ドラゴンクエストⅪ 魔法戦士の男、恋をする   作:サムハル

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一騎討ち

 

バン「.........確かに平和に終わるならこのまま帰るのが一番です。でも!俺、それじゃあ嫌です!もう一人の自分がこんな事しておいて、それを放っておくなんて出来ません!」

 

 

 

 

村長「気にせんでよいのじゃ、バンよ」

 

 

 

 

バン「いえ、嫌です!俺、もう決めました!もう一人の俺に会いに行きます!それで俺が本当の俺なんだと証明してやります!」

 

 

 

 

ベル「だが、魔物の姿なのだぞ。バンといってももう人間ではない。どうするつもりだ」

 

 

 

 

バン「えっと〜.........会えばわかりますよ!」

 

 

 

 

マーズ「お前な.......こんな時にそんな適当に済ませるなよ。自分の問題でもあるんだぞ」

 

 

 

 

バン「で、でもよ!俺が二人ってのも気味悪いし、一人にしておきてえじゃん?それに大丈夫だ!同じ俺ならもしかしたら話出来るかもしれねえ。無理なら俺がベルの母ちゃん達の分までぶっ飛ばす!」

 

 

 

 

ラース「全く........。こうなったら止まらねえんだから。決めたんだな?バン」

 

 

 

 

バン「はい!」

 

 

 

 

ラース「なら、やり遂げてこい」

 

 

 

 

バン「はい!!」

 

 

 

その後、山頂 小さな遺跡

 

 

 

バン「ここに魔物の俺が」

 

 

 

 

村長「気をつけるのじゃぞ、バン。相手はお主といえど魔物。力はお主より強いじゃろう」

 

 

 

 

バン「大丈夫です、村長!俺も負けないくらい強いので!」

 

 

 

 

マルティナ「私達もついていきたいのだけど.......それは野暮よね」

 

 

 

 

ベル「本当に大丈夫なのか?バン」

 

 

 

 

バン「ああ!ちょっと待っててくれよな」

 

 

 

バンは遺跡の中に入っていった

 

 

 

村長「うーむ........やはり不安じゃ。元は同じ者であったバンが割れて戦うなぞ。人間のバンがどれほど強いのかは存ぜぬが、魔物のバンの強さはよくわかっておる。もしも負けてしまった場合、バンはどうなる」

 

 

 

 

マーズ「大丈夫です、村長。バンはデルカダール王国の兵士長。決めた事は必ずやり遂げる男です。それをずっと俺は見てきました。きっと今回だって」

 

 

 

 

ベル「村長、人間のバンが負けた場合、どうなるのですか?」

 

 

 

 

村長「私にも想像でしかないが、おそらくはバンという魔物が生まれる事になる。人間のバンを倒す、もしくは一つに戻る事でより強い力を持つやもしれん」

 

 

 

 

マルティナ「そんな事にはならないと信じてるわ。バンは強いもの。絶対大丈夫」

 

 

 

 

ラース「逆も然りという事だな。人間のバンが勝てば、魔物のバンは消えて人間のバンだけになる。もしかしたらより強くなって戻ってくるかもな」

 

 

 

遺跡 内部

 

 

 

バンは大きな扉を開けるとそこには自分と同じ姿をしたバンがいた

 

 

 

魔物バン「やはり来たか、私よ」

 

 

 

そのバンは体こそバンと同じだが、皮膚の色は全て黒くなっている。赤く光る目が遺跡内でとても目立っている

 

 

 

バン「魔物の俺か。おい!俺!元に戻ろうぜ!」

 

 

 

 

魔物バン「戻る?何をふざけた事を。俺はお前でもある。お前の暴れたい心、衝動性そのものだ。ようやく自由に力を使えるようになった。戻ってたまるものか!」

 

 

 

 

バン「暴れてえなら訓練でいっぱい出来る!だから戻ってこいよ!」

 

 

 

 

魔物バン「私が望むは血。貴様のような生温い衝動などヘドが出るわ!」

 

 

 

 

バン「..........駄目なのかよ」

 

 

 

 

魔物バン「それよりも貴様は邪魔だ。私の糧になってもらおう」

 

 

 

 

バン「そんなのはごめんなんでね。悪いけど、俺!ぶっ飛ばさせてもらうぜ!」

 

 

 

 

魔物バン「ふざけおって!!」

 

 

 

遺跡前

 

 

 

ラース「村長さん、さっき話してたバンの両親。ナーシャさんとゲインさんだったな。どんな人だったんだ?姿とか」

 

 

 

 

村長「そうですね。ナーシャは村の外からやってきた者でして、この村で皆の胃袋役。つまり、コックをしていました。面倒見もよくてですね、酔っ払った人などを介抱したり、風邪をひいた子どもには看病や食事を別に作ったりもしていました。

 

 

 

ゲインは魔物らしく頭にツノが二本生え、体毛は緑でした。そこまで大柄ではなかったのですが、見た目にそぐわぬパワーを持っておりました。村にやってきたのはお腹を空かせていたからでした。そこをナーシャがご飯を作ってやったのです。ゲインはまあそれは驚くほどに食べてナーシャも嬉しそうにしていました。

 

 

 

最初こそゲインは疎まれていましたが、その魔物らしからぬ優しさや自慢のパワーで私達を幾度も助けてくれました。眩しい笑顔をしており、よく笑う方でした。バンとそこは似ておりますね」

 

 

 

 

ベル「話されて思い出した事があります、村長。確か祠の近くにある絵にそのような二人組が描かれていたような」

 

 

 

 

村長「おお!そうじゃったな。それがまさにナーシャとゲインだったはず。結婚した時に記念に描かれた物です。後ほどご覧になってみてください」

 

 

 

 

マルティナ「バンのご両親ね。挨拶はしておかないとね、ラース」

 

 

 

 

ラース「だな。どんな見た目か少し気になるな」

 

 

 

その時

 

 

 

ドガァン!!

 

 

 

全員「!?」

 

 

 

目の前にある遺跡が粉々に砕けた

 

 

 

村長「ヒエエエ!!」

 

 

 

 

ベル「村長!」

 

 

 

ベルは村長の前に出た

 

 

 

マーズ「なんだ!?」

 

 

 

土煙が晴れていくと

 

 

 

魔物バン「ハァ........ハァ、やるな、貴様。私も鈍っているせいかうまく動かん」

 

 

 

 

バン「ゼェ、ゼェ。俺こそ、変な技ばっかり使いやがって」

 

 

 

二人のバンが多少ボロボロになっていた

 

 

 

ラース「あれが魔物のバンか」

 

 

 

魔物のバンは体毛は緑になっており、頭から一本のツノが生えている。目は赤く光り、闇のような黒い物体で出来た剣を持っている

 

 

 

魔物バン「このままではラチがあかん。ケリをつけさせてもらうぞ!」

 

 

 

魔物のバンをバンに向かっていく

 

 

 

バン「!こい!」

 

 

 

バンは槍を構えて防御している

 

 

 

魔物バン「その体!私の物になれ!」

 

 

 

魔物のバンの体は槍をすり抜け、バンの中に入っていった

 

 

 

バン「!!?」

 

 

 

 

全員「!?」

 

 

 

 

マーズ「え!?と、取り込まれた!?」

 

 

 

 

バン「ぐ.........ぐうううう」

 

 

 

バンは苦しそうにもがき始めた

 

 

 

マルティナ「バン!!」

 

 

 

マルティナはバンに駆け寄って行こうとするが

 

 

 

ガン!

 

 

 

マルティナ「な、なにこれ?くっ!!これ以上行けない!」

 

 

 

透明な壁がバンに近づかせないようにしていた

 

 

 

ベル「まさかこれもあの魔物のバンの仕業!?」

 

 

 

 

ラース「バン!!俺達の声が聞こえるか!」

 

 

 

マルティナ達は壁の前で必死に声をあげる

 

 

 

バン「ぐうっ........聞こえ............」

 

 

 

バンの体から黒い瘴気のようなものが出ている

 

 

 

村長「いかん!!このままではバンは魔物になってしまう!」

 

 

 

 

マーズ「なんだって!?体内から取り込もうとしてんのかよ!」

 

 

 

 

ラース「バン!!お前、決めたんだろ!!ここで魔物の自分を倒して、人間の自分が自分なんだって証明するんだろ!!俺の弟子なら!!決めた事貫きやがれ!!」

 

 

 

 

バン「................し...しょ......う」

 

 

 

 

マルティナ「立ちなさい!バン!こんな所で終わるあなたじゃないでしょう!デルカダールを守る兵士長がこんな無様な負け方許さないわよ!」

 

 

 

 

マーズ「ベグルもギバもダバンも俺もロベルトもガザルも、お前を待ってるからな!勝っていつものお前でいる事を信じてるからな!負けんなよ!」

 

 

 

 

バン「.........へ、へへ」

 

 

 

バンの体から出る瘴気が止まった

 

 

 

バン「よく......聞け........俺。俺は..........お前よりも........強いぞー!!」

 

 

 

ドサ

 

 

 

バンがゆっくりと立ち上がり、そう力強く叫ぶとそのまま倒れていった

 

 

 

全員「バン!!」

 

 

 

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