次の日、訓練場
バン「昨日言ったと思うが、この子がテルマだ。今日から訓練に参加してもらう事になったから皆仲良くしてくれよな」
テルマ「よろしくお願いします」
見習い達「はい!」
ロベルト「見習い達の中ではガクとジール、ジャスが中心になっている。三人は手を挙げてくれ」
三人「はい」
テルマ「よろしくお願いします!」
ロベルト「もし何か困った事があって俺達に話せなかったら彼らに話すといい。それじゃあやる事は昨日と同じだ」
バン「皆ー、いつもの筋トレからしていくぞー」
エド「..........」
ガク「どうしたの?エド」
エド「いや、なんでもねえよ」
その後
ロベルト「俺とダバンでよく片手剣を指導しているんだが、人数の関係で昨日みたいに付きっきりは無理なんだ。だからペアになってもらって、その動き方を見てそれぞれ教えているんだ。テルマも適当に誰かと組んでみてくれ」
テルマ「わかりました」
ジャス「じゃあ僕とやろうよ、テルマ君。さっきも紹介あったと思うけど、僕はジャス。よろしくね」
テルマ「ジャスさんですね!俺はテルマといいます、お願いします!」
ジャス「ふふ、真面目だね。片手剣は慣れてるらしいね。相手になるといいんだけど」
テルマ「大丈夫ですよ!俺、体力ないんで長い間とか無理ですし」
ジャス「筋トレで少し疲れてたもんね」
テルマ「そ、そうなんです.....」
ロベルト「ほら、喋ってないで打ち合え」
ジャス「あ!すみません!じゃあやろっか、テルマ君」
テルマ「はい!」
数分後
テルマ「えいっ!」
テルマは斬りかかっていく
ジャス「はっ!」
ガンッ!
ジャスは攻撃の隙をついて脇腹に剣を当てた
テルマ「ぐっ!」
ダバン「ジャスのはいい判断だな。相変わらず隙を突くのが上手い」
ジャス「ありがとうございます」
ダバン「テルマはこんな奴と戦うのは初めてみたいだな。難しいか?」
テルマ「そうですね。まるで先読みされてるみたいで、不思議な感じです」
ジャス「ごめんね?嫌な戦い方して。僕程度だとこうしないと、テルマ君と純粋に打ち合ったら負けそうでさ」
テルマ「いえ、勉強になるので問題ありません!それに、少し考えが浮かんだので対抗してみせます!」
ジャス「えー、それは怖いなー」
テルマ「やあっ!」
テルマはさっきと同じく斬りかかった
ジャス「(まったく同じ.....なわけないんだろうな)はっ!」
ジャスが隙を突こうとすると
テルマ「はあっ!」
テルマは攻撃の方向を変え、ジャスの剣を弾こうとする
ガッ!
ジャス「ごめんね、ああ言われると警戒しちゃうから」
ジャスもそれを読んでいたのかテルマの攻撃を打ち払った
テルマ「かかりましたね!」
ジャス「え?」
テルマは打ち払われた状態から前に踏み込み、その勢いでジャスに攻撃した
ガンッ!
ジャス「うぐっ!」
テルマ「やった!やっと一撃入った!」
ダバン「ほう、やるじゃないか、テルマ。なんでそうした?」
テルマ「俺の隙を突かれたり、剣が打ち払われたのは相手の方が力が上手くかかっているから。そのための適正な距離があるのだろうと思いました。さっき偶然前に少し進んだらジャスさんは少し下がりました。
まるで、一定の距離を空けているかのように。それで一歩大きく踏み込めば簡単にカウンター出来ないのかなと思って」
ダバン「うん、正解だな。いい観察眼と閃きをしてるな」
ジャス「ありゃ、見抜かれちゃったんだ。ふふ、強いね〜、テルマ君。僕より年下なんて思えないよ」
テルマ「へへ、ありがとうございます」
訓練後
バン「よーし、今日の訓練はここまでだ。各自出来なかった所や不安な所は練習しておけよ!解散!」
ダッ!
エドは一目散に訓練場から出て行こうとする
ガシッ!
ベグル「まあ待てよ、エド」
ベグルはエドの腕を掴んだ
エド「な、なんだよ、ベグル!離せ!」
ベグル「なんで友達のテルマから逃げてんだよ。喧嘩したのか知らねえが、少しは話してみるべきなんじゃねえの?」
エド「知るか!!あんなやつ、友達でもなんでもねえ!!俺の事、どうせ心の中では気持ち悪がってたんだ!そんなやつと話す事なんか何もねえ!!」
テルマ「違う!!」
テルマが大声をあげた
エド「..........」
テルマ「確かに変なやつだとは思ってた。話は聞かないし、勝手に動き回るし自由過ぎるやつだと。でも、決してエドを気持ち悪いなんて思ってない!!あの言葉を言われて酷く傷付くのは当然だ。信じられなくなるのもわかる。
だが!!俺はエドと一緒にいていつも楽しかった!親代わりにならなきゃいけない重責や不安、暗い考えも全部お前といた時は忘れられた!そんな時間をくれたエドを悪くなんて思うわけないんだ!」
エド「じゃあ........なんであんな事言ったんだよ」
テルマ「俺、あの時はどうかしててエドの正論が認められなくて、怒りに任せた八つ当たりなのにエドに最低な言葉を言った。
心の底から謝らせてくれ。すまなかった」
テルマは土下座した
エド「お前.........」
テルマ「エドと友達ではなくなってしまったのは仕方ない事だ。だが、俺はもう一度エドと友達になりたい!また一緒に遊んで、笑って、いろんな事をしたい!友達としてみたい事はたくさんあるんだ!
でも、俺はずっとエドに守られてきた。初めて会った時からこれまでずっと。そんなままじゃ駄目だ。守られてばかりじゃあ何もできない、何も守れない。俺が大切だと思う人達が俺を守ってくれるように、俺も皆を守りたい!強くなりたいんだ!
強くなればエドの隣にいれる。エドを守ってやれる。対等に立ちたいんだ。だから、俺が強くなるまでどうか待っててくれ。必ず同じくらいに強くなる。守られてばかりの俺じゃエドの友達なんて呼べない。強くなったら、また俺と友達になってくれないか?」
エド「...........意味わかんねえ。なんでそこまでして俺と友達に」
テルマ「エドを気に入ったからだ。前にエドがそう言ってくれたよな。俺も同じだ。変なやつで、話聞かなくて自由なやつでも楽しいし、毎日が面白い。そんな気分にさせてくれる。そんなエドだから俺は友達になりたいんだ」
エド「...........ハハ、ハハハハッ!!本当......テルマは変なやつだよ!もの凄い馬鹿!阿保だろ!」
テルマ「な!!お、俺は本気で」
エド「面白いやつだな。それにそういうテルマの気持ち、好きだぜ。近くにいようとしてくれる気持ちがな。仕方ねえから待っててやるよ。でも、俺だって強くなるからな。いつまで経っても俺に追いつかねえのはやめてくれよ?」
テルマ「ああ、わかってる!待ってろ、すぐに並んでやるからな!」
エド「どうだかなー。俺、気長な方じゃねえし置いていっちまうかもな」
テルマ「そしたら追いかけるさ。そんで必ず追いつく!」
エド「へへ、本当変なやつ。最高だよ」
二人は笑い合っている
訓練場の上ではバン達がその光景を見ていた
バン「テルマ.......カッコいいやつだな!」
ベグル「一件落着か。世話がかかるぜ」
ダバン「若いっていいなぁ、あんなキラキラしてたもんか?」
ロベルト「言ってる事が完全におっさんだぞ。気持ちはわかるけどな」
バン「あれだな。雨降って地固まる、ってやつだろ。元からあった友情がさらに強くなった瞬間!それが今だろ!」
三人「............」
三人はバンの言葉に呆然としている
バン「な、なんだよ、その顔。また変な事言ったか?」
ロベルト「バンが.......正しく言葉を使えた.....だと?」
ダバン「風邪だ!!熱あるだろ、お前!!」
ベグル「夢見てんのか?いや夢だな、間違いねえ。こんな事言うやつはバンじゃねえ」
バン「ムッカー!!馬鹿にしやがって!!お前ら、そこに並べ!一発ずつぶん殴ってやる!!」
バンが顔を赤くして三人に突撃していく
ロベルト「やべ、やべ。兵士長がお怒りだ」
ダバン「はは、マジで怒ってるじゃん」
二人は笑いながら逃げていく
ベグル「俺様を殴ろうだなんて舐められたもんだな」
ベグルはバンに立ち向かっていく
バン「まずはベグルからだ!」
ベグル「はっ!やってみろよ!」
バンとベグルで戦いが始まっていく
テルマ「な、何してんだ?あれ」
エド「だらしねえやつら。ガキじゃねえんだからさ」
ジャス
性別 男
年齢 ガク達と同年齢
身長 168cm
体重 65kg
性格 温厚。殆ど怒らない
スキル 片手剣、盾、爪、ブーメラン
ガク達と同期の兵士。優しい性格で皆と楽しく過ごす事が好き。その性格とは裏腹に実力もそれなりにあり、見習い達の中でガク、ジールと並んでいる。見習い達を宥める役割があり、バン達からも頼りにされている