはわかるぜ。大事な人が死ぬなんて嫌だもんな。まあ、それに拘りすぎてるのもどうかとは思うが」

 

 

 

 

ベグル「エドに謝ったのか?」

 

 

 

 

テルマ「実は、話すらさせてもらえなくて。エドは鼻とか耳がいいから俺がくる事を事前にわかっちゃうんだと思います。それでエドから離れていって」

 

 

 

 

ベグル「まあそうか。あの感じだとそうだもんな。なんて伝える気だ?言うつもりなかったんだってか?」

 

 

 

 

テルマ「.........そうですね。謝り倒すくらいにはしようかなと」

 

 

 

 

ダバン「あいつには謝るのもいいが、もっと言葉を慎重にした方がいい。馬鹿騒ぎするやつだが、言葉に敏感なんだ。警戒心が高いから言葉一つで距離を置かれるかが決まるぞ」

 

 

 

 

テルマ「そ、そうだったんですか。知らなかった。じゃあ.........どうしようかな」

 

 

 

 

ベグル「俺の予想だが、あいつはテルマが謝ってくる事を予想してるだろう。だからこそ、その内容によっては取り返しのつかない事になる。簡単な言葉と謝罪だけじゃあ二度とあの友達関係に戻る事はないな」

 

 

 

 

テルマ「そう.........ですか。俺、やっぱり最悪な事やったんですね。友情って.........こんな簡単に消えるんですね」

 

 

 

 

ベグル「そうだな。言葉ってのは俺達の想像以上に強い力を持っている。時には人を励ましたり慰めたり、勇気をくれたりするが、今回みたいに簡単に人を傷つけたり怒らせたりも出来る。それによって失われるものも多い。特にテルマとエドみたいな、友達になって間もないやつだとすぐに友情は消えるな」

 

 

 

 

テルマ「.............」

 

 

 

 

ダバン「だが、友情が絆へと変わった時。それは簡単には切れない関係となる。互いに信頼して認め合う。その信頼があるからこそ多少馬鹿にしたりも出来る。絆を作るのが大事なんだ」

 

 

 

 

テルマ「絆........か。俺、エドに守られてばっかりでした。初めて友達になった時から、この前の障害物競争の時もずっと。それじゃあ、絆なんて生まれないですよね。やっぱり.......俺、強くならなきゃ!そうじゃないとエドに並べない。友達として一緒にいられない。

 

 

 

いつか俺がエドを守れるような日が来るように、エドが頼ってくれるようなやつにならなきゃ。そうしたらきっと、エドもまた友達として見てくれますかね」

 

 

 

 

ベグル「ふっ、いいんじゃねえか?生きるため、友達になるために強くなるか。面白えじゃねえか」

 

 

 

 

ダバン「エドには伝えないのか?勘違いされたままも嫌だろう?」

 

 

 

 

テルマ「そうですね。明日、見習い達に混じってエドも来るんですよね?」

 

 

 

 

ベグル「だな。だから嫌でも明日はエドと直接話すチャンスだぞ」

 

 

 

 

テルマ「直接ぶつかります。俺の気持ちがエドに少しでも届くように。真剣である事をわかってもらえるように」

 

 

 

 

ベグル「ああ、頑張れよ」

 

 

 

 

テルマ「ありがとうございました、ベグルさん、ダバンさん!俺、頑張りますから!」

 

 

 

 

ダバン「楽しみにしてるぜ」

 

 

 

 

テルマ「はい!それじゃあ相談に乗ってもらって、迷惑かけてすみませんでした。失礼します」

 

 

 

テルマは部屋から出ていった

 

 

 

ダバン「珍しいな。ベグルがこんな事するなんてよ。どんな風の吹き回しだ?」

 

 

 

 

ベグル「うっせえよ。エドは、不安定なやつだ。立場もこれまでもあまりにも特殊だったからな。一見すると明るいやつだが、根っこは他人を常に警戒してる。自分の特殊性がわかっているからこそだろうな。

 

 

 

そんなエドが唯一テルマの前でなら楽しそうにしていた。あいつも人間なんだ、魔物じゃない。あんな風に気を許せるやつが必ず必要だ。それを失ってほしくなかっただけだ」

 

 

 

 

ダバン「.........ふぅ、流石だな、その判断力。というか、そんな優しさがあるならバンや俺達にもそれくらいで接してくれよな」

 

 

 

 

ベグル「はっ、嫌に決まってんだろ。俺がそんな事する柄じゃねえのはわかってんだろ?気まぐれだ」

 

 

 

ベグルは立ち上がって部屋から出ていく

 

 

 

ダバン「お、おいおい、どこに行くんだよ」

 

 

 

 

ベグル「あぁ?んなの決まってんだろ。バンの名前聞いて思い出した。馬鹿二人に制裁をしないとなぁ。どうせ俺が鬼だの悪魔だの騒いだんだろう。そんなに望んでいたなら見せてやろうじゃねえか」

 

 

 

ベグルはニヤリとしながら首や肩をゴキゴキと回して準備している

 

 

 

ダバン「(逃げろ、バン、ギバ。鬼が来るぞ)」

 

 

 

 

 

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