ドラゴンクエストⅪ 魔法戦士の男、恋をする   作:サムハル

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兵士長2

城門前

 

 

 

ロベルト「バンの事か。そうだな.......」

 

 

 

 

ダバン「俺はすぐ言えるな。希望だ」

 

 

 

 

ジェイ「希望、ですか」

 

 

 

 

ロベルト「おー、いい事言うな、ダバン。確かに」

 

 

 

 

ジェイ「あの、理由を聞いても?」

 

 

 

 

ダバン「絶望、恐怖、不安、孤独。必ず誰もが感じる事だ、俺もそうだった。あいつはそこにいる俺を正しき道へ導いてくれた。自分では考えてないんだろうけど、あいつって眩しいんだぜ。その光は暖かくてな、頼もしいんだ。そんな大切なやつは守ってやらねえとな?」

 

 

 

 

フランク「光......希望......」

 

 

 

 

ロベルト「俺も思い浮かんだ。バンは俺に、皆にいつも力をくれるやつだ。共に戦う時、別々に戦う時なぜかは知らないけど、バンがいるなら俺は普段より勇気が湧く。力が出せる気がする。頼もしい兵士長だからな。そんなやつに信頼されているんだ。その信頼に応えてこそ、俺であるのだろうな」

 

 

 

 

ロビン「信頼に応える。なんだか素敵ですね、羨ましいです」

 

 

 

 

ロベルト「そうか。バンを少しでも好きになってくれると嬉しいぞ」

 

 

 

 

ダバン「まあ普段のあいつだけだと頼りないもんな。頼りないから兵士長じゃない。そんな事はないからな。俺達は誰もあいつには敵わない。あいつがリーダーだからだ。あいつがリーダーじゃなきゃ始まらないのさ」

 

 

 

 

フランク「リーダー.......兵士長ではなくですか?」

 

 

 

 

ロベルト「兵士長でもあるさ。でも、バンは昔から兵士長だったわけじゃない。バンは兵士長である前から、俺達やきっとダバン達と出会った時からずっとあいつはリーダーだったんだよ」

 

 

 

 

ジェイ「違いがよくわからないのですが」

 

 

 

 

ダバン「はは、まあそうだろうな。でも、きっといつかお前達にもわかる時がくるはずだぜ」

 

 

 

ベグルの部屋

 

 

 

ベグル「ああ?バンの事だって?」

 

 

 

 

フランク「は、はい......。俺達、まだ新入りなのでどうしてベグルさんのような方ではなく、バンさんが兵士長なのかと思って」

 

 

 

 

ベグル「あー、なるほどな。というか.......」

 

 

 

ベグルの前にはフランク達が綺麗な正座をして並んでいる

 

 

 

少し顔が青くなっている者もいる

 

 

 

ベグル「俺が怖いか?まあ自分でもわかってる方だけどよ。なんつーか、そこまで縮こまられると困るっていうか」

 

 

 

 

三人「す、すみません!」

 

 

 

 

ベグル「ハァ、まあいいや。怒ってねえし、殴ったりするのはバンとかギバくらいのもんだ。お前達にそんな事はしねえよ。とりあえず落ち着いて聞いてくれればそれでいい。んで、バンの事だろ?んなの簡単だ。このデルカダール王国の兵士長だ」

 

 

 

 

フランク「わ、わかっています。でも、ベグルさん達の方が指示も的確ですし、指導もわかりやすいと思います。それに充分すぎるほどお強いじゃないですか。それなのにどうして」

 

 

 

 

ベグル「俺達が信頼するにふさわしいやつだからだ。もしあいつがめちゃくちゃ弱かったとしても、俺はバンが兵士長になってほしいと思うぜ」

 

 

 

 

ジェイ「強さは関係ないって事ですか?」

 

 

 

 

ベグル「そうだ。強さだけなんてちっぽけなもんで兵士長にはなれねえよ。バンはな、俺達を引っ張るんだ。前を向かせてくれる、大切な事に気づかせてくれる。俺達が必要だと心から叫んでくれる。だから俺達はあいつを信じる。兵士長を任せるんだ」

 

 

 

 

フランク「引っ張る......。兵士はたくさんいるのにまとめなくていいんですか?」

 

 

 

 

ベグル「大事だよな。でも、それは俺達の役目だ。一人で全部兵士長に任せるなんて難しいさ。助け合わねえとな。バンは必ず助けてくれる、それなら俺達もあいつを助けてやらねえと。仲間なんだからよ」

 

 

 

 

ロビン「仲間.......。俺達のような新入りもですか?」

 

 

 

 

ベグル「あいつにとっちゃそんなの関係ないさ。兵士を志して、努力する者は皆仲間だ」

 

 

 

 

フランク「........皆さんがバンさんを慕っているのはわかりました。でも!やっぱり兵士長はしっかりしていなければ!いざという時に!」

 

 

 

 

ベグル「いざという時に誰よりも力を発揮するのはバンだ。それに、バンが兵士長となる時にラース将軍がこう言ってくれた。兵士長という肩書きはバンにあるが、これは仕方なくバン''だけ"にある。本当ならお前ら全員に兵士長を任せたい。一人で出来る事なんてたかが知れている。兵士長は重要な役割だ。お前ら全員でこの役割を果たすんだってな」

 

 

 

 

フランク「!!?じゃあ兵士長は.......このお城に七人いる?」

 

 

 

 

ベグル「そうとも取れるな。完璧な人間なんていない。必ずどこか足りないものがあるんだ。それが多いか少ないかの話。補っていくのが大事なんだ。お前らも俺達が補えないような所を助けてくれよな」

 

 

 

 

フランク「............ありがとうございました」

 

 

 

訓練場

 

 

 

フランク「どう思った?」

 

 

 

 

ロビン「正直羨ましかった。あんな信頼されて、助けてもらっていて」

 

 

 

 

ジェイ「確かに。バンさんがいい人なのはわかるもんな」

 

 

 

 

フランク「兵士長は全員に任せられている、か。もしかして、武力が強いって言われてる理由はここにあるのかもな」

 

 

 

 

ロビン「俺......明日からは少し変わろうと思う。あまり困らせないようにする」

 

 

 

 

ジェイ「俺も、俺にも助けられる事ありそうだったから。バンさんにもっと信頼してもらえるような人になる」

 

 

 

 

フランク「俺、間違ってたのかも。兵士長だから優秀な人じゃないといけないとか、しっかりしてないといけないって思ってたけど、本当に大事なのは皆に信頼されているかどうか。俺達がついていきたいって思える人も兵士長としてアリなのかもな」

 

 

 

 

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