ドラゴンクエストⅪ 魔法戦士の男、恋をする   作:サムハル

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発見

商店街

 

 

 

ベロニカはベンチに座って休んでいた

 

 

 

ベロニカ「(ふぅ〜.....。誰もわからないわよね。エマちゃんと私達が見た犯人でさえ、違う姿って事はシルビアさんが言っていた通り変装できるって事よね。イレブン達は何か進展あったかしら)」

 

 

 

ベロニカが城の方を見ていると

 

 

 

ベロニカ「ん?」

 

 

 

ベロニカの視界の隅で老人が建物の隙間に入っていくのが見えた

 

 

 

ベロニカ「あのおじいちゃん、どうしてあんな所に?追いかけてみましょ」

 

 

 

住宅地 屋根の上

 

 

 

シルビア「あら?ベロニカちゃん、突然どうしたのかしら。あ!隙間に入っていっちゃって、見えなくなったわね。何か見つけたのかしら。アタシも追いかけてみましょう」

 

 

 

裏通り

 

 

 

老人は大きめの家に入っていった

 

 

 

しかし、その家は綺麗にはされておらず、人が住んでいるようには見えなかった

 

 

 

ベロニカ「こんな家におじいちゃんが一人で?怪しいわ......。もしかして、犯人の住処だったりするのかしら」

 

 

 

ベロニカは恐る恐る扉を開けた

 

 

 

中は真っ暗で全く見えない。物はどこにも置いておらず、どこか全体的にヒンヤリとしている

 

 

 

ベロニカ「なにここ.......。家じゃなくて、廃屋みたいだわ」

 

 

 

バタン!

 

 

 

ベロニカ「!!?」

 

 

 

入ってきた扉が閉められた

 

 

 

ベロニカ「閉じ込められた!?」

 

 

 

 

ギゼ「クックック......こんな簡単にノコノコと付いてきてくれるとはな」

 

 

 

暗闇から男の声が聞こえてきた

 

 

 

ベロニカ「誰!?まさかあんたがこの事件の犯人なの!?」

 

 

 

 

ギゼ「ああ、そうだ。エマとかいう女を使った作戦は順調だったんだがな。その隙に王族二人も狙おうとしていたのに、てめえらが邪魔してきやがった」

 

 

 

 

ベロニカ「邪魔はあんたよ!こんなコソコソとして、とんだ臆病者じゃない!」

 

 

 

 

ギゼ「ふっ、情報通りかなりの強気な人だな。この状況でもその姿勢を保っていられるとはな」

 

 

 

 

ベロニカ「ふん!当然よ!あんたなんかこの大魔法使いベロニカ様が丸焦げにしてやるんだから!」

 

 

 

 

ギゼ「果たして出来るかな?そんな事が」

 

 

 

 

ベロニカ「見てなさい!ここが廃屋で助かったわ!燃えたって困らないもんね!メラゾーマ!」

 

 

 

しかし、メラゾーマは発動しなかった

 

 

 

ベロニカ「え!?な、なんで!?詠唱は何も間違ってなんか」

 

 

 

 

ギゼ「ベロニカ。聖地ラムダから勇者を導くという使命の下、勇者の仲間となった姉妹のうちの姉。強気な性格で得意とする魔法は炎魔法」

 

 

 

 

ベロニカ「な、なんであんたがそんな事まで!........!?な、なにこれ、くっついて取れない!!」

 

 

 

ベロニカが動こうとすると腕や足には細い糸がくっついていた

 

 

 

ギゼ「ハッハッハ!!勇者の仲間も俺の作戦には敵わない!ここはベロニカ、お前を殺すために用意した場所だ。ここではお前はお得意の魔法も、動く事すら出来ん!」

 

 

 

 

ベロニカ「ふざけんじゃないわよ!こんなの!メラガイアー!」

 

 

 

しかし、メラガイアーは発動しなかった

 

 

 

ベロニカ「だからどうしてよ!!おかしいわ、こんなの!」

 

 

 

 

ギゼ「なぜここがこんなにも冷たいと思う?」

 

 

 

 

ベロニカ「..............!」

 

 

 

ベロニカは考えていると、頭に雫が落ちてきた

 

 

 

ベロニカ「まさか!ここ、全部濡れて湿度が高い!水分が多すぎて炎を魔法で起こすには環境が整っていない!?」

 

 

 

 

ギゼ「その通り。その糸はまだらまだ糸を改良した道具。一度服に着けば取る事は困難。さあ、俺の刃の餌となるがいい」

 

 

 

ベロニカの近くから短剣の光が見えた

 

 

 

ベロニカ「(ヤバイ.......。体は動かないし、炎魔法も打てない。このままだと............湿度?水?............考えている暇はないわね!一か八かよ!!)」

 

 

 

ベロニカの目前まで犯人は迫ってきていた

 

 

 

ギゼ「さあ、その命貰うぞ!!」

 

 

 

 

ベロニカ「マヒャド!!」

 

 

 

ベロニカは自身を中心に氷の塊を濡れた床から無数に作り出した

 

 

 

ギゼ「なに!?」

 

 

 

パキパキパキパキ!!

 

 

 

濡れた家屋は氷にどんどん反応して巨大な氷の柱がいくつも出来上がる

 

 

 

ベロニカ「ハアアア!!」

 

 

 

ベロニカはどんどんマヒャドを唱えていく

 

 

 

ドガァン!!

 

 

 

巨大な氷の柱は古い家屋を突き破っていく

 

 

 

ベロニカの足下も大きな氷柱となり、天井まで登っていった

 

 

 

ベロニカの体についていた糸も耐え切れずにどんどん切れていく

 

 

 

ギゼ「くそ!!」

 

 

 

犯人は逃げ出そうとするが

 

 

 

シルビア「見つけたわ!!」

 

 

 

 

ギゼ「!?」

 

 

 

犯人の前には音を聞きつけたシルビアがやってきた

 

 

 

シルビア「あなたがこの事件の犯人ちゃんね!こんな悪い事する子は許さないわ!お仕置きよ!」

 

 

 

 

ギゼ「チッ!」

 

 

 

ボン!

 

 

 

犯人は煙玉を投げつけた

 

 

 

シルビア「キャッ!コホッ、コホッ!もう!何よ、これー!」

 

 

 

煙が晴れると犯人はいなくなっていた

 

 

 

シルビア「姿は見れたけど、逃げられたわね。用意周到だわ、ベロニカちゃーん!大丈夫ー?」

 

 

 

 

ベロニカ「私は平気よ!糸も切れたみたいだし」

 

 

 

ベロニカは氷柱から降りてきた

 

 

 

シルビア「何されたの?」

 

 

 

 

ベロニカ「犯人の罠にハマっちゃったの。炎魔法も出せないし、体も動けないしで危なかったわ」

 

 

 

 

シルビア「ベロニカちゃんの事、よく知ってたのね。やっぱりお城の内通者のせいかしら」

 

 

 

 

ベロニカ「わからないわね。とりあえずまた追いかけないと。って......あら?あそこに倒れてる人は」

 

 

 

ユグノア王国 入り口

 

 

 

城門の上にある見張り塔に犯人は登っていた

 

 

 

そこにある緊急用のスピーカーで王国に向けて話し始めた

 

 

 

ギゼ「勇者共!聞こえているか!!」

 

 

 

 

イレブン達「!?」

 

 

 

その放送は城の中にいるイレブン達にも聞こえていた

 

 

 

ギゼ「惜しいが一旦ここらで退散させてもらおう!だが、俺は諦めたわけじゃない!必ずまたこの城を狙ってやろう!それまではしっかり首を洗って待っているんだな!」

 

 

 

犯人はそう言うとそこから城門の方へ飛び降りた

 

 

 

ギゼ「よっと」

 

 

 

ギゼは城門を足場にして外に出た

 

 

 

ギゼ「へっ、閉められてようが問題ないな。人質もいたがまあ仕方ない。次はどこを狙うかな」

 

 

 

 

???「そこまでだ!」

 

 

 

 

ギゼ「!?」

 

 

 

草むらからラースが飛び出してきた

 

 

 

ギゼ「なに!?」

 

 

 

 

ラース「はやぶさ斬り!」

 

 

 

 

ギゼ「タイガークロー!」

 

 

 

ガキン!

 

 

 

爪と剣がぶつかり合う

 

 

 

ラース「しんくうげり!」

 

 

 

バキ!

 

 

 

犯人の顔面に蹴りが繰り出される

 

 

 

ギゼ「グハァ!!」

 

 

 

 

ラース「確保!さあ、大人しくしてもらおうか!」

 

 

 

犯人はラースに拘束された

 

 

 

ギゼ「くそ!!なんでもう一人!ここには五人だったはずじゃあ」

 

 

 

 

ラース「運が悪かったな。心配になってきてみたら真上でお前が放送していたからな」

 

 

 

 

ギゼ「クソ野郎が!!」

 

 

 

その後、ユグノア城

 

 

 

イレブン「よかった!!本当にありがとう、皆!」

 

 

 

 

ロウ「かなりの難敵じゃったのう。わし達もたくさん反省せねばならぬ部分も出てきた」

 

 

 

 

ベロニカ「あんた、来るならそう言いなさいよ」

 

 

 

 

ラース「深読みしすぎたかもしれないが、内通者がもしかしたらかなり前からいるんじゃないかと予想してな。心配で許可を貰ってきてみたんだ。そしたら真上に犯人がいるんだ、驚くよな」

 

 

 

 

シルビア「そのおかげでとっても助かったわ、ラースちゃん!」

 

 

 

 

セーニャ「お姉様、犯人に襲われたと聞きました。お怪我はありませんか?」

 

 

 

 

ベロニカ「大丈夫よ、私くらいならあの程度問題ないわ。それより、あの子は大丈夫なの?」

 

 

 

 

イレブン「うん、大きな怪我は無いみたい。ベロニカが見つけてくれて本当に助かったよ」

 

 

 

 

シルビア「まさか人質だったなんて思わなかったわ。聞いてビックリしちゃった」

 

 

 

 

ラース「犯罪の数は多いな。かなりの重罪だぞ」

 

 

 

 

ロウ「うむ、それなりの罰が必要じゃな。それに人質を取られていた兵士の男もさぞ安心しておった。五年ぶりに会う事が出来た、と」

 

 

 

 

セーニャ「メイド様ももう命を狙われなくてすむと安心しておりましたわ」

 

 

 

 

イレブン「ラース、エマにも無事に終わった事を伝えておいて。戻ってきて大丈夫って」

 

 

 

 

ラース「そうだな。エマちゃんもイレブン達の事を酷く心配していた。安心させてやらないとな」

 

 

 

 

ロウ「イレブンよ、これからしばらくは新しく対策をたてるぞ。これまで通りではいかんからな」

 

 

 

 

イレブン「うん、そうだね。もっと厳しく考えていかないと。とりあえず、今回は本当助かったよ!ありがとう!」

 

 

 

 

ベロニカ「いいのよ、まさかここまで大きくなるとは思わなかったけどね」

 

 

 

 

セーニャ「今度はまたゆっくりとお話出来るといいですね」

 

 

 

 

シルビア「皆が無事に終わってアタシも嬉しいわ!安心して笑えるのが一番だもの!」

 

 

 

 

ラース「皆の頑張りのおかげだな。また何かあったらなんでも協力するさ」

 

 

 

 

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