ドラゴンクエストⅪ 魔法戦士の男、恋をする   作:サムハル

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打開策

それからしばらくして

 

 

 

店長「うーん.......味が足りねえな。もっとこう.......さっぱりとした味わいにしたいんだけどよ」

 

 

 

シンジは作っている途中で味見をしたが、難しい顔をしている

 

 

 

ベロニカ「どんなのを作ろうとしてるの?」

 

 

 

 

店長「ケーキとかスイーツってのは甘さを重視されやすい分、口に味が強く残りやすい。それが嫌いだから食べないってやつも中にはいるんだよな。男性が特に。最近健康を気にし始めた女性も多いし、そこが気になる女性も増えてきた。

 

 

 

だからさっぱりとしたものにして健康的なスイーツを作ろうとしてんだが.........このままだと上手くいかねえな。もっとさっぱりとした果実があれば......」

 

 

 

 

セーニャ「さっぱりとした味わいの果実ですか........」

 

 

 

 

シルビア「あ!アタシ、それならピッタリのもの知ってるわ!」

 

 

 

 

店長「本当ですか、シルビアさん!なんてやつですか?」

 

 

 

 

シルビア「聞いた事あるんじゃないかしら?サマディーで時々食べられてるフルーツの一つ、サンドフルーツよ。水みたいな爽やかさとほのかな酸味と甘味が特徴的なの」

 

 

 

 

店長「確かに.......。でも、サマディーに行かないと行けませんよね。明日行ってみると............。待てよ、サンドフルーツになら.........あー、色々案が思い浮かんできたぜ!ただなぁ........」

 

 

 

シンジは閃いた様子の後、腕組みをして悩み始めた

 

 

 

ベロニカ「どうしたの?なんか勝手にどんどん進んでるけど」

 

 

 

 

店長「ああ、悪い悪い。サンドフルーツの特徴的な味はスイーツにすると、割とどんなものとも合いやすいって特徴もあるんだ。そこで色々合わせてみたいものがあるんだが、素材集めができる程もう余裕ないしよ」

 

 

 

 

セーニャ「それでしたらぜひ私達にお任せください!」

 

 

 

 

シルビア「そうよ、店長ちゃん!アタシ達が取ってくるわ」

 

 

 

 

店長「ええ!?そ、そんな事までさせられねえよ!」

 

 

 

 

ベロニカ「気にしないで、店長さん。せっかくいい案が浮かんだんでしょ?それなら絶対形にしましょう。私達が持ってくれば出来るのよね?」

 

 

 

 

店長「それはまあ、素材があるなら出来ると思うが」

 

 

 

 

ベロニカ「じゃあ任せなさい。絶対持ってきてあげるから。作るのは店長さんの役目よ。ほら、教えて」

 

 

 

 

店長「はは、悪いな、皆。それじゃあよろしく頼む。必要なのは要となるサンドフルーツを五つ。それとサバンナの水ってやつもあると嬉しいが、なくても代用できるはずだ。

 

 

 

あときよめの水も欲しいな、今のままだと足りないからよ。三個くらい頼みたい。最後はかがやきの樹液だ。これは飾り程度だから一つで十分だ。フルーツや甘味料は俺がここで集める。ベロニカさん達はこの4つを取ってきてもらえると非常にありがたい」

 

 

 

 

セーニャ「はい!お任せください!」

 

 

 

 

ベロニカ「手分けした方がよさそうね。シルビアさん、サンドフルーツとサバンナの水をお願いしてもいい?」

 

 

 

 

シルビア「ええ、任せてちょうだい。ベロニカちゃんとセーニャちゃんはきよめの水とかがやきの樹液をお願いね」

 

 

 

 

店長「あー.........あとよ、無理ならいいんだが、きせきのきのみってやつも一つでいいからほしいんだ。噂でしか聞いた事ないから詳しくはわからないんだが、あれも随分爽やかな味がするらしい」

 

 

 

 

セーニャ「きせきのきのみですか。それでしたらイレブン様が持っているはずですわ。食べた事ありますけどあれだけでも美味しいですわ」

 

 

 

 

店長「おお、マジか。流石勇者様なだけある。それじゃあお願いします」

 

 

 

 

ベロニカ「まずは私達はきよめの水を取りに行きましょう」

 

 

 

 

セーニャ「そうですね。確かダーハラ湿原で取れたはずですわ」

 

 

 

その後、ダーハルーネの街

 

 

 

店長「随分早かったな、ベロニカさん、セーニャさん。しかも本当にきせきのきのみを持ってきてくれるなんて。こっちもちょうど買い出しが終わったところなんだ」

 

 

 

ベロニカ達がやってくると入り口近くに袋を抱えたシンジがいた

 

 

 

ベロニカ「すぐに取り掛かりたいと思って少し急いだの。シルビアさんは流石にまだかしら」

 

 

 

 

店長「結構な数のサンドフルーツを頼んじまったからな。少し時間かかるかもしれない」

 

 

 

 

セーニャ「そういえばイレブン様から店長様に伝言がありまして、応援しているそうですわ」

 

 

 

 

店長「はは、勇者様は変わらず優しいな。あ、どうせならこの袋に入れてもらって大丈夫だぜ。どうせすぐに使うからな」

 

 

 

 

セーニャ「それではお水以外入れさせていただきますね。重くありませんか?」

 

 

 

 

店長「このくらいなんて事ないさ。さて、店でシルビアさんを待とうぜ」

 

 

 

その時、シンジの前から高級そうな服を着た女性がやってきた

 

 

 

女性「まあ!シンジさんじゃありませんか」

 

 

 

 

店長「ん?ああ..........ブルージョさんですか」

 

 

 

 

ブルージョ「相変わらずたったお一人でみずぼらしく切り盛りしていらっしゃるんですねぇ。そんなだからお店にとって重要となる限定ものも出せないのですよね?あ!そんなお金すらありませんか、失礼」

 

 

 

 

店長「...........これから作ろうとしているんだ。忙しいのでこれで失礼させてもらう」

 

 

 

 

ブルージョ「まあ!!それではそちらの袋はそのためのものと?」

 

 

 

 

店長「そうだ」

 

 

 

 

ブルージョ「悪い事は言いません、おやめなさい。お客が求めるのは私が作るようなゴージャスなスイーツ。あなたのような庶民的すぎるものは売れませんことよ」

 

 

 

 

店長「そんなのわからねえだろ。俺の店にだって常連さんがいてくれる。その人のためにも」

 

 

 

 

ブルージョ「わからないのですね。はっきり言わせていただきます。あなたの店、邪魔ですの。私の店から客を取らないでくださりまし。これも邪魔なものですわ」

 

 

 

 

店長「!?」

 

 

 

ブルージョは店長から袋を盗み取った

 

 

 

店長「おい!返せ!」

 

 

 

 

ブルージョ「ふぅん、お砂糖や桃ですか。それによくわからない液体まで。こんなものでスイーツを作る?笑わせないでいただきたいですわ」

 

 

 

 

ベロニカ「ちょっとおばさん!それは店長さんのものよ!返しなさい!」

 

 

 

 

ブルージョ「おば.......なんですの?この小娘。私のこの気品さがわからないなんて。スイーツ作りをわかっていらっしゃらないようなのでこちらは捨てさせていただきます」

 

 

 

そう言うとブルージョは袋を近くにあったゴミ箱の中に入れた

 

 

 

全員「!!?」

 

 

 

 

ブルージョ「おほほほ、これでお分かり?あなたにパティシエは似合わないわ。さっさとお辞めください」

 

 

 

 

ベロニカ「あんた.......なんて事を!!」

 

 

 

ベロニカが怒りを露わにして突っかかろうとするが、シンジがベロニカを止めた

 

 

 

店長「いいんだ、ベロニカさん。ブルージョさん、俺の事はどれだけ馬鹿にしてもらって構いません。ただ、大切な食材を馬鹿にするあなたの方こそパティシエが似合うとは思いません」

 

 

 

 

ブルージョ「あの程度すぐにでも手に入るでしょう?このくらい普通ですわ」

 

 

 

 

店長「..........失礼します」

 

 

 

シンジはベロニカとセーニャを押すようにして店に戻っていった

 

 

 

カフェ

 

 

 

店長「..........くそが!!」

 

 

 

ガン!

 

 

 

シンジは怒りを露わにして壁を強く殴った

 

 

 

ベロニカ「なんなのよ、あの人!!店長さんの事は悪く言うし、せっかくの物を台無しにするし!!あー、もうムカムカする!!」

 

 

 

 

セーニャ「あの方、店長様のお知り合いなのですか?」

 

 

 

 

店長「知り合いなんかじゃねえさ。最近俺の店の近くにやたらと高い雰囲気の店出来ただろ?」

 

 

 

 

ベロニカ「ああ。あの少し先にあるやたらとギンギラした変な店ね。あれ何の店かと思ってたけどスイーツ店だったのね」

 

 

 

 

店長「あそこの店長なんだが、俺の事や店が気に入らないみたいでな。たまに嫌がらせをしてくるんだ」

 

 

 

 

セーニャ「嫌がらせ.......。それにしては中々許しがたい事までしてましたけど」

 

 

 

 

店長「あそこまでハッキリとされたのは初めてだ。すまねえ、ベロニカさん、セーニャさん。嫌な思いさせたよな」

 

 

 

 

ベロニカ「店長さんは悪くないわよ!あのおばさんが最悪なの!店長さんの事何もわかってないじゃない!何がパティシエに似合わないよ!あんな服着てパティシエ名乗ってる方が笑っちゃうわ!どっかのお城で勝手に踊ってればいいのよ!」

 

 

 

ガチャ

 

 

 

シルビア「お待たせしちゃってごめんね〜。って、あら?なんかよろしくない雰囲気だけど?」

 

 

 

 

セーニャ「あ、シルビア様。実は先程」

 

 

 

セーニャはシルビアにさっきの出来事を説明した

 

 

 

シルビア「なるほどね〜。それでベロニカちゃんも店長ちゃんもピリピリしてるのね」

 

 

 

 

ベロニカ「どう思う?シルビアさん!私あんなの絶対許せないと思うわ!」

 

 

 

 

シルビア「それはアタシも同意よ。大事な食材ちゃん達を無碍にしたのもそうだし、こんな素敵な店長ちゃんを悪く言ったのも許せないわね」

 

 

 

 

店長「はは、シルビアさんに素敵だなんて言ってもらえるなんて光栄だ」

 

 

 

 

セーニャ「ですが、どうしましょう。今手元にはシルビア様が持ってきてくれたサンドフルーツとサバンナの水、私が持っていたきよめの水しかありませんわ」

 

 

 

 

ベロニカ「そ、そうよね......。もう一回取ってくるわ、店長さん」

 

 

 

 

店長「いや、これだけで大丈夫だ。俺もさっきの行為でやる気に火がついたからな。このままでいく」

 

 

 

 

シルビア「でも大丈夫なの?必要だったんじゃ」

 

 

 

 

店長「まあな。でも、どんな状況からでも立派にスイーツを作れる技術こそパティシエの本領が試される。見ててくれ、皆。こっからの俺の打開策をな」

 

 

 

 

 

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