ドラゴンクエストⅪ 魔法戦士の男、恋をする   作:サムハル

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不思議な木の実

それから四ヶ月後、デルカダール城

 

 

 

玉座の間

 

 

 

イレブン達全員が集まっていた

 

 

 

グレイグ「では、皆の場所にもこの木の実が売られていたというわけだな?」

 

 

 

 

カミュ「だな。何の木の実か知らねえが、どことなく怪しい雰囲気がするぜ」

 

 

 

ここ最近市場で謎の木の実が出回っており、その調査をするために集まっていた

 

 

 

皆の目の前にも、黒くて丸い小さな木の実が置いてある

 

 

 

ベロニカ「これを食べようとか売ろうとするってどうなってんのよ」

 

 

 

 

イレブン「もしかしたら美味しいのかもしれないよ?」

 

 

 

 

セーニャ「甘くなるかもしれませんわ。店長様にお渡しすれば素晴らしいスイーツに変わりそうです」

 

 

 

 

ラース「いや、流石にシンジでもそれは無理だろ」

 

 

 

 

マルティナ「取り敢えず、私達で割ってみましょう。中身も確認したいし」

 

 

 

そう言ってマルティナは木の実を砕いた

 

 

 

パキッ!

 

 

 

全員「...........」

 

 

 

中からは綺麗なナッツのようなものが出てきた

 

 

 

ロウ「ほほ、見た目に騙されておっただけのようじゃな」

 

 

 

 

シルビア「ただのナッツちゃんね。匂いも木の実らしいわ」

 

 

 

 

ベロニカ「なーんだ、不安がって損しちゃった」

 

 

 

 

ラース「買い占めて悪かったな。後で謝っておかないと」

 

 

 

 

グレイグ「しかし、どうしてこんな真っ黒な殻をしているのだ」

 

 

 

 

カミュ「そこは考えてても仕方なさそうだな。安全そうだし、解散って事でいいよな?」

 

 

 

 

マルティナ「ええ。皆も集まってもらったのにこんな結果になってごめんなさいね」

 

 

 

 

セーニャ「全く構いませんわ。皆様とお会いできて嬉しいですから」

 

 

 

 

シルビア「それじゃあまたなにかあったら連絡してね〜」

 

 

 

 

ブレイブ「ガウ」

 

 

 

 

コロ「キャン!」

 

 

 

仲間達と入れ替わりで外で待機していたブレイブ達が入ってきた

 

 

 

ラース「お、そうだ。ブレイブ、このナッツ俺と半分こしようぜ」

 

 

 

 

ブレイブ「ガウ?」

 

 

 

 

マルティナ「え?食べちゃうの?」

 

 

 

 

グレイグ「危険ではないか?」

 

 

 

 

ラース「そうか?シルビアも言ってたけど、匂いも普通だし見た目も殻が変なだけだっただろ?大丈夫なはずだけどな」

 

 

 

 

マルティナ「でも.......」

 

 

 

 

ラース「まあ毒味だ、毒味。マルティナやグレイグに食べさせるわけにはいかないからな。他のやつにもこんな事させられないだろ」

 

 

 

カリッ

 

 

 

ラースはナッツを半分食べた

 

 

 

ラース「うん。普通のナッツだぜ、美味いぞ。塩で味付けするのもよさそうだ」

 

 

 

ラースはもう半分をブレイブに渡した

 

 

 

ブレイブ「スンスン.......ガウ」

 

 

 

パク

 

 

 

ブレイブもナッツを食べた

 

 

 

ブレイブ「ガウ!」

 

 

 

 

ラース「美味いだろ?ブレイブ」

 

 

 

 

マルティナ「もう。何かあったら早く言うのよ?」

 

 

 

 

グレイグ「食いしん坊なやつめ。コックに渡してもよかっただろう」

 

 

 

次の日の朝

 

 

 

ラース「(ふわぁ〜、なんだか少し早く起きすぎたか?って......あれ?目線が低い?ん?コロが隣にいる。可愛い.......じゃなくて、あれ!?ベッドで寝てたはずじゃあ!というか、喋れねえぞ!おい、どうなってる!)」

 

 

 

ラースが必死に喋ろうとすると

 

 

 

ラース「ガウガウ!」

 

 

 

 

ラース「(ハァ!?な、なんだ今の声!?ブレイブみたいな声したぞ!え?

 

 

 

俺、ブレイブになってるー!?)」

 

 

 

ラースは自身の体が黄色い毛で包まれた手や体になっているのを見て、驚愕する

 

 

 

コロ「ふわぁ〜、父ちゃんどうしたの?ちょっとうるさいよ〜」

 

 

 

 

ラース「(コロの言葉がわかる!?おいコロ、俺だ!ラースだ!)ガウガウ!ガウ」

 

 

 

 

コロ「え?ラース様?何言ってんの?父ちゃん。ラース様は別のお部屋だよ」

 

 

 

 

ラース「(そうじゃないんだ。ブレイブがラースになって、ラースがブレイブになってんだよ!)ガウガウ!」

 

 

 

 

コロ「???父ちゃん、意味わかんないよ。寝ぼけてるの?」

 

 

 

コロは首を傾げている

 

 

 

ラース「(当然の反応だけども!それどころじゃないんだよ!)ガウ〜」

 

 

 

ガチャ

 

 

 

ドアが開いてラースの姿をしたブレイブがやってきた

 

 

 

ブレイブ「ラース様!これはどうなっておられるのですか!?」

 

 

 

 

コロ「キャン!キャン!(あ、ラース様だ。おはよ〜。父ちゃんがね、朝からおかしいんだよ)」

 

 

 

 

ブレイブ「む?な、なんと言っているのかわからないぞ。ラース様、私はどうされたのですか!?どうして私がラース様に!」

 

 

 

 

ラース「ガウガウ(俺も理解出来てない。なんでこんなあり得ない事が)」

 

 

 

 

ブレイブ「ぐっ、ラース様からすると私達はこう聞こえているのですね。確かに何と言っているのかわかりませんね。しかし、これは困りました」

 

 

 

 

マルティナ「ラース?朝早くから走ってどうしたの?」

 

 

 

 

ブレイブ「あ、マルティナ様!起こしてしまい申し訳ございません」

 

 

 

 

マルティナ「え?.........ど、どうしたのよ、ラース。その話し方。変よ」

 

 

 

 

ラース「ガウガウ〜(マルティナ、俺がラースなんだ!今の目の前にいるラースはブレイブなんだよ!)」

 

 

 

 

マルティナ「ブレイブもどうしたの?そんな鳴き声あげて。ラース、大丈夫?」

 

 

 

 

ブレイブ「マルティナ様、私はラース様ではございません。私はブレイブです。今のブレイブの姿をしているのがラース様でございます」

 

 

 

 

マルティナ「え?え?.......ちょっと待って?どういう事?」

 

 

 

 

ブレイブ「理由は不明なのですが、なぜか私とラース様が姿をそのままに魂だけ入れ替わってしまったようなのです」

 

 

 

 

マルティナ「...........ええ!?本当に!?じゃあ、ラースはこっちなの?」

 

 

 

マルティナはブレイブを指さした

 

 

 

ブレイブ「はい、そうです」

 

 

 

 

ラース「ガウ!(そういう事なんだよ、マルティナ)」

 

 

 

 

マルティナ「どうして.......。ちょっと待っててね、ブレイブが喋れるようになる薬持ってくるわ」

 

 

 

 

ラース「ガウー!(そうだ!それがあったな!それがあれば多少は便利になる!)」

 

 

 

その後、朝食場

 

 

 

ラース「俺がラース。四足歩行になったけどな」

 

 

 

ブレイブの姿をしながらラースが喋った

 

 

 

ブレイブ「私がブレイブです。人間がこんな風になっているとは......」

 

 

 

ブレイブはラースの姿をしており、周りをキョロキョロと見渡している

 

 

 

全員「.........」

 

 

 

王様やマルス達が朝食場で固まっている

 

 

 

マルス「すご〜い!どうやったの!?僕もブレイブになりたい!」

 

 

 

 

ルナ「私もー!いっぱい走り回ってみたーい!」

 

 

 

 

ラース「いや、そんな気楽に捉えられても」

 

 

 

 

グレイグ「またわけのわからない事が」

 

 

 

 

デルカダール王「ハッハッハ!これは面白い!またと見ない例であろう。貴重な体験ではないか?」

 

 

 

 

マルティナ「笑い事じゃないですよ、お父様。解決方法も見つかってないんですから」

 

 

 

 

デルカダール王「だが、怪しいのは昨日のその木の実なのだろう?そうだとすれば、精々半日か一日で胃の中から成分は無くなるだろう。そこまで心配しなくてもよかろう」

 

 

 

 

グレイグ「な、なるほど。流石王です。冷静に分析していたとは」

 

 

 

 

ブレイブ「長くは続かないのであれば問題は少なそうですね」

 

 

 

 

ラース「いや、問題はありそうだ。今日、バン達と稽古の約束をしてある。明日ジエーゴさんが来てくれるからな。そのために少しおさらいをしておきたかったんだが」

 

 

 

 

ブレイブ「..........私にはラース様の体をあんな風に動かせるとは思いません」

 

 

 

 

ラース「俺もブレイブみたいに速く走れるとは思えねえな」

 

 

 

 

マルティナ「グレイグ、兵士達の稽古は変わってあげて。ラース.......じゃなかった。ブレイブ、私の近くで立ってるだけでいいから普段のラースの真似してて」

 

 

 

 

グレイグ「はっ!」

 

 

 

 

ブレイブ「了解しました」

 

 

 

 

ラース「あれ?俺は?」

 

 

 

 

マルティナ「ラースは........楽にしてていいわ。ブレイブは普段寝てないけど寝ててもいいし、少し城内だけなら歩き回っててもいいわよ」

 

 

 

 

ラース「まあ、ブレイブだもんな。仕方ねえか」

 

 

 

 

グレイグ「一応皆にも伝えておきましょう。食べてしまうとこんな事が起こると。やはり不思議な木の実だ。出元を絶たないといけませんね」

 

 

 

 

コロ「クゥ?キャン!(父ちゃん!じゃなかった、ラース様。俺達のご飯美味しいでしょ?父ちゃん達も美味しそうだけどどっちが美味しい?)」

 

 

 

 

ラース「確かに思ってるよりはこの飯も美味いな。食べにくいが」

 

 

 

 

コロ「キャン!キャン!(でしょ〜。じゃあ、ラース様には俺と父ちゃんのお気に入りの場所に連れてってあげる!)」

 

 

 

 

ラース「(魔物の姿での生活か。何が起こるのかわからないもんだな)」

 

 

 

 

 

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