夕方も暮れてきた頃
デルカダール城
バン「おー!綺麗になったー!」
ベグル「いらねえもんはとっとと捨てろって言ってるだろうが!」
ロベルト「本当お前の部屋の片付けは疲れる....」
バンの部屋の前には大きなゴミ袋がいくつか出来上がっていた
ラース「おーい、終わったかー?」
バン「あ!師匠ー、終わりましたー!見てください!俺の生まれ変わった部屋を!」
ラース「前を知らねえよ。というか、こんなに捨てる物あったのか。お疲れ様だったな、ベグル、ロベルト」
ベグル「来年はこいつ一人にやらせてください」
ロベルト「俺達まで巻き込まれるの迷惑です」
バン「いや、次からは綺麗に使うって!」
ベグル「去年も同じ事言ってんだよ!」
ラース「ハァ......。まあいい、終わったなら広場に集まるぞ」
ロベルト「もうそんな時間ですか?」
ベグル「ほら見ろ!お前の部屋に時間取られすぎたせいで他の手伝い出来なかったじゃねえか!」
バン「それはすまん!」
デルカダール城下町 広場
空は暗くなってきており、夜になろうとしていた
広場には先程の鐘の周りにたくさんの人が集まっている
ラース「皆ー、これから王様が通られるから鐘までの道を開けてくれー」
ラースがそう言うと人達はバラけていき、鐘まで道ができた
バン「それでは俺達は警備ですね」
ロベルト「何かあれば呼んでください」
バン達もバラけていった
そして城の方からマルティナ達と共にデルカダール王がやってきた
マルティナ「それではお父様、よろしくお願いします」
デルカダール王「うむ。皆の者、今年もあと僅か。新年を清らかに迎えるためにも今年のうちに出来るだけ邪なる気持ちを祓っておこう。これよりわしが108回鐘を鳴らす。その鐘の音に皆の様々な思いを乗せて祓うのだ」
デルカダール王はそう言うと鐘のあるステージに立った
デルカダール王「それでは煩悩を祓う鐘の音だ!行くぞ!」
ゴォーン!
王国に響き渡るような澄んだ鐘の音が響いていく
デルカダール王「まだまだ行くぞ!」
ゴォーン!
ゴォーン!
ゴォーン!
集まっている人達はその音に拝むように静かに下を向いている
その後
デルカダール王「これでラストだ!思いっきり行くぞ!」
ゴォーン!!
パチパチパチパチ!
108回鳴らしきり、デルカダール王の額には汗が浮かんでいる
デルカダール王「うむ、ありがとう。これで少しでも皆が清らかな気持ちになれたなら本望だ。さて皆よ!まだ夜は始まったばかり!わし達も料理をたくさん用意した!さあ今年最後だ!騒ぐのだ!」
全員「オー!!」
その後すぐに広場周辺は人だらけとなり、賑わい始めた
皆と集まって飲み交う者、静かに空を見上げて食べる人など様々である
ラース達は
ビル「次だ!」
ラース「お?やるな、ビル!よし、俺もおかわりだ!」
カミュ「へっ、負けてられるかよ!」
三人で飲み比べをしていた
マルティナ「全く.....毎年ラースが騒ぐのも恒例になってきたわね」
グレイグ「そうですな。まあ大切な事ではあるのですが、その後が少し大変ですからね」
マルティナ「酔う事だけはしないように言っておかないと」
マヤ「いしし、大丈夫だよ、姉ちゃん、おっちゃん。兄ちゃん達が飲んでるやつ度数が高いから、一人ダウンしたら終わりってルールらしいよ」
グリー「それでも少し心配だよね。あんなにガブガブ飲んでるとさ」
グレイグ「ビルは酒に強いのか?」
マヤ「まあまあ強いみたいだよ。でも本人も兄ちゃんや兄貴程ではないって言ってた」
マルティナ「結果は見えてるってわけね。カミュとラースで対決だけはやめてほしいわね。どっちも倒れたら大変な事になるから」
マヤ「私達も少し騒ごう?ほら、食べ物取ってきたんだ」
マヤは皿に乗っている料理をテーブルに乗せた
グレイグ「そうだな。ラースだけ楽しそうにしていてはつまらんからな」
グリー「お邪魔させてもらいますね」
マルティナ「気にしないで、グリー。一緒に楽しみましょう」
鐘付近では
男の子「兵士さん!僕も鐘の音鳴らしたい!」
ギバ「お?鳴らしてみるか?いいぞー。それならこの紐を思いっきりぶつけてみろ」
鐘には大きな紐と小さな紐が結ばれており、棒がくっ付いている
男の子「わかった!行くよー、せーの!」
ゴーン!
男の子「いい音ー」
ギバ「さ、危ないから打ち終わったら離れような」
男の子「はーい。ありがとう、兵士さん」
ジェーン「お子さんに慣れてるんですね、ギバさん」
ジェーンがやってきた
ギバ「あ、ジェーンさん。まあ慣れてるってほどじゃないんだ。バンが扱い上手くてな。それを真似てるだけなんだ」
ジェーン「バンさん、優しい方ですからね」
ギバ「ベグルはどうしたんだ?」
ジェーン「さっき少し話してたんですけど、鐘が気になってこちらに来たんです」
ギバ「そうか。ジェーンさんも鳴らしてみるか?」
ジェーン「いいんですか?ぜひ!」
そうして夜も更けていき、深夜になろうとしていた
グレイグ「王よ、そろそろ時間かと」
デルカダール王「うむ、そのようだな」
デルカダール王は再び鐘のあるステージに立った
デルカダール王「皆の者!今年ももうすぐ終わりを迎える。新年を迎えるためにこの鐘を最後に鳴らそうと思う。この鐘を鳴らした瞬間から新年の幕開けだ!皆の者、やり残した事はないな?わし達は今年は皆に大変世話になった。来年もよろしく頼むぞ。デルカダール王国は皆で創り上げていくのだからな」
パチパチパチパチ!
全員から拍手が贈られる
デルカダール王「では!新年の幕開けだ!」
ゴォーン!
デルカダール王「新年!」
全員「あけましておめでとうー!」
全員が声を揃えていうと、各場所で乾杯をしたり踊り始める者もいる
グレイグ「あけましておめでとうございます、姫様、ラース。今年もより一層頑張りますのでよろしくお願いします」
ラース「まーたそんな固い挨拶して。あけましておめでとう、マルティナ、グレイグ。去年通り俺は俺らしくいるぞ!」
マルティナ「ふふ、ラースらしいわね。あけましておめでとう、ラース、グレイグ。私は........そうね。皆とたくさん集まりたいわね」
グレイグ「そうですな。些細な事でもいいですから色々な話をしたいです」
カミュ「その挨拶ってのはなんなんだ?」
マルティナ「ほら、新年になったでしょ?その事への思いと自分が今年どうしたいかっていう抱負みたいなものね」
ラース「カミュは何かあるか?」
カミュ「俺か。抱負ねぇ........ま、俺も兄貴と同じで変わらずいるって事かな」
ラース「なんだよ、面白くねえな。ふざけてみてもいいんだぜ?暑い場所を克服する、みたいなよ」
カミュ「ふざけんな!絶対やるか。そんな事するメリットがねえよ」
マルティナ「ふふ、今年もよろしくね、カミュ」
カミュ「.......おう、よろしく」
新年あけましておめでとうございます。ドラクエの世界に新年なんてあるのかと思うかもしれませんが、気にしないでください。