その後、ユグノア城 玉座の間
シルビア達はエマから聞いた話をイレブン達にしていた
イレブン「エマにそんな事が!?全然わからなかった」
ロウ「なんと......。隠しておったのか、恐怖すらも。偉い子じゃのう、エマちゃん。後はわし達の出番じゃな」
イレブン「古小屋なら僕も知ってる!急いで向かおう!」
シルビア「それがね、アタシ達でそこを見てきたんだけど何もなかったのよ」
ベロニカ「人どころか何もないただの小屋だったわ」
ロウ「そうか。既に立ち去ったか、証拠を隠したかじゃな」
イレブン「探さないとまたエマにいつ負担がかかるかわからない。絶対に捕まえないと!」
セーニャ「私達もご協力いたします」
イレブン「怪しい人がいなかったか兵士達に聞いてみる。そのまま兵士達と一緒に街の人達にも聞いてみるよ」
ロウ「わしはもしもを考えて策を考じておこう。二度とこのような事がないようにしなければな」
ベロニカ「それじゃあおじいちゃんはお城で待ってて。私達で聞きに行くわ」
ロウ「うむ、頼んだぞ」
広場
イレブン「ベロニカ達はここで周りの人達から何か聞いてみて」
シルビア「了解よ。イレブンちゃん達は?」
イレブン「僕は商店街で聞いてみる。兵士達もね。何かあったら教えてね」
セーニャ「はい、商店街に向かいますね」
数時間後
ベロニカ「どうだった?セーニャ、シルビアさん」
セーニャ「私は駄目でした。皆さんご存知ないようで」
シルビア「アタシもそうだったわ〜。やっぱり名前も顔もわからないから割り出しにくいわよね」
ベロニカ「そうなのよね。本当姑息なやり方ね!気に入らないわ!一旦イレブン達に合流しましょう。何かわかったかも」
その後、ユグノア城 玉座の間
ロウ「そうか、街の者もわからなかったか」
イレブン「ごめん、聞き方も悪かったかもしれない」
ロウ「いや、仕方あるまい。情報があまりにも少ないからのう」
イレブン「ただ、城下町から出た人と入った人のリストを見る限りだと三人怪しそうな人がいるんだ」
ベロニカ「え!?そんなのあるの!?」
シルビア「大きな街ではよくやる事よね。見張りの人がいて、何人入ったか出たかを集めるのよね。デルカダールでもサマディーでもやってるわ」
イレブン「そうそう、それ。それで、三人が昨日から今日にかけて何回も出入りしてるんだよ」
セーニャ「同じ方なのですか?」
イレブン「うん、そうみたい。少し話を聞いてみてもいいかもしれない」
ロウ「そうじゃな。だが、夕方になってしまったからのう。続きはまた明日じゃ。エマちゃんには引き続き姫達に任せてもらおうかの。ベロニカ達もよかったら泊まっていってくれ」
セーニャ「ありがとうございます、ロウ様」
ベロニカ「明日こそは捕まえましょう!」
次の日、朝食時
イレブン達は朝ごはんを五人で集まって食べようとしていた
ベロニカ「今日はどうする予定?三人に話を聞くんでしょ?」
イレブン「そうそう、その後に話をまとめて嘘やどうかを判断していかないと」
セーニャ「探偵みたいですわ!」
シルビア「もう、セーニャちゃん。気持ちはわかるけどおおごとになってきてるからあまりそういう風に言っちゃダメよ」
ロウ「む!?ゴホッ!!ゴホッ!!ゲフッ!!」
突然ご飯を食べたロウが苦しそうにむせ始めた
全員「!?」
ロウ「ごれは.....毒、かの」
ドサ!
ロウは悶えながら椅子から倒れ込んだ
その顔は青白くなっている
イレブン「おじいちゃん!!!」
セーニャ「ロウ様!!キアリー!」
ロウ「うう.......す、すまぬ.....」
メイド「ど、どうされましたか!?」
シルビア「今ロウちゃんがご飯に毒を盛られたみたいだったの!」
メイド「ええ!?毒!?」
ベロニカ「ここにご飯を運んだ人は誰!?作った人は!?」
メイド「作ったのはコックですが、今日運んだのは風邪をひいた者の代わりとして来られた」
イレブン「その人は今どこ!!」
メイド「あ!あちらにおります!」
メイドが部屋から出て遠くにいる女性を指した
???「チッ!」
その女性はイレブンを見ると走って逃げ出した
イレブン「逃がさない!」
イレブンもそれを見て急いで追いかける
ベロニカ「あ、イレブン!私が追いかけるわ!シルビアさんとセーニャはおじいちゃんの援護してて!」
シルビア「気をつけてね!」
セーニャ「ロウ様、お体は大丈夫ですか?」
ロウ「むう、すまんのう。まさか毒を盛られてしまうとは」
シルビア「救護部屋行く?」
ロウ「いや、このままで大丈夫そうじゃ。少し休めば動けるはずじゃ」
大広間
???「.........」
女性はかなりの速さで走っていく
イレブン「絶対逃がさない!エマだけでなく、おじいちゃんにまで!」
イレブンは気迫に満ちた表情で追いかける
城から出ると
イレブン「ハァ、ハァ。くっ、どこだ!どこにいった!」
イレブンは周りを見渡すが、既に女性の姿はみえなくなっていた
イレブン「くっ!見失ったか!」
ベロニカ「イレブン!あの女の人は!?」
イレブン「ごめん、見失った。外に出るまでは見てたんだけど」
ベロニカ「仕方ないわね。外に出たら逃げ道はたくさんあるもの。まさかおじいちゃんに毒を盛るなんて。しかもあんな正々堂々と」
イレブン「........僕、何してんだろ。王様なのに、家族も、恋人も満足に守れない。危険に晒して......捕まえられなくて」
イレブンは悔しそうに唇を噛み締めている
ベロニカ「大丈夫よ、イレブン。あんたは充分頑張ってるわ、守ろうと必死になっているわ。それは私達が一番わかってる。ちょっと相手が強くて苦戦してるだけ。諦めなければ必ず守れるわ、おじいちゃんもエマちゃんも。ほら、一旦戻るわよ」
イレブン「........ベロニカ。うん、ありがとう」
玉座の間
シルビア「そう、逃げられちゃったのね。仕方ないわ、あんな突然だったもの。寧ろ、姿を見れただけ一歩前進よ!」
セーニャ「イレブン様、落ち込まないでください。ロウ様もお元気になられましたので」
ロウ「うむ、心配かけたのう、イレブンや」
イレブン「よかった、おじいちゃん。倒れた時は本当焦ったよ」
ベロニカ「でも、少し振り出しに戻ったわね。犯人の姿は後ろ姿だけ。満足な特徴もないし、女性とは思えないくらい足が早かったわ」
イレブン「確かに身のこなしも軽かった。盗賊......なのかな」
シルビア「可能性はあるわね。逃げられたのも外に出てから。つまり、変装した可能性もあるわ」
ロウ「.......中々苦戦しそうじゃのう。これは、救援が必要かの」
イレブン「うん。..........僕達の頭脳役に頼ってみよう」
デルカダール城 玉座の間
マルティナ「そんな事が。ロウ様、お体は大丈夫ですか?」
ロウ「なぁに、セーニャが迅速に対応してくれたからの。もう大丈夫じゃよ」
ラース「んで、俺に助けを求めに来たと」
ベロニカ「あんたなら昔みたいに何か作戦をたてられるんじゃないかと思ってね」
ラース「ふむ..........。少し考えさせてくれ」
グレイグ「エマちゃんはしばらくうちで預かった方がいいか?」
イレブン「うん、お願いしたいな。エマにも後で伝えるから。ただ、この朝の事はエマには言わないで。エマは悪くないけど、自分を責めちゃうかもしれないから」
マルティナ「そうね、言わないでおくわ。あと、城の警備も強化しておくわね」
シルビア「ここにいるとは思わないだろうけど、そうしてくれると安心ね」
ラース「なあ、一つ聞いていいか?」
ロウ「なんじゃ?」
ラース「そっちではじいさん達がご飯を食べる時間は街の者にも知られてるのか?」
ロウ「いや、そんな事はない。知っておるのは城の者だけ...........まさか」
ラース「どうやら、犯人は一人じゃないようだ。随分と手がこんでいるみたいだな」
イレブン「城の中に仲間がいる!?」
ベロニカ「じゃあ、犯人はそこと繋がってて今日の朝におじいちゃんをまさに狙って!」
ラース「気をつけろ、皆。俺の予測では犯人は既にベロニカもセーニャもシルビアも狙っている可能性が高いぞ。そして、エマちゃんが城にいない事もわかっているはずだ。次に誰が狙われるかわからない」
シルビア「やだ......。つまり、今までの事が犯人には全部筒抜けって事よね?アタシ、流石にちょっとゾクっとしたわ」
ロウ「これは.......想像より遥かにまずい事になったのう」
マルティナ「ラース、ロウ様達を助けられない?ユグノア城に行って救援を」
ラース「出来なくはない。だが、それは最終手段にしておくべきだ。まだ早い」
グレイグ「早いとは思えんぞ!それに、お前が行けば何か他にもわかる事は多いだろう!」
ラース「犯人とその仲間の情報が少なすぎる。今のままだと悪手となる可能性がある。誰が内通者なのか、城の者だけと繋がっているのか。相手はかなり頭がキレるようだ。計画もたててあるのだろう。もう少し情報を持ってからの方が相手に負担となる」
ロウ「そう......じゃな。情報もないうちに慌ててはそれこそ相手の思うつぼ。少し落ち着いて対処するかの」
ベロニカ「でも!街の人達も何も知らなくて」
ラース「作戦ならある。ベロニカにはどんどん街の人達に聞き込みをしてもらう。広場でも商店街でもどんどん聞いていけ。
シルビアは遠く離れた場所でその様子を観察。ベロニカと話し終わった後の人達の動向を確認しろ。街の外れに行ったり、物陰に潜んだりしたら怪しいと思え。
じいさんには城とユグノアに入るための門を閉めてもらう。閉めるタイミングは昼間。入り口は外からも中からも通すな。城は兵士やメイドが全員いる時に閉じろ。
イレブンとセーニャにはそれぞれ兵士とメイド達を観察。じいさんは門を閉めた後は大臣達を観察しておけ。イレブン、特に兵士を見ておくんだ。怪しい動きをしていたら少し話を聞いてみろ」
ロウ「なるほど。街の者を閉じ込め、さらに城にもいれずに合流などを防ぎつつ両方とも炙り出すわけじゃな」
イレブン「でも、関係ない街の人達にも迷惑が」
マルティナ「王族が狙われて、しかも人数も複数。こっちも手段を選んでいられないわ。捕まるまでの辛抱よ、少し我慢してもらいましょう」
グレイグ「お前、まさかデルカダールで同じ事が起こったら」
ラース「当然こうやるな。なんなら貴族階層の部分とも遮断するかもな」
グレイグ「ハァ......。敵ではなくてよかったと痛感するぞ」
ラース「全員にしっかりとした役割がある。あまり変な行動はするなよ?犯人の逃げる隙となるからな。それと、犯人に狙われる事も忘れるな。特に単独行動となるベロニカとシルビアは最新の注意をはらえ」
シルビア「そうね、わかったわ。でも、流石ラースちゃんね。話を聞いただけでこんなにしっかりとした作戦が浮かぶなんて!」
ベロニカ「よし!皆、絶対犯人とその仲間を捕まえるわよ!」
五人「オー!」
五人で拳を挙げた後、ユグノアに向かっていった
ラース「(王族の金が狙い。エマちゃんを殺さず、生かしておいた理由。まるで、こうすればエマちゃんは言わないだろうという予測があるかのよう。
それとなぜ毒は王であるイレブンではなく、じいさんに?..............まさか、随分前から城の内部に内通者が.......?)」