ドラゴンクエストⅪ 魔法戦士の男、恋をする   作:サムハル

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脱出

最下層

 

 

 

コーラルモンス「グゥー?」

 

 

 

魔物の攻撃で土煙が起こり、魔物はマルス達を見失っている

 

 

 

ジール「ふぅ〜.......危機一髪ってとこか?」

 

 

 

マルス達に攻撃が当たりそうになった瞬間、横からジールが飛び込み二人を掴んで走り抜けた

 

 

 

ルナ「あ、ありがとう、ジールさん!」

 

 

 

 

ジール「ガク、立てるか?ベホイミ」

 

 

 

ジールはガクの腹の傷に手を当てる

 

 

 

ガク「ハァ......ハァ。マシになってきた。だが、血を流しすぎたな。クラクラする」

 

 

 

 

ジール「こいつ、頭に生えてるのがクリスタルなだけでコーラルモンスだな。ソルティアナ海岸にいる強い魔物だ。俺一人じゃあキツイ」

 

 

 

 

マルス「じゃあ」

 

 

 

 

ジール「ガク、俺が背負うから上まで逃げるぞ。マルス達も必死に走れ」

 

 

 

 

全員「うん!」

 

 

 

ジール達は階段に向けて走っていく

 

 

 

コーラルモンス「グオオオオ!」

 

 

 

気付いた魔物が四人を追いかける

 

 

 

ルナ「わ!き、来たよ!」

 

 

 

 

マルス「とにかく上にいこう!地面を泳いでるって事は上に逃げれば!」

 

 

 

マルス達は階段を勢いよく登っていく

 

 

 

ジール「よっ!ほっ!」

 

 

 

ジールもなんとかスピードを殺さずに登っていく

 

 

 

コーラルモンス「グゥゥ......」

 

 

 

魔物は階段の前で立ち止まっている

 

 

 

ガク「やはり登ってはこられないようだな」

 

 

 

 

マルス「ハァ〜、怖かった〜。これで一安心だね」

 

 

 

 

ジール「よし、このまま上に行くぞ」

 

 

 

その時

 

 

 

ドォォン!

 

 

 

全員「!?」

 

 

 

コーラルモンスが地面を勢いよく飛び上がり、マルス達のいる階までやってきた

 

 

 

全員「ええ!!?」

 

 

 

 

コーラルモンス「グオオオオ!」

 

 

 

魔物はマヒャデドスを繰り出した

 

 

 

パキパキパキ!!

 

 

 

この階全体が氷に包まれていく

 

 

 

ジール「逃げろ!!マヒャデドスだ!」

 

 

 

全員一目散に走り出す

 

 

 

マルス「階段関係ないじゃーん!!」

 

 

 

 

ルナ「やだー!!おかあさーん!おとうさーん!」

 

 

 

ジール達の後ろからはどんどん氷柱が迫り来る

 

 

 

その頃、ラース達

 

 

 

グオオオオ!

 

 

 

全員「!?」

 

 

 

コーラルモンスの声がここまで響いてきた

 

 

 

バン「今のは!!」

 

 

 

 

ダバン「あまりいい状況ではないみたいだな」

 

 

 

 

ジャス「ジールが先に向かっているはずなんですが、どうなっているんでしょうか」

 

 

 

 

マルティナ「ラース、もうそろそろ」

 

 

 

 

ラース「そうだな、流石に不安になってきた。マルティナ、捕まってろよ?お前ら!このままもう飛び降りるぞ!」

 

 

 

 

全員「はい!」

 

 

 

全員が穴に向かって飛び降りた

 

 

 

その近くでは

 

 

 

ジール「あ!!ここは!」

 

 

 

 

ルナ「嘘!!?階段が!!」

 

 

 

上に登るための階段が壊れていた

 

 

 

ガク「マジかよ......」

 

 

 

 

コーラルモンス「グオオオオ!」

 

 

 

 

マルス「わ!!き、来ちゃったよ!」

 

 

 

 

ジール「くっ!ガク!子ども達だけでも!」

 

 

 

 

ガク「ああ!」

 

 

 

ガクはジールから降りて近くにいたルナを抱きしめる

 

 

 

ジールも側にいたマルスを抱きしめた

 

 

 

コーラルモンス「グオオオオ!!」

 

 

 

魔物の攻撃が四人に振り下ろされた!

 

 

 

ドスン!!

 

 

 

コーラルモンス「グゥ.......」ドサ

 

 

 

 

バン「おっしゃ!クッションだ!!」

 

 

 

 

ラース「おお、大ピンチだった所みたいだな」

 

 

 

 

マルティナ「マルス!ルナ!」

 

 

 

魔物の頭にラース達が降ってきた

 

 

 

マルス「父さん!母さん!」

 

 

 

 

バン「ガク!ジール!無事か!」

 

 

 

 

ダバン「ガクが怪我してるな。ベホイムだ」

 

 

 

 

ロベルト「よく耐えたな、二人とも」

 

 

 

 

ガザル「マルス達を守ってやってたんだな。流石だぜ」

 

 

 

 

ジール「助かった〜......」

 

 

 

ジールはその場に座り込んだ

 

 

 

ガク「ありがとうございます、ダバンさん。マルス達も本当によく頑張ってくれたんです」

 

 

 

 

コーラルモンス「グゥゥゥ」

 

 

 

魔物はフラフラと起き上がった

 

 

 

全員「!!」

 

 

 

 

コーラルモンス「グオオオオ!」

 

 

 

 

マルス「また起きた!父さん、母さん、こいつ凄く強いの!」

 

 

 

 

ルナ「私達の攻撃全然効かなかったんだよ!」

 

 

 

 

ラース「マルティナ」

 

 

 

 

マルティナ「ええ、もちろん。準備はいつでも出来てるわ」

 

 

 

二人は同じ構えを取った

 

 

 

ジャス「バンさん、行かなくていいんですか?こいつ、結構強い部類の魔物では」

 

 

 

 

バン「え?いやいや、師匠とマルティナ様に割って入るのは不可能だぜ。まあ見てろよ、お二人凄えからよ」

 

 

 

 

コーラルモンス「グオオオオ!」

 

 

 

魔物はマヒャデドスを繰り出した

 

 

 

二人「はっ!」

 

 

 

ラースとマルティナは出来上がっていく氷柱を足場にして魔物に向かっていく

 

 

 

ラース「ふんっ!」

 

 

 

ラースは魔物の目の前にやってきて蹴りや拳を連続で打ち込んでいく

 

 

 

コーラルモンス「グゥゥゥ......」

 

 

 

 

マルティナ「はっ!」

 

 

 

更にマルティナがその後ろに降りてラースと全く同じ速度で蹴りや拳を繰り出していく

 

 

 

二人「疾風双脚乱舞!」

 

 

 

 

コーラルモンス「グオオオオ.....」

 

 

 

 

二人「終わり!」

 

 

 

ドガァン!!

 

 

 

最後にラースの拳とマルティナの蹴りが力強く入った

 

 

 

コーラルモンス「グゥゥ」ジュワー

 

 

 

 

ジール「凄い、あんな息ピッタリな連携が取れるなんて」

 

 

 

 

ジャス「互いの姿は見えないはずなのに」

 

 

 

 

マルティナ「ごめんなさい。三発目と五発目、少し遅れたわね」

 

 

 

 

ラース「あんなん誤差だろ。久しぶりにやってこれなら上出来だ」

 

 

 

 

バン「な?俺が入る隙ないんだ」

 

 

 

 

ガザル「安心して任せられるんだよな」

 

 

 

 

ガク「流石ラース将軍にマルティナ様!あっという間ですね!」

 

 

 

 

マルティナ「ふふ、ありがとう。ガク、ジール、魔物からマルス達を守ってくれて本当にありがとう」

 

 

 

 

ラース「そうだな、よくこんな狭い場所で逃げ切ってくれた。二人がいなかったらマルス達は大変な事になってただろう」

 

 

 

 

ガク「そ、そんな事ないんですよ!寧ろ俺が足手纏いになっちゃって」

 

 

 

 

マルス「そんな事ないよ、ガクさん。僕達が穴に落ちた時、ガクさんが守ってくれなかったら絶対ガクさんより大怪我してた!」

 

 

 

 

ガク「それは......そうだね。マルス達、ガクを守ろうと二人であの魔物に立ち向かったんです。怖かったはずなのに立派ですよ」

 

 

 

ガクはマルスとルナを撫でながら言った

 

 

 

マルティナ「そうだったの、マルス達も頑張ったのね。偉いわ」

 

 

 

 

ルナ「えへへ、暗いの怖かったけど途中から少し平気になってきたの」

 

 

 

 

ロベルト「まあ一旦戻りましょう、ラース将軍、マルティナ様」

 

 

 

 

ラース「そうだな。って.....この階段、壊れて登れないのか」

 

 

 

 

バン「本当だ!え!?ど、どうすんですか!?出られないですよ!」

 

 

 

 

ガザル「確かリレミトは.......マーズしか使えないか」

 

 

 

 

ラース「お、それがあったな。バン、お前出来るだろ?」

 

 

 

 

バン「え?俺?」

 

 

 

 

ダバン「ラース将軍、バンに魔力はありませんよ?」

 

 

 

 

ラース「わかってるさ。ほら、あれだよ。ソップァ。持ってるだろ?」

 

 

 

 

バン「あー!!なるほど!持ってますよ!はい!」

 

 

 

バンは袋から透明の玉を取り出した

 

 

 

ラース「魔力空じゃねえか。ちゃんと入れておけよ」

 

 

 

 

バン「前に練習で使ってたら空になっちゃって」

 

 

 

 

ラース「まあいい。よっと」

 

 

 

ラースは魔力を入れた

 

 

 

マルティナ「なにこれ?」

 

 

 

 

ラース「魔力を溜めておけば誰でも魔法が使えるようになる魔法道具だ。よし、全員手を繋げよ」

 

 

 

全員輪になって手を繋いだ

 

 

 

ラース「後は構造と式を.........よし、リレミト!」

 

 

 

パン!

 

 

 

遺跡前

 

 

 

マルス「外だー!」

 

 

 

 

ルナ「少し眩しいよ〜」

 

 

 

 

ガク「うう、暗い場所に慣れたから目が......」

 

 

 

 

マルティナ「ふふ、仕方ないわよね。さあお城に帰りましょう」

 

 

 

その後、デルカダール城 玉座の間

 

 

 

デルカダール王「うむ、怪我も少ないようで安心した。マルス、ルナ、楽しかったか?」

 

 

 

 

マルス「ハラハラしたよ!楽しかったかはわからないけど、探検みたいだった!」

 

 

 

 

ルナ「私はもういいかも。暗いの怖いもん」

 

 

 

 

グレイグ「王よ、マルスとジャスから壁画のカケラと思われる物が来ました。見覚えはありますか?」

 

 

 

 

デルカダール王「ふむ.........。いや、わからんな。学者に渡してもらおう」

 

 

 

 

マルティナ「ラース、また行く事になるかもしれないわ」

 

 

 

 

ラース「そうだな。そしたら今度はバン達にも行かせてみるか」

 

 

 

その後、マルスとルナの部屋

 

 

 

ガクがやってきていた

 

 

 

マルス「どうしたの?ガクさん」

 

 

 

 

ガク「二人には今回とってもお世話になったからね。俺を助けてくれたお礼だよ。はい、これ」

 

 

 

ガクはマルスに大剣を、ルナには槍をプレゼントした

 

 

 

ルナ「え!?ほ、本物だ!いいの!?」

 

 

 

 

ガク「うん、もちろん。これからも一緒に訓練頑張ろうね」

 

 

 

 

マルス「やった!!大剣は練習用のしか持ってなかったの!う.......でも、結構重たい」

 

 

 

 

ルナ「私も......少し大変」

 

 

 

 

ガク「そうかなと思ったよ。でも、大きくなったらきっと使えるからその時に備えてね」

 

 

 

 

ルナ「ありがとう、ガクさん!大切にするね!」

 

 

 

 

マルス「明日グレイグさんに自慢する!それでいつか本当にこの大剣で魔物を倒すんだ!」

 

 

 

 

ガク「その時は是非俺にも見せてくれよ。それじゃあ本当にありがとう、またこれからも頑張ろうね」

 

 

 

 

 


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