商店街
カミュ達は暖かい汁物を全員で飲んでいた
セーニャ「ハァ.......温まりますわね」
グレイグ「ああ、本当だな。寒いのが苦手な俺にはありがたい限りだ」
マルス「美味しかったー。お魚も柔らかくて食べやすかった」
ルナ「おかわりって出来るかな?」
カミュ「出来るとは思うけど他の店も見てみた方がいいんじゃねえか?」
ルナ「そっか、それじゃあそうするね」
グレイグ「俺はもう一つ貰おうか。もう少し温まりたいからな」
セーニャ「あら?ルナちゃん?マルス君?」
カミュ「ん?どこ行った?少し目を離した隙に」
セーニャ「遠くには行っていないと思うのですが.......あ!あのお店にいらっしゃいます!」
ルナ「綺麗なネックレス......」
ルナはピンクパールがついた銀色のネックレスを見ている
マルス「ルナ、こういうの好きだもんね」
ルナ「うん、いつかつけてみたい」
カミュ「こら、お前ら。勝手にどこか行くな」
マルス「えー、カミュ達が遅いんだよー」
カミュ「あぁ?........ごめんなさいは?」
カミュはマルスの頬を引っ張っている
マルス「ひょめんなしゃい」
セーニャ「ルナちゃん、このネックレス気になりますか?」
ルナ「うん。私にはまだ似合わないけど、お母さんがつけたら似合うと思う」
セーニャ「私はルナちゃんがつけても似合うと思いますわ」
ルナ「そ、そうかな?まだ早い気がして」
セーニャ「女の子ですからこういった物が気になるのは当然ですわ。一度試してみるのがいいんですよ。すみません、着けてもよろしいですか?」
店員「はい、ご自由にどうぞ」
セーニャ「ありがとうございます。はい、ルナちゃん。着けた方がいいですか?」
セーニャはルナが見ていたネックレスを見せた
ルナ「じゃあ、お願いします、セーニャさん」
カミュ「マルスはああいうのいらねえのか?俺みたいなピアスとかよ」
マルス「あー、父さんもたまにしてるよね。ピアスってカッコいいけど痛そう。僕はそれより武器とかの方が好きかな」
カミュ「男の子だもんな、そっちの方がいいか」
グレイグ「こんな所にいたか。ん?ルナはネックレスを買ったのか?」
カミュ「いや、気になってたから試しに着けてみるみたいだぜ」
グレイグ「ルナは昔から綺麗な物に興味があったからな。似合うはずだが」
セーニャ「どうですか?ルナちゃん。つけてみた感想は」
ルナ「わ〜......。ふふ、嬉しい。初めてつけた」
ルナはネックレスを持ってみたりクルクルと回っている
セーニャ「気に入りましたか?」
ルナ「うん!」
セーニャ「では私からプレゼントしますわ。女の子ですからこういう物は一つでも持っておいた方がいいと思います」
ルナ「え?で、でも、こういうのって高いんだよ。セーニャさんに悪いよ」
セーニャ「ルナちゃんの嬉しそうな顔を見れたので私はもう充分です。今度はご自分でお金を貯めて買ってみるといいですよ」
ルナ「セーニャさん......。うん!ありがとう!」
グレイグ「すまない、セーニャ。いくらしたのだ?俺が出そう」
セーニャ「大丈夫ですわ、グレイグ様。私の勝手な行動ですのでお気になさらずに」
グレイグ「だが、姫様達から驚かれてしまう」
セーニャ「それでは私からプレゼントだとお二人にお伝えください。ルナちゃんは魔法のお勉強も頑張っていてとても偉いですわ。それに女の子ですからああいった物に興味を持つのは当然です。きっとマルティナ様もラース様もご理解してくださるはずです」
グレイグ「感謝する」
その後、日も暮れ始め
マルス「ねえ、カミュ!そろそろ暗くなってきたよ!月はまだ?」
カミュ「今日の城下町は明るいからな。月が見えにくいな。シケスビア雪原に行くか」
セーニャ「それではしっかりと防寒対策をしておかないとですね」
グレイグ「そうだな。マルス、ルナ。手袋や帽子もしっかり着るのだぞ」
二人「はーい」
シケスビア雪原
グレイグ「ここに来るのも久しぶりだ。やはり寒い」
カミュ「おっさんはここに来るといつも言ってるよな。子ども達の方がずっと元気だぜ」
グレイグ「うるさい、俺は苦手なだけだ。それに子どもは風の子と言うだろう。俺と比べるんじゃない」
セーニャ「しかし、ブルームーンは奇跡の満月とも呼ばれています。奇跡と聞くとどうしても珍しいように思いますわ。本当に見れるのでしょうか」
カミュ「どうだろうな。さて、この高台からなら見えるだろ。んで、月は...........あー、雲があるな。よく見えねえ」
マルス「えー!折角来たのに......」
グレイグ「仕方ないかもしれんな。天気ばかりはどうしようも出来ん」
ルナ「でも、雲は途切れ途切れだよ。もう少し待ったら出てくるかも」
カミュ「確かにな。待ってると寒いが大丈夫か?」
二人「うん!」
セーニャ「グレイグ様、大丈夫ですか?」
グレイグ「.......構わん。俺もここまで来たのだ。待って見れるのなら見てみたいからな」
少しして
セーニャ「あら?あちらの方が明るくなっていきますわ」
セーニャは高台の先からどんどん雪の積もった大地が明るくなっていくのが見えた
カミュ「お?という事は」
マルス「もしかして!」
全員が空を見た時、月を覆っていた雲が晴れ立派な満月が姿を出した
全員「おお〜.......」
その月は普段の色とは違い、ハッキリと青い光を放っていた
グレイグ「これが.......ブルームーン。本物なのだな」
マルス「.........綺麗........」
ルナ「こんなに凄いんだね。お母さん達も来ればよかったのに」
カミュ「まあ仕方ねえよな。クレイモランではこの月を見れると幸運が訪れるって言われてんだぜ」
セーニャ「そうなのですか!確かにこの美しい光景を見るとなんだか幸せな出来事が起こりそうな気がします」
ルナ「カミュさん、セーニャさん、グレイグさん。今日はありがとう。私、この一日がきっと幸運な日だったんだと思う。だって私、今日ずっと幸せだったから!」
ルナは笑顔で三人にお礼を言っている
マルス「僕も!お祭り楽しかったし、美味しい物もたくさん食べれたし、こんなに綺麗なブルームーンも見れた!間違いなく幸運な一日だったよ!三人がいてくれたからだよ!」
マルスもルナに釣られて笑いながらお礼を言った
カミュ「へっ、いい事言うようになったな、二人とも」
セーニャ「私の方こそとても楽しかったですわ。きっと皆様がお誘いしてくださったからです。ありがとうございました」
グレイグ「俺もかなり楽しめた祭りだった。とても充実した休日を過ごせた。マルス、ルナ、カミュ、セーニャ。ありがとう。姫様達にもいい土産話が出来そうだ」
その後、皆もそれぞれの場所に帰っていった
デルカダール城 大広間
二人「ただいまー!」
マルティナ「あら、そろそろかと思ってたのよ。お帰りなさい」
大広間にはマルティナとラースが待っていた
グレイグ「ただいま帰りました」
ラース「お帰り、三人とも。どうだった?ブルームーンは。見れたか?」
マルス「うん!本当凄かったんだよ!大きな満月が雪原全部を照らして、青く光ってるの!雪も青くなってたんだよ!」
マルティナ「そんなに!?それは私達も見たかったわ」
ラース「また数年後にならないと見れないからな。今度は俺達も見て見たいな」
グレイグ「私も非常に楽しめました、カミュとセーニャに二人を任せっきりになってしまったのではないかと少し反省しております」
マルティナ「ふふ、楽しめたのならそれでいいわよ」
ルナ「見て、お母さん、お父さん。セーニャさんからプレゼントしてくれたの」
ルナは首にかけてあるネックレスを見せた
ラース「な!?これ、本物か!」
マルティナ「ええ!?これどうしたの?ルナ」
ルナ「私が綺麗だから見てたらセーニャさんがつけてみるといいって言って、気に入っちゃったらセーニャさんが買ってくれたの。女の子だから一つくらいあってもいいって」
マルティナ「そう........。ルナはこういうの好きだもんね。ちゃんとお礼は言ったの?」
ルナ「うん!」
ラース「それならいいか。ちゃんと大事にするんだぞ?セーニャにはお礼言っておかないとな」
マルス「あ!じいちゃんにも月の話ししてくるー!」
ルナ「あ!マルス、私も行くー!」
二人は王様の部屋に向かっていった
マルティナ「お疲れ様、グレイグ。カミュは知ってたけどセーニャまでいたのね。二人にもお礼しておかないと」
グレイグ「はい、二人がいてくれて非常に助かりました。は!わ、忘れる所でした。こちら、姫様とラースにお土産となります」
グレイグは青い月と星が一緒に描かれたハンカチをラースに、便箋をマルティナにに渡した
ラース「お、ありがとな、グレイグ。土産なんて話でよかったのに」
グレイグ「俺だけ楽しんでもとは思っていたからいいのだ。それとカミュとセーニャが言っていたのですが、ブルームーンは奇跡の満月とも言うそうです。見た者には幸運が訪れるとか。少しでも雰囲気をお二人に味わってほしくて」
マルティナ「ふふ、ありがとう、グレイグ。今度からイレブン達への手紙に使うわ」
ラース「そういやご飯は食べたのか?」
グレイグ「いや、まだだ。は!こ、この時間はもう夕食を過ぎてますか!」
ラース「まあコックに頼めば大丈夫だと思うぞ」
マルティナ「いざとなったら私達が作るわ。マルス達も呼んできましょう」
グレイグ「ありがとうございます」