次の日、デルカダール城
玉座の間
メグ「大変ご迷惑をおかけしました」
バン「もう大丈夫になりました!師匠や店長さんにグレイグ将軍、マルティナ様のおかげです!ありがとうございました!」
グレイグ「それはよかった。お店の方はどうするのだ?」
マルティナ「そうね。壊されちゃったのよね?お金とか大丈夫?」
メグ「一応修理をしたり、貼り直したりしてまた使っていく予定です。お店も続けていこうと思います」
ラース「そうか。なにかあれば言ってくれ。少しは協力するぞ。それとメグさんの悩みはいいのか?美味しいお菓子だったか?」
メグ「はい。私、気づいたんです。皆に好かれるような物なんて作れない。だからこれからも美味しいお菓子なんて作れないと思います。でも、そんな物でも誰かが美味しいと言ってくれる。心がこもっていれば、誰かがそれに気づいてくれる。
その言葉を信じて、支えにして何度でも作っていきます。それがいつか、私の中で皆に美味しいと思ってくれるようなお菓子になるまで」
ラース「ああ、そうだな。俺もメグの作るお菓子は美味しいと思っているぞ。懐かしい味がするんだ」
バン「師匠もでしたか!」
マルティナ「ふふ、そうね。メグさんのお菓子もとっても素敵よね」
メグ「ありがとうございます、マルティナ様。こちら、よかったら皆様で食べてください。私の作ったチョコレートケーキなんです。バンとの思い出のお菓子なんですよ」
メグは個包装されたケーキをそれぞれに渡した
グレイグ「おお、これがバンから聞いたチョコレートケーキなのか。どれ、ありがたく食べさせてもらおう」
ラース「へえ、思い出のお菓子か。それは期待できそうだ」
バン「絶対美味しいですから期待してもらって大丈夫ですよ!」
メグ「もう、バン。あまりハードルをあげないで」
バン「へへ、いいだろ?本当の事なんだからよ。それではマサルの事も含めて本当にありがとうございました!明日には俺も復帰しますんでまたよろしくお願いします!」
マルティナ「ええ、わかったわ。また明日ね」
その後、カフェ
メグ「さて、壊れちゃった椅子とかテーブルとか運んじゃいましょう」
バン「だな。俺がやるからメグは壁とか食器棚とか頼む」
メグ「ええ、そうね」
二人が作業を始めようとしていると
カラン
二人「?」
男性「あの、メグさん。噂に聞いたんですけど、お店を辞めるって」
常連客の男性が申し訳なさそうに入ってきた
メグ「え!?う、噂になっちゃってたの!?」
男性「と、という事はやっぱり本当に」
バン「あー、違う違う!それはメグが少し落ち込んでただけなんだ。今はまだ無理だけど、この店直したらまたいつも通りだぞ」
男性「ほ、本当ですか!!よかった〜.......」
メグ「心配かけてすみません」
男性「いえ、いいんですよ。俺も手伝いますよ。お二人では大変でしょう?」
バン「本当か!ありがとな!」
男性「あ!皆さん!メグさんのカフェがなくなるというのは間違いだったようですよー!」
男性は外に向かって声をあげている
二人「え?」
女性A「本当ですか!よかったー!」
女性B「私もめちゃくちゃビックリした。安心したわ」
メグのカフェの周りには少し人が集まっていた
メグ「こんなに........皆、私のお店が心配で?」
男性「はい、そうなんです。ほら、あんな厄介な人達に目をつけられててお店もこんな事になってどうなるのかって話があったんです。それで心配になって皆で来てみたんです」
バン「よかったな、メグ。皆、メグの作るものが美味しいから心配してくれたんだと思うぜ」
メグ「...........ふふ、よかった。私、何も間違ってなかったのね。誰かを満足させてあげる事が出来てたんだ」
女性A「私達も手伝います!メグさん、また無理してると心配だし」
女性B「バンさん、紐持ってきましたよ。壊れたテーブルとか畳んで結んじゃいましょう」
バン「よし!皆で片付け始めようぜ!」
全員「オー!」
夕方
メグ「これでもう片付け終わりね」
カフェにあった椅子やテーブルは全て捨てられ、壁紙や装飾なども一部変わっている
バン「やっぱり大勢いるとあっという間だな!それに俺も安心した。メグの料理はやっぱり皆にも親しまれてたんだなって思ってよ」
メグ「嬉しい限りだわ。これからまた頑張っていかないと」
バン「自信なかったらいつでも俺に相談してくれよな!俺がメグに自信を持たせるからな!」
メグ「うん、頼りにしてるね」
カラン
ロベルト「メグさん、バン、お疲れ様だな。って、ガラッと変わったな」
ガザル「うお!?テーブルとかほとんど何もねえ!」
ダバン「あ、まだやっぱり無理だったか?」
ロベルト達がやってきた
バン「おお!お前らか!どうした?」
メグ「ふふ、いらっしゃいませ」
ロベルト「先週に言っただろ?メグさんの新作のケーキを食べに行くって。オレンジとなにかのケーキ?なんだったよな」
ダバン「でも流石にまだ無理だったみたいだな。ロベルト、明後日くらいにしようぜ」
メグ「いえ、大丈夫ですよ。でも座る場所とかが」
ガザル「あ、作ってくれるんなら俺達はそのまま床にでも座るさ」
バン「悪いな、さっきまで片付けしてて今何も残ってないんだ」
ロベルト「楽しみで来てしまったが、メグさん達の事を考えてなかったな。メグさんはもう大丈夫なのか?」
メグ「はい、もう大丈夫です。皆様のおかげです」
ダバン「それなら安心した。バンから聞いていたがメグさんが少し心配だったからな」
メグ「それではオレンジとアプリコットのロールケーキと他はどうしますか?」
ガザル「それ三つで大丈夫だぜ。飲み物は水でいいさ」
メグ「わかりました。バン、ロベルトさん達と話してて。何もしないでいるのは退屈だろうから」
バン「おう!」
ロベルト「アプリコットだったのか。確かにあまり食べる機会はないものだな」
ダバン「初めて聞いたな。どんなやつなんだ?」
ロベルト「黄色い果実で少し酸味があるが、甘味も感じられるものだ。オレンジと相性はよさそうだな」
バン「そうだったのか!」
ガザル「いやお前は知っておけよ。食べたんだろうが」
バン「美味かったぞ!」
ダバン「それは前に聞いた、ってかこのやり取り前にもしただろうが!」
ロベルト「それにしてもメグさんも元気そうでよかった。バンも最近ずっと元気なさそうだったしな」
バン「俺、メグに何もしてやれてないってのは違ったんだ。メグに自信をあげていたんだってよ。へへ、気づかなかった」
ダバン「ま、お前の事だからそうだろうよ。俺だってお前に自信を貰う機会は多かったぞ」
バン「本当か!?へへへへ」
ガザル「おいダバン。調子にのるからやめろ」
バン「そんな事ねえよ!あ、それとさ、お前達もメグの店、支えてくれよ。この店は皆に支えてもらわねえと」
ロベルト「お店ってのはそういうもんだよ。客がきて、気に入って何度も利用してくれる。そうしていかないとお店は継続していけない。お店とお客は絶対に切り離せない関係だ。利用する立場としても支えていくのは当然だ」
バン「難しい事言っててよくわかんなかったけど、支えてくれるって事だよな?」
ロベルト「ああ、そうだよ」
ガザル「お前、もう少し理解する姿勢を見せろよな」
ダバン「あれで難しいは駄目だろ」
バン「うるせー!」