ドラゴンクエストⅪ 魔法戦士の男、恋をする   作:サムハル

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波乱万丈

それから一ヶ月後、デルカダール城

 

 

 

玉座の間

 

 

 

ベグル「という事なんで、すみませんが明日から二日間休ませていただきます」

 

 

 

 

マルティナ「わかったわ。ふふ、素敵な家見つかるといいわね」

 

 

 

 

ラース「デルカダール周辺にしとけよ。その方がなにかと便利だろ」

 

 

 

 

ベグル「流石にそうしますよ。俺もそんな離れた場所から来るのは大変なんで」

 

 

 

 

グレイグ「また決まったら何か連絡してくれ。少しだがお祝いしよう」

 

 

 

 

ベグル「ありがとうございます!それでは失礼しました」

 

 

 

 

マルティナ「新婚になってからまだ同居してなかったのね。それがついにってわけね。ベグルも楽しそうな顔してたわ」

 

 

 

 

ラース「まあそりゃあ浮かれるよな」

 

 

 

ガチャ

 

 

 

バン「失礼します、マルティナ様。師匠にお話が」

 

 

 

バンが少し焦った様子で入ってきた

 

 

 

ラース「ん?なんだ?」

 

 

 

 

バン「今のベグルの話聞きましたか!?二日休むんですよ!?」

 

 

 

 

ラース「聞いたが何をそんなに焦ってんだ?変な事じゃないだろ」

 

 

 

 

バン「あの、明日から二日だけ書類は無しでお願い出来ませんか!?」

 

 

 

 

ラース「いやいや」

 

 

 

 

マルティナ「ごめんなさい、バン。流石にそれは難しいわね。あなたの気持ちはわかるけど」

 

 

 

 

バン「だって.........俺、数字がたくさん出てくるの苦手なんですよ〜........。間違いがたくさん起こる気がします。そういうのはベグルに任せてたのに」

 

 

 

 

グレイグ「まあ容易に想像が出来るな」

 

 

 

 

ラース「ハァ........。お前なぁ、ベグルに頼りすぎなんじゃねえのか?書類に兵士長のサポート、遠征や見回り時の補助。本来副長がやるような内容が少ないだろ」

 

 

 

 

バン「うぅ........。でも、ベグルはそれでいいって」

 

 

 

 

ラース「まあそうなんだろうが、それはベグルがいるからの話だろ。明日と明後日はその頼りになるベグルはいない。つまり、お前が一人でもどれだけ頑張れるかって事だ。しっかりすればベグルだって俺達だって見直すんだぞ」

 

 

 

 

バン「しょ、書類以外は........多分なんとかなります。きっと........。でも!書類だけは無理ですー!一枚に何時間もかかりますって!」

 

 

 

バンは泣きそうになりながら首を横に振っている

 

 

 

ラース「あー、もう。わかった、わかった。数式系統は俺が全部やっておくから、それ以外を頼んだぞ」

 

 

 

 

バン「〜〜!やったー!!ありがとうございます、師匠!!」

 

 

 

 

ラース「ただし!」

 

 

 

 

バン「うっ......な、なんですか?」

 

 

 

 

ラース「それ以外がしっかりこなせているかどうかを判断したら、だ。自分の職務を問題なくこなせたら書類は楽していいぞ」

 

 

 

 

バン「つ、つまりえっと.........頑張れって事ですか?」

 

 

 

 

ラース「いや違うわ!普段の訓練、見回り等をベグルがいなくても一人で問題なく出来たら、って事だ!俺が明日と明後日監視しておくからな」

 

 

 

 

バン「ええ!?か、監視まで!?厳しいですよ、師匠ー。もっと、こう」

 

 

 

 

ラース「文句があるならこの話は無しだ。書類も全部やってもらう」

 

 

 

 

バン「うぅ...........わかりました。頑張ります。失礼しました」

 

 

 

バンは少し元気なさげに戻っていった

 

 

 

ラース「ったく、すぐに甘えてくるんだから」

 

 

 

 

マルティナ「ふふ、結局はバンに押し切られちゃうのね。監視だなんて言ってたけど、本当は不安なんでしょ?」

 

 

 

 

ラース「..........まあな。問題が起きなきゃ何も言わないが、バンはトラブルメイカーだからな。何しでかすかわからねえんだよ」

 

 

 

 

グレイグ「まあ.......そうだな。よく賑やかにしてくれる反面、そういう傾向が強いのがバンだ。いいやつなのは間違いないのだがな」

 

 

 

 

マルティナ「それじゃあバンのサポート頑張ってね、ラース」

 

 

 

 

ラース「ハァ、胃が痛いぜ」

 

 

 

次の日、訓練場

 

 

 

バン「俺、これから見習い達とトレーニングしますけど、師匠はどうされますか?」

 

 

 

 

ラース「まあ適当に組手でもやってるさ。もちろんお前は見てるからな」

 

 

 

 

バン「そ、そんなに念を押さなくても平気ですよ!............多分」

 

 

 

 

ラース「はいはい、ほら行ってこい」

 

 

 

 

ダバン「ラース将軍、バンを見てるってどういう事ですか?」

 

 

 

 

ラース「ああ、今日と明日ベグルがいないだろ?バンが不安でな、監視という名目で来たんだ」

 

 

 

 

ガザル「ああ.........確かに。まあ訓練の時は平気だと思いますよ。最近はここでは問題をあまり起こしませんし」

 

 

 

 

ラース「じゃあ他の所か......」

 

 

 

 

ダバン「俺としては意外とバンとベグルが合わさった時の方がトラブルが起こりやすいと思うんですよ。ベグルが小さなトラブルは押さえられる反面、ベグルまで合わさると手がつけられなくなるんです」

 

 

 

 

ラース「あー.........それはありそうだ。バンがボコボコになったりするって事か」

 

 

 

 

ダバン「何かの行動中にされると少し大変なんです。まあ主犯格はここにもう一人いますけど」

 

 

 

ダバンはガザルをチラッと見た

 

 

 

ガザル「なんの事やら」

 

 

 

 

ラース「ベグルに隠れてバレてねえとでも思ってんのかよ、ガザル。お前も偶には止まれよな」

 

 

 

 

ガザル「はーい。でも、バンがおちょくってきたり自由すぎるから仕方なくです」

 

 

 

 

ダバン「引きずるだけでいいから。精々げんこつ程度にしとけ。時間かかるだろ」

 

 

 

 

ガザル「へいへい」

 

 

 

 

テルマ「あ、あの........ラース将軍」

 

 

 

 

ラース「ん?どうした?テルマ」

 

 

 

 

テルマ「あれ.......俺じゃ止められなくて」

 

 

 

 

ラース「え?」

 

 

 

 

バン「だーかーらー、武器を使えっての!」

 

 

 

 

エド「俺の武器はこれだ!剣は似合わねえんだよ!」

 

 

 

 

バン「剣じゃなくても槍なら使えるだろ!ほら!」

 

 

 

 

エド「嫌だね!第一なんで爪が無いんだよ、ここ!俺、一番得意だったのに」

 

 

 

 

バン「仕方ないだろ、全部あるわけじゃないんだ。ほら、わがまま言うな」

 

 

 

 

エド「えー!気にすんなよなー」

 

 

 

 

バン「仲間達と同じ事しろよ」

 

 

 

 

ラース「ハァ.......。いつもこうか?」

 

 

 

 

ダバン「まあ割と。エドもかなり自由ですからね。テルマ、いつもすまないな」

 

 

 

 

テルマ「いえ、もう慣れました。なんとかなりますか?」

 

 

 

 

ラース「ああ、待ってな。おい、バン、エド。いつまで言い合ってんだ」

 

 

 

 

バン「あ、師匠!聞いてくださいよ、エドが言う事聞いてくれないんです」

 

 

 

 

エド「ちょっと武器持たないくらいいいだろ!」

 

 

 

 

ラース「それならエドだけ変えてみるのがいいだろう。武器を持たなくても出来る事はあるだろ。バン、かくとう適正はエドにもある。少し違う形のトレーニングをやらせてみろ。なにも全員同じ事をさせる必要はない」

 

 

 

 

バン「は、はい!わかりました!エド、トレーニングならお前も好きだろ!」

 

 

 

 

エド「まあそれなら」

 

 

 

 

ラース「すまなかったな、いつもこんな感じらしいな。中断させられる事が多いだろうが、もし自分がやる事をわかっているならやってもらって大丈夫だぞ。立ってるだけより有意義だ」

 

 

 

 

見習い達「はい!」

 

 

 

訓練終了後

 

 

 

ラース「まああの程度ならいいだろう。この後は見回り、魔物調査、見張りをやってもらうぞ」

 

 

 

 

バン「え!?ちょ、ちょっと待ってください!俺、今日は見張りと見回りは当番じゃありませんよ!?」

 

 

 

 

ラース「じゃあ交代だ。言っただろ?書類以外の役割をしっかりこなせているかどうかって」

 

 

 

 

バン「うぅ........意地悪」

 

 

 

 

ラース「なんとでも言え。ほら、伝えにいけ」

 

 

 

その後、デルカダール城下町

 

 

 

バン「じゃあせめて話し相手くらいにはなってくださいよ。特に見張りの時!結構暇なんですから!」

 

 

 

 

ラース「兵士が暇とか言うな。まあそれくらいならいいだろう」

 

 

 

 

女の子「グスン.........グスン.......」

 

 

 

 

ラース「ん?おい、バン。って」

 

 

 

ラースが泣いている女の子に気付いたが、バンは既にその女の子に向かっていた

 

 

 

バン「どうしたんだ?こんな所で泣いてよ」

 

 

 

 

女の子「お母さんにね.......お買い物を頼まれたのに..........お財布落としちゃったの......」

 

 

 

 

バン「そっか、それは大変だな。でも、泣いてたって財布は見つからないぜ。俺が一緒に探してやるよ!な?だから泣き止んでくれ。そうしたら買い物も出来るぞ!」

 

 

 

 

女の子「いいの?お兄ちゃん」

 

 

 

 

バン「おう!当然だ!困ってる人を助けるのが兵士だからな!一緒に行こうぜ!」

 

 

 

バンは女の子を抱き上げて肩車をした

 

 

 

女の子「うん!財布はね、ピンクのお花がたくさん書いてあるの」

 

 

 

 

バン「なるほどな!来た道はこっちか?」

 

 

 

 

女の子「うん!お兄ちゃん大きいねー」

 

 

 

 

バン「ははは、だろー?」

 

 

 

 

ラース「(ふっ、バンはこういう所では本当いい動きをするな。バンらしいといえばそうだけどな)」

 

 

 

 

犬「ワン!」

 

 

 

少し先にいる犬の口にはピンクの財布が咥えられている

 

 

 

女の子「あ!あのわんちゃんが持ってるやつ、あの財布お母さんの!」

 

 

 

 

バン「あれか!いぬー、その財布返してくれよー。この子の物なんだぞ!」

 

 

 

 

犬「ワン!」

 

 

 

犬は走って逃げていった

 

 

 

女の子「ああ!持っていっちゃう!」

 

 

 

 

バン「それなら!ごめんな?ちょっと激しく動くからしっかり掴まってろよ?」

 

 

 

 

女の子「う、うん!」

 

 

 

 

バン「よし!」

 

 

 

バンは走って犬を追いかけていく

 

 

 

女の子「わー!はやいはやーい!」

 

 

 

 

ラース「やれやれ」

 

 

 

ラースも後ろからついていった

 

 

 

 

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