ユグノア王国 広場
イレブン「それじゃあ皆、作戦通りにいこう。絶対見つけ出すよ」
全員「ええ!/うむ」
全員それぞれの場所に向かっていった
ユグノア王国 入り口
ロウ「では、閉めさせてもらおう」
バタン!
ロウは王国に入るための門を閉じた
ロウ「見張りの兵士はまだおらんようじゃな。兵士の徴集はイレブンの役目。さて、わしもユグノア城に戻らんと」
商店街
ベロニカ「すみません、ある人を探しているんですけど何か知ってる事ありませんか?」
女性「どんな人?」
ベロニカ「髪がない男性で、180cmくらいの人なんですけど」
女性「髪がない人.......。うーん、ちょっとわからないわね」
ベロニカ「わかったわ、ありがとう」
ベロニカは商店街にいる人にどんどん尋ねていく
ベロニカ「(シルビアさん、どこかで見てるかしら?きっと大丈夫なはずよね。私は襲われないように注意しておかないと)」
居住地 屋根の上
シルビア「あら、本当だわ。ここからなら商店街が全部見える。イレブンちゃん達に聞いておいて正解だったわね。さて、目を離さないようにして警戒も怠らないようにしましょ」
ユグノア城 訓練場
イレブンが兵士達全員を集めていた
イレブン「突然集まってもらってごめんね。今日はしばらくここにいてもらうよ」
兵士達「ええ!?」
兵士D「お仕事はどうするのですか?」
イレブン「やらなくて大丈夫。ここでずっと待機だよ」
兵士「ハ、ハァ......?」
朝食場
セーニャ「集まっていただきありがとうございます」
こちらではセーニャがメイド達を集めていた
メイド「どうかされましたか?私達に用事でしょうか?」
セーニャ「いえ、実は少し事件が起こっておりまして。犯人を捕まえようとしているのですが、城の中に犯人と繋がっている方がいるようなのでその方を見つけようとしているのです」
メイド達「ええ!?」
セーニャ「もしこの中で今朝のロウ様のご飯に毒が入れられている事を知っていたという方はいらっしゃいますか?」
メイド達「...........」
メイド達は全員不安そうに互いの顔を見ている
その時
メイドA「す、すみません.......。私がそうです」
一人のメイドが手を挙げた
全員「!?」
セーニャ「勇気を出してくださり大変ありがとうございます。ですが、どうしてそのような事を?よろしければ理由をお聞かせください」
メイドB「嘘ですよね!?だって、先輩はユグノア城が出来てすぐの頃からここで働いていたじゃないですか!誰よりもロウ様やイレブン様を尊敬して」
メイドA「いけない事なのは昔からわかっていました。ですが........あの男に脅されて......」
セーニャ「いつ頃からその犯人の方とお知り合いに?」
メイドA「もう十年前になります。ある日に私の家にあの男がやってきて、私に城の情報を教えろ、と。さもなくば殺すぞと言われて。最初は私も教えなかったのですが、痺れを切らした男に一度お腹を刺されて.......」
セーニャ「そんな事が.....」
メイドA「すみません、すみません!ほぼ監視されているようなもので、様々な情報を与えてしまいました」
セーニャ「大丈夫ですわ。必ず犯人を捕まえて恐怖から救い出してみせますから。犯人の名前や特徴などは?」
メイドA「名前はわかりません。聞いても答えてくれず。ただ、変装が得意なようで男性であるにもかかわらず女性の姿になったり、老人の姿になったり出来るようです。また、盗賊が使うような道具も多数持っております」
セーニャ「情報ありがとうございます。私はイレブン様にお伝えしてきますので、皆様はこちらの部屋から出ないようにお願いします。また、そちらのメイド様を責めるような真似もしないようにお願いします。どうか優しくしてあげてください」
訓練場
イレブン「一人見つかったの!?」
セーニャ「はい、ご自身の命を理由に脅されていたようでした。十年前からいたメイド様でした」
イレブン「え!?もしかしてあの人かな!その人なら心当たりあるよ。僕が王様になった頃からずっとお世話になってたから」
セーニャ「そちらはどうでしたか?」
イレブン「誰もわからないのかもしれない。何も言わないからさ」
セーニャ「メイド様お一人ということでしょうか」
その時
ロウ「二人ともどうであった?」
セーニャ「ロウ様!メイド様がお一人ご自身の命を理由に脅されていたようでした」
ロウ「むぅ......。やはり内通者がおったか。しかも脅されて.......酷い事をするものじゃな」
イレブン「兵士にもいるかもしれないけど、まだ何も言わないんだよね。様子がおかしい人いる?」
セーニャ「...........いえ、特段おかしい風には見えませんわ」
ロウ「ふむ................。あの一番手前の右端の者、やたらと下を向いておるのう。視線が少し忙しいようじゃ。聞いてみてもよいかもしれんぞ」
イレブン「わかった。ありがとう、おじいちゃん」
ロウ「なに、勘違いかもしれぬ。わしは玉座の間で大臣達を観察してくる」
ロウは去っていった
イレブン「ごめん、少し話聞いてもいい?」
兵士C「は、はい!」
イレブン「そんな緊張しなくて大丈夫。何か知ってる事あればいいなと思ってさ」
兵士C「い、いえ...........あの........」
兵士は顔が少し青くなっている
イレブン「だ、大丈夫?顔、青白いよ」
兵士C「す、すみませんでした!!!」
兵士は突然土下座した
イレブン「ええ!?ど、どうしたの!」
兵士C「お、俺.......ギゼという男に、妹を人質にされて........イレブン様や勇者様のお仲間達が城に訪れた際の情報などを全て流していました」
全員「!?」
兵士D「お前!!なんて事を!」
イレブン「人質か。他には?」
兵士C「後は、俺が調べられる限りの勇者様達の情報も渡しました」
イレブン「そっか、わかった。言ってくれてありがとう。人質もいるのに、よく言ってくれたね。犯人の名前はギゼっていうの?」
兵士C「俺はその名前しか言われなかったので、他に何か名前があるのかは知りません。五年前に妹が誘拐され、助けてほしければ勇者様達の情報を渡せという条件でした。ですが、どれだけ渡しても妹は帰ってこなくて.......」
イレブン「酷い......。絶対にそのギゼって人は捕まえる。約束するよ、他に特徴はわかる?」
兵士C「男性で、イレブン様より大きいです。変わった髪型をしていて、長い黒髭がありました。年齢は.......断定は難しいですけど30代くらいかと。声は少し普通の男性より高いイメージがありました」
イレブン「うん、わかった。教えてくれて本当にありがとう」
兵士C「お、俺こそ.......イレブン様達を危険に晒してしまって」
イレブン「仕方ないよ。人質を取られちゃってたんだから。君は何も悪くない。家族を助けようとした行動は正しいはずだよ。その妹さんも救い出してみせる」
兵士C「ううっ.......ありがとうございます、ありがとうございます、イレブン様......」
イレブン「他に何か知っている人がいたら連絡して。僕達は玉座の間に向かうから。でも、極力この訓練場から出ないでね。あと、この兵士は悪くないから攻撃的にならないでね」
玉座の間
ロウ「二名の内通者。それも十年前からという長い期間、情報が流れ続けていたという事か」
イレブン「気付けなかった僕達にも責任がある。これ以上被害者を増やすわけにはいかない」
セーニャ「ですが、少し皆様と情報が合いませんね。エマ様からは髪のないサングラスをした男性、しかし、私達が城内で見た犯人は女性の姿でした。そして兵士様からは変わった髪型をした長い黒髭、メイド様からは変装が得意との事でした。この全ての姿も犯人の変装なのかもしれません」
ロウ「そうじゃな。全て仮の姿で行動していたとすると、本当の姿がわからん。うぅむ、やはり熟練者じゃのう」
イレブン「ベロニカ達は無事かな。城下町にはきっと犯人がまだいるはず。狙われないといいけど」