部屋内
ラース「(またあの二人か、まあ構わないが)お、マルティナ、どうやら浴衣があるみたいだぜ。着たことはあるか?」
ラースはクローゼットから浴衣を取り出した
マルティナ「いや、私はないわね。こんな大きな布をどうやって着るの?」
ラース「これはな、この帯を腰のところで結んで着るんだ。着方が少し難しいから、俺が一回着てみるな。見ていてくれ」
マルティナ「ええ、ありがとうラース」
バサッ
ラースは着ていたコートを脱いでその下の服も脱ぎ始めた
マルティナ「え!?ど、どうして服を脱ぐの!?」
ラース「いや、これは下には下着以外着ないで着るものなんだ。流石に今は全部脱がないけどな、少し上着をとって楽になるだけだ。驚かせてすまないな」
ラースは黒いシャツ一枚となっている
マルティナ「あ、ああ、なるほどね。そうだったの」
ラース「それでまずは腕を通して.....ってマルティナ、俺のもっと近くにこないと見えづらいぞ。背中の方にこいよ」
マルティナ「わ、わかったわ(そ、そうよ、これは着方を教わるだけ、大丈夫)」
マルティナは少し顔を赤らめながらラースの側に寄った
ラース「その後ここを....」
ラースはそのまま浴衣の着方を教えている
マルティナ「(こうやってよくみると、やっぱり私よりも筋肉がすごいのね。よく筋トレもしてるし)」
マルティナはラースを観察するように見ていた
服の上からでもわかる太い腕や胸、腹など動くたびに筋肉が伸び縮みしている。マルティナも充分女性にしてはしなやかな筋肉がある方だが、やはりラースの方が筋肉質である
ラース「そして、この帯をまたこっちへ....」
マルティナ「(あら。ラースっていい匂いするのね。顔もよく見ると結構整ってるし強いし、頼りになるし、欲張りすぎないかしら)」
ラース「これで終わりだ。わかったか、マルティナ?って近っ!しかも俺の顔見てたのか?なんか付いてたか?そもそも、ちゃんと聞いてたのか?」
ラースは想像よりもマルティナが近くにいた事に気付き、驚いている
マルティナ「はっ!いえ、ごめんなさい!話は聞いてたわ、意外と結び方以外は簡単なのね、ありがとう」
マルティナは考えをやめ、急いでラースから距離を取った
ラース「....そうか。それならいいが、マルティナみたいに綺麗な女の人の顔が近くにあるとドキッてするからやめてくれよな」
マルティナ「え?....そ、そう?ありがとう」
ラース「あ、ああ....」
マルティナ「.....」
二人は赤面しながら沈黙が続く
ラース「....へ、変な空気になっちまったな。そういえば、浴衣には色んな種類があったぞ。ちょっと待ってろ。......よし、マルティナにはこれだな!」
それは紺色に金色の刺繍が入った浴衣だった
マルティナ「私にこんな綺麗なの似合うかしら」
ラース「それは絶対大丈夫だ!マルティナなら必ず似合うからな」
ラースは笑顔で自信満々に言った
マルティナ「そうかしら?ありがとう。ラースのはどんなやつなの?」
ラース「俺のは適当でいいだろ」
マルティナ「!ダメよ、色々あるんでしょ。ラースに似合うのもあるわよ....ほら、これとか!」
それは紺色に赤い刺繍が入った浴衣だった
ラース「.....これ俺に似合うかな。まあ、折角マルティナが選んでくれたしそうするか」
マルティナ「そういえば、ラースはホムラの里に詳しいわよね。村の近くでもないのに、料理だったり着物だったりよく知ってるわね」
ラース「ああ、俺は初めてホムラの里にきた時、ここがとても居心地がよくてな。温泉は気持ちいいし、食事も美味いし、見た目も綺麗だし、俺には最高でな。ここが気に入ったんだ。
だから、一人で旅をしていた時もわりと頻繁に通っていたんだ。それでここの文化や料理とかに詳しいんだ」
マルティナ「たしかに、キャンプとかでラースがよく作ってくれるホムラの料理も美味しいものね」
ラース「何だか照れるな。それにこの話をしたら温泉に入りたくなってきたな。よし!それじゃあホムラに来た醍醐味の温泉に入りに行くか!」
マルティナ「そうね。私も楽しみだわ」