それから数日後、ホムラの里
ラースはホムラの酒を買いにやってきていた
ラース「さて、酒も買ったし後はヤヤク様の所に顔見せていくか。挨拶だけでもしておかないとな」
その時
リリー「あら?もしかして、ラースさんですか?」
ラースの近くには焔の店員でお手伝いのリリーがいた
ラース「ん?おお、確かリリーだったか。あの焔の店の」
リリー「はい!覚えていてくださって光栄です!こんにちは!今日はどうされましたか?」
ラース「実は俺、ここの名物酒が大好きでよ。よく買いに来てるんだ。ほら、今回も」
ラースは手に持っていた酒の瓶を見せた
リリー「ああ!なるほどです!ジンタさんもよくこちらのお酒を飲んでいらっしゃるんですよ。私は度数が高くて飲めないんですけど」
ラース「リリーはどうしてここに?店にいるはずじゃあ」
リリー「私は明日の節分に向けて恵方巻きの準備をしていた所なんです。色々買わないといけなくて」
ラース「セツブン?エホウマキ?知らないな」
リリー「あら、ご存知なかったですか?ホムラだけの行事なのでしょうか。えっとですね、節分というのは魔物による災難から守り、幸福を呼び寄せるための行事なんですよ。
それと恵方巻きというのは願い事を叶えるための食べ物でして、海苔にご飯を敷いてそこに好きな七種類の具材を入れた巻物を食べるんです。それを命の大樹のある方向を向きながら食べ終わるまで黙って食べるんです。そうすると願い事が叶うと昔から言われているんですよ」
ラース「ほうほう、中々面白いものなんだな」
リリー「お時間あるようでしたら、ラースさんもご一緒にお買い物しませんか?節分や恵方巻きに必要な物なども売ってますよ」
ラース「それはありがたいな。俺も一緒に行くか」
その後、デルカダール城 玉座の間
ラースはリリーから聞いた話をマルティナ達にしていた
ラース「んで、これがその聖水に浸したマメってやつで、恵方巻きに必要な海苔も買ってきたんだ。皆でやろうぜ、節分」
マルティナ「それは面白そうね。いいじゃない、やりましょう」
グレイグ「しかし、どちらも量が少ないのではないか?」
ラース「これは見本として買ったんだ。マメは大豆らしいから、それならコック達に言えばくれるだろうし、海苔も形や大きさを伝えれば用意してくれるだろうよ」
グレイグ「なるほど。マメを撒くとの事だが、どこに撒くのだ?」
ラース「あー..........聞いてなかったな。でも魔物役の人にぶつけるっていう人や家の中でやるって人もいるって言ってたような」
マルティナ「そこはあまり決められてはいないのね。なら、楽しくいきましょう。誰か魔物役になってもらって、その人に優しくマメを撒くって感じで」
グレイグ「ブレイブ達がいるが、本物では駄目なのか?」
ラース「いやグレイグ、お前魔物に聖水を浸したマメをぶつけるって.........いくらブレイブ達でも怒るぞ」
ラースはグレイグの発言に少し呆れている
グレイグ「む、それもそうだな。すまない、よくない発言だったな」
ラース「そうだ。楽しめるように少し変えてもよさそうだよな」
マルティナ「というと?」
ラース「マメを当てた点数で勝負するのはどうだ?わかりやすいようにマメにスプレーで色を付けておく。そうすれば当たったかわかるだろ?」
グレイグ「掃除が大変になる気がするのだが」
ラース「城内だけだし、そこまでたくさん付けないさ。いつもやってた城下町の飾り付けの片付けより楽だろ」
グレイグ「まあ........そうだな」
マルティナ「ふふ、それは楽しめそうね。私も賛成よ。お父様にもお話ししてくるわ。少し待ってて」
その後、訓練場
ラース「というわけで!魔物役を兵士達からも二人決める事になったぞ」
ラースは兵士達にも同じ話をしていた
バン「へー、節分って面白そうだな!魔物退治って事か!」
ベグル「魔物役は何人くらいなんですか?」
ラース「俺達の中から一人と兵士で二人だ。残りはマメ撒き役だな」
ガザル「ラース将軍、そんなマメを当てられる役なんてやりたくないです」
ラース「本気で当てるわけじゃないから大丈夫だ。子ども達のためにもと思ってやってくれないか?ゲームみたいにするから楽しむぐらいでいいからよ」
ラースはガザルの発言に苦笑いしている
ロベルト「どうやって決めますか?」
ラース「じゃんけんだな。それなら公平だろ」
ギバ「よし!これは負けたくねえな!」
ダバン「まあ乗り気にはならないよな。さて、皆いくぞー」
兵士達「じゃんけんポン!」
バン「げぇ!?俺、魔物役かよ!」
ガザル「だぁーー!負けたー!!」
ラース「決まったみたいだな。頼むぞ、バン、ガザル」
バン「まあ一応頑張ります」
ガザル「くっ.......なんでパーを出したんだよ、俺」
ベグル「ラース将軍!マメってどれくらい強くぶつけていいんですか!?」
ベグルはウキウキした様子で尋ねてきた
ラース「いやなんで当てる前提なんだよ。ちゃんと加減しろよ」
ベグル「わかりました!!周りに気をつければいいんですね!」
ラース「いや、だから..........まあいいや」
次の日、玉座の間
ラース「よし、皆準備は出来たか?」
全員「はい!」
ラース「簡単なルール説明だ。まずこの城内に魔物役が三人いる。その人に今持っている色付きのマメを当てたら一点だ。たくさん点数を稼いだ人の勝ち。もちろん魔物役の人は避けてくる。それもしっかり考慮して当てていけよ。
マメは一人二十個。あと入れる部屋にも制限がある。ここ玉座の間と各個室は入ったら駄目だからな。もし入ってもマメは撒くなよ?あと極力マメを思いっきり当てないように。もし怪我されても面倒だからな。他に質問はあるか?」
マーズ「はい、ラース将軍。何か一番になった人には報酬みたいなものとかあるんですか?」
ラース「もちろん用意してあるぞ。内容は一番になるまで秘密だ。あと魔物役の人にも、もし全部避けられたら特別な物も用意してある。頑張ってもらわないとだからな」
ダバン「となると、魔物役側も本気で避けてきそうですね。意外と難しいんじゃ」
ルナ「おとうさーん、コロとブレイブはどうするの?」
ラース「コロとブレイブはここで待機だな。微量でも聖水がマメについている。当たると嫌がられるぞ」
マルス「じゃあ仕方ないね」
ラース「まあこんなもんか。わからなかった時はその時に聞いてくれ。それじゃあゲーム開始だ!」
今年ってまさかの2月2日に節分だったんですね。なんて珍しい......。知るのが少し遅くてこの話が遅れてしまった。まあいっか!(投げやり)