ドラゴンクエストⅪ 魔法戦士の男、恋をする   作:サムハル

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事故

遺跡内部

 

 

 

中は光が全くなく、所々に柱だった物や破片が散らばっている

 

 

 

ジール「随分暗いんだな、ここ」

 

 

 

 

ルナ「怖い......。早く調べちゃおう」

 

 

 

 

ジャス「ガク、ライトで照らしてくれ。それで壁に沿って歩いて行こう」

 

 

 

 

ガク「任せておけ、一応マルス達も武器をすぐに出せるようにしておけよ?」

 

 

 

 

マルス「僕はもう大丈夫だよ。ほら、ルナも」

 

 

 

 

ルナ「う、うん。でもマルスから離れないからね」

 

 

 

ルナはマルスにくっつきながら片手剣を持った

 

 

 

マルス「もー、ルナは怖がりなんだから」

 

 

 

 

ルナ「いいじゃん!暗いのは怖いの!ねえ、ジールさん、メラでもう少し明るくしてもいい?」

 

 

 

 

ジール「あまり大きな炎は出さないで指に出す程度にしてくれ。魔物もいるだろうから警戒させないようにな」

 

 

 

 

ルナ「はーい。メラ」

 

 

 

ルナは人差し指に小さな炎をだした

 

 

 

ジャス「大体ここは書いたよ。先に進もうか」

 

 

 

 

ガク「どこまで続いてるんだろうな。狭いとは聞いていたが」

 

 

 

 

マルス「でも、奥は広そうだよ。もしかしたら上とか下にあるのかもしれない」

 

 

 

 

ジール「そうなると時間は少しかかりそうだな」

 

 

 

 

ルナ「やだよー。ん?」

 

 

 

 

ガク「どうしたの?ルナちゃん」

 

 

 

 

ルナ「今こっちでなんか光った」

 

 

 

ルナは暗闇を指している

 

 

 

ガク「んー?..........よく見えないな、魔物かもしれないからあまり刺激しないでおこうか」

 

 

 

 

ルナ「はーい」

 

 

 

少し歩くと階段があらわれた

 

 

 

ジール「やっぱりここより下があるのか」

 

 

 

 

ジャス「元は遺跡って考えたらまあ普通かもね。長年の時で洞穴みたいになったんだろう」

 

 

 

 

マルス「でも!やっぱり遺跡って事はお宝も!」

 

 

 

 

ジャス「ふふ、そうだね。期待していいかもしれないよ」

 

 

 

 

マルス「楽しみ!探検してるみたい!」

 

 

 

 

ガク「ジャス、子どもだからって甘やかすなよ?」

 

 

 

 

ジール「まあいいんじゃねえ?魔物もあまりいないみたいだし、少しくらい探検の気分を味わってもさ」

 

 

 

下の階につくとそこはより一層暗く、ボロボロの壁も床に落ちている

 

 

 

ジャス「この壁の破片ももしかしたら歴史的発見に繋がるかもしれないよ。帰ったら学者達を呼んでもう一度訪れてもいいかもね」

 

 

 

ジャスは破片を拾いながらそう言った

 

 

 

マルス「本当!?僕も少し拾って持って帰ろー」

 

 

 

 

ガク「まあ、邪魔にならない程度にだよ」

 

 

 

 

ジャス「ん?」

 

 

 

 

ジール「どうした?ジャス」

 

 

 

 

ジャス「あそこ、僅かに光ってる」

 

 

 

 

ジール「え?」

 

 

 

ジャスが指す遠くにはほんのりと微かに青い光が下の床から漏れ出ていた

 

 

 

ジール「本当だ、何かあんのか?」

 

 

 

 

マルス「お宝だ!!本物!!」

 

 

 

マルスは走り始めた

 

 

 

ルナ「キャーッ!!は、走らないでマルスー!」

 

 

 

 

ガク「あ!こら、マルス君!」

 

 

 

マルスはルナの手を引っ張りながら青い光の元まで来た

 

 

 

マルス「わ〜.......なんでここだけ青いんだろう」

 

 

 

 

ルナ「綺麗......」

 

 

 

 

ガク「こら!俺達から離れるなって言っただろ!」

 

 

 

 

マルス「うっ、ごめんなさい。でも気になっちゃって」

 

 

 

 

ジール「もうするなよ?勝手に行動されると俺達は責任取れないぞ?」

 

 

 

 

マルス「はい、ごめんなさい」

 

 

 

 

ルナ「もー、マルスのせいで私まで怒られた」

 

 

 

 

ジャス「まあまあ。でも、どうして青いんだろうね?宝石かな?」

 

 

 

ジャスは地面を触っている

 

 

 

ジール「お、あっちに階段もあるぞ。あれで下まで確認してみようぜ」

 

 

 

ジールは少し先にある階段に気付いた

 

 

 

ジャス「あ、待ってくれ。まだここの階層を書ききって」

 

 

 

ピシッ!

 

 

 

全員「え?」

 

 

 

全員の足下からひび割れたような音が聞こえた

 

 

 

ガラガラガラガラッ!!

 

 

 

マルス「わー!!」

 

 

 

 

ルナ「キャーー!!」

 

 

 

マルスとルナの青く光る足下が崩れていった

 

 

 

ガク「!?マルス君!!ルナちゃん!!」

 

 

 

ガクはすぐに二人を追いかけて穴に飛び込んだ

 

 

 

ガラガラガラガラ!!

 

 

 

崩れていくのは止まらず、どんどん穴は大きくなっていく

 

 

 

ジール「うおおお!!」

 

 

 

 

ジャス「ま、まずい!崩壊してる!!」

 

 

 

ジールとジャスの元にもどんどん穴は広がっていき、ジールは下に向かう階段側へ、ジャスは上がってきた階段側に取り残された

 

 

 

ジール「くっ!ジャス!!城に戻って救援を頼んだ!俺はこのまま下に降りて三人をなんとか助ける!」

 

 

 

 

ジャス「頼んだよ!無理しないでね!」

 

 

 

ジャスは走って階段を登っていった

 

 

 

ジール「三人とも、無事でいてくれ!」

 

 

 

最下層

 

 

 

???「.......ナ!...........ル...ってば!」

 

 

 

 

ルナ「う、うーん..........」

 

 

 

 

マルス「ルナ!!」

 

 

 

 

ルナ「マルス?.......あ!!私、穴に落ちて」

 

 

 

 

マルス「気付いた!ルナ、怪我はない?」

 

 

 

 

ルナ「う、うん。痛くなかった」

 

 

 

 

ガク「は、はは。それならよかった、でもそろそろどいてくれるかい?」

 

 

 

ルナの下からガクの声がした

 

 

 

ルナ「え?あ!!ガクさん!ご、ごめんなさい!」

 

 

 

ルナはガクの上に乗っていた

 

 

 

マルス「ガクさんが僕達のクッションになってくれたんだよ!」

 

 

 

 

ルナ「ありがとう!怪我は?」

 

 

 

 

ガク「な、なんとか大丈夫........ぐっ」

 

 

 

ガクはお腹を押さえて倒れ込んだ

 

 

 

ルナ「あ!ご、ごめんなさい!回復します!ホイミ!」

 

 

 

 

ガク「ハァ、ハァ。ありがとう、少しだけ楽になったかも」

 

 

 

しかし、ガクが持っていたライトからは血が流れているのが見える

 

 

 

ルナ「わっ!な、治んないよ!もっとかな?ホイミ!ホイミ!ホイミ!」

 

 

 

 

ガク「はは、ありがとうルナちゃん。でも、一旦終わりにして。今はなによりもここから出ないと。多少楽になったのは本当だから」

 

 

 

ガクはフラフラしながらも立ち上がった

 

 

 

マルス「ガクさん、無理しないで。きっとここ一番下だよ、ほら」

 

 

 

マルスが指す先には青い光を放つクリスタルのようなものがいくつも生えている

 

 

 

ルナ「これ.......さっきと同じ光」

 

 

 

 

ガク「なるほど、これが発光源だったのか。随分明るくなって見やすいね」

 

 

 

 

マルス「僕達、一番下まで来たなら上に登ればジールさん達に会えるよ。上の階段を探そう」

 

 

 

 

ガク「うん、そうだね。マルス君、ルナちゃん、俺はここにいるから二人はジールとジャスに合流してここから出るんだ」

 

 

 

 

マルス「なんで!?そんなの駄目だよ!」

 

 

 

 

ルナ「ガクさんはどうするの!?」

 

 

 

 

ガク「俺はここで救援を待つ。今こんな状態で歩くのがやっとだ。進もうにも二人の足手まといになるだけ。それなら、ここにいた方がまだ安全だ」

 

 

 

 

二人「やだ!!」

 

 

 

 

ガク「二人とも......聞いて。これは大事な事だよ、二人は必ず生きなきゃいけない。何があっても。今優先されるのは二人の命だよ」

 

 

 

 

マルス「絶対嫌だ!!そんなの聞きたくない!」

 

 

 

 

ルナ「ガクさんが死んじゃうのは絶対嫌だ!!私達だけ助かっていいわけないもん!」

 

 

 

 

マルス「ガクさん!三人でここを出よう!僕とルナで守るから!」

 

 

 

 

ルナ「私も怖いなんて言ってられない!ガクさんがいなくなるほうがずっと怖いから!」

 

 

 

二人はガクの手を引っ張っていく

 

 

 

ガク「マルス君.......ルナちゃん........。わかったよ。でも、絶対に慎重に行くよ。ライトは無し。ゆっくりと上に登ろう」

 

 

 

 

二人「うん!」

 

 

 

その頃、デルカダール城 玉座の間

 

 

 

三人「ええ!?」

 

 

 

 

ジャス「大変申し訳ございません!!どうか救援」

 

 

 

 

マルティナ「大変だわ!!マルス!ルナ!!」

 

 

 

マルティナは顔を青くして猛スピードで部屋から出ていった

 

 

 

グレイグ「ひ、姫様!!」

 

 

 

 

ラース「ジャス、事故だから仕方ない。救援を今すぐ出す。グレイグ、王様とマルティナを交代だ。俺達は救援に向かう」

 

 

 

 

グレイグ「了解だ」

 

 

 

 

ジャス「ありがとうございます!」

 

 

 

 

ラース「ジャス、案内を頼むぞ。それとバンとダバン、ロベルトとガザルを呼んで出動できるようにしておけ」

 

 

 

 

ジャス「は!!」

 

 

 

 


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