ドラゴンクエストⅪ 魔法戦士の男、恋をする   作:サムハル

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年末

数日後、デルカダール城下町

 

 

 

クリスマスの装飾は全て片付けられ、その代わりに黒と白の旗や飾りが城下町全体を飾っている

 

 

 

カミュ「へー、また色々と雰囲気変わってるな。なんで黒と白なんだ?」

 

 

 

 

ラース「ほら、この国といったら双頭の鷲だろ?その象徴の色だ」

 

 

 

 

カミュ「いや、もうその一人はいなくなっちまったんだぞ。変えたほうがいいんじゃねえか?」

 

 

 

 

ラース「いいんだよ、ホメロスは今もこの国にいる。グレイグと共にな。それを忘れないようにするためだ」

 

 

 

 

カミュ「.......そうか。兄貴がそう言うなら俺は何も言わないぜ。だけどよ、もう兄貴もマルティナもこの国には充分ってほど認知されてるんだからその色もあっていいんじゃねえのか?」

 

 

 

 

ラース「というと?」

 

 

 

 

カミュ「ほら、昔旅してた時にイレブンが俺達の装備を作る時にイメージカラーの話をしてくれただろ?その色をこの黒と白だけの所に足してみようぜ」

 

 

 

 

ラース「俺がオレンジでマルティナが緑だったな。まあそれは城でやるか。城下町の旗は用意してないからよ」

 

 

 

 

カミュ「そうだな。んで?俺はどこに連れていかれるんだ?」

 

 

 

 

ラース「着けばわかるさ」

 

 

 

 

カミュ「?」

 

 

 

ホムラの里

 

 

 

バン「あ!師匠ー、こっちですよー!」

 

 

 

広場付近にはバン達が既に集まっていた

 

 

 

バン達の近くには大きな鐘が置いてある

 

 

 

ラース「待たせたな。いつもご協力いただきありがとうございます、ヤヤク様」

 

 

 

 

ヤヤク「なに、気にするな。我が里の伝統を他の国でも行ってくれるのはこちらとしても大変ありがたいのだ。これからもぜひ頼むぞ、ラース殿」

 

 

 

 

カミュ「このデカイ鐘は何に使うんだ?」

 

 

 

 

ヤヤク「この鐘はホムラの里では除夜の鐘と呼ばれていてな。今夜年を迎える時に鳴らすのだ」

 

 

 

 

バン「たっくさん鳴らすんです!めちゃくちゃ気持ち良くて、スッキリするんですよ!こう、パーッて!」

 

 

 

 

カミュ「なんでたくさん鳴らすんだ?」

 

 

 

 

バン「え?..........へへ、師匠お願いします!」

 

 

 

 

ラース「へへじゃねえよ。毎年やってんだろうが」

 

 

 

 

ロベルト「確か人間には108個の煩悩、つまり欲望みたいなものがあって、新年を迎える前にそれらを全て祓うために108回鐘を鳴らすんでしたっけ」

 

 

 

 

ヤヤク「うむ、その通りだ。しっかりと教えられているようで安心した」

 

 

 

 

ベグル「一人馬鹿がいるんでこいつの事は考えないでください」

 

 

 

 

バン「馬鹿とか言うな!」

 

 

 

 

カミュ「そんなんがあんのか、知らなかったぜ」

 

 

 

 

ラース「新年に向けて新しい気持ちになっていこうって事で何年か前から俺達もやり始めたんだ。さて、まずはこれをデルカダールに持ち帰るぞ」

 

 

 

 

カミュ「...........まさか俺が呼ばれた理由って」

 

 

 

 

マーズ「お願いします、カミュさん」

 

 

 

 

ギバ「結構キツイんですよ!広場まで持っていくの」

 

 

 

 

カミュ「は〜........ったく!人づかいが荒い兄貴だぜ。おら、さっさと持っていくぞ」

 

 

 

 

ラース「それじゃあまた明日返しに来ます」

 

 

 

 

ヤヤク「うむ、デルカダール王国でもぜひよい年越しをな」

 

 

 

デルカダール城下町 広場

 

 

 

広場周辺には鐘を置くステージが設置されていた

 

 

 

ドスン!!

 

 

 

ラース「よーし、終わり!」

 

 

 

 

バン「あー、肩痛い」

 

 

 

 

ベグル「流石にキツイですね」

 

 

 

 

カミュ「この前の大木といい、この鐘といい重てえものばかり持たせやがって」

 

 

 

 

ラース「よし!次だ!」

 

 

 

デルカダール城

 

 

 

ラース「次はこの城の大掃除!普段やってる鎧や武器だけじゃなくて、壁や骨董品、部屋の掃除まで全部やるぞ!」

 

 

 

 

兵士達「オ〜......」

 

 

 

 

ラース「なんだよ、乗り気じゃないな。そんなに嫌か?」

 

 

 

 

マーズ「ベグルの部屋はまだいいんです。普通程度ですから。問題はこいつですよ!」

 

 

 

マーズはバンを指差している

 

 

 

バン「へへ」

 

 

 

 

ロベルト「こいつの部屋、ラース将軍も一度奥まで見た方がいいですよ。めちゃくちゃ汚いんですから!」

 

 

 

 

ガザル「いろんなもん詰め込んであってビックリしますからね」

 

 

 

 

ラース「..........バン」

 

 

 

 

バン「は、はい!」

 

 

 

 

ラース「部屋は綺麗に使え」

 

 

 

 

バン「は、はい.......すみません」

 

 

 

 

カミュ「俺はどこに行けばいいんだ?」

 

 

 

 

ラース「カミュはマルス達の部屋をマルス達と片付けてくれ。二人だけだとあまり進まないんだ」

 

 

 

 

カミュ「了解。それなら楽そうだな」

 

 

 

数時間後

 

 

 

玉座の間

 

 

 

グレイグ「大分綺麗になりましたね」

 

 

 

 

マルティナ「そうね、想像してたよりブレイブ達の毛が落ちてて驚いたけど」

 

 

 

 

ブレイブ「クゥ〜.......」

 

 

 

 

マルティナ「ああ、違うのよ。悪く言ってるわけじゃないの。しょうがない事なんだから大丈夫。全く気にしてなんかないわ」

 

 

 

ガチャ

 

 

 

カミュ「おお、なんか少し綺麗になった感じがするな」

 

 

 

 

グレイグ「む、カミュか。マルス達はどうだった?しっかりやっていたか?」

 

 

 

 

カミュ「一応な。偶に遊んだりしてたが、真面目にやってたぜ。一段楽ついたから様子見に来たんだ」

 

 

 

 

マルティナ「ありがとう、カミュ。ラースは?」

 

 

 

 

カミュ「兄貴?ここにいると思ってたんだけどな」

 

 

 

 

グレイグ「まだ姫様のお部屋をやっているのでしょうか」

 

 

 

 

マルティナ「少し長いわね。見に行ってみましょう」

 

 

 

マルティナとラースの部屋

 

 

 

マルティナ「あら?いないわね」

 

 

 

 

グレイグ「掃除も終わっているようですな。本棚も整理されてあります」

 

 

 

 

カミュ「となるとどこだ?」

 

 

 

 

マルティナ「兵士達と一緒に行動してるかしら?」

 

 

 

大広間

 

 

 

ダバン「ラース将軍ですか?見てないですね」

 

 

 

訓練場

 

 

 

ガク「いえ、今日はこちらには来てませんね」

 

 

 

バルコニー

 

 

 

ギバ「わかりませんね。ずっとここにいましたけど、来てませんよ」

 

 

 

 

マルティナ「おかしいわね。どこに行ったのかしら」

 

 

 

 

グレイグ「城からは出ていないはずなのだが」

 

 

 

その時

 

 

 

ガチャ

 

 

 

コック「あ!マルティナ様、グレイグ様!どうかラース様を止めてはいただけませんか!」

 

 

 

 

カミュ「まさか......」

 

 

 

キッチン

 

 

 

ラース「なあ、いいだろ?」

 

 

 

 

コック「こ、困ります、ラース様!いくらなんでもそれはご用意しかねます!」

 

 

 

 

ラース「えー、駄目か?少し!少しだけでも!」

 

 

 

 

マルティナ「ラース!何してるの!」

 

 

 

 

ラース「あ、マルティナ」

 

 

 

 

グレイグ「貴様、こんな所でコックを困らせて何しているのだ」

 

 

 

 

ラース「い、いや、困らせてたってわけじゃ」

 

 

 

 

コック「ラース様、どうかお考えを!いくら私達でも今から全ての味を変えるのは無理です!」

 

 

 

 

カミュ「何してんだよ、兄貴。また食い物の事で暴走しやがって」

 

 

 

 

ラース「いや、少し部屋を片付けてたら故郷の料理本が出てきてな。食べたくなったからその味に変えてもらおうと」

 

 

 

 

コック「今からは無理です!せめて昨日にお伝えしてくだされば」

 

 

 

 

マルティナ「ラース、やめなさい」

 

 

 

 

ラース「はい......」

 

 

 

 

 

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