その頃、グロッタの街
バン「(うーん...........俺、変な事したかな?誰かに付けられてるような........。気のせいか?)」
バンは時折振り返ってみるが誰もいない
バン「おかしいな。勘がいるって言ってんのによ。まあカジノに行ってみるか」
近くにある家の屋根にはケニーがバンを見ていた
ケニー「あいつ、何者だ?俺の事に多分気付いてる。ただの旅人ではないみたいだな。警戒しなきゃいけないようだ」
カジノ
バン「うるさ......。一旦様子見してみるか」
スタッフ「いらっしゃいませー!カジノで一攫千金!夢の世界へようこそー」
バン「(カジノってこんな場所なのか。スロット?だっけ。どうやるんだ?)」
バンは初めて触るスロットに困惑している
ケニー「よう、お兄さん。スロットは初めてか?」
ケニーが普通の客を装って近づく
バン「ん?ああ、そうなんだ。よかったらやり方を..........教えてくれないか?」
バンはその声に振り返って顔を見ると固まったが、話を続けた
バン「(ちょっ!?こいつ、ケニーか!?目の下のホクロ!間違いねえだろ!)」
ケニー「(ビンゴ、やっぱり何か知ってやがる。しかも街に慣れてねえときた。さて、どう遊んでやろうか)」
その頃、グロッタの街 入り口
ダバン「久しぶりに帰ってきた。って、感傷に浸ってる場合じゃねえな。早い所バンとケニーを見つけねえと!ケニーのやつ、なんでそんな盗賊みたいな事を」
カジノでは
バン「うおおっ!凄え!めっちゃ当たるじゃん!」
ケニー「やるねえ、お兄さん!運良くない?もっといってみるべきだって!」
バン「じゃ、じゃあもう少し」
ケニー「(へっ、なんだこいつ。馬鹿みたいに正直なやつだな。裏技使ってるってのに気付きもしないでバンバンと。さて、もう少ししたらきっと......)」
バン「ええ!?こ、こんなに当たるもんなのか!?」
バンのスロットには777と並んでいる
スロットからコインがジャンジャン出てきた
ケニー「いやー、本当こんなに当たる人初めて見たよ。教えてやった甲斐があるもんだ。それじゃあ慣れたと思うし、程々に頑張れよな」
ケニーは去っていく
バン「あ、待ってくれ。まだ話が」
???「お客様」
バン「へ?」
バンの後ろには数人の男達が並んでいた
スタッフ「お客様、そのような方法でコインを稼ぐのは違法行為となります。他のお客様の不平等や不和の原因、更にはスロットの故障の原因となります。少々こちらでお話を伺わせてもらいます」
バン「ええ!?そ、そうなのか!?だって、さっきのやつがこうやれって」
スタッフ「お話はあちらの方で」
バンは部屋に連れて行かれる
部屋
バン「悪かったって!俺、初めてで知らなかったんだ!」
バンが連れてこられた部屋は暗い個室となっていた
用心棒「へっ、なんだ?兄ちゃん。いけない事したって事か?」
スタッフ「この者に罰をお願いします」
バン「ちょっ、待てって!俺の話を聞いてくれよ!!」
バンの周りには五人ほどの屈強な男達がいた
用心棒「あいよ。それじゃあ兄ちゃん、悪いけどそういう事だから。大人しく殴られて反省しろよな」
男達はバンを囲んでいく
バン「えー.......俺、こんな事してる場合じゃねえんだよ。なあ、悪かったからよ。ここから出してくれ。俺、任務があるんだ」
用心棒「そいつは無理なお願いだ。ジッとしてればその任務とやらもすぐに出来るぜ!」
男達はバンに殴りかかっていく
数分後
バン「絶対もうカジノなんかやらねえ。騙されたぜ!」
用心棒達はバンによって全員気絶させられていた
バン「ここから出ないと。って、ドア硬!?」
バンはドアを開けようとするが中々開かない
バン「もう!!ばくれつきゃく!」
バギイッ!!
ドアが蹴破られた
バン「あ、やべ........。に、逃げろ!!」
バンは脱兎の如く入り口に向かって逃げていった
カジノ 入り口
バン「酷い目にあったぜ。ハァ、楽しいとちょっとでも思った俺が馬鹿だったな」
ケニー「あんた、何者だ?こんな早くに、しかも無傷でカジノから出てくるなんてよ」
カジノの入り口近くの階段にはケニーが座っていた
バン「あ!お前、よくも騙したな!お陰で散々だったんだぞ!俺はバン!デルカダール城の兵士で、お前がここで旅人を襲っていると聞いて捕まえにきた!さあ、大人しくしろ!」
ケニー「へえ、あんた兵士さんだったのか。兵士ごときに俺が捕まえられるかな?」
バン「ただの兵士だと思うなよ!はっ!」
バンはケニーに素早く詰め寄った
ケニー「!おっと」
ケニーも瞬時に距離を離す
バン「しんくうげり!」
ケニー「ふっ!」
キンッ!
ケニーは咄嗟に短剣で防いだ
バン「ばくれつきゃく!」
ケニー「はっ!ふんっ!」
カンッ!ガッ!
ケニーも武器で防いだり避けたりと身軽に動いていく
バン「へえ、話通り中々やるみたいだな」
ケニー「.............お兄さんこそ、ただの兵士にしては信じられないくらいだね(やべえな、こいつ。防いだ腕が痺れてる。強い.......逃げた方がよさそうだ)」
ケニーが逃げようとすると
ダバン「見つけた!!」
二人「!?」
バン「ダバン!?なんでここに!?」
ケニー「なに!?」
ダバン「ケニー、話は聞いたぞ。なんでこんな事をしているんだ!」
バン「え?知り合い?」
ケニー「チッ!」
ダバン「ケニー、俺は待ってたんだぞ。お前がいつか兵士になる日を。それなのに、どうして」
ケニー「うるせえよ!!兄貴に俺の気持ちなんかわかるわけねえだろうが!!」
ダバン「!!?何があったんだよ」
ケニー「はっ、今更兄貴ヅラか?手遅れなんだよ、ゴミが。てめえは兄貴でも家族でもなんでもねえ。ただの他人だ」
ダバン「ケニー.......」
ケニー「胸糞悪い。てめえの顔見るだけで吐き気がするぜ。あばよ!」
ケニーは煙が発生する玉を投げつけた
二人「!ゴホッゴホッ!!」
煙が晴れるとケニーはいなくなっていた
バン「逃げられた!」
ダバン「..........」
バン「ダバン、弟がいたのか。随分嫌われてんだな」
ダバン「昔はあんなやつじゃなかったんだ。俺を慕ってくれたいいやつだ。少し話すさ、俺とケニーの事を。俺達の家に来いよ。案内する」
バン「わかった」