夕方
バン達は三人で話していた
カミュ「って事があってな。シロがずぶ濡れになって帰ってきた時は驚いたぜ」
ラース「思ってるよりやんちゃな所があるんだな。コロみたいだ」
バン「でも可愛いですね。見た事ないんですけど、コロより少し大きいんでしたっけ?」
カミュ「そうだな。ブレイブよりは小さいし年下だ。結構可愛いもんだぜ。リーズレットには俺に似合ってるとか言われたけどな」
ラース「まあ........似てると思うぞ。青い髪なんか特に」
その時
バキバキィッ!
全員「ん?」
カミュ「どこかから木が倒れた音がしたぞ」
バン「あ!師匠、カミュさん、あそこです!」
バンが指差す方からはまた木が倒れようとしていた
ラース「あっちはデルカコスタ地方。山の中だな。何か暴れてんのか?」
バン「うーんと...............あ!見えました!グリンバングル、イエロバングルが群れで暴れてます!」
カミュ「マ、マジか。こっからそんなの見えるか?デタラメか?」
ラース「お前、目がよかったんだな。取り敢えず向かうぞ」
二人「おう!/はい!」
デルカコスタ地方 山中
ラース「いたな。あいつらだ」
グリンバングル達「キェー」
カミュ「運良く纏まってるな。俺が一掃するぞ」
カミュがブーメランを構えた
ラース「いや、待ってくれ。バン、一人で片付けろ」
バン「わ、わかりました!俺の役目ですもんね!」
バンはグリンバングル達に向かっていった
カミュ「いいのか?俺がやった方が速いぞ」
ラース「今日の目的はバンの監視。これもバンの仕事だ。わざわざ仕事を奪う必要はない。それに複数とはいえ、バンの相手にはならないしな」
カミュ「まあそれもそうか」
バン「お前ら、暴れるなよ!周りが危ないだろ!」
グリンバングル達「ギェー!」
グリンバングル達はバンに飛びかかった
バン「すぐに飛びかかってくるのかよ!血の気が多いやつらだな。ばくれつきゃく!」
ドガガガ!
グリンバングル達「ギィ.......」ジュワー
飛びかかったグリンバングル達はバンの蹴りによってやられていく
イエロバングル「ギィー」
バン「(偶には剣使うか)かえん斬り!」
イエロバングル「ギィー......」
バン「あれ?耐えちゃった。流石に威力が弱すぎだったか」
イエロバングル「ギィー!」
ガリッ!
バン「いたっ!せいけんづき!」
ゴスッ!
イエロバングル「ギィ......」ジュワー
バン「ふぅ。師匠、カミュさん、終わりましたー」
カミュ「ああ、お疲れだな。剣使うの久しぶりに見たぜ」
ラース「少し甘く見てただろ。はやぶさ斬りなら問題なかったはずだぞ」
バン「あー........偶に使うと感覚鈍くなっちゃって。帰ったらまた特訓しておきます」
ラース「そうだな。ロベルト達に怒られてこい」
バン「そ、そうですよね。なんか言われそう」
カミュ「それじゃあ終わった事だし、戻ろうぜ。まだ見張りは続けるのか?」
ラース「いや、もう夕暮れだ。夜にここは使わない。それにバンは流石に交代だ。そんなにずっとやってはいられないからな」
バン「暇ですからね!」
ラース「次それ言ったら一日中あそこにいさせるからな」
バン「すみません!」
その後、デルカダール城下町 広場
バン「それでですね、俺がこうやって槍でガザルのブーメランを捌いて」
バンは前のガザルとの組手の話を動きを交えてやっている
カミュ「へえ、いいじゃねえか。ブーメラン使いとしてはされると嫌な動きだな」
ラース「一旦動くのはここまでにしておけ。槍をこんな場所で振り回すな」
バン「あ、はい。それでこっから俺が一閃突き・改をこんな感じで決めて」
スポーン!
バン「あ」
二人「は?」
ドガァン!
ブシャアアア!!
バンの手から滑った槍が広場の噴水に突き刺さり粉々になった後、周りに水を撒き散らしている
キャアアア!!
周りにいた人達も水がたくさんかかり、逃げるように噴水から離れていく
バン「..............や、やば。はっ!!」
バンが濃厚な殺気を感じて振り返る
ラース「この馬鹿野郎がー!!」
バン「ヒィィィ!!すみませーん!!!」
顔を赤くしたラースがバンを追いかけている
カミュ「...........流石の一言に尽きるぜ、全く」
その夜、バンの部屋
バン「うぅ..........師匠、めちゃくちゃ怖かった」
バンは泣きそうになりながら書類を片付けていた
バンの頭には大きな三つのたんこぶが出来ている
コンコン
バン「はーい」
マルティナ「バン?マルティナよ。入って大丈夫?」
バン「マルティナ様!?は、はい!どうぞ!」
ガチャ
マルティナ「ふふ、頑張ってるみたいね」
バン「そりゃあ........あんな事しちゃいましたから。師匠、今までにないくらい怒ってて」
マルティナ「まああれは........ね。少し心配で来たの。結局全部やる事になったから苦手な数式とかたくさんあるでしょ?」
バン「そ、そうなんです。文句言えないですけどね。取り敢えず出来るやつ終わらせてその後で.........これを」
バンの机の隣にはそれなりの量の紙の束が積まれている
マルティナ「それじゃあ出来るやつが終わったら教えて。私もその数式のやつ手伝うわ」
バン「え!?いいんですか!?でも、マルティナ様にこんな事」
マルティナ「いいのよ、気にしないで。一人でやるよりも二人でやった方が速く終わるでしょ?」
バン「うぅ........マルティナ様、お優しい!!頼りなくてすみません!お願いします!」
数分後
バン「終わりました!」
マルティナ「わかったわ。一通り見たんだけど、私でも教えられそうだったから安心したわ。あ、この事はラースとグレイグには内緒にしてね?」
バン「もちろんですよ!話したら絶対俺が怒られますから」
マルティナ「ふふ、それもそうよね。じゃあ最初なんだけどこれはわかる?」
バン「えっと...........えー..........へへ、えっとですね」
バンは苦笑いしている
マルティナ「ふふ、わからないならそれで大丈夫よ。ここはこの数字を変換して、この式に当てはめるの」
バン「変換.......なるほど。式も必要なんですね」
マルティナ「そうよ。結構この変換のやり方は使うから覚えておくといいわ。答えは出来た?」
バン「はい!合ってますか?」
マルティナ「ええ、正解よ。ふふ、やり方がわかれば出来るじゃない」
バン「そうですよね!やれば出来るかもしれません!」
マルティナ「その調子で頑張りましょう。次もこのやり方のやつよ。さっき同じやり方をするやつをまとめておいたの」
バン「す、凄い!もう本当にありがとうございます、マルティナ様!」
マルティナ「今日頑張ってたのに最後でちょっと問題起こっちゃったものね。でも、頑張ってたんだから少しくらい手伝ってもいいかなって思ったの」
バン「なんてお優しい........。師匠にもその優しさがほしかった」
マルティナ「まあラースもあれはあれでバンの事大事にしてるのよ。よく呆れてるように話すけど、目や話し方なんかはとっても穏やかだもの。それになんだかんだ言ってもバンには甘いのよ。彼も充分優しいと思うわ」
バン「甘い.......ですかね?まあ確かに、今回の件だって本当ならこんな甘え許されないですもんね」
マルティナ「そうよ。グレイグが呆れてたわ。バンに甘すぎるのでは?ってね」
バン「そ、そうですね。俺、誰かに甘えながらじゃないと上手く動けなくて」
マルティナ「それでもいいのよ。バンは普段は皆を頼ってるかもしれないけど、いざとなったらバンは皆から頼られる側にいるもの。私だってそうよ。バンは明るくて皆を賑やかにしてくれるし、話しててとても楽しいわ。
戦いとなったら兵士長として勇敢に皆を導いて戦ってくれる。個人としても、国としてもとっても助けられてるわ。ありがとう、バン」
バン「ううぅ〜...........て、照れますよ、マルティナ様。恥ずかしいです」
マルティナ「あら、ごめんなさい。でも本当の事なのよ。いつか伝えた方がいいと思ってたわ」
バン「俺、人にこんなに褒められると嬉しいよりも恥ずかしいが勝っちゃいます。でも、ありがとうございます、マルティナ様。俺、もっともっと頑張ってマルティナ様のため、俺の好きなこのデルカダール王国を守りますよ!」
マルティナ「ええ、それでこそバンよ。それじゃあこの書類は終わった?次は別のやり方よ」
バン「は、はい!ぜひ難しくないやつで」
バンの部屋前
ラース「(やれやれ。マルティナも大概バンに甘いよな。まあ..........結局手伝おうとしてた俺も同じか。さて、部屋に戻るとするか)」
ラースは手に持っていた数式などの本を片手に自身の部屋に戻っていった