夜、デルカダール城 食事場
マルス「父さん、母さん!」
マルスとルナは二人で決意したような顔をして二人を呼んだ
ラース「どうした?二人とも」
ルナ「あのね!私達決めた!」
二人「今日、絶対寝ないでサンタさんを見る!」
全員「............」
その宣言に全員が少しポカーンとしている
マルティナ「駄目よ、夜更かしなんて。体に悪いのよ」
グレイグ「そうだぞ、マルス、ルナ。それにそんな事をしていたらサンタさんも来れないだろう。寝ている子どもにやってくるのだからな」
ルナ「え〜、じゃあ私寝るー」
マルス「ええ!?変わるの早くない!?ルナ!」
カミュ「一日くらい別にいいんじゃねえか?」
マルティナ「駄目よ。それで癖になって夜に寝られなくなったら困るもの」
チャム「お兄ちゃん、私の所サンタさん来れるかな?」
テルマ「え?なんでだ?」
チャム「だって今日はお母さん達のお家にいないでしょ?サンタさん間違っちゃうかも」
デルカダール王「ははは、チャムよ、その心配はいらないだろう。サンタという人は優秀でな、よい子どもがどこにいるのかわかっておるのだ。だから必ずよい子どもの元に向かう事が出来るのだ」
チャム「そうなの、王様!?じゃあ、今年もチャムプレゼント貰えるかな!?」
テルマ「わかんねえぞー?チャムは今年頑張ってたけど、少しはしゃぎまくってた時もあったからな」
チャム「そ、そんな事ないもん!」
マヤ「ふふ、きっとチャムちゃんなら大丈夫。絶対プレゼントは届くよ」
ラース「んで?ルナは諦めたみたいだけど、マルスは?」
マルス「僕は........起きてる!この日だけ!この日以外絶対に寝るからさ!」
グレイグ「随分やけになっているな。そこまでする必要はないだろう」
マルス「だって去年のは見間違えだと思わないもん!サンタさん、グレイグさんじゃないんでしょ!?」
グレイグ「そ、そうに決まっているだろう。俺はことs」
ドゴォ!
グレイグ「グフッ!」
グレイグは脇腹を勢いよく殴られて机に倒れ込んだ
マルス「え?グレイグさん?」
ラース「どうした?グレイグ。あー、食べ物急に食い過ぎたな。大丈夫だぞ、マルス(おいこら、何言おうとした、グレイグ)」
グレイグ「あ、ああ.........ゴホッ!ゴホッ!す、すまない」
マルティナ「(ナイスよ、ラース)」
ビル「カミュさん、サンタ....ってなんですか?」
マドリー「私達には聞き覚えなくて」
カミュ「あー、だろうな。俺も悪いが詳しくは知らねえんだ。王様とかマルティナ達に聞いてみろよ。詳しく教えてくれるぜ」
その夜、マルティナとラースの部屋
マルティナ「で?どうするの?ラース。マルスは意地でも起きてるみたいよ?」
ラース「まあな。じいさんみたいにラリホーが使えたら楽なんだけどな。ゆめみの花でなんとかするか」
マルティナ「匂いを嗅いでくれるかしら?」
ラース「近づければいいんだけどな。まあ取り敢えず着替えようか」
マルティナ「去年はグレイグに任せたの失敗だったわね。姿を見られてたなんて」
ラース「まあ仕方ないさ。それまでは普通に寝てくれてたんだからな。王様の読み通りに子ども達が寝なくなる可能性を考えて王様と交代したけど、どうしたらいいかはこっちもよくわかってなかったからな」
マルティナ「まあそうね。今回は気をつけてね?ラース」
ラース「回る場所も増えたもんな。お、そうだ。見てくれよ、これ」
ラースは青いプレゼントの箱を見せた
マルティナ「あら?こんなのあったかしら?」
ラース「急いで用意したんだ。カミュ用だぜ」
マルティナ「え!?カミュにも渡すの!?バレるわよ」
ラース「カミュならバレてもいいさ。ほら、サンタとか知らなかっただろ?それなら初めてのサンタからのプレゼントを体験してもらおうかなって」
マルティナ「そっか。ふふ、それはいい考えね。どんな反応するかしらね。呆れるか、照れてるかのどっちかかしら」
その頃、カミュとマヤの部屋
マヤ「ええ!?兄貴がサンタやるの!?」
カミュ「別になりきるわけじゃねえけどよ、マルス達にプレゼントは用意しただろ?それにテルマ達にも用意したんだ。それならこのクリスマスってやつに合わせてこっそりと置いてやろうかと思ってな」
マヤ「ふふ、そっか!きっとマルス達も喜ぶよ!姉ちゃん達からと私達から二つのプレゼントがあるんだから」
カミュ「だろ?しかも、見てくれよこれ」
カミュはオレンジと緑の箱を見せた
マヤ「ん?これ誰へのやつ?」
カミュ「兄貴とマルティナだぜ。グレイグと王様にもあるんだ」
マヤ「えええ!?ぜ、絶対バレるって!」
カミュ「へへ、スリルあるだろ?盗賊の腕が試されるってわけだ」
マヤ「こ、殺されないでね?」
カミュ「俺だってそうはなりたくねえ。まあバレたら..........考えないでおく」
マヤ「だめじゃん」
その後、深夜過ぎ マルス達の部屋前
ラース「(さてさて、二人の気配は..........いるな。起きては......いるか。マルスだな。やっぱりこれが必要みたいだな)」
ラースはこっそりとゆめみの花を出した
ラース「(ベッドにはいるみたいだし、ゆっくり開ければ暗いからわからないだろう。さて........)」
ラースは足音や気配を出さずに扉をゆっくりと開けた
開けると二人の息の音が聞こえてくる
ラース「(マルスから興奮してるような気配。さては少し気づいたな?)」
マルス「(く、空気が変わった気がする。もしかして......もしかして)」
マルスはベッドで横になり目を瞑っていたが、神経は外に集中していた
ラース「(まあ気配は消してるし、ここからなら..........よっ!」
ラースはベッドにいるマルス目掛けてゆめみの花を投げた
ポス
マルス「はっ!」
マルスはその音に飛び起きて、音の場所を見た
スゥ
マルス「あ..........」ボスッ
マルスは匂いを嗅いでその場に眠りこんだ
ラース「ふぅ、完了。やっぱり敏感になってたか。さて、マルスとルナには.......これこれ」
ラースはピンクとオレンジの箱をそれぞれの枕元に置いた
その後、テルマ達の部屋
扉が音もなく開いた
ラース「(おお、やっぱり寝てるな。ここはテルマに注意していればいいだけ。さて、二人のプレゼントは......これだな)」
ラースは緑と黄色の箱を枕元に置いた
ラース「メリークリスマスだ」
テルマ「ん.........」
ラース「(おっと、声を出したら流石にバレるか?早い所出るか)」
カミュとマヤの部屋
音もなく扉が開いた
ラース「(さーて、ここが難関。カミュは.......寝ている気配だが、本当に僅かでも起きそうだよな。細心の注意を払うか。ゆめみの花)」
ラースは再びゆめみの花をカミュ目掛けて投げた
ポス
ゆめみの花はカミュの顔に落ちた
ラース「(..........これでなんとかなったか?流石になったよな?)」
ラースは無音で歩いてベッドまで向かう
ラース「(よし、寝てるな。さっさと置いて立ち去るか)」
ラースは水色と青の箱を枕元に置いた
カミュの枕元に置いた瞬間
ガシッ!
ラースの腕が掴まれた
ラース「!!?」
カミュ「へっ、油断したな?兄貴」
ラース「な!!お、お前ゆめみの花は......」
カミュ「んなもん、吸わなきゃなんとかなる。んで?今年のサンタってやつは兄貴なんだな。まあ去年のグレイグのおっさんでバレかけてたんだから、グレイグのおっさん以外になるよな」
ラース「ハァー、バレたか。俺のお金を増やす賭けが......」
二人はこっそりと静かに話している
カミュ「何の事だよ」
ラース「毎年プレゼントをあげる時にバレないでプレゼントをあげれたらサンタ役の人のお金が一年増えるんだ」
カミュ「そんな事やってたのかよ。んで?マヤはわかるがなんで俺まで」
ラース「うっせえ。初めてのクリスマスなんだろうが。黙って受け取っておけ」
カミュ「へっ、そうかよ。まあ兄貴から純粋なプレゼントなんて珍しいからな。受け取らせてもらうぜ」
ラース「ハァ。上手くいくと思ったのによ」
カミュ「扉の開け方がまだまだだな。音はないが、全開にする必要はないはずだぜ。風の入り方が変わるからな」
ラース「何のアドバイスだよ。俺は盗賊じゃねえ」
カミュ「へへ、そうだな。まあそれじゃあな」
ラース「ああ、メリークリスマスだ」